フェイスブックがOculusで最も成功した「Lone Echo」を開発したVRスタジオReady at Dawnを買収

Facebook(フェイスブック)はこの1年の間、ゲームスタジオの買い上げを続け、最も人気のあるVRタイトルを制作した開発者たちを買収してきた。

今もその傾向が続いていることは、Oculus(オキュラス)で最も成功したゲームシリーズの1つである「Lone Echo(ローン・エコー)」の開発会社であるReady at Dawn(レディ・アット・ドーン)の買収を見てもわかる。このスタジオは、ここしばらくパブリッシングパートナーとしてフェイスブックおよびOculusと密接に協力してきた。今回の買収により、「Lone Echo」の続編のリリースに向けて準備を進める同チームは、Oculusの仲間入りを果たす。なおフェイスブックは、「Lone Echo II」の開発状況に関するアップデートを提供しなかった。同作品は当初2019年と発表されていたリリース日から延期を重ねてきている。同タイトルは、2020年中にリリースされる予定だ。

フェイスブックはチーム全体を参加させるといっているものの、取引条件は明らかにされていない。スタジオは、カリフォルニア州アーバインとオレゴン州ポートランドにあるフェイスブックのオフィスから独立して運営される。

「Lone Echo」は、より洗練され革新的なVRタイトルの1つとして知られ、シングルおよびマルチプレイヤーによって繰り返されるプレーが、VRユーザーの間での高い評価につながっている。このシリーズは、仮想現実(VR)ゲームを常に受け入れるとは限らないeスポーツの世界でも採用されている。VRに本格的に取り組む前のReady at Dawnは「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズのいくつかのライセンスゲームを含む、ゲーム機向けのタイトルを開発していた。

フェイスブックは以前、「Beat Sabrer」を制作したスタジオであるBeat Games(ビート・ゲームズ)と、Riftゲームの「Asgard’s Wrath」を制作したSanzaru Games(サンザル・ゲームス)の買収を発表した。フェイスブックの買収戦略は、より多くのVRスタジオたちが生き残りのために苦労することなく次のVRタイトルに投資し続けための多大な余裕を与える。

VR空間の進展は遅い。今回の自宅隔離(shelter-in-place)の動きの中で、使用量が少し上がったことに気が付いたVR開発者もいたものの、そもそもハードウェアの普及が不足しているために、成長度合いにはどうしても上限がある。他のVRハードウェアメーカーたちがゆっくりとこの分野を手控えてき、Magic Leap(マジック・リープ)のような没入型プラットフォームがコンシューマー市場を去る中で、高品質のタイトルを作成しようとするVR開発者にとって、生き残りはさらに困難になっている。

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(翻訳:sako)

Magic Leapに投じられた26億ドルはいったい何だったのか

【編集部注】本稿はJosh Evans氏による寄稿記事である。同氏は、HappyFunCorpエンジニアリング担当CTOだ。グラフィックノベル、紀行本など6作品を発表し、受賞歴もある著述家でもある。2010年よりTechCrunchの週末コラムを担当。

筆者は2年前、Industrial Light & Magicが開催した「Innovation in Immersive Storytelling」というイベントに参加した。そのイベントでは、Magic LeapのChief Game Wizardが紹介されていた。魔法のような製品であるというイメージを植え付けようとするイベントの題名を見た時に、この製品の終焉が不可避であることに気づくべきだった。しかし実際は、イベントに出席する前はMagic Leapに対して半信半疑だったのに、イベントが終わった頃にはその疑念が半減していたのである。

Magic Leapは数年の間に多くの信奉者を引き付け、26億ドル相当の資金を集めた。Andreessen Horowitz(a16z)、Kleiner Perkins、Google(Google VenturesではなくGoogle本体)をはじめ、多数の企業が出資に加わった。また、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏はMagic Leapの取締役会に名を連ねた。そして、これらの出資者たちはMagic Leapを大絶賛したのである。ベンチャーキャピタルが自社の出資先を絶賛するのはよくあることだが、Magic Leapの場合はそれとは違った。

これは画期的だ。ピクセル数やフレームレートが桁違いになったではなく、センサー、光学機能、モバイル機器側のボリューム、さらには飛躍的に向上したコンピュータビジョンなど、常々私が夢見ていた機能がすべて搭載されている。この製品は驚くほど素晴らしく、他の製品と一線を画している。

Kleiner PerkinsBing Gordon

没入感が信じられないほど自然で、部屋の中にいるのに、自分の周りを本当にドラゴンが飛び回っているようだった。開いた口がふさがらないほど驚いて、顔がニヤけて仕方がなかったよ。
— Legendary PicturesのCEO、Thomas Tull

Legendary Picturesとa16zは、Magic Leapに出資する前に、Oculus Riftに出資していたことがある。Tull(タル)氏は「Magic Leapのアプローチは他社とはまったく異なっている」とTechCrunchに語ったことがあるほどだ。この発言は興味深い。というのは、Magic Leapが5年の歳月と16億ドルの資金を注ぎ込んでやっとリリースしたMagic Leap Oneという製品について、OculusのPalmer Luckey(パーマー・ラッキー)氏が手厳しく批判するレビューを発表したからだ。確かに同氏の批判は想定の範囲内だった。しかし、その詳細は非常に印象的だった。

その製品は「Lightwear」と呼ばれている。Magic Leapが主に「フォトニック明視野チップ」、「ファイバ走査型レーザーディスプレイ」、「デジタル明視野をユーザーの目に投影」、さらにはヘッドマウントディスプレイ開発者を何十年にもわたって悩ませてきた輻輳調節矛盾を解決するという夢のような話について延々と語ることで注目を集めてきたのが、このLightwearである。(長いので中略)「フォトニック明視野チップ」とやらは単にシーケンシャルカラー反射型液晶ディスプレイやLED照明を導波管と組み合わせたものにすぎない。Microsoftの最新世代のHoloLensをはじめ、他社がこれまで何年も使ってきた技術と同じものだ。Magic Leap Oneは、一般的に受け入れられているどんな定義に照らしても「明視野プロジェクター」や「明視野ディスプレイ」とは言えない。

「他社とはまったく異なっている」と言われたMagic Leapのアプローチに何が起きたのだろうか。

ほとんど見かけ倒しのテクノロジーに投資家の関心を何とかつなぎとめようと策が講じられたことは注目に値する。Magic Leapは「当社の社員が今まさにオフィスでプレイしているゲームの映像です」と言って、動画付きのメールをプレス関係者に配信した。しかし後に、その動画はすべてWeda Digitalが制作した特殊効果映像だったことがThe Informationによって暴露された

Magic Leapは次に、「Magic Leapのヘッドセットを通して見た映像を直接撮影したものです。撮影日は2015年10月14日。特殊効果や合成は一切使用していません」と言って、別の動画を公開した。信じていいのか。前回の動画の件を考えると、疑うのは当然だ。しかし、総合的に考えてみると「おそらく大丈夫」という答えになりそうだ。Kevin Kelly氏が、2016年にWired誌でMagic Leapの目玉機能についてあまり詳細に触れていないことにも注目してほしい。

主な3つのMR(複合現実)ヘッドセットのいずれにおいても、半透明の物体(大抵はナノスケールのリッジ加工が施されたガラス)に対して斜めに投影される画像が使用されている。ユーザーが、そのガラスを通して外の世界を見ると、バーチャルな物体はガラス部分の横にある光源から投影され、ガラスに施されたビーム分割ナノリッジ加工によって反射されて、目に届く。Magic Leapは、光線を目に届けるこの方法は自社独自の技術だと話しているが、その詳細については現時点で説明することを拒否している。

