ブティックホテルテックプラットフォームNUMAがポストパンデミックでのノマドな労働力ニーズに応える約51.9億円調達

米国を拠点とするSonderは、テクノロジーを駆使したホスピタリティを提供する企業だ。同社は5億2960万ドル(約611億8500万円)を調達した。リモートワークにより人口の移動が圧倒的に多くなったポストパンデミックな世界で、このグローバルでノマドな労働力ニーズに応えるため、同様の事業者が資金調達を行っている。

私たちがNUMA Group(NUMAグループ、当時の社名はCosi)を取りあげたのは、2019年に同社がブティックホテルに代わる「フルスタック」のホスピタリティを提供するために500万ユーロ(約6億5800万円)を調達したときだった。その後、2000万ユーロ(約26億3400万円)を調達したときにも取り上げた。

今回、NUMA GroupはDN Capital Group(DNキャピタル・グループ)(以前はAuto1、HomeToGo、Shazamも支援していた)が主導するラウンドで成長資本として4500万ドル(約51億9800万円)を追加調達した。この投資の共同リードはHeadline(旧eventures)である。また、Cherry Ventures(チェリー・ベンチャーズ)、Soravia(ソラヴィア)、Kreos Capital(クレオス・キャピタル)、TruVenturo(トゥルーベンチュロ)、Scope Hanson(スコープ・ハンソン)が参加している。

NUMAはベルリン、ミュンヘン、ローマ、ミラノ、マドリッド、バルセロナ、ウィーンで約2500室のブティックホテルを提供。投資家、不動産所有者、デベロッパー、ホテル経営者と提携し、テクノロジーを駆使した部屋を構築している。このプラットフォームは、ビジネスプロセスの自動化、インテリジェントな価格設定、稼働率の向上を通じて、ホテル経営者の利益を増大させるように設計されている。ドイツに本拠を置くNUMAグループは、2021年にスペイン、イタリア、オーストリア、チェコ共和国に進出した。

NUMAグループのCEO、共同創業者であるChristian Gaiser(クリスチャン・ガイザー)は「私たちの明確な目標は、NUMAをヨーロッパのまったく新しいホテルの時代における、圧倒的なテクノロジーと創造的なソリューションのプロバイダーとして確立することです。NUMAは、パンデミックを利用して、ビジネスモデルの回復力を証明しました。NUMAのコンセプトと独自の技術を使って、新型コロナにもかかわらず500%の収益増と85%の予約占有率を達成したのです」と述べている。

NUMAがSonderと大きく異なる点は、宿泊客から見て、NUMAはより幅広い層を対象としていること(Sonderはより高い価格帯にフォーカス)だ。さらに「NUMA go」という「技術フランチャイズ」ソリューションを開始し、売上の一定割合を条件に、NUMAの技術スタックをサードパーティのホテル経営者に提供していることだ。

DN Capital Groupの創設者兼マネージングパートナーであるNenad Marovac(ネナド・マロヴァチ)氏は「我々はNUMAの戦略、業績そして非常に厳しい市場環境下での一貫した拡大に非常に感銘を受けています。NUMAを支えるチームは、新型コロナにもかかわらず、一貫して高い稼働率と部屋の持続的な収益性を達成しています。NUMAのビジネスモデルは、不動産パートナーやオペレーターにとって魅力的なリスクリワードプロファイルを提供し、そして最も重要なことは、現代の旅行者にまったく新しい旅行体験を提供することです」と述べている。

画像クレジット:NUMA Group

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(文:Mike Butcher、翻訳:Akihito Mizukoshi)