Nuroの最新自律型配送ボットは一般商業向け、外装にエアバッグも搭載

Nuro(ニューロ)は米国時間1月12日に、商業的な自律配送戦略の最後のピースの1つを披露した。

元GoogleのエンジニアであるDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏とJiajun Zhu(ジアジュン・ズー)氏が2016年6月に創業して以来、21億3000万ドル(約2443億円)以上を調達したこのスタートアップは、商業運用向けに設計され、BYD North Americaと提携して製造した第3世代の電気自律型配送車両を発表した。

Nuroは、人ではなく荷物を運ぶために設計されたこの配送ボットのために、アルファベット数字の命名法(R1、そしてR2)をやめた。その代わり、この車両は「Nuro(ニューロ)」と呼ばれている。このロボットを大衆に紹介するためのセルフタイトルアルバムのようなものであり、同社の中でのこのフラッグシップモデルの位置づけを示す名称でもある。つまりは「Nuro 」が一番上だ。

Nuroボットは、歩道を走る宅配ボットではない。この新世代も、Nuroのこれまでのモデルも、すべて路上を走るためのものだ。

画像クレジット:Nuro

前モデルの2倍の荷室容量を持ち、カスタマイズ可能な収納と、荷物を保温・保冷する温度調節可能なコンパートメントを備えた新しい「Nuro」ボットは、自動車生産グレードの車両だ。これは、このボットが、天候やくぼみ、人による乱暴な扱い、長時間の走行など、配送車両に求められる過酷な条件に対応できるよう設計・製造されたものであることを意味する。

また、Nuroは、歩行者や自転車に乗っている人など、車両に接触する可能性のある人たちを保護するための安全機能も備えている。この車両はカメラ、レーダー、LiDAR、サーマルカメラなど数種類のセンサーを搭載し、360度の視界を確保しており、1つが故障した場合の冗長性も備えている。

また万が一、人や物に接触した際に作動する外装エアバッグも注目すべきアイテムの1つだ。

画像クレジット:Nuro

ボットの歴史

当初、同社は、アリゾナ州とテキサス州で試験的に食料品の配達や、テスト用にトヨタのプリウスセダンを改造して使用していた。

同社は2018年12月、荷物専用の車両への第一歩となるR1に移行した。

その第2世代の車両R2は2020年2月に導入された。ミシガン州のRoush Enterprises(ルーシュ・エンタープライズ)と提携して米国で設計・組み立てられたR2は、LiDARやレーダー、カメラなどを搭載し「ドライバー」が周囲を360度見渡せるようになった。

しかし、米国運輸省道路交通安全局が通常要求するいくつかの機能が欠けていた。3年にわたる規制当局との協議を経て、Nuroは米国運輸省道路交通安全局からR2車両のドライバーレス免責を取得した。この免除により、サイドミラー、フロントガラス、前進時に停止するリアビューカメラを搭載していないにもかかわらず、車両は走行することができるようになった。

また、Nuroは、カリフォルニア州で(顧客への請求ができる)自律走行車の配送サービスを運営するために必要なすべての承認と許可も得ている。

この新しい「Nuro」ボットは、少なくとも現時点では、商業的な目標に向けた最後のステップだ。

砂漠でボットを作る

同社は、まだNuroを市場に大量に解き放つ準備ができていない。しかし、それは近づいている。

Nuroは豊富な資金を調達し、著名なパートナーとともに車両を試験的に導入し、従業員も1200人を超えるまでに成長した。

5年足らずの間に、Greylock Partners(グレイロック・パートナーズ)、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、T. Rowe Price Associates Inc.(T. ロウ・プライス・アソシエイツ・インク)などの著名な個人投資家や機関投資家を惹きつけてきた。数カ月前に発表された最新の6億ドル(約687億円)の資金調達ラウンドは、新しい投資家であるTiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)が主導し、Baillie Gifford(ベイリー・ギフォード)、Fidelity Management & Research Company(フィデリティ・マネジメント&リサーチ・カンパニー)、LLC、Gaorong Capital(高榕資本)、Google(グーグル)、Kroger(クローガー)、SoftBank Vision Fund 1、T. Rowe Price Associates, Inc、 および Woven Capital(ウーブン・キャピタル)が助言するファンドおよびアカウントが参加している。

Nuroは7-Eleven(セブン-イレブン)、CVS 薬局、Dominos(ドミノス)、FedEx(フェデックス)、Kroger食料品店、Walmart(ウォルマート)など、有名なパートナーも獲得している。

現在、その資金の一部を使って、ネバダ州南部に4000万ドル(約45億円)の最終製造施設とクローズドのテストコースを建設している。また、同社は、ラスベガス・モーター・スピードウェイの74エーカーの土地を借りて、路上自律走行車の開発と検証を可能にするクローズドコースのテスト施設を建設する予定だ。このテストコースでは、歩行者やペットの回避から、共有道路での自転車へのスペース提供まで、幅広いシナリオでのボット性能を測定する他、環境試験や車両システムの検証を行うと、同社は以前から述べている。

サプライヤーであるBYD North Americaが新モデルのハードウェア部品を組み立てる。その後、Nuroの新施設で完成され、ボットは配備に向けて準備される。