このことが、Magic Leapの超目玉である「Lightwear」テクノロジーはまったく特別なものではないとするLuckey氏の報告(筆者の知る限り反論は出ていない)とどのように整合するのか。投資家やジャーナリストを歓喜、熱狂させた社内デモ版のような手ごたえが感じられる製品をリリースできなかったという点については言うまでもない。

答えは簡単だ。「The Beast」である。

ザ・インフォメーションのReed Albergotti(リード・アルベルゴッティ)氏が3年以上前に報じたように、The BeastというのはMagic Leapの最初のデモ機だった。これは注目の的になった。驚くほど素晴らしく、夢のような、画期的なテクノロジーだった。そして、重さは100kg以上もあった

The Beastの後継モデルである「The Cheesehead」は人間の頭部にフィットする大きさで、「Magic Leapが発明した明視野発信機を小型化できる可能性を示した」モデルだと言われた。しかし、依然として重さは10kg以上あり、実用化するには明らかに重量オーバーだった(この2つのモデルの写真はCNETのリンク記事で見ることができる)。

The BeastとThe Cheeseheadを見れば、複数回にわたって多額のベンチャー投資が行われたことにも納得がいく。しかし重要なのは、Magic Leapがその後、自社の画期的テクノロジーを実用化可能なレベルまで小型化できたのかということである。

明らかにできなかった。そして、それこそが問題の核心、つまり、Magic Leapが26億ドル(約2800億円)の資金を集め、従業員の半数をリストラしながら7年間ほとんど何の製品もリリースしてこなかった理由である。Vanity Fair誌はMagic LeapのCEOであるRony Abovits(ロニー・アボビッツ)氏がThe Informationに語った言葉を引用し、こう書いている。

アボビッツ氏はThe Informationに対し、The Beastに使われているテクノロジーは「当社が最終的に実用製品として発表するものではない」と語った。また、プロトタイプは投資家をはじめとする関係者に、製品の「長所と短所」を紹介するためだけのものであるとも語った。

悪意があったかどうかにかかわらず(筆者は、悪意があったとは考えていない)、Magic Leapは26億ドルの見かけ倒しプロジェクトとなってしまった。この先どうなるかは明白だ。

TechCrunchライターのLucas Matney(ルーカス・マトニー)は、1年前に「なぜMagic Leapに大金を投ずるのか?」という記事を書いている。Magic Leapのデバイスの売上は散々だ。同社は先月、100億ドルという金額で身売り先を探したが、TechCrunchライターのJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)がこれを「馬鹿げている」と評したのも当然である。その後、同社は従業員の半数をリストラして会社を守った。こうなると、次の問題は「Magic Leapが倒産したらどうなるのか」ということである。

「The Beast」のテクノロジーがいつか実用化されて、一般家庭、学校、オフィスなどで使用されるようになる可能性はあるのだろうか。ないとは言えない。2014年から6年間かけて26億ドルを注ぎ込む価値はあったのか。やはり、なかったとは言えない。しかし、投資に見合う利益をあげることはできなかった。結局のところ、Magic Leapの一件で、ハードウェアの開発、さらには人間の感覚(特に視覚)を操るプラットフォームの開発は困難だと投資家が嘆くことはあっても、彼らがMagic Leapに対して激怒したり腹を立てたりすることはないだろう。

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(翻訳:Dragonfly)

Facebookが脱Googleへ、ハードウェアのソーシャル化に向けて新OSを開発中

Facebookのハードウェア製品は、現在のところAndroid OSで作動している。しかしFacebookはOculusやARヘッドセットなどをGoogleの支配下から脱出させようと決心している。

FacebookはMicrosoft(マイクロソフト)のWindows NTの共同開発者として著名なMark Lucovsky(マーク・ルコフスキー)氏をオペレーティングシステム担当ジェネラル・マネージャーに任命した。Informationによれば、Facebookはまったく新しいソーシャル・オペレーティング・システムをゼロから開発しているという。もちろんFacebookのスマートフォンアプリは将来もAndroidデバイス向けに提供される。

Facebookのハードウェア担当バイスプレジデントのボズことAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏 は「次世代のコンピューティング環境に我々の場所を確保したい。市場やライバルに100%任せておくわけにはいかない。Facebook自身でそれをやる必要がある」と述べている。

Eye OS

独自OSを持てばFacebookはハードウェアにソーシャルな対話やプライバシーをさらに深く焼き込むことができるだろう。GoogleとFacebookが衝突した場合でも独自ガジェットの開発が挫折する危険を避けられる。FacebookはTechCrunchに対し「現在の目的はARヘッドセットを駆動(するOSの開発)だ」と述べた。ARデバイスの作動させるためにFacebookは独自開発だけでなく、他社との提携を含めてあらゆる選択肢を検討している。

Facebookが独自OSを持つこのメリットはほかにもある。Facebookへの囲い込みだ。FacebookはInstagramブランドのARヘッドセットを開発しているが、これが独自OSで作動するようになれば、買収した企業のエンジニアがスピンアウトすることを防ぐにも効果的だ。

Facebook Portal Lineup

FacebookはこれまでもVR/AR分野で独自のOSを所有していないことで痛い目にあってきた。 最大のライバルであるApple(アップル)やGoogleの好意に頼るしかないのはFacebookにとって極めて不利だ。プライバシーやデータ収集に関してアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は繰り返しFacebookとマーク・ザッカーバーグ氏を批判してきた。 Voxの記事によれば、Facebookは2013年ごろモバイルOSの研究を進めていたという。これはOxygenと呼ばれる極秘プロジェクトで、Google Playストアを経由せずにFacebookアプリをAndroidデバイスに配布する方法を探るものだった。

しかしこうした試みは失敗に終わった。中でも目立ったのはFacebookがHTCと共同で開発したAndroidをフォークさせたOSの場合で、スマートフォンのHTC Firstもスマートホームを目指したFacebook Homeもきわめて評判が悪く、すぐに棚上げとなった。

テクノロジーの未来、AR/VRへの投資

こうした失敗からAR/VR開発の困難さを学んだFacebookは、独自デバイスの開発に本腰を入れることになった。本社の北24kmのバーリンゲームに、巨大なハードウェア開発キャンパスを建設したのだ。3500平方mにもおよぶこの施設は4000人の社員を収容できる。

TechCrunchの取材に対してFacebookは「ハードウェア開発チームは2020年下半期にこちらに移転する」と確認した。バーリンゲームにはラボ、プロタイプ製作施設、テストエリアなどが用意されている。現在FacebookのAR/VRチームはカリフォルニア州、ワシントン州、ニューヨーク州など全米各地に散在している。

PortalとOculusデバイスのセールスもさして爆発的でないこともあり、これまでFacebookのハードウェアに対する取り組みがどの程度真剣なものか疑問視する声もあった。Facebookはこの点についてコメントを避けている。

しかし来年は状況が大きく変わりそうだ。AR/VRデバイスのフラグシップがいよいよマーケットに登場する。私は一人称シューティングゲームの「Medal of Honor」(メダル オブ オナー) のOculus Quest版(2020年リリース予定)のプレビューを体験した。プレイしたのは1時間ほどだったが、第二次大戦の欧州戦線を舞台にしたこのゲームは私が体験した中で、単なるテクノロジーのデモに終わらず、何週間も楽しめそうな最初のVRゲームとなっていた。Medal of Honorは多くのゲーマーをOculus Questの購入に踏み切らせるのキラーアプリとなるかもしれない。

