データドリブンマーケティングを理解するための7のキーワード

今週はコンバージョン改善記事を連投中ですが、コンバージョン率改善を目指す上で重要なのがデータに基づくマーケティング、つまりデータドリブンマーケティングです。最近、微妙にバズワードになりつつある雰囲気も感じるこのワードですが、流行に左右されて本質を見失わないために、その内容をきちんと理解しておきたいものです。今回はデータドリブンマーケティングを7つの関連キーワードから理解しようという記事を紹介します。 — SEO Japan


Data-Driven Marketing Terms

今後、データドリブン(主導)の戦略や活動が、より一層展開されていくことになる。そのため、今のうちに、押し寄せるデータの波を迎え撃つ準備を進めておこう。

アトリビューション

ラストクリック(購入前の最後の接点に全ての功績を認める方針)は、ブランディング、そして、従来のマーケティングが、下火になっていた、オンラインマーケティングの初期段階において、大きな注目を集めていた。しかし、ここ数年、ファンネル全体、そして、購入までのパスでマーケティングを実施する戦略の効果が証明され、大きな難題として、マーケッターの前に立ちはだかるようになった。

多くのツールや手法が、成熟期に入っている。従って、2014年においては、購入までのパスの全ての接点を特定し、評価する試みによって、どのように広告予算を用いるのか、そして、どのメッセージを、いつ、どこのオーディエンスの部分に提示するのかが決まるようになる。

Google アナリティクスのマルチチャンネルファンネルとアトリビューションモデリングを使って、マーケティングの支出を管理する方法を学ぼう: Google アナリティクスのアトリビューションモデリング & マルチチャンネルファンネル

ビッグデータ

「今年はモバイルの年になる」(少なくても4年前から言われ続けている気がする…)と同じぐらい、「ビッグデータ」と言う用語を何度も聞かされているはずだ。Cardinal Pathの情報戦略を統括するステファニー・ハメル氏は、「Excelに押し込めないものは全てビッグデータに相当する」と分かりやすくビッグデータを定義している。

2014年においては、あらゆるタイプのデータ — 構造化されたデータ、構造化されていないデータ、ソーシャルのデータ、クリックストリームのデータ、顧客のデータ、売り上げのデータ等 — を集めて、大きなスケールで、正しい決定を下す際に役に立つテクノロジーや手法を適用する必要がある。

ビッグデータの詳細、そして、力を入れるべき分野を詳しく知りたいなら、Cardinal Path社のハメル氏が作成した記事に目を通しておくことを薦める: ビッグデータ – デジタルアナリストに与える影響

顧客分析

マーケッターは、顧客のデータを集め、そして、調べて、価値のレベルを把握し、生涯価値を割り当て/推測し、個人に特化したメッセージ、行動やアトリビューションに応じたメッセージを送る取り組みを長年続けてきた。

現在、消費者は、前例のないレベルで、拡大を続けるデータの足跡を残しており、マーケッターは、顧客の全体像を間近で見ることが出来る — 最善の顧客、最悪の顧客、常連の顧客、さらには、避けたい顧客さえも把握することが可能である。これは、とても特殊なデータであり、徹底的に掘り下げ、見つけ出すべきである。

スピードが最優先され、また、顧客のデータの融合を行う、新世代のデジタル分析ツールを学びたいなら、次の記事を参考にしよう: 新世代のデジタル分析ツール

データサイエンス

データサイエンスは、レポートを読むだけでなく、実用的な情報を得る行為を指す。現代のデータサイエンティストは、数学的なモデルや統計的な手法を用いて、RやSAS等のツールの力を活用し、– それが運営のメソッドであれ、メッセージのテストであれ、あるいは、売り上げの推測であれ — 調べているトピックに関して有益なストーリーをもたらす。

優秀なデータサイエンティストは、現在も、そして、今後も需要が高く、データの収集、分析、予測分析を含むマーケティング戦略を実行し、ほぼリアルタイムで、推奨事項、さらには、プログラムのアクションを改良するスキルを持つ。

レポートを読むだけのグループ、または、有益な情報を得るグループのどちらのグループの属しているかを知りたいなら、次の記事に目を通しておこう: そのKPIが無意味な理由 & 対策