「BYDはNuroとのコラボレーションを非常に重要視しています」と、BYD Co. Ltd.の取締役副社長兼BYD Motors Inc.の社長であるStella Li(ステラ・リ)氏は、声明で述べている。BYDはランカスター工場の製造能力を活用してNuroを支援し、カリフォルニアに雇用をもたらすと、リ氏は付け加えた。

Nuroは具体的な生産能力を明らかにしていない。同社は、この施設には年間「数万台」の配送車を製造し、テストする能力があるとしている。また、ネバダ州の施設は2022年中にフル稼働するという以外、スケジュールを明かさなかった。2021年11月に現地で建設が開始された。

Nuroは、これらの商用グレードのボットが最初にどこに配備されるのかについては言及しなかったが、同社は、既存のパートナーであるKrogerと、新しいNuroの配送ボットを使用することで正式な合意に達したことを確認した。

画像クレジット:Nuro

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Yuta Kaminishi)

セブン-イレブンとNuroがカリフォルニアで自律走行による配送サービスを試験的に開始

コンビニエンスストア大手の7-Eleven(セブン-イレブン)は、Nuro(ニューロ)と提携し、シリコンバレーの中心地であるカリフォルニア州マウンテンビューにおいて、自律走行車による商業配送サービスを試験的に開始する。

このサービスは、米国時間12月1日からセブン-イレブンの配送アプリ「7NOW」で利用できるようになり、最初はNuroの自動運転のプリウスを使用する。最終的には、人ではなく荷物だけを運ぶために特別に作られたNuroのR2配送車を使用する予定だ。

セブン-イレブンは、これまでにも自律走行による配送の実験を行ってきた。2016年には、ネバダ州リノで、ドローン企業のFlirtey(フリルティ)と共同で自律配送の実験を行った。今月、韓国でセブン-イレブンの店舗を運営する同社は、地元のスタートアップ企業であるNeubility(ノイビリティ)が開発した歩道用配達ロボットを使用したテストをソウル南部地区で開始した。

Nuroとの提携は、研究開発ではなく商用サービスとして行われる。しかし、同社の広報担当者は、やはりこれを試験的なものと表現している。これは商業事業になるが、少なくとも最初は限定的なものになるだろう。

Nuroは、他の多くの企業と同様に、商業事業を開始するための規制や技術的なロードマップを何年にもわたって通過してきた。Nuroは2020年12月に、カリフォルニア州の公道で商用のドライバーレスサービスを運営するために必要な最終的な必要許可を得た後、2021年初めに商用配送業務を開始する予定であることを示唆していた。それが遅れ、今になってキックオフされたようだ。Nuroは、カリフォルニア州の自動車局から許可を得て、この規制のハードルをクリアした最初の企業だった。

その際、Nuroは予定されている商業パートナーや都市の名前を挙げていなかった。同社が地元のマウンテンビューを最初のスタート地点として選んだのは、理に適っている。

Nuroはこれまでに、Kroger(クローガー)やFedEx(フェデックス)など、カリフォルニア以外の地域でも数多くのパイロットを行ってきた。

関連記事:自動配送NuroがFedExと提携、配送ロボをライスマイルデリバリーに大規模導入

また、マウンテンビュー以外の地域に進出する時期や、最初に進出するセブン-イレブンの店舗についても、具体的なスケジュールは決まっていない。この町にはいくつかの店舗があるが、今のところ、客がスラーピーやスナックを配達してもらえるのは、マウンテンビューの1905 Latham St.にあるセブン-イレブンだけとなる。将来的には、より多くの郵便番号に対応するよう拡大する意図があると、Nuroの広報担当者はTechCrunchへのメールで述べている。

Nuroは、R2ボットに切り替える時期についても明らかにしていなかったが、それが最終的な目標だ。広報担当者によると、Nuroとセブン-イレブンは、R2を宅配便に導入する共同決定をできるだけ早く行うという。

今のところ、顧客は7NOWアプリでドリンクやスナックを注文すると、マウンテンビューで午前8時から午後9時までの間、追加料金なしでNuroの自律走行車が配達してくれる。注文が処理されると、他の配送アプリと同様、アプリからアップデートが送られてくる。両社によると、注文は約30分で届くとのことだ。なお、アルコール、たばこ、宝くじなどの年齢制限のある商品は、自律走行車による配送では利用できない。

今回の提携は、Nuroが新たな投資家であるTiger Global Management(タイガー・クローバル・マネジメント)を中心とした資金調達ラウンドで6億ドル(約678億円)を調達したと発表してからわずか数週間後のことだった。同社は、この資金を商業活動の強化に充てるとしている。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Akihito Mizukoshi)

自動配送NuroがFedExと提携、配送ロボをライスマイルデリバリーに大規模導入

Nurl(ニューロ)は2016年に元Google(グーグル)エンジニアのDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏とJiajun Zhu(ジアジュン・スー)氏が設立した自動配送のスタートアップだ。このほど同社はFedEx(フェデラルエクスプレス)と提携して荷物輸送事業に参入する。

