子どもに仮想環境下での英語没入体験を提供する語学学習Novakidが38.2億円調達

もし母国語以外の言語で流暢に話せるようになりたいなら、対象言語へどっぷり浸ることが重要だ。ネイティブスピーカーに囲まれて過ごすことは、発音、文脈構築、そして何よりも自信をつける役に立つ。

しかし、もしあなたがスペインで英語を学んでいる8歳の子どもで、夏に米国への1人旅をすることは難しいとしたら?

Maxim Azarov(マキシム・アザロフ)氏が創業したNovakid(ノバキッド)は、そうした子どものための次善の選択肢になることを狙う。サンフランシスコを拠点とするこのEdTechスタートアップは、ライブ授業からゲーミフィケーションまでのさまざまなサービスを組み合わせることで、4歳から12歳までの子どもたちに仮想環境下での英語没入体験を提供する。

2020年12月に425万ドル(約4億6000万円)のシリーズAラウンドを終了したNovakidは、今回Owl VenturesとGoodwater Capitalが主導する3500万ドル(約38億2000万円)のシリーズB資金調達を行ったことを発表した。PortfoLion、LearnStart、TMT Investments、Xploration Capital、LETA Capital、BonAngelsなどの既存の投資家もこのラウンドに参加した。

スタートアップが資金調達したのは、2021年の好調なスタートに応えるためだ。同社のアクティブなクライアントベースは、前年比で350%増加し、現在5万人以上の有料生徒がいる。このお金は、より多くの生徒をそのツール環境に誘い込むために使われるだけでなく、英語を学びたい話者の人口が多い国際市場に対するNovakidの拡大を後押しするために使われる。

同社の一連のサービスは、2つの原則に基づいて構築されている。1つは、幼い学習者を英語の世界に心から没頭させること、もう1つは、実際に楽しく利用できるようにすることだ。

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1人のユーザーがサインアップすると、まず最初に最初の授業として、Novakidの2000人のライブチューターの1人に接続される。チューターは、学士以上の学歴を持つ英語のネイティブスピーカーで、同時にDELTA、CELTA、TESOL、TEFLなどの国際的な教育資格も持っている。

アザロフ氏は「心理学的にみても、本当に重要なことの1つは、言語を聞き始めて、そして生きている人と交流することを始めて、何かがわからないことを恐れないようにすることです」という。同社は、子どもたちが母国語を学んだときのような条件を再現したいと考えている。

授業では、チューターは英語しか話さない。生徒たちはそれをゆっくりと真似ながら、間違いも重ねつつ自信をつけていくことが期待される。ライブの動画ベースの授業はNovakidの製品の重要な部分を占めているが、アザロフ氏は、彼の会社のが提案する価値は「教師へのアクセスを提供するだけではありません」と語る。

「競合他社のほとんどは、教師をリモートでアクセスできるようにしているため、生徒は出かける必要がなく、選択肢も豊富です」と彼はいう。「しかし、業界全体や、言語学習業界にコンテンツを提供しているオックスフォード、ケンブリッジ、ピアソンのようなプレイヤーを眺めた場合、基本的に彼らの製品はひどいものなのです。本当に劣悪です」。そこで、Novakidはそのエネルギーのほとんどを、より優れたデザインを備え、ゲームも含むカリキュラムの再構築に費やしているのだ。

ゲーム化されたコンテンツは、授業の内と外の両方に存在している。授業中には、教師が生徒をVRを使ったツアーに連れて行き、有名なランドマークや美術館を巡って、語彙を練習することができる。自分のペースで進められるコンテンツの中には、2人の生徒が特定の時間内に質問に答えることで高得点を競いあう、マルチプレイヤーゲームのように見えるものもある。Novakidには、ゲームのデザインと開発に専念するチームを抱えている。

生徒たちも馴染んでいる。現在Novakidのユーザーは、全時間の3分の2をチューター相手にウェブ上で過ごし、残り3分の1は自分のペースで進められるNovakid社内で開発されたコンテンツに費やしている。同社はこの割合を逆転させたいと思っている。なぜなら文法や語彙に関する非同期コンテンツに時間を費やす生徒が増え、教師は会話や会話などのより複雑な情報のために予約されることが多くなっているからだ。