ソーシャルハードウェア

Facebookはエンタープライズ向けハードウェア体験の向上にも力を入れてきた。ビジネス向けFacebookのWorkplaceは今年始めに200万人のユーザーが登録しており、10月にはビデオコールをPortalに対応させた。発言者に自動的にズームするスマートカメラを利用すればとビジネスミーティングをリモートで開催するのも簡単になる。Informationの記事によれば、FacebookはVRを利用したビデオカンファレンスのプロトタイプを開発中で、ボスワース氏が自らテストしているという。

私の取材に対してFacebookはボスワース氏は、部内のイベントに2回VRで登場したことを認めた。またボスワース氏のチームのリーダー100人ほどがFacebookが開発したVRのQ&Aソフトを利用している。FacebookではVRを誰もが簡単に使えて信頼できるビジネスツールに仕上げ、VRでミーティングが可能になるよう努力している。

またハードウェア開発はFacebookのコアである広告事業にもフィードバックされている。OculusPortalのユーザー行動のデータを広告ターゲティングに利用する試みも始まっている。VRゲームでどんなアイテムを好んだか、バーチャル観光アプリでお気に入りのバケーションスポットはどこだったかなど、収益に結びつく広告の可能性は多数考えられる。

Facebookに取材したところでは、Portalディスプレイもログインしたユーザーの行動データを収集しており、通話回数や時刻、利用した機能などが広告ターゲティングに活用されている。例えば、ユーザーがビデオ通話をたびたび利用しているならそれに関連した広告が表示されることになるかもしれない。Oculusについても同様だ。

Facebookはユーザーが行動に移す前に頭の中で考えていることも知ろうとしている。脳とコンピュータを直結するインターフェイスサもかなり小型化してきた。これはセンサーで微弱な脳波を検知し、解析して言葉として認識できるようにしようというもので、当初冷蔵庫くらいのサイズがあったのが現在はノートパソコン程度になっている。もっともスマートフォンに導入できるのはまだだいぶ先だろう。

【略】

Facebookでは1分間100語程度のペースで「頭脳入力」ができるようにすることを目指しているという。

Oculusヘッドセット、スマートスクリーンのPortal脳直結入力システムなどの販売はFacebookが毎年広告から上げていている何十億ドルもの収入をもたらさないかもしれない。しかしこうしたハードウェアは明日のコンピューティング環境からFacebookが締め出されるリスクを大きく減らすものだ。VRのように完全に没入的であろうと、チャットに特化した便利なディスプレイであろうと、あらゆる場所に入り込める超小型センサーだろうと、Facebookはあらゆるデバイスをソーシャル化しようと考えている。どんなガジェットであれ、友達と一緒ならもっと楽しめるというのがFacebookの信念だ。 Facebookはテクノロジーデバイスが人間を孤立させるのを防ぎながら、当面少しずつでも利益を上げていく方針のようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookが描く「ポストウェブ」の未来、マルチプレイヤーVR空間「Horizon」を来年スタート

5年前、FacebookはVRの草分けであるOculusを20億ドルで買収した。今週、ニューラルインターフェースのパイオニアであるCTRL-Labsを5億ドルを上回る金額で買収し、大規模なマルチプレイヤーVR共有空間「Horizon」を来年はじめにスタートすると発表した。

OculusはFacebook Reality Labsという(やや不気味な名前の)組織となり、Facebookの初期エンジニア15人の一人で、デスクトップからモバイルへの広告モデルの移行を指揮したAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏が長を務めることになった。同氏が今までよりずっと興味深く、長期的な変化を担うプロジェクトの責任者なったことは想像に難くない。ワールドワイドウェブから、その先にある何かへの変化だ。

Facebookの数十億ドル規模の大きな賭けは、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の水晶玉の中に浮かぶビジョン。ウィリアム・ギブソンの言葉を借りるなら「サイバースペース」の新開地であり、かつてOculusの新入社員に配られていた映画「READY PLAYER ONE」(レディ・プレイヤー1)の世界で言う「オアシス」になることは間違いない。バーチャルリアリティー(仮想現実)は、我々の現実世界と仮想的な事物を組み合わせるミクストリアリティー(複合現実)とも言ってもいい。

私には皆さんの呆れている顔が目に浮かぶ。たしかに突飛な発想であることはわかっている。AR(拡張現実)やVRは、核融合やブラジルと同じく、いつかはやって来ると言われている時間が長すぎて、真面目に将来を考えるのが難しくなっている。「ニューロマンサー」が最初に出版されたのは1984年だった。Jaron Lanier(ジャロン・ラニアー)氏が最初の本格的VRヘッドセットとモーションキャプチャーウェアラブルであるEyePhoneとDataGloveをデモしたのは30年以上前のことだ。共有グローバルVR空間という発想が、ますますレトロフューチャーのように感じるのも無理はない。

しかしザッカーバーグ氏の示す変化への道は明白であり、ゲームを橋渡しに使うところは実践的だ。世界最初で最高の巨大マルチプレイヤーオンラインVRゲームを作る(Magic Leapのミクストリアリティーよりも没入的であり、従って説得力もある)。Facebookのパワーと規模と富を使ってゲーマーたちを集め、月間ユーザー数百万人の人気コミュニティーを作る。

そして、VRがゆっくりとウェブ自身に取って代わるという大きなビジョンへと推移する。ノートパソコンをヘッドセットで置き換え、スマートフォンをスマートメガネで、キーボードをニューラルインターフェースで置き換える。一度に変わるのではなく、少しずつ何年もかけて、Horizonのゲーム世界が交流やメッセージのためのプラットフォームになり、ゲームだけでなく仕事にも使われるようになる。そのときインターネットの住人たちはFacebookのウェブサイトを訪れたり、アプリを開くだけではなく、(たとえ仮想的にせよ)文字通りFacebookの塀に囲まれた庭園に住むようになる。

そんなビジョンはいよいよ薄気味悪いのでは?そのとおり。本当に実現するのか?まあ、多分そうはならない。しかし、それが大きな富をもたらし、したがって現在進行中のFacebookの数十億ドルの賭けが理にかなっている可能性がゼロより十分に大きいことは認めざるを得ない。

もちろんこれは、Facebook唯一の将来へのビジョンではない。数ある賭けのひとつにすぎない。 ソーシャルメディア広告からメッセージと決済へとピボットすることも考えられる。現在の途方もなく成功しているビジネスを捨てて、経験も実験もされたことのないビジネスモデルに移行する道を探ろうとする彼らの意欲を称賛しないわけにはいかない。

賭けは成功するのか?Facebook HorizonやVRやニューラルインターフェースは、ウィリアム・ギブソンの言った「何十億人もが毎日体験している共感覚幻想」への玄関口なのだろうか? オッズが高いとは言えないが、現実世界のどれと比べてもチャンスはありそうに思える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculusが次世代ヘッドセットのプロトタイプを公開

米国時間9月25日の開発者会議で、Oculusは次世代ハイエンドヘッドセットのプロトタイプを紹介した。

2年前、OculusはHalf Domeのプロトタイプを公開していた。これはバリフォーカルレンズ(可変焦点レンズ)という技術を使ってユーザーが画像の中で焦点を調整できるようにしたものだ。この技術はMagic Leapのヘッドセットに使われているものと似ているが、さらに広い範囲の焦点面に対応できるように設計されている。

今回、Oculusは新たにHalf Dome 2とHalf Dome 3の2つのプロトタイプを紹介した。

Half Dome 2は以前のプロトタイプのフォームファクターを大幅に縮小して、重さとサイズを最適化している。重さは200g軽くなった。最初のプロトタイプの視野角は140度でこれよりは狭くなったが、同社によればRiftの視野角より20%広いという。