米国時間6月15日に発表された複数年複数フェーズの戦略的提携は、Nuroの次世代自動配送車をFedExの運用に組み込むテストおよび最終的な実運用を目指している。このロボット車はNuroの最新ロボットR2に続くものだ。自動運転分野の他社と異なり、Nuroの焦点は常に、低速度電気自動運転車で人ではなくパッケージを運ぶことだ。ただしその「パッケージ」は、食料品、料理、さらには医療用品の配達が中心だった。例えばコンビニエンスストア、Domino’s(ドミノ)、Kroger(クローガー)などと提携してきた。

FedExとの契約は同社にとって初めての小荷物配達への参入だ。パイロットプログラムはすでにテキサス州ヒューストンが始まっている。今回の複数年の取り組みによって、Nuroは同社のテクノロジーをより多くの人に新しい方法で届けることが可能になり、最終的には大規模な展開を目指している、とNuroの提携責任者であるCosimo Leipold(コシモ・リーポルド)氏は言った。

FedExはこれまで独自の自動運転技術に取り組んでいて、歩道を走る配達ロボットはよく知られている。Roxo(ロクソ)と名づけられたSameDay Botは、DEKA Development & Research Corpと、同社のファウンダーでSegway(セグウェイ)と車イスのiBot(アイボット)を発明したDean Kamen(ディーン・ケイメン)氏と共同で開発された。FedExが最初にSameDay Botを発表したのは2019年2月だった。そのFedExボットは、ライダーなどのセンサーと複数のカメラを装備し、機械学習アルゴリズムと組み合わせることによって、障害物を避けて安全な経路をたどり、かつ道路や歩道の交通ルールを守る。

当時同社は、AutoZone(オートゾーン)、Lowe’s(ロウズ)、Pizza Hut(ピザハット)、Target(ターゲット)、Walgreens(ウォルグリーンズ)、およびWalmart(ウォルマート)との共同で、自動ロボットを自社の配送ビジネスに適用する可能性を探ろうとした。FedExの狙いは、小売店が近隣の顧客からの注文を受け、ロボットを使って顧客の自宅や職場に同日配達することだった。同社は、テネシー州メンフィス、テキサス州のプレイノとフリスコ、およびニューハンプシャー州マンチェスターでテストを実施した、と広報担当者は言っていた。

Nuroとの提携は、歩道から離れて車道に進出するものだ。NuroのR2は大型で公道を走るように設計されており、重い荷物を遠くまで運ぶことができる。

FedExは、Nuroの自動運転ロボットをライスマイルデリバリーに大規模導入する長期契約を結んだと語った。

「イノベーションはFedExの礎であり、今後も会社のカルチャーとビジネス戦略の重要な部分でであり続けます」と先進技術およびテクノロジー担当副社長、Rebecac Yeung(レベッカ・ユン)氏は語った。

関連記事:トヨタの投資ファンドWoven Capitalが自動配送ロボティクスNuroに出資

カテゴリー:モビリティ
タグ:NuroFedEx配送自動運転ロボット配達

画像クレジット:Nuro

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ドミノ・ピザがヒューストンで無人のピザ配達を開始、自律配達車両スタートアップNuroと提携

4月12日の週から、米テキサス州ヒューストンでDomino’s(ドミノ・ピザ)にピザを注文する顧客の一部は、人間と接することなく商品を受け取れるようになる。

米国時間4月12日、Domino’sは自律配達車両スタートアップのNuroと提携し、顧客はNuroのR2ロボットから家の前でピザを受け取る方法を選べるようになると発表した。

Domino’sのシニアVP兼最高イノベーション責任者のDennis Maloney(デニス・マロニー)氏は発表の中で「我々には自律配達の分野で学ぶべきことがまだたくさんあります。このプログラムによって我々はお客様の反応、お客様とロボットとのやりとり、ストア運営への影響をもっと理解できるようになるでしょう」と述べた。

いずれかの時点で、Domino’sのウェブサイトでWoodland Heightsストアに注文するとR2を選べるようになる。R2はレーダー、360度カメラ、赤外線画像により動きを制御する。ロボットの場所や、ピザを受け取るためにロボットのタッチスクリーンに入力するPINコードは注文者にテキストメッセージで通知される。

コロナ禍で非接触の自律食品配達業界は急速に成長し、現在Nuroはこの分野のリーダーになりつつある。

Nuroの共同創業者で社長のDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏は発表の中で「Nuroのミッションはロボットで生活を向上させることです。我々の自律配達ロボットをヒューストンでDomino’sのお客様に使っていただけることになり、たいへんうれしく思っています。お客様の感想を楽しみにしています」と述べた。

ヒューストンの公道で電動の無人自動運転車両が料理を配達するのはこれが初めてだ。住宅地であるWoodland Heightsはヒューストンでは最も古い歴史的地区の1つで、高速道路のI-45とI-10にはさまれている。この街のDomino’sはメインの大通りであるHouston Avenueに面しているため、このテクノロジーのテストをするには相当難しい場所だ。

Nuroは元々、Domino’sとの提携およびヒューストンでのテストを2019年に発表していた。同年には、ヒューストンとアリゾナ州フェニックスでスーパーのKrogerの配達サービスを開始した。2020年末にはカリフォルニアの公道でのテストが許可され、ウォルマートやCVSなどのパートナーから商品を配達している。Nuroは米運輸省から無人運転車両に関する安全規定適用除外を承認された初の企業だ。

