NVIDIAのバーチャルワールド構築プラットフォーム「Omniverse」がベータから正式版へ

Omniverseはクリエイターやデザイナー、エンジニアが共同作業でバーチャルワールドを作るためのNVIDIAのプラットフォームだ。NVIDIAや他社アプリのデザインツールやアセットを、ハードウェアとソフトウェアの1つのエコシステムにまとめる。これまでOmniverseとこれに対応するNVIDIAのさまざまなツールはベータ版だったが、米国時間1月4日のCESで同社はベータのラベルを外し、Omniverseはクリエイターに広く公開された。

NVIDIAによれば、すでに約10万人のクリエイターがOmniverseをダウンロードし、同日のアップデートでは新機能がこのプラットフォームに多数追加された。新機能の1つに大規模なOmniverseの3Dシーンを共有するサービスのOmniverse Nucleus Cloudがある。このサービスを利用すると、クラウドで共有されているドキュメントを扱うのと同じように、クリエイターとクライアントがシーン上で共同作業ができるようになる。わずかな変更のたびに大容量のデータを移動させる必要もない。

画像クレジット:NVIDIA

Omniverseの核心はUniversal Scene Descriptionフォーマットで、これによりさまざまな既存ツールからアセットを簡単に読み込める。しかし基本的な3Dのアセットを有料で利用したい場合もあるだろう。そのためNVIDIAは3Dのマーケットプレイスやライブラリにも新たに対応し、Omniverse LauncherにTurboSquid by Shutterstock、CGTrader、Sketchfab、Twinbruなどが表示される。今後、ReallusionのActorCore、Daz3D、e-on softwareのPlantCatalogもOmniverseで利用できるアセットを公開する。

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Omniverseは無料のアセットとして、自社のOmniverse Machinimaアセットに、ゲームの「Shadow Warrior 3」と「Mount & Blade II:Bannerlord」のキャラクターやオブジェクトを新たに追加する。

キャラクターをしゃべらせたい場合にはAIを利用して3Dの顔を動かすアプリのOmniverse Audio2Faceがすでにあるが、このアプリが新たにBlend shapesに対応し、EpicのMetaHuman Creatorアプリに直接書き出すこともできるようになった。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)