このヘッドセットには以前と同じくヘッドセット内でレンズが機械的に動いて焦点を調整するシステムを搭載しているが、Oculusはさらにその先へ進もうとしている。

Half Dome 3では、これまでの技術と電子的なバリフォーカルモジュールが統合されている。バリフォーカルモジュールには可動部品がなく、オン/オフを切り替えてユーザーが焦点面を移動できるようにする多数のレンズが備わっている(同社はこの方式で64の焦点面を切り替えられると説明している)。ユーザーはより近い距離で焦点を合わせてものを見られるようになり、ヘッドセットの機能はこれまで以上に人間の目に近くなる。

この2つのプロトタイプの製品化に関するスケジュールは言及されなかったが、OculusがFacebook Reality Labs内でハイエンドの製品に投資を続けていることは明らかだ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

OculusのCTO曰く「Gear VRではチャンスを逃した」

Oculus のConnectデベロッパーカンファレンスで、ベテラン幹部の一人が同社のベストセラー製品について思うところを語った。「われわれがQuestで未来にむけて進みつつある今、Gear VRについて少し追悼を捧げようと思う」とCTOのJohn Carmack氏が聴衆に向けて語った。

Carmack氏は、ソフトウェアは最新だがSamsungのスマートフォンは最新機種も今後の機種をこのヘッドセットをサポートしないので「最後の日は近い」と語った。

「われわれはチャンスを逃したと思っている」とCarmack氏は言う。「私は多大な努力を払ってきたし、われわれはこれをあらゆるモバイル製品の基盤として使ってきた」

Gear VRが最初に発売されたのは2014年で、Note 4向けのInnovator Editionを始め、サイズや回路を微調整したいくつかのバージョンを作ってきた。ユーザーはこのヘッドセットにSamsungのスマートフォンを差し込みOculusのソフトウェアを立ち上げて使用する。

Carmackによると、このヘッドセットシリーズは同社の圧倒的なベストセラーだったが、ユーザーの維持力は一番弱く、RiftやQuest、Goなどより劣っていた。ただし、体験を得るまでのハードルの高さやスマートホンとのバンドルで大量に配布されたとこを考えればさほど驚くには当たらない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookがConnect 6カンファレンスでOculus利用のVRレイヤーを予告

Facebookは仮想現実アプリのデベロッパー向けに6回目のOculus Connectカンファレンスを開催した。キーノートでは新しいハイエンド製品のプロトタイプが発表されると同時に、Facebook本体にOculusを利用した新しいVRレイヤーが準備されていることが明かされた。

OculusのMegan Fitzgerald(メーガン・フィッツジェラルド)氏はカンファレンスで「今年中に『Oculus on the Facebook』という新しいプラットフォームがスタートする。これはOculusのVR能力を生かしたまったく新しいFacebookの利用体験となる」と述べた。

近くFacebookへのログインで同時にOculusへもログインできるわけだ。つまりVRヘッドセットを通じてFacebookにアクセスし、Facebookへの投稿も含めたソーシャルネットワーク体験が可能になる。ユーザーはOculusを利用している友達だけでなく、他のVRヘッドセットを使っている友達ともVR体験を共有し、Oculus内からイベントを作成し友達を招待することもできるという。

Facebookサイズの巨大なVRコミュニティが作られるらしい。 つまりFacebookの機能が全面的にOculusエコシステム内からアクセス可能になる! OculusはとことんFacebook化されるのだろう。チャット、イベントその他さまざまな機能がOculusから利用できるようになるに違いない。

Destinationsと呼ばれる新機能ではゲーム体験をFacebookを通じて公開・共有できる。ブロードキャスト機能ではゲームタイトルそのものにリンクしており、簡単にアクセスが可能となる。つまりチャット内でボタンを押してゲームにアクセスし、ヘッドセットを使って友達とVRゲームができる。Oculusの普及にあたっていちばん重要なのはフリクションと呼ばれる目的を達成するまでの手間を最小限にすることだが、クリック1回でゲームが開始されるのもこの点を狙っているのだろう。

Facebookログインで同時にOculusデバイスにもログインする機能はいまのところオプションだが、FacebookではOculusからしか利用できない新機能を追加することに力を入れている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

OculusのVRコンテンツの売り上げが約110億円を超える

Facebook(フェイスブック)は何十億ドルもの資金をVR(仮想現実)事業に投資しており、資金を回収する道のりは長いかもしれないが、少なくとも利益を上げている。

Oculus Connectの壇上でMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Oculus Storeの売上が1億ドル(約110億円)を超えたと発表した。この数字は複数のVRヘッドセットを合算したものだが、ザッカーバーグ氏によると、売り上げの20%が過去4カ月間に販売されたOculus Questのタイトルからのものであり、新型ヘッドセットのユーザーがコンテンツに多くの資金を費やしていることを示唆している。

同社はスタンドアロン型ヘッドセットのOculus Questを売り出しており、ケーブルレスなこの製品が一般消費者への普及のための最良の方法だと考えていることは明らかだ。今回のマイルストーンは、コンテンツへの数億ドルの投資には及ばないが、Facebookは今後も投資を継続する見通しだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

残っていた最後のOculus共同創業者がFacebookを去る

Facebookは2014年のOculus買収に何十億ドルもつぎ込んだ。そしてOculusがFacebookに深く取り込まれるにつれ、Oculusの共同創業者たちは次々とFacebookを離れていった。そして8月12日、最後の1人として残っていたNate Mitchell(ネイト・ミッチェル)氏が社員向けに送った内部メモでFacebookを去ることを明らかにした。

このニュースはThe InformationのAlex Heath(アレックス・ヘルス)が最初に報じた。ミッチェル氏はその後すぐにTwitterで社を離れることを発表した。

我々はFacebookにコメントを求めている。

Redditでのノートでミッチェル氏は、会社を辞めて「しばらくは旅行したり家族と過ごしたり、また充電に時間を当てるつもりだ」と語っている。同氏はバーチャルリアリティのプロダクトマネジメント責任者を務めていた。

ミッチェル氏のFacebookでの役割は、VR組織における何回もの幹部入れ替えで過去数年で幾度か変わった。昨年は、OculusのCEOだったBrendan Iribe(ブレンダン・イリベ)氏がハイエンドプロダクトの将来についてチームと意見が食い違ったためにFacebookを去った。Oculusの中心的な創業者だったPalmer Luckey(パーマー・ラッキー)氏は反ヒラリー・クリントン政治グループに資金を援助していたという奇妙で複雑なスキャンダルを受け、2017年に辞めている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebookが9月25日、26日に「Oculus Connect 6」イベントを開催

多忙な1年の後、Facebook(フェイスブック)によるVR(仮想現実)の祭典がカリフォルニア州のサンノゼに帰ってくる。9月25日〜26日に6回目となるOculus Connectが開催されるのだ。

OculusはQuestやRift Sをリリースし、メインストリームの顧客の要望に応えることに注力するハイエンドゲーミング企業へと変貌を遂げた。Oculus Connect 6は欠けているハードウェア機能に影響されることなく、コンテンツとソフトウェアの改良を前進させる機会を同社に与えるだろう。

Oculusは短いブログ投稿にて、「QuestとRitf Sはこれまで以上に多くの人々をVRに参加させており、OC6はより大きく、スマートに構築し、私達がともに作っている物の潜在価値に気づくための完璧な瞬間となるだろう」と伝えている。

フェイスブックのトップエンドのVRデバイスは、特定のコンテンツしかストアにて販売されていない閉鎖的な状況であることから、開発者にとってはより議論を呼ぶミーティングとなるかもしれない。Apple(アップル)は過去2年間、トップゲームデベロッパーを獲得し、初めてVR分野に踏み込むインディーズにはあまり金銭を与えない方向へと遷移している。