Nuroがレストランの配達に大規模に進出するのはDomino’sが最初のようだが、間違いなくこれが最後ではないだろう。NuroはシリーズCで5億ドル(約547億円)を調達したと発表したばかりで、メキシコ料理チェーンのChipotleがこのラウンドで出資した。イノベーションにフォーカスするトヨタ自動車の子会社Woven Planetの投資部門であるWoven Capitalも出資した。

関連記事:Nuroの無人運転配達車がカリフォルニア州初の商業運用許可を獲得、2021年早々にもサービス開始予定

カテゴリー:モビリティ
タグ:Domino’sNuro自動運転ロボット配達ヒューストンピザトヨタ自動車Woven Planet

画像クレジット:Nuro

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Kaori Koyama)

トヨタの投資ファンドWoven Capitalが自動配送ロボティクスNuroに出資

イノベーションにフォーカスしたトヨタ自動車の子会社Woven Planet(ウーブン・プラネット)の投資部門Woven Capital(ウーブン・キャピタル)は、シリコンバレー拠点の自動運転デリバリー車両のNuro(ニューロ)への投資を発表した。新たに設立された8億ドル(約878億円)の戦略的ファンドの第1号案件だ。Woven Capitalの投資と買収の責任者George Kellerman(ジョージ・ケラーマン)氏によると、同ファンドは安全なモビリティの未来を構築するというミッションの推進に向けていつの日かパートナーになったり買収対象となったりするかもしれないグロースステージのテック企業に投資する。

Woven Capitalの出資は2020年11月に発表されたNuroの5億ドル(約549億円)のシリーズCラウンドの一環だ。同ラウンドにはChipotle、そしてT. Rowe Price Associates, Incが運営するファンド、新規投資家としてFidelity Management & Research CompanyとBaillie Giffordも参加した。各ステークホルダーの具体的な投資額は明らかにされなかった。

トヨタは2020年9月に、自動運転モビリティや機械学習、人工知能、オートメーション、コネクティビティ、データ・分析などのテクノロジー分野に投資することを目的とする8億ドルの投資プールを発表した。

「Nuroは良い出発点でした。というのも、当社が行っている業務の多くは自動運転の乗用車の開発にフォーカスしているからです。ですので、これは当社にとってローカルの商品配達にピンポイントでフォーカスしているパートナーを通じて学習して発展させる方法です」とケラーマン氏はTechCrunchに語った。「Nuroから学ぶ多くの機会があり、潜在的には今後コラボしたりNuroがグローバル展開するのをサポートしたりする機会もあるかもしれません」。

Nuroの貨物専用自動運転の車両は、すでにカリフォルニアの車両管理局から公道でのテスト実施の許可を得てKrogers、Domino’s、Walmart、 CVSといったパートナー企業の商品を配達しており、この分野でリーダーとなるチャンスをNuroは手にしている。Woven CapitalはNuroのリーダー的な立場の加速・強化をサポートする機会を見出し、一方でNuroとの間で戦略的知識共有の取り決めを結んだ。

「(Woven Capitalは)未来に向けて野心的な目標を掲げるすばらしいチームを招集しました。そして我々は人々の暮らしをより良いものにするために暮らし方や移動の仕方を変革するという共通目的を共有しています」とNuroの共同創業者で会長のDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏は声明で述べた。「当社は引き続きチームを拡大し、すばらしい自動走行配達プロダクトを構築するのに、新たな資金と世界最大の自動車会社からのサポートを使います」。

トヨタ・ウーブンシティのコンセプトレンダー(画像クレジット:Toyota)

オートメーションはWoven Capitalのポートフォリオの大きな部分を占めることになる。これはWoven Cityなど親会社Woven Planetの活動をサポートするためだ。Woven Cityは相互接続するスマートシティプロトタイプでセットされる新しいテクノロジーの試験場で、トヨタは2021年2月に富士山の麓、静岡県裾野市東富士で着工した。

「Woven Cityについて考えるとき、自動走行モビリティとオートメーションをより広範にとらえます」とケラーマン氏は話した。「それを促進するため、人工知能や機械学習、データ・分析、コネクティビティが必要になります。ですので我々はそうした分野に投資するポートフォリオを形成するつもりです」。

モビリティ産業では、モビリティを単に人々や商品の動きとしてではなく、情報やデータの動きとしてとらえる傾向が強まっている。Woven Planetはこれを認識し、特に自動車についてはソフトウェアファーストのアプローチを取っている。従来の自動車産業のデザインとハードウェアファーストのアプローチに取って変わっていて、車両を動かすのにソフトウェアに組み込み、まずソフトウェアで開始してソフトウェア中心にハードウェアを構築することを意味する。

ソフトウェアファーストのアーキテクチャを構築することは、将来のイノベーションに多くのフレキシビリティをもたらす。ハードウェアが変わってもコードを書き直す必要はなく、別の応用を加えるだけでいい。Woven Planetが開発しているすべてのソフトウェアは可能な限り多くの応用で使えるはずだとケラーマン氏は述べた。