データの視覚化(データ・ビジュアライゼーション)

分析ツールが集めた大量のPDFを受け取ることがあるなら、大半のレポートが役に立たなくなりつつある点に気づくはずだ。この類のレポートを受け取るのは、「これがデータです。解明して下さい」と言われているのと同じだ。

データの視覚化(データ・ビジュアライゼーション)とは、決定を下す上で有効な、有益な見解を得られるデータを、分かりやすく選択し、提示をする試みを指す。基本的なものでは、円グラフや線グラフが該当する。しかし、最近では、インタラクティブなモーショングラフ、ネットワークツリー、地域別のオーバーレイ、そして、ヒートマップに至るまで、様々な選択肢が存在する。データへの投資に対する見返りは、複雑なデータを魅力的で、分かりやすく表現するグラフィックとして現れ、情報を知識へと変えることが可能になる。

次の記事を読んで、効果的なグラフを作り、データに応用する方法をマスターしよう: 効果的なデータの視覚化

オムニチャネル

既にオムニチャネル計画の策定を要請されているのではないだろうか?購入へのパスは、デバイス、メディア、場所、そして、時間を横断している。このようにマルチチャネルマーケティングは進化しているため、消費者が、マスメディア、検索、ソーシャル、モバイル等で、自社の製品を探している際に、その場にいるだけでは、十分とは言えなくなった。

現在、データをまとめて、消費者と顧客候補が行う相互的な活動の複雑な組み合わせを理解する上で、ITとマーケティングの調整が、重要な鍵を握っている。例えば、お店で、探している製品を見つけるため、あるいは、(動画広告か何かで学んだ)チェックインした顧客のみが利用可能なクーポンを探すために、買い物客が使うモバイルアプリをイメージしてもらいたい。これでもシンプルな部類に入る。

個人情報(PII)

PII(Personally Identifiable Information)とは、特定の人物に関連付けることが可能なデータのポイント全てを指す。eメールのアドレス、クレジットカード番号、住所等が該当する。

この件には、法律、倫理、そして、実務の面が絡んでいる。最高の分析データ、そして、アクションの一部は、集約し、匿名化したデータから得られる点を覚えておいてもらいたい。例えば、ターゲット候補となる、利益を多くもたらすユーザーの層を特定することが出来れば、名前やeメールアドレスを知らない状態で、このユーザー層、そして、類似するユーザーの匿名のクッキーに狙いを絞ることが可能になる。ダイレクトメールの送信、勧誘電話、あるいは、個人に特化したメールブラスト等が、PIIを介したつながりを作る取り組みに挙げられる。

最後になるが、2014年を迎えるにあたって、今回紹介したポイントを胸に刻み込んでもらいたい。私が参加する飲み会にたまたま出席する機会があったら、熱い議論を是非交わしたいと思う。


この記事は、Online Behaviorに掲載された「Top Data-Driven Marketing Terms」を翻訳した内容です。

どこかで聞いたことはあるけど、実は余り意味が分かってなかったキーワードがあったかもしれません?これでデータドリブンマーケティングが理解できるかというと、何ともいえませんが、一応この辺りのキーワードを押さえておけば、最低限の話はできそうです。 — SEO Japan

個性豊かな新世代のデジタル分析ツール6選

サイト解析ツールといえばGoogle Analyticsに始まり、Omniture、SEOでお馴染みのGINZA METRICSなどウェブマーケッターであれば誰でも知っているようなツールが多数存在しますが、米国ではより高度な分析機能に特化した新時代のデジタル分析ツールが続々と登場しているようです。今回はそんな中から、特に厳選した6つのツールを紹介した記事を。どれも個性に溢れる使い方によってはあなたのウェブマーケティングのレベル数段アップさせるかもしれないものばかり。 — SEO Japan

The New Generation Of Digital Analysis Tools

新世代のデジタル分析ツールが次々に登場している。この世代のツールは、スピードを重視し、顧客のデータを統合する機能に秀でている。典型的なツールを使った結果、レポートや分析データが混乱を生じさせているなら、中断し、これから紹介する新しい6つの分析ツールをチェックしてもらいたい。