ティザー投稿では、Apex Legendsの開発元であるRespawn Entertainmentが開発したファースト・パーソン・コンバットタイトルが、主要な発表の1つであることを強調している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Oculusがヘッドセット用コンテンツを2週間で500万ドル販売

Facebookのスタンドアロン型VRヘッドセット、Oculus Questが発売されてからまだ日は浅いが、AR/VR担当副社長のAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏によると、同社はすでに相当数のVRコンテンツを販売している。

Vox MediaのCodeカンファレンスでボスワース氏は、Quest発売から2週間で500万ドル相当のコンテンツが売れたことを詳しく話した。デバイスの販売台数については具体的な数字を出さなかったが、FacebookはこれまでどのVR製品の販売データも一切口外していない。

399ドルのヘッドセットはPCやスマートフォンなしで動作し、カメラベースの位置トラッキングはこれまでハイエンドのPC用ヘッドセットに使われていたものと同等だ。ヘッドセットが発売された時点では、同社のストアでダウンロードできたのは50タイトルを少し超える程度だったが、無料のタイトルから最高30ドルのゲームまで各種揃っている。

VR分野にいる会社は、Facebookでさえも、デバイスの販売台数を語りたがらない。それだけサクセスストーリーが少ないということだろう。FacebookはQuestの発売に全社体制で臨み、マーケティングキャンペーンも大がかりに展開してきたので、今回の成功について詳しく語りたがるのも当然だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

VRの夢実現のためFacebookはOculusが築いてきたものを捨てるのか

マーク・ザッカーバーグ氏は、Facebook(フェイスブック)が所有する、その仮想現実(VR)の夢のための新しいプラットフォームに、数十億ドルを注ぎ込んできた。

Oculus(オキュラス)を買収したFacebookは、過去5年間のうちにそれを解体し、Facebook規模の企業として再構築を行った。共同創業者の大部分を解雇し、最も重要な意思決定を握るためにザッカーバーグ氏の意向を汲む人物を送り込み、Oculusの初期の支持者たちを満足させることよりも、より幅広い入手容易性の実現にシフトした。

今回Facebookが行った最新の製品リリースは、こうしたことすべてを実現したものだ。

先週発売された同社のQuestは、時間をかけて練り上げたソフトウェアを用いて、設定と利用を限りなく簡単にしながらも、洗練されたハイエンド仮想現実を提供できる製品だ。おそらくこれは、これまで構築されたものの中では最高のVR製品であり、主流となることをしっかり視野に入れたものである。

Facebookは新しい機器に注力し、これまで手に入れたものからは離れて行く必要がある。

これまでのVR製品のリリースには常に、キーテクノロジー上の問題や、足りない主要機能が存在していた。だがもし今度のOculus Questが失敗したなら、Facebookは自身が期待しているような大衆へのアピールを行うことが、これらの製品カテゴリーでは実現できないという認識を持つ必要があるだろう。すぐに浮かぶ疑問は、Questは彼らが欲するメインストリームの顧客に対してアピールするための製品ではあるものの、なぜそのようなこれまでとは違う個別の製品ラインを生み出さなければならないのかということだ。

Oculus買収が5年目を迎える日が近付くにつれて、人びとは、Facebookの仮想現実10カ年計画の成功の兆しは、どこに現れ始めているのだろうかと考えるだろう。これまでVRゲーマーたちのニッチなグループを作り上げ、数百万台のヘッドセットを出荷しているものの、Facebookは依然として、大衆をひきつけ投資したものを取り戻すために、苦労を重ねている。

Questが成功するかどうかに関わらず、Facebookからの気前の良い投資が先細るにつれて、彼らが現在の製品ラインをどのように合理化していくつもりなのかと疑問に思うことになる。

非力だった199ドルのOculus Goは、その価格にしては優れたハードウェアだったことは証明されたが、1年経っても新規ユーザーにとって、忘れられがちな媒体のままである。Netflixをスタンドアロンで鑑賞できることが最高のユースケースであるような製品のユーザーベースの拡大から、Oculusは一体幾ら収入を得ることができるのだろう?またサムスン(Samsung)とOculusは、Gear VRの推進で協調し、無料のヘッドセットをユーザーに配った。にもかかわらず開発者たちはこのプラットフォームに対して投資することはなく、その流れは変わらないままだ。

一方、同社を支えるPCベースのヘッドセットラインの未来もまた不透明だ。今週控え目に発売された最新のRift Sは、Oculusにとってはこれまでのものに比べて大きな変化ではなく、同社は主流に乗ることを狙いながらも、ハイエンド製品としての限界を押し上げようとはしていないことが示唆されている。Questが成功するか失敗するかにかかわらず、時間の経過とともにハイエンドがスタンドアロンラインの中に溶け込んで行っても驚きはない。これからもPCは、常に最もハイエンドな体験を推進する役割を果たすだろう。しかしそこは、依然として自分自身の価値が世間一般では確立していないVRプラットフォームを、委ねておける場所ではない。

3つの異なる製品ラインを維持することは、ハードウェアの研究開発の観点から見て単に高コストであるだけでなく、遊んでもらう価値のあるものの開発を支援する観点からも、会社と開発者との関係をとても複雑なものにしてしまう。VRゲーム開発者の景気は既に最悪である。もしOculusがPCはハードウェアでイノベーションを起こしたい場所ではないと決心したならば、このクラスの製品は成り行きに任せ、将来のスタンドアロン製品に最新のモバイルチップセットを採用することに、力を注ぐことになるだろう。

Oculusは大きな組織であり、新しいプラットフォームの準備をする通常の企業に許される以上に余力がある。任天堂は、長期にわたる価値の低下に直面して、そのモバイルデバイスと家庭用コンソールを単一の製品へと作り直した。Oculusも同じことをする必要があり、そして彼らはそれを行ったのだ。

VRをキックスタートし、その未来を形作ることを約束していたOculusを、Facebookが2014年に買収した。ハイエンドにアピールすることで、PC上で何百万人もの熱狂的な初期ユーザーと、プラットフォームの初期の雰囲気を味わった何百万人ものモバイルユーザーを獲得した。FacebookがOculusをその組織の中に深く取り込み、一般ユーザーを取り込むための独自のビジョンを推進する中で、同社はQuestを使って重要なことを成し遂げた。おそらくそれはこれまでの製品ラインを犠牲にする価値のあるものなのだろう。

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(翻訳:sako)

6DOFの新VRヘッドセットOculus QuestとRift Sが出荷開始

Facebook(フェイスブック)傘下のOculus(オキュラス)は最新VRヘッドセットの出荷を米国時間5月21日に開始した。今回出荷が始まったPCのいらない「Oculus Quest」と、ハイエンドモデルの「Oculus Rift S」は、3週間前に予約が開始されていた。

ローンチにあたりOculusはブログにて、「(新型ハードウェア)はオールインワンかつ完全没入型の6DOFなVRだ」と綴っている。「我々は以前よりさらに多くの人に、ケーブルレスの自由な動きによって魔法をもたらす」

TechCrunchのレビューでは、Oculus Questについては「このヘッドセットは最も強力というわけではないが、フェイスブックの新たなフラッグシップVR製品であることは間違いない」としている。

一方Oculus Rift Sについては、「3年前にすでに存在していたフラッグシップヘッドセットの新バーションとして適切だとは感じられないが、さらに革新と信頼の置けるシステムによってチューンされている」と感想を述べている。

Oculusのブログには、ヘッドセットの予約販売のセールスに関する詳細は記載されておらず、耳障りのいい言葉しか書かれていない。

一方フェイスブックは数カ月前から、言葉通りあらゆる場所においてOculusのネイティブ広告を出している。ただし、「続きを読む」をクリックしない限り、Oculusブランドについての明確な言及はない。