真に強固で統合されたソフトウェアを持っていることは、コネクテッドモビリティにとって論理的な次のステップでもあり、車両の輸送のポテンシャルを再考する道を開く。Nuro車両は配達しているあらゆるグローサリーのための車両というだけでなく、交通の流れや気候パターンなど走行中に収集してクラウドに送るすべての情報のための車両でもある。それゆえにその価値は、AからBへのユーティリティというより情報のインターチェンジとなる。

Woven Cityですぐさま活用できるかもしれないNuro車両によって集められた情報の一部は通りの安全に関するものだ。Nuro車両は人を運ばないのでデザインは車両の外にいる人の安全性、人中心の都市計画において有用となるかもしれない集計データにフォーカスしている。

結局、Woven Capitalの長期的な視点は常に将来のM&Aに向けた潜在的なプロセスだとケラーマン氏は話した。

「トヨタは歴史的に買収欲の強い会社ではありませんが、Woven Planetの中でいかに戦略的買収を通じて当社のビジョンとミッションを加速させることができるかをにらみながら経営企画チームを作っています」と述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Woven PlanetNuro投資トヨタ自動車自動運転

画像クレジット:Toyota

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

ソフトバンク出資のNuroが自動運転トラックのスタートアップIkeを買収

自動運転配達会社のNuro(ニューロ)がIke(アイク)を買収した。Ikeは自動運転トラックの商品化を目指してApple(アップル)、Google(グーグル)、Uber Advanced Technologies Group(ウーバー・アドバンスト・テクノロジーズ・グループ)の卒業生が創業したスタートアップだ。

買収と統合で忙しいシーズンを送った自動運転車業界におけるこの最新の取引は、深い関係と共有するテクノロジーを持つ2社を結びつけた。また、Nuroはローカル配送、Ikeは長距離貨物という異なる分野に自動運転車のテクノロジーを応用しようとしているが、2社の創業者は物流の分野で共通のビジョンがあると言う。

取引の金銭的条件は明らかにされていない。

2社の関係の中でNuroは巨人だ。バリュエーションは50億ドル(約5200億円)、従業員数は600人を超える。情報筋によると、Ikeは約60人の従業員を抱え、昨年時点のポストマネーのバリュエーションは約2億5000万ドル(約260億円)だった。ただし2社の創業者らは、これを古典的なシリコンバレーのアクハイヤー(人材獲得を目的とする買収)だとは捉えていない。Jur van den Berg(ジュール・バン・デン・ベルグ)氏およびNancy Sun(ナンシー・サン)氏と会社を共同で創業したIkeのCEOであるAlden Woodrow(アルデン・ウッドロー)氏によると、Ikeの従業員55名以上と創業者3名がNuroに合流する予定だ。

「会社創業時に掲げた原則をいくつか実現する明確な機会でした」とウッドロー氏は述べた。同氏は12月23日にMediumのブログ投稿で買収を発表した。

ウッドロー氏はTechCrunchに対し、Ikeにはまだランウェイ(資金調達なしで経営できる期間)が残っており、独立経営を続けるために必要な資金があると語った。それでも、自動運転車の会社を商業ベースに乗せるには、5200万ドル(約55億円)を超える資金のプールだけでなく提携が必要だ。Ikeは今秋、DHL、Ryder、NFIの車両にテクノロジーを提供することで合意に達したが、それらはまだ初期段階にすぎない。

Nuroの共同創業者で社長のDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏はTechCrunchに、「Ikeのチームがどれほど素晴らしいか、そして彼らが開発したテクノロジーの質がどれほど素晴らしいかは極めて明白だと思います」と語った。「Nuroにとって特に魅力的なのはIkeが数年前にNuroのテクノロジースタックのライセンスを取得したためです。Ikeが開発したすべてのテクノロジーはそのスタック上にあり、共通のDNAがあります。Ikeが開発したテクノロジーは非常に簡単に移転することができ、ほぼプラグアンドプレイでシステムに組み込むことができます」

NuroはIkeが開発したテクノロジーを活用して、自社のローカル配達システムに取り込むだけでなく、将来の応用にも利用できるかもしれないとファーガソン氏は付け加えた。

将来の応用とは何か、という問いに答えは出ていない。Nuroによる特許出願は、熱々のホットピザやラテの配達から小型ロボットまでさまざまなアイデアを網羅している。Ikeのチームが加わったことで、Nuroはローカル配達だけでなく、スタートアップのGatik AIが注目を集めた領域である中距離の配達、その他のトラックを使った用途など他の種類の物流への応用へ拡大する可能性がある。ファーガソン氏は、R2と呼ばれるNuroのローカル配達ボットが最初の主要製品であると直ちに指摘した。

NuroはIkeにとって最高の家のように見えるかもしれないが、2つの情報筋はTechCrunchに、Ikeが少なくとも他の自動運転車の会社1社と取引について協議していたと語った。同情報筋は、その話はあまり進展しなかったと付け加えた。