言語学習ビジネスを拡大することの難しさの一部は、ユーザーにやる気を維持してもらう必要がある点だ。ゲーミフィケーションはエンゲージメントに役立つものの、Novakidの子どもの顧客は、成人学習者と比べると、単に優先度が理由ですぐに解約する可能性がある。アザロフ氏は、子どもだけに販売することを不利な材料と見なす人もいることは知っているものの、彼自身はその特化を差別化とみなしているのだと語る。

「より集中することで、ブランド価値が向上します」と彼はいう。「子どもたちが言語を学ぶ方法は、大人が言語を学ぶ方法とは大きく異なります。そして『すべての人にすべてのこと』を行う一般的なプレイヤーが、私たちのように子どもたち相手の教育を行うことができるとは思いません」。Duolingo(デュオリンゴ)は最近、何百もの短い形式のエクササイズを備えた無料の英語リテラシーアプリDuolingo ABC(デュオリンゴABC)をリリースした。新規公開を果たしたDuolingoは強力なブランドを保持しているが、Novakidの戦略は、ライブ学習とスピーキングに関するサービスを追加することによる差別化だ。

これまでのところ、同社はその戦略が上手く行っていることを証明している。同社の2020年の収益は900万ドル(約9億8000万円)だったが、2021年には3600万ドル(約39億3000万円)から4500万ドル(約49億1000万円)の収益が見込まれている。チームの多様性に関する詳細は明らかにしなかったが、今後はかなり集中的な採用活動を開始する予定だ。アザロフ氏は、今後6カ月で現在300人の会社に200人を追加する予定だ。

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:sako)

子供向け英語学習アプリのNovakidがシリーズAで約4.4億円を調達

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で子供の教育に大混乱が生じ、EdTechのスタートアップは成長している。いまのところ、毎週のように新たな資金調達が明らかになっているように思えるほどだ。

今度はNovakidの番だ。同社は子供向けのESL(English as a Second Language、第2言語としての英語)学習を手がけるEdTechスタートアップの1つだ。同種のソリューションがたくさんある中、シリーズAで425万ドル(約4億4000万円)を調達したNovakidにチャンスはある。このラウンドはハンガリーを拠点とするPortfoLion(東ヨーロッパの主力銀行であるOTPのグループ企業)と、EdTechを対象としていることで知られる米国ファンドのLearnStartが主導した。LearnStartは、以前にVIPKIDやBrilliant.orgを支援したLearnCapital VCの一員だ。TMT InvestmentsとXploration Capitalもこのラウンドに参加した。150万ドル(約1億6000万円)を調達した2020年1月の資金調達ラウンドには、韓国を拠点とするBonAngelsとLETA Capitalの2社のシードインベスターが参加した。

Novakidの教授法はAsher(アッシャー)、Thornbury(ソーンベリー)、Krashen(クラッシェン)、Chomsky(チョムスキー)の言語習得理論に基づいており、4〜12歳の子供に特に適している。米国で法人化し、ヨーロッパを中心に開発とカスタマーサポートをしている。

共同創業者でCEOのMax Azarow(マックス・アザロフ)氏は次のように述べている。「Novakidは主に話されている言語が英語でない国や地域にいる子供たちの英語学習を再発明します。そうした国や地域では英語は通常、文法を中心に抽象的な教科として教えられ、実用的な演習はあまりありません。これに対してNovakidは、極めてインタラクティブなデジタルのカリキュラムとライブの個人指導セッションを組み合わせた独自の形式を提供しています。ライブのセッションでは完全に英語漬けになるために学習者とチューターが英語のみで会話をします」。

PortfoLionのパートナーであるAurél Påsztor(オーレル・パスター)氏は次のようにコメントした。「Novakidは素晴らしい成長を遂げていることから投資家の注目を集めました。対前年比で学習者数も収益も500%以上増加しています。他にも、顧客のリテンションが高い、国際的にビジネスを広げている、有料サブスクリプションで確実に収益化しているといった点が魅力です」。

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画像クレジット:Novakid

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(翻訳:Kaori Koyama)