Heap Analytics

「何もかも手に入れる」がHeap Analyticsが掲げているテーマである。タグの管理と同様に、サイトに少量のコードのスニペットが加えられる。すると、多くのデータがなだれ込んでくる。このデータは、イベントフィードとして、未加工の状態でもたらされる。全てのクリック、タップ、スワイプ、ページが記録される。このようなアクションは、「Facebook いいね!」や「Twitter フォロー」等に分類される。そして、イベントが組み合わされ、スーパーイベントが生成されることもある。例えば「Facebook いいね!」と「Twitter フォロー」を含む「ソーシャルアクション」はスーパーイベントに該当する。

データが「適切」に取得されなかった場合、再び分類が行われる。分析のQAを待つことなく、新しいページもその都度送られてくる。しかし、Heaps Analyticsの本当の実力が発揮されるのは、イベントが特定された後である。

ページビューでデータを分類するその他の分析ツールとは異なり、Heapは、まず、ビジターによる整理を行う。ビジター IDが指定されていない場合は、独自のビジター IDを用いる。続いて、「フォームの一部を入力したユーザー」等の区分が特定され、区分に該当する個人がリストアップされる。さらに、それぞれの顧客に関連するイベントストリームが、IDに加えられ、決定した区分に該当する場合、それぞれの顧客が辿ったルートを簡単に確認することが可能になる。

Heapは、ユニークビジターの人数に応じて、価格が変わるシステムを採用している。50万人のユニークビジターを調査する場合、約2000ドル/月が必要になる。heapanalytics.com/

Lytics.io

Lytics.ioは、全ての顧客データを結びつけ、区分を厳格に絞り込み、その他のマーケティングツールに力を与える。Lyticsは、Eメールアドレスやウェブログ等の少量のデータから着手し、その後、独自のマッチングテクノロジーを用いて、Rapleaf、Facebook、そして、キーワードの検索データを、外部データソースとして使い、顧客の記録に色を塗っていく。最終的に、明確な顧客像を用いた「黄金の顧客記録」が作成される。

一連のルールを介して、Lyticsは、Eメールの送信、メッセージの投稿、さらに、顧客への接触を誘発する細かい区分を生成する。顧客記録には、インターネットを頻繁に利用する時間、位置、頻繁に利用するデバイス、関心、年齢層、そして、心理学的属性のデータが含まれる。

Lyticsの価格は、初期のモデルにおいて約5000ドル/月に設定されている。lytics.io

Nectar

Nectar Online Mediaは、ソーシャルメディアのストリームを統一することでもたらされる「ハイパーパーソナライゼーション」に特化している。また、Nectarは、データを一体化して顧客を総合的に見るだけでなく、顧客を最高のタイミングで行動してもらうことを意図した、スピーディーなトリガーの実施を目標に掲げている。

例えば、販売しているカメラの様々なモデルを展示するページをAさんが閲覧しているとする。Aさんは、特定のモデルを入念にチェックした後、購入せずにサイトを去った。

AさんのFacebookのストリームからデータを確認したところ、イベントが近づいていることが判明した…カリブ海にバカンスに行くようだ。そこで、AさんのFacebookのニュースフィードに100ドルを値引くクーポンを投稿した。次にリマーケティングの手法を使って、Aさんがウェブを利用する際に、カメラと付属品の広告を表示させる。これが、ハイパーパーソナライゼーションである。

Nectarの価格は公表されていない。nectarom.com

Infogr.am

良いか悪いかは別として、見やすさを意識してデータを表示すると、読む量、そして、取り込む量を管理することが出来る。しかし、分析の知識を持つデザイナー、そして、反対に、デザインスキルを持つ分析のエキスパートは少ない。ここで、Infogr.amが役に立つ。

Infogr.amは、既製のインフォグラフィックのテンプレート、そして、カスタマイズ可能なグラフィック、ワードクラウド、そして、アイコンを持つオンラインシステムである。自分のグラフィックと動画をアップロードし、エンベッドすることも出来る。