創業物語

2社の創業者は、IkeをNuroのスピンアウトと表現することを好まない。技術面では正しいかもしれないが、2社のルーツは絡み合っている。

Nuroは、元Google(グーグル)のエンジニアのDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏とJiajun Zhu(ジアジュン・ジュー)氏が2016年6月に創業した。同社は当初ファーガソン氏とジュー氏が独力で経営していたが、2017年6月にはGreylockとBanyanからの投資で9200万ドル(約96億円)をAラウンドで資金調達し、NetEaseの創業者であるDing Lei(別名William Ding)氏にNuroの取締役会の席を与えた。

一方、バン・デン・ベルグ氏とサン氏は2人ともAppleの特別プロジェクトグループで働いていたが、2016年にAppleを去り、Uberに買収された自動運転トラックのスタートアップであるOttoに加わった。Google XのMakaniプロジェクトの製品リーダーであったウッドロー氏も2017年2月、自動運転トラックプログラムのグループ製品マネージャーとしてUber ATGに移った。

2018年にはOttoの創業者のうち最後の1人がUberを去り、自動運転トラックプログラムはひたすら落ちて行った。サン氏、ウッドロー氏、バン・デン・ベルグ氏は2018年春にはUberを離れた。数カ月後、Uberは自動運転トラック部門を閉鎖して自動運転車に集中した。

3人は当初、配達ボットと成長中のチームを収容するには小さすぎるNuroのオフィススペースで働いた。当時、サン氏のフォルクスワーゲンのキャンピングカーがIkeの会議室として使われていた。3人が7月に正式にIkeを設立する前にNuroのチームと数カ月間緊密に連携していたことが、カリフォルニア州とデラウェア州のビジネス記録が示している。Ikeという社名は、ドワイト ・D・アイゼンハワー大統領と彼が連邦補助高速道路法に署名して整備を後押しした米国の州間高速道路システムにちなんでいる。

最初のコラボレーションのポイントは、Nuroが開発したものをトラック輸送の新しい用途にどう応用するかを考えることだった。「これは私たちが独自の方向へ進む機会であり、Nuroがローカル配達に集中する間、私たちはそちらに真剣に取り組みました」とウッドロー氏は最近のインタビューで述べた。

Ikeは、Nuroのテクノロジー、特にハードウェアのデザイン、自動運転ソフトウェア、データの記録、地図、シミュレーションのライセンスを供与される。その見返りに、NuroはIkeのマイノリティ持ち分を取得した。

2018年10月にIkeがステルスモードから抜け出したとき、NuroはIkeとの関係を提携と位置づけ、「Ikeに自動運転とインフラのソフトウェアのコピーを提供し、その代わりにNuroはIkeの株式を取得しました」。

Ikeは小さく始め、仕事を進めるにあたりに穏便なアプローチを選んだ。2019年2月までにIkeは約30人を抱え、最終的にはBain Capital VenturesがリードするシードとシリーズAの資金調達ラウンドで5200万ドル(約55億円)を調達した。Redpoint Ventures、Fontinalis Partners、Basis Set Ventures、Neoもこのラウンドに参加した。Bain Capital VenturesのパートナーであるAjay Agarwal(アジェイ・アガワル)氏がIkeの取締役会に加った。

自動運転トラックに携わる他社とは異なり、Ikeの創業者は当時のブログ投稿で、最初の自動運転トラックを走らせることにこだわっていたわけではなかったと述べた。自動運転トラック配送業界の複数の情報筋によると、Ikeはシステムエンジニアリングのアプローチ、モーションプランニング、シミュレーションツールで業界内で高い評価を得ていた。

Ikeが静かに仕事を進めている間に、Nuroの方は2019年2月にソフトバンク・ビジョン・ファンドが9億4000万ドル(約980億円)を投資したおかげで注目を集めた。Nuroはチームを600人以上に拡大し、2018年にKrogerと提携しアリゾナで配送サービスを試験的に実施した。当初トヨタのプリウスを使用していたが、R1配達ボットに移行した。Nuroは、CVS、Domino’s、Walmartといった企業とも提携している。同社は、レストラン、食料品店、その他の企業向けのローカル配達サービス向けに設計されたR2と呼ばれる第2世代の車両を開発した。R2は今年初めに連邦政府から自動運転車の運用を許可する安全規定適用除外の認可を受けた。

投資家はNuroから離れたわけではなかった。新型コロナウイルスのパンデミックがシリコンバレーの多くのスタートアップの計画を遅らせた。しかしローカル配達の可能性など明るい点もある。Nuroは11月、シリーズCラウンドで5億ドル(約520億円)を調達した。ポストマネーのバリュエーションは50億ドル(約5200億円)だった。T. Rowe Price Associates, Incのアドバイスを受けたファンドや投資家がリードし、Fidelity Management & Research CompanyやBaillie Giffordなどの新しい投資家が参加した。このラウンドにはソフトバンク・ビジョン・ファンド1やGreylockといった既存投資家も参加した。

次に起こるのは何か

2社はNuroでよりシニアな役割を担うIkeの多くのエンジニアとの融合を始める。ウッドロー氏はCEOではなくなり、同氏の新しい役職は決まっていない。同氏の仕事は、自身の経験に基づく製品開発になると思われる。

Nuroがローカル配達に重点を置いているため、トラックを商品化するというIkeの使命は今のところ棚上げになっている。ローカル配達に目を向けるというその決定は、Ikeの創業者らがトラックへの情熱について何度も語った多くのコメントと対立するようにみえる。