その代わりに広告では「オールインワンVR」という概念的な単語が登場し、ヘッドセットのOculusブランドの文字は判別不能なほど小さくなっている。下は、3月に記者の環境で登場したフェイスブックによるターゲット広告だ。

Oculus QuestとOculus Rift Sはoculus.comだけでなく、Amazon(アマゾン)やBest Buy、Newegg、Walmart、GameStopなどの米小売店でも販売される。EUではCurrys PC WorldやFNAC、MediaMarktが取り扱い、日本ではAmazonから販売される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Oculusが「法人向け」を強化、「Quest」の提供とデバイス設定・管理のツールを発表

米国時間4月30日、サンノゼのマッケナリー・コンベンション・センターで開催された、Facebookのデベロッパー向けカンファレンス、「F8 2019」。

VRヘッドセットの「Oculus Quest」と「Oculus Rift S」が5月21日に発売開始されるとマーク・ザッカーバーグ氏により発表され、会場は大盛り上がりだった。コンシューマー向けのゲームももちろん魅力的だけれど、ビジネス向けのOculusに関する新発表も興味深いものだ。

F8で開催されたセッションでは、FacebookのEnterprise Ecosystem担当のIsabel Tewes氏とEnterprise PMのAndrew Mo氏が、Oculusのビジネス向けサービス「Oculus for Business」のOculus Questが追加された新バージョンを今秋より提供開始すると発表した。

「VRヘッドセットは従業員のトレーニングを『効率化し効果的にする』ためのツール」(Tewes氏)

Enterprise Ecosystem担当のIsabel Tewes氏

「どのようなツールが我々(の業務)をより効率化し効果的にするのか。テクノロジーは急速に、職場の『あり方』を変貌させる。ツールは常に進化していていて、過去に発明されたツールは私たちにとって必要不可欠なものとなった。VRもそのようなツールになるだろう」(Tewes氏)

Tewes氏はそう話し、実際に仕事の現場でどのようにVRが活用されているのか、説明を始めた。

1つの例がウォルマート。アメリカだけで100万人もの従業員を抱えるウォルマートは、従業員にVRトレーニングを提供している。内容は、買い物客が殺到する「ブラックフライデー」を含む、「どのような状況」でもフレンドリーな接客を提供するために必要なスキルを磨くためのシミュレーション。ウォルマートはVRによる教育訓練を提供するSTRIVRと手を組みVRトレーニングを提供している。

STRIVR / Walmart

ウォルマートとSTRIVRは昨年に実証実験を開始。200箇所で12種のトレーニングシミュレーションを試みた。「効果的だ」と認められ、2018年の終わりには17000台のOculus Goを全米の4700店舗に導入。今では50ほどのトレーニングプログラムが用意され、2019年中には100万人もの従業員がVRヘッドセットを活用したトレーニングを受ける予定だ。

STRIVRの調査によると、従来の従業員トレーニングと比較し、VRを活用した場合は、訓練にかかる時間が40%削減、そして70%の従業員が従来のトレーニングを受けたスタッフと比べ高いパフォーマンスを発揮した、とTewes氏は説明する。

また、Tewes氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソン インスティテュートとのパートナーシップも併せて発表した。医療従事者に対してトレーニング機会を提供するジョンソン・エンド・ジョンソン インスティテュートは今秋よりOculus Questを使ったトレーニングの提供を開始。VR手術トレーニングシステムのOsso VRとの実証実験という形でのスタートとなる。

Osso VR

Osso VRの調査によると、従来の従業員トレーニングと比較し、VRを活用した場合は、パフォーマンスが230%向上する、とTewes氏は述べた。

また、Osso VRの別の調査では、膝の手術のシミュレーションにおいて、従来の訓練を受けていた生徒はアドバイスを求めながら11分39秒、VRでの訓練を受けていた生徒は6分29秒で全てのプロセスを完了したという。

Oculus for Businessを通じ従業員にVRトレーニングを提供している企業(一部)は以下の通り。

関わっているデベロッパー(一部)は以下の通り。

「トラック1台分のOculus Questが届いて、そのセットアップを担当する羽目になった自分の姿を想像してみてほしい」(Mo氏)

Enterprise PMのAndrew Mo氏

Mo氏は「大企業にも対応が可能な」デバイスのセットアップとマネージメントのためのソフトウェアツールを発表。

このソフトウェアツールは、多くのOculusデバイスのセットアップ、マネージメントを一括で行えるもの。

セットアップ用のアプリ(Bulk Device Setup App)を使うことで、Bluetoothで複数のOculus QuestをWi-Fiに接続し、ビジネス向けソフトウェアを全てのデバイスに同時にインストールすることが可能だ。

デバイスのセットアップが完了したら、マネジメント用のプラットフォーム(Device Management Web Portal)を使い、設定を変更したり、アプリを管理したりすることができる。デバイスがWi-Fiに接続されている限り、どこでも調整を行うことが可能だ。

デバイスをグループ分けして管理することも可能。

故障した場合、プラットフォームで状態を確認、カスタマーサポートに連絡し、代用機を依頼することができる。

Oculus for Businessでは、Oculus Goは599ドル(64 GB)、Questは999ドル(128GB)。この値段には1年間の製品保証、ソフトウェア、そしてカスタマーサポートが含まれる。

2年目以降、ソフトウェア利用には年間180ドル(ヘッドセットごとに)が必要だ。Questを投入しサブスク化することで、Facebookは対エンタープライズを強化していく。

Facebookが陰謀メッセージが刻まれたVRヘッドセットを誤って出荷

いまや毎週の恒例行事になりつつあるFacebookの恥ずかしい出来事が、4月12日の金曜日にまた発表された。同社の次世代バーチャルリアリティーヘッドセットのコントローラーに、製品版に載せる意図のなかった「イースターエッグ」メッセージが隠されていた。

「数万台」の未出荷消費者商品に「This Space For Rent」や「The Masons Were Here」といったフレーズが、またデベロッパー向けユニットの一部には「Hi iFixit! We See You!」さらには、おそらく最悪とおぼしき「Big Brother Is Watching」といった言葉が内部に刻まれていた。

この告白はFacebookのVR製品責任者であるNate Mitchell氏による一連のツイートによって公表された。

同社は2種類のバーチャルリアリティー新製品を発売に向けて準備中だ。399ドルのスタンドアロン型Oculus Quest VRシステム、および399ドルのPC接続型Oculus Rift Sだ。対象となるユーザーはかなり異なっているが、両システムとも今回問題の発覚した同じTouchコントローラーを使用している。

大部分においてこれは単なるばかばかしい笑い話だ。ハードウェアの完成品にいわくありげなフレーズが書かれているのはちょっと恥ずかしいことではあるが、こじ開けない限り見えないので利用者に与える影響は事実上ゼロだ。それこそiFixitでもなければこじ開ける理由がない。

とはいうものの、ヘッドセットをこじ開けた消費者やデベロッパーがこうしたフレーズを見つけるよりはきれいなほうがいいことは間違いない。昨年あれほど多くのプライバシー問題を起こした会社にとって、内部に「Big Brother Is Watching」と刻まれたデバイスを一部のデベロッパーに届けることは最善の策ではない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookがあなたのバーチャルコピー作成に一歩近づいた

ソーシャルメディアに現れる自分は、これまではちょっとマンガっぽく表現されてきた。このことは、Facebookという会社がVRアバターシステムのようなアバター設計のサービスにどうアプローチしているかを考える上で興味深い。