Infogr.amのシステムは、とても分かりやすい。データを既に用意しているなら、5-10分もあればインフォグラフィックを作ることが可能だ。しかも、その大半は、各種のカスタイゼーションの選択肢を調べることに費やされる。Infogr.amは、静的なシステムであり、インフォグラフィックを投稿したら、数字に手を加えることは出来ない。また、大量のデータを掲載するケースには向いていない。しかし、注目を集めることを目指した有益なサマリーを提供するなら、うってつけのサービスとなる。

Infogr.amは無料版を提供しているものの、テンプレートの選択肢を増やしたいなら、12ドル/月のプロ版の購入を検討しよう。infogr.am

Insight Rocket

Insight Rocketは、自動のマルチチャンネルでのストーリーテリングを可能にする。これは、Tableauのレポートの長所と柔軟性に、主張する力を組み合わせたツールである。Insight Rocketは、スタッツを異なる経緯で解釈する、例えば、ブランドやコマース等の複数のチームを擁する大きな企業に向いている。同じ計測基準を全チームが用いる状況が理想だが、これは稀なケースである。管理するデータを「真実」として表に出す前に、社内で連絡を取り、合意を得る必要がある。

さらに、Insight Rocketには、データの分類を支援する強力なデータ統合チームが控えている。つまり、データが組み合わされ、Tableauのレポートが実施された後、分析スタッフは、自由にデータを研究することが出来る。有益な情報が見つかると、ストーリーのように配信され、Eメールやイントラネットシステムに送り込むことが可能である。その上、ストーリーを踏まえた質問および回答を提供する機能も用意されている。

Insight Rocketの価格は、2000ドル – 10,000ドル/月に設定されており、データのソース、および、必須のサポートに応じて変動する。insightrocket.com

Beyond Core

Beyond Coreは、データ分析の新しい領域を切り開くツールである。真のデータサイエンスの方法、機械学習、そして、自動作成動画を組み合わせている。Beyond Coreは、分析のビギナー、そして、一流の分析のエキスパートに対して、多くの機能を用意している。

ビギナー、または、分析を専門としていないユーザーに対しては、分かりやすいアドバイス機能を提供している。データがシステムに読み込まれると、ユーザーに代わって、マシンが、特に興味深いデータで表を作成する作業を担当し、*その後*、要点を2分間で説明する自動のインテリジェントな動画ナレーションを提供する。分析データを解釈することが出来る人材はほんの一握りしかいないため、このツールは非常に有益である。データの意味を同じ関係者に何度も説明したことがある分析家なら、情報を自動的に送るこの機能を大歓迎するはずだ。

また、Beyond Coreは、高度な分析の取り組みにも対応している。このシステムはHadoopをベースとしており、サンプリングを行うことなく、(数週間ではなく)たった数時間で大量のデータ列を処理することが出来る。データがロードされると、分析担当者は、システムが最適化する列を選択する。その後、計算が始まり、数字を増やす要因が表れる。明らかな答えが表れたら(例えば、保険に加入していない大勢の患者が、病院の費用を上昇させているケース)、当該のグループを排除し、再び分析を行おう。2度目の分析では、より深い相関関係が浮上してくる(分析のやり直しには、通常、数週間を要する)。さらに、多数の変数を加えることが可能であり、初期の変数の選択に対する偏りを取り除くことが可能である。

Beyond Coreはセルフサービス形式のツールであり、価格は500ドル/月~に設定されている。beyondcore.com

ビッグデータ革命は、デジタル分析のスピードとツールに多くの変化をもたらしている。企業の重役陣は、分析スタッフが明らかにするソリューションをまだ知らない。この活躍により、分析の担当者はヒーロー扱いされるだろう。

編集者記: サムネイルで利用した画像は、強力な視覚化ツールのCircosから借りた。


この記事は、Online Behaviorに掲載された「The New Generation Of Digital Analysis Tools」を翻訳した内容です。

「アクセス解析」という言葉が死語に聞こえるハイレベルなツールばかりでした。どれも使いこなすにはそれ相応のマーケティングの知識と経験が求められそうですが、臆せず活用していけば、ウェブマーケティングの効果を劇的に改善できる可能性を秘めていそうですね。あ、もちろんデータアーティストもお勧めです! — SEO Japan