「私たちが家で食べたり、触れたり、持ったりするものはすべて、おそらくどこかの時点でトラックに乗せられていたはずです」とサン氏は10月のTC Sessions: Mobilityイベントで述べた。「トラック輸送が実際に私たちの日常生活へ与える影響の大きさがまだまだ理解されていません」

しかし、ウッドロー氏と共同創業者らは、製品を世に送り出し、「私たちの多くが何年にもわたりさまざまな企業で取り組んできた自動化の約束を果たすこと」について語っている。

「結局のところこれは、Nuroはその約束を果たし、すぐにそれを実行し、非常に大きな規模で実行するという、信じられないほどユニークで本当に説得力のある立場にあると私たちは考えています」とウッドロー氏は言う。「それがNuroの申し出を受け入れ、こうして前進すると決めた原動力でした」

カテゴリー:モビリティ
タグ:Nuroソフトバンク・ビジョン・ファンド買収 / 合併 / M&A自動運転

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:Mizoguchi

Nuroの無人運転配達車がカリフォルニア州初の商業運用許可を獲得、2021年早々にもサービス開始予定

無人配達スタートアップのNuro(ニューロ)は、カリフォルニア州車両管理局(DMV)から認可を受け、同州の公道で無人配達サービス事業の開始が許可されることになった。同社はこのハードルをクリアした最初の企業となる。

Google(グーグル)出身のDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏とJiajun Zhu(ジアジュン・ジュー)氏によって2016年6月に設立されたNuroは、2021年早々に商用配達業務を開始する予定だ。いわゆる「Autonomous Vehicle Deployment(自動運転車両展開)」許可を取得することで、Nuroはサンマテオ郡とサンタクララ郡で商業的なサービスを運営することができるようになる。つまり配達料を請求できるようになるということだ。同社は2021年の早い時期に、1つのパートナーと1つの都市で、トヨタ・プリウスの自動運転車を使ってサービス開始を目指すと、同社の最高法務・政策責任者を務めるDavid Estrada(デビッド・エストラーダ)氏はいう。最終的には、無人配達専用車両として開発された「R2」と呼ばれるデリバリーボットに移行し、さらに多くのパートナーを追加して、地理的に拡大していく計画だ。

Nuroはパートナーや都市の名前を特定していないが、同社がマウンテンビューに本社を置き、以前から本社の近くで事業を開始する意向を表明していたことは注目に値する。

「初の展開許可証の発行は、カリフォルニア州における自動運転車の進化において、重大なマイルストーンです」と、車両管理局のSteve Gordon(スティーブ・ゴードン)局長は現地時間12月23日に発行されたプレスリリースで述べている。「この技術が発展していく中で、我々は引き続き公道の安全を念頭に置いていきます」。

この展開許可証はアサートン、イーストパロアルト、ロスアルトスヒルズ、ロスアルトス、メンロパーク、マウンテンビュー、パロアルト、サニーベール、ウッドサイドといった各都市を含むサンタクララ郡とサンマテオ郡の指定された区域の路上において、商業配達サービスで小型の無人運転車両の一群を使用する許可をNuroに付与するものだ。DMVによると、この車両の最高速度は時速25マイル(約40km/h)で、晴天時に制限速度が時速35マイル(約58km/h)以下の道路でのみ、運行が認められているという。

今回の発表は、米国時間12月23日に自動運転トラックのスタートアップ企業Ike(アイク)を買収したことを発表したNuroにとって、節目の年を締め括ることになった。

さらにNuroは5億ドル(約518億円)を調達し、資金調達後の評価額を50億ドル(約5180億円)に押し上げ、州や連邦政府の規制において重要な勝利をいくつか確保した。

この展開許可証を獲得するために、Nuroはこれまで長く曲がりくねった道のりをたどってきた。2017年、カリフォルニア州で自動運転車を規制する機関である同州のDMVは、運転席に人間のドライバーが乗車することを義務づけた自動運転車試験許可証をNuroに発行した。同社は当初、改造したトヨタ・プリウスをこの公道テストで使用し、同時にアリゾナ州とテキサス州では試験的な食料品の配達を行った。

2018年12月に同社は、テスト車両を荷物配達用に設計された車両の第一歩となる「R1」に移行させた。その第2世代にあたるR2と呼ばれる車両は2020年2月に発表された。ミシガン州に拠点を置くRoush Enterprises(ラウシュ・エンタープライゼス)との提携により、米国で設計・組み立てが行われたR2はLiDAR、レーダー、カメラを搭載し、「ドライバー」に周囲360度の視界を与える。重要なことに、NuroはR2の車両について米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)から無人運転車の安全規定免除を受けた。この免除により、R2はサイドミラー、フロントガラス、前方走行時にシャットオフされるバックカメラを装備しなくても運用が可能になった。