Oculus Avatarsシステムは数々の変遷を経てきた。以前は表情が硬かったが、米国時間4月3日に人間のように豊かな表情をつくれるアップデートを公開した。Oculusの「Expressive Avatars(表情豊かなアバター)」は、確かに不安を感じるものではあるが、野心的なものでもある。

同社はこのアップデートについて「ユーザーからのフィードバック、および機械学習、エンジニアリング、デザインに関する長年の研究と革新が実を結んだ」と述べている。

リアルに近づくと現れる「不思議の谷」の概念は幾度となく取り上げられているが、この表現はリアルに近づいているのに実際には何もないということがさらに不安な気持ちにさせる。それは確かだ。Oculusは当初、人間が実際にどのように見ているかに基づいてアバターシステムを構築する際に広く向きを変えることを重視していたが、最新のExpressive Avatarsのアップデートで方向性が変わったようだ。

ブログの投稿で同社は、リアリズムに舵を切ることのリスクは認識しながらもこのトレードオフには価値があると強調している。人々は、人間のように見え、人間のように振る舞うアバターで交流したいと望んでいることがわかったと、同社は述べている。

2016年、私たちは確実にわかっていることを表す目的で知らないことを示すことはしないという意識的な決定をした。それ以来私たちは、弊社のハードウェアを高い信頼性で動きをシミュレートするのにどう役立てるかだけでなく、機械学習とすでに理解されている前例によってかすかなシグナルを大きな社会的存在に変えられることについても多くを学んだ。

新しいアバターの口と目の動きは、これまで以上にリアルだ。Facebookが続けてきた小さなアップグレードは、成功への大いなる挑戦だった。

この方向性を選んだのは、ちょっと危険なことかもしれない。Facebookの本当の理想は、完璧なデジタルバーソンを再現することだ。同社はすでに、人間によく似たアバターシステムの設計を手に入れている。現時点での限界は、コンシューマが利用するシステムが貧弱であることと、センサーが正確に捉えたもの以外のやりとりや動きをそれほど高度に推論できるプラットフォームではないということだ。

Facebookの新しいアバターシステムは、米国時間4月3日にOculusのモバイルとPCプラットフォーム上で利用可能になっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Oculus Rift Sが399ドルで今春発売、外部センサーいらずの新型VRヘッドセット

Oculusは新形VRヘッドセット「Rift S」を発表した。以前にも報じられていたように、全面刷新というよりは順当なアップデートモデルとなっている。

まず前モデルからの最大の変更点としては、インサイドアウト方式のトラッキングカメラ「Insight」を本体前面に搭載したこと、そしてディスプレイ解像度が向上したことがあげられる。一方最大のサプライズは、このヘッドセットがLenovo(レノボ)との協力により開発され、いい意味でも悪い意味でのそのデザインの影響を受けていることだ。

Oculus Rift Sの外観は完全に新しくなったが、すべての変更点がVRファンが望んだものというわけではない。それでも、初代Oculus Riftを置き換えるプロダクトとして位置づけられている。

Oculus Rift Sでの変更点

  • 解像度の若干の向上:片目ぶんで1080×1200ドットから1280×1440ドットへ。またレンズも改良
  • フレームレートは90Hzから80Hzにダウン
  • 有機ELディスプレイから液晶ディスプレイに(Oculus Goのパネルと同じ)
  • インサイドアウト型のトラッキングカメラを5個搭載
  • 新形Oculus Touchコントローラーが付属、Oculus Questのものと同一
  • 音質の悪いオンイヤーヘッドホンから、Oculus Goのような耳のそばのスピーカーへ
  • 柔らかいストラップから、「PlayStation VR」風のしっかりとしたフレームに
  • Oculus Riftに比べると視野は若干広い
  • 瞳孔距離のマニュアル調整機能(IPD)はない
  • PCの要求スペックはほぼ変わらないが、より高速なCPUが必要だろう
  • 前モデルの349ドル(約3万9000円)に対し、399ドル(約4万4000円)に値上げ
  • 2019年春に発売

 

 

 

 

 

 

実際のところ、Oculus Rift Sはトレードオフから生まれたプロダクトだ。より野心的なデザイン変更がキャンセルされた後に、製品の方向性が決まったのだ。また、これは前CEOかつ創業者のBrendan Iribe氏が激しく拒んだ決定だった。とあるソースによれば、Iribe氏が会社を去ったのもそれが原因だとされている。

初代Oculus RiftとTouchのセットは当初798ドル(約8万8000円)で販売されたが、最終的には349ドルにまで値下げされた。Oculus Rift Sはそれよりも高価だが、Lenovoによるプラスチック主体のデザインやオンイヤーヘッドホン、IPD機能の省略を考えると廉価に感じられる。一方で、初心者なら搭載カメラの簡単なセットアップや、有線センサーのUSBバンド幅を気にしないでいい点などが歓迎されるだろう。

トラッキングシステムはパワフルだが、Oculusの製品における選択は議論を呼びそうであり、今後の市場の反応が待たれる。なお、製品はコントローラー込みで399ドルにて、この春に販売される。

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(文/塚本直樹 Twitter

Oculusの協同ファウンダーが初期のRiftヘッドセットの不具合を直すリペアキットを無料で提供

Oculusの協同ファウンダーPalmer LuckeyはFacebookにクビにされて以来VRハードウェアのビジネスには関わっていない…今の彼は国境管理のAI化と自分の新しい企業Andurilにフォーカスしている…が、それでも今なお、自分が設計に加わった製品を人びとに好きになってほしいようだ。

二か月前に彼は、同社のOculus Goヘッドセットを自分のユースケースに向けて最適化するためのかなり複雑な改造方法を詳細に述べた。そして今日(米国時間2/18)彼は、Riftのオーディオ用ハードウェアの問題を修復する方法を発表した。それは、一部のRiftユーザーで右のヘッドフォンの音が消えてしまう、という問題だ。

ユーザーのオーディオが完全に聞こえなくなるわけではないが、サードパーティ製のヘッドフォンを使用し、超長いオーディオ拡張コードをPCに接続するやり方は、控えめに言ってもかったるい。Luckey自身は、これはRiftヘッドセットの設計のミスだ、とまで言っている。保証期間内なら、欠陥のあるヘッドセットを修理してもらえるが、彼の所見では、保証期間切れのRiftオーナーがものすごく多い。

Luckeyによると、これまでの数週間彼はオーディオに問題のあるヘッドセットをユーザーから買い上げて、問題を調査していた。そしてついに彼は、対策を見つけた。Luckeyのブログによると、問題を報告してきたユーザー全員に無料のリペアキットを発送する。その詳細は、ブログに書かれている。

LuckeyはもはやFacebookの社員でないのに、なぜこの問題に関わるのか? 彼のブログ記事によると、それはファウンダーの責任でもあるからだ。

Luckeyはこう書いている: “Oculus Rift CV1は不完全だった。問題の一部は、細心に考慮された設計のトレードオフの結果だが、そのほかの問題はローンチ後でないと分からないような設計の欠陥だ。ぼくがその修復に関わっているのは、ぼくからせっかくRiftを買ってくれたのに正常に使えない、というユーザーに対し、申し訳なく思うからだ”。

自分が制作者の一人だった製品に最後まで責任を取ろうとするLuckeyの姿勢は、とってもクールだ。Facebookは今年、Riftのアップデートを出すらしいが、このVRの最初からのユーザーで、オーディオの問題で悩んでいた人も、今やちょっとした工作でヘッドセットを十分に使えるようになるのだ。

画像クレジット: Palmer Luckey

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Oculusの共同創業者、‘Rift 2’ヘッドセット開発中止を受けFacebookを退社

Oculusの共同創業者で前CEOのBrendan Iribeは今日、Facebookを退社すると発表した。TechCrunchはこの件について確認した。

詳しい関係筋がTechCrunchに明らかにしたところによると、IribeのFacebook退社は同社の次世代PCベースバーチャル・リアリティヘッドセット“Rift 2”の開発が中止となるなど、社内のバーチャル・リアリティ部門刷新によるものとのことだ。IribeはRift 2の開発を率いていた。

IribeとFacebookの役員チームは、“成長が見られなかったOculusの将来について根本的に異なった考え”を持っていた。そして、Iribeはパフォーマンスという点で“底辺への競争”には関心がなかったとされる。

Iribeは退社を今日のFacebookへの投稿で発表した。

我々が2012年7月にOculusを立ち上げてから本当に多くのことがあった。こんなに多くのことを成し遂げ、ここまでくるとは思わなかった。信じられないような6年がすぎた今、私は次に移る。

これまで我々が共に成し遂げたことを大いに誇りに思い、また感謝している。我々は史上最も素晴らしい研究・エンジニアリングチームの一つをつくりあげ、Oculus RiftとTouchで真のバーチャルプレゼンスへの最初の一歩を築き、完全に新たな産業をおこした。我々が描くこともできなかった方法で世界を変えるという革命をおこした。

我々は遠くにきたが、しかし旅はまだ始まったばかりだ。Michael Abrashは正しかった:“これらは、古き良き日々”。そしていま、次の素晴らしいコンピューティングプラットフォームと媒体の基礎を開拓するときだー最先端のものをさらに推し進めるときなのだ。 VRとARの全ての部分、特にハードウェアと基幹テクノロジーを改善する必要があるが、Oculusは世界でもベストなチームを抱えている。我々が夢みている魔法のスマートメガネを届けるにはまだ程遠いが、手の届くところにはきている。

Oculusで多くの才能ある人たちと働くことができ、Facebookでの経験は私のキャリアの中でも最も変革的なものだった。賛辞を送ったり感謝の意を述べたりするときの格言があるー“チームの努力の賜物”だ。Oculusの成功は並外れたチームの努力なしには成し得なかった。ここに私は、素晴らしい道のりを支えてくれた全ての人に心からの感謝の気持ちを伝えたい。特にMarkにはこのチーム、そしてVRとARの将来を信じてくれたことを感謝したい。

私事になるが、20年間ずっと走り続けてきて今回が初の本当の休憩となる。充電し、それを反映し、プロダクティブになるときだ。次なる章を楽しみにしている。

PCベースの次世代バーチャルリアリティプロダクト “Rift 2”のキャンセルは、Facebook幹部の関心がいかに外部PCや携帯電話への接続を必要としないオールインワン型のヘッドセットに集中しているかを物語っている。5月にOculusは199ドルのOculus Goヘッドセットをリリースし、来春ごろ399ドルのOculus Quesヘッドセットのリリースを計画していた。Facebookの広報はTechCrunchに対し、PC VRはFacebookの未来のプロダクトロードマップの一部であり、Iribeのチームがこれまで取り組んできたことの多くが未来のプロダクトにはっきりと表れるだろうと述べている。

Iribeの退社は、Facebookが買収した知名度の高いスタートアップのかなりの創業者がFacebookを去るのと重なっている。1カ月足らず前にInstagramの共同創業者のKevin SystromとMike KriegerがFacebookを去ると発表した。TechCrunchの情報では、この2人の退社は少なからず緊張が高まった結果とのことだ。WhatsAppの共同創業者Jan Koumも今年初めにFacebookを離れた。Iribeの仲間で共同創業者のPalmer Luckeyは2017年初めにFacebookをやめている。この決定については彼が下した決定ではなかった、とLuckeyは最近詳細を語っている。

Iribeは、彼が創業しCEOを務めていたOculus VRが2014年に20億ドルで買収されたあとにFacebookに移ってきた。2016年後半に行われたFacebookの組織再編で、IribeはCEO職からFacebookのPC VR部門の責任者というポジションに移されていた。

Oculus VRを共同創業する前、Iribeはソニーが2012年に3億8000万ドルで買収したGaikaiというクラウドゲーミングのスタートアップで最高製品責任者だった:その前は、2011年に3600万ドルでAutodeskに買収されたScaleformというゲーミングユーザーインターフェースツールのスタートアップを共同創業し、率いていた。

我々はIribeにコメントを求めている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebookが3D写真機能を公開――iPhoneで奥行きのある写真が撮れる

 

小さな窓から部屋の中を覗くとしたら頭を動かして何があるのか見ようとするだろう。ニュースフィードの写真でそれと同じことができるようになる。これがFacebookの5月のF8デベロッパー・カンファレンスで発表された3D写真機能だ。Facebookではいよいよこの機能を一般公開する。利用できるのは 当面、iPhoneのポートレート・モードだ。

3D写真をFacebookにアップするにはポートレート・モードを選んで撮影し、「3D写真」のオプションを選ぶ。投稿された写真はデスクトップでもモバイルでも表示されるが、モバイルデバイスの場合、ユーザーがタッチしたりデバイスを傾けたりすると写真がそれに反応する。それに加えて、Oculus GoのVRブラウザやRiftのFirefoxで表示した場合、頭を動かすと横に回り込むような奥行きの感覚が得られる。誰もが簡単に3D写真を撮影したり操作したりできるようになるわけだ。この機能は全ユーザー向けで、数週間かけて公開される。

Facebookでは常にニュースフィードに新しい要素を加えてユーザーの興味をかきたててきた。タイムラインに投稿できるのは当初テキストと写真だけだったが、ビデオが追加され、さらにライブでストリーミングができるようになった。これに360度写真と3D写真が加わる。Facebookではこうしたコンテンツが表示されることでニュースフィードを見る頻度が増え、広告を目にする回数も必然的に増えるものと期待している。これには専用カメラを使って短いカットをつなぎ合わせ、ある種のデジタル点描法で記憶を再現しようとするVR
Memoriesのような機能も含まれる。

この3D写真の仕組みは上のビデオに要点をまとめてあるが、われわれの同僚、Devin Coldeweyがこの記事で詳しく解説している。FacebookはAIを利用して多数の写真から複数のレイヤーを作って前後に重ね合わせ、これによって奥行きを得ている。最新のiPhoneのポートレート・モードは自動的に複数のカメラで撮影するのでこれが視差の感覚を与えるのに役立っている。

3D写真を撮影できるのは現在、iPhone 7+、 8+、 X、 oXSだ(サポート範囲は今後拡大される予定)。 Facebookでは最大の効果を挙げるには対象から1メートルないし1.5メートル程度離れるよう勧めている。また3Dで描写したい場合、3D効果を与えるレイヤーを作るためには主たる対象の前後にも対象が必要だ。これらの対象はくっきりした輪郭で色彩もはっきり異なっていることが望ましい。透明だったり光を強く反射したりする対象が含まれているとAIが正しくレイヤーを分離できない場合がある。

当初この機能はVRコンテンツを誰でも作れるように開発された。しかしVRヘッドセットの普及がいまいちなため、Faceboodではもっともインパクトのあるチャンネルであるニュースフィードに奥行き感覚があり動く写真が表示できるようにした。Facebookの魅力が薄れてかけており、ソーシャルな活動はむしろInstagramにシフトしていると報じられる現在、ニュースフィードにこうした次世代アートを表示できるようにすることは大きな意味があるわけだ。

〔日本版〕記事中のTCビデオはChromeブラウザ以外では表示に問題が生じる可能性がある(原文も同様)」。

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滑川海彦@Facebook Google+