Nuroは2020年4月に、カリフォルニア州DMVから無人運転車両をテストするための許可証を取得したが、これはついに同社が、R2デリバリーボットを公道で走らせることができるようになったということを意味していた。数十社もの企業がカリフォルニア州DMVから、安全のために人間の運転手を乗せた自律走行車のテストを行う許可を積極的に取得しているが、カリフォルニア州の公道で無人運転車をテストすることを許可されている(カリフォルニア州DMVサイト)のは、AutoX(オートエックス)、Cruise(クルーズ)、Nuro、Waymo(ウェイモ)、Zoox(ズークス)だけだ。

それでも、Nuroは12月23日に発行された展開許可証を受け取るまで、配達料を請求することができなかった。

無人運転タクシーで人を運ぶことを目指している自動運転の企業に比べると、Nuroの場合は商業運営の実現に向かう道がまだ少しだけ平坦だ。無人運転車を使う商用ライドシェアリングサービスは、乗客を運ぶためには、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)からも認可を取得しなければならない。また、乗車料金を請求するためには、CPUCによる追加の許可が必要となる。

乗客から運賃を徴収するための許可を得ることは、先月までは可能ですらなかった。CPUCは11月に、認可を受けた企業に自動運転車によるライドシェアの提供と課金を許可する2つの新しいプログラムを承認した。自動運転車技術業界は、運用者による運賃の請求と無人運転車両を使ったライドシェアの提供を可能にする規則変更を検討してもらうために、何カ月もCPUCに働きかけてきた。この決定は広く喝采を浴びたが、業界の一部では、この承認プロセスが商業的な自動運転タクシーの運用をさらに遅らせる可能性があると警告している。

自動運転タクシー事業者になる可能性のある企業は、CPUCとカリフォルニア州陸運局から適切な許可を受け、いくつかの報告要件を満たさなければならない。また、このプログラムに参加する企業は、安全計画と四半期報告書のほか、個々の運用区間における乗車場所と降車場所、車いす乗車可能な車両の有無と数、恵まれないコミュニティへのサービスレベル、そして車両が使用した燃料の種類、走行距離、乗客の移送距離などのデータを集計し匿名化した情報を、CPUCに提出する必要がある。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

自動運転配達のNuroが新たに約526億円調達、ソフトバンクも追加出資

元Google(グーグル)のエンジニア2人が創業した自動運転配達スタートアップのNuro(ニューロ)が5億ドル(約526億円)を調達した。投資家らはロボティクスや自動走行車両のテクノロジーの長期的追求にまだ関心を持っていることをうかがわせる。ポストマネーのNuroのバリュエーションは50億ドル(約5260億円)だ。

今回のシリーズCラウンドはT. Rowe Price  Associates, Inc.のアドバイスを受けたファンドと投資家がリードした。また新規投資家としてFidelity Management & Research CompanyとBaillie Giffordが、そしてSoftBank Vision Fund 1、Greylockといった既存投資家も参加した。

Nuroは2016年6月にGoogleの元エンジニア、Dave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏とJiajun Zhu(ジアジュン・ジウ)氏によって設立された。当初はファーガソン氏とジウ氏の資金で賄っていたが、投資家を引きつけるのに苦労はしなかった。NuroはシリーズAの資金調達ラウンドを2016年に中国で終え、NetEaseの創業者Ding Lei(ディン・レイ)氏がNuroの役員会に加わった。そして2つめの資金調達を米国で2017年6月に実施し、NuroのシリーズAラウンド調達総額は9200万ドル(約97億円)となった。しかし、自動走行車両テクノロジーを商業化しようと多くのスタートアップがしのぎを削る中でNuroのリードを支えたのは、2019年2月のSoftBank Vision Fundによる9億4000万ドル(約990億円)という巨額投資だった。この投資により、Nuroのバリュエーションは27億ドル(約2840億円)になり、18カ月で倍増した。SoftBankの資金によってNuroは従業員650人超の企業に成長した。

自動走行車両業界の他のスタートアップと異なり、Nuroは人ではなく荷物を運ぶために低速で走る電気自動走行車両のデザインに注力してきた。同社の最初のテストは、自動運転システムを搭載したトヨタのプリウスで行った。Nuroは2018年にアリゾナ州での配達サービス試験でKroger(クローガー)と提携した。試験では当初プリウスを使い、その後R1配達ボットに移行した。NuroはまたCVS、Domino’s(ドミノズ)、Walmart(ウォルマート)といった企業とも提携した。

それからNuroは第2世代車両R2を開発した。レストランやグローサリーストア、他の事業所向けにデザインされたこの配達ロボットは2020年初め、ドライバーレス車両として走行することできると米政府から例外として認められている。

「我々は安全、そして安価なローカル配達サービスに対する消費者需要における先例のないシフトを目にしている」とCEOで共同創業者のジウ氏は声明文で述べた。「世界のトップ投資家の多くと協業することになった今回の資金調達は、当社の世界に誇れる技術が人々の日常に受け入れられるという未来に向けて自信を与えてくれるものだ」。

R2をアリゾナ、カリフォルニア、テキサス州の公道でテスト走行させている同社はTechCrunchに対して、「複数の都市でサービスを構築し、複数のマーケットで展開するのには数年かかるが、新たな資金により今後しばらくは自信を持って成長できる」と述べた。Nuroは短期的には、ヒューストンでのサービス拡大と商業サービスでのR2活用を目指している。

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(翻訳:Mizoguchi