ユネスコが学校が閉鎖された全世界7億7670万人の子供たち用遠隔学習ガイドを公開

世界中の学校がCOVID-19の流行を緩和するために閉鎖されたり、オンラインのクラスに移行するなか、多くの保護者や教育者が良いアイディアを求めてもがいている。ユネスコ(UNESCO、国際連合教育科学文化機関)は、遠隔学習アプリや、その他のリソースへのリンクを掲載したオンラインガイドを作成した

ユネスコによると「COVID-19によって、前例のない数の子供、若者、大人が学校や大学に通えなくなっています」という。実際、100カ国の政府が学校の閉鎖を発表し、あるいはすでに実施している。全国すべての学校が閉鎖された85カ国では、合計で7億7670万人以上の子供たちが影響を受けている。

ユネスコは、各国の国営学習ポータルのリストに加えて、デジタル教育ツールのリストも更新している。その中には、ClassDojoGoogle Classroomといったデジタル学習管理システム、KaiOSというガラケーでスマホ的なアプリを利用できるようにするソフトウェア、Can’t Wait to LearnKolibriRumieUstad Mobileといったオフラインでも十分使える機能を備えたソフトウェアなどが含まれている。

このリストでは自己学習プラットフォームのMOOC、モバイル読書アプリ、教育用ソフトウェア開発ツールそしてDingtalkHangouts MeetZoomといったライブビデオのプラットフォームも紹介されている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Udacityがテクノロジー職業教育を最下層からテコ入れし10万名に無料のプログラミングクラスを提供

【抄訳】
Sebastian Thrun(セバスチアン・スラン)氏が創業したオンライン教育企業のUdacity(ユダシティ)が、ドナルド・トランプ大統領の政権下で行われている職業訓練事業Pledge to America’s Workers(米国労働者への誓い)の一環として、新たな奨学制度を立ち上げる。

CEO Gabe Dalporto(ゲイブ・ダルポート)氏のリーダーシップのもとでUdacityは、毎年2万名に初等テクノロジー教育訓練クラスを無料で提供する。

この教育事業は、ウェブのフロントエンドとモバイルアプリの開発、およびデータ分析がメインになる。応募者に必要条件はないが、奨学制度なので対象はプログラミングのスキルを学びたいと思っている低所得の個人だ。彼らを需要の多い高給の職種に就けることによって、キャリアの高度化を目指す。

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今は、米国の労働者にテクノロジー教育を提供する絶好の機会だ。コンサル大手マッキンゼーによると、同国では2030年までに3860万人が解職され、新たな雇用を必要とする。一方、調査会社のGartnerガートナー)によると、多くの企業が人材不足を最上位の懸念としている。

Udacityの事業は2段階に分かれている。最初の1年は10万名を対象に、現状のスキルレベルに関わりなく同社の入門クラスを提供し、週に数時間の授業を2〜3か月受けさせる。

次の段階として、これらの生徒はUdacityのメンターとコミュニティマネージャーにアクセスして、Udacityの科目別学位取得事業ナノディグリー(Nanodegree)を最後まで完全に受けられる。学業とコミュニティ活動の両面で成果を上げた上位の生徒1万名が、これを無料で受講できる。

Udacityのナノディグリーは普通に受けると1カ月399ドルで、通常は5カ月で卒業する。同社のデータによると、Udacityの事業経由で職を得た者の約半分が、それまでよりも38%多い給与を得ている。

Man coding on computer at night.

画像提供: Getty Images/DeanDrobot

【中略】

Udacity自身にとっての大きな変化は、入門クラスを別立ての事業にしたことだ。これまでUdacityは入門コースを、もっと本格的なナノディグリーコースの冒頭に置いていた。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

UdacityのナノディグリーにReactプログラミングが加わる、4か月で499ドルはお買い得

労働者/労働市場における慢性的なスキル・ギャップを解消したいと願うUdacityは、短く縮合したコースによって今日的な技能を短期間で習得し、生徒たちがより良い被雇用機会を得られるよう、努めている。同社のコース、通称“ナノディグリー(Nanodegrees)(微小学位)は、VR(仮想現実)やロボット工学、ディープラーニングなどの重要な技術的スキルとともに、非技術的なスキルも教えている。今日(米国時間6/20)Udacityは、その最新のコースReactプログラミングを立ち上げた。

ReactはWebアプリケーションのフロントエンドの制作に使われるJavaScriptライブラリで、このところ凄(すさ)まじく人気がある。AirbnbやNetflix、Facebookなどでも使われているから、テクノロジー企業で仕事をしたい人は、ぜひ身につけるべきスキルだ。

同社のナノディグリーの多くがそうであるように、Reactのコースもパートナーがいる。それはReact Trainingといって、企業を対象にネット上や実際の教室でReactライブラリの一から十までを教えているグループだ。

Reactへの関心は近年うなぎのぼりだ。このグラフはGoogle検索の検索語登場頻度。

所要時間4か月、一学期のみのこのコースは、三部構成で、各部でプロジェクトに取り組み、生徒は自分のGitHubアカウントを持つから、それを未来の雇用者に示せる。

学び方はReact Trainingのふつうのコースと同じで、Reactの基礎を頭に叩き込んでから、便利ツールReduxとReact Nativeを使ってReactプログラミングの実践を開始する。

受講料は499ドルだが、今の高等教育の時間単価よりずっと安いだろう。しかもこのお値段で生徒にはメンターが付く。専用フォーラムもあるし、Slackの専用チャネルも使える。Udacityの基本的な考え方は、生徒が自分にとって難しい箇所にぶつかったら、必ずエキスパートや同級生に助けてもらえる学習環境を確保することだ。言い換えると、絶対に挫折・落ちこぼれしないコースの維持だ。

UdacityとのパートナーシップはReact Training自身にとっても良い、と同社のTyler McGinnisは説明する: “Udacityには、コードをレビューしたり生徒にメンターを提供するリソースがある。うちは、たった3人だからね”。

しかしネットを利用する教育は、まだまだ、それをもっとも必要としている人たちの手から遠いところにある。そんな中でUdacityは、そのリーダーの多くが、状況を前へ進めるためには教育を単純にネット化するだけ(ネット上にプレゼンスがあるだけ)ではだめ、と自覚しているから、社会への貢献度が大きいだろう。

一般的大衆的普及を目指してUdacityのCEO Vish Makhijaniは、州や市町村の行政の理解と支援を仰ぎ、物理的なプレゼンスも構築している。たとえばネバダ州レノには、ネットでなく人力授業のための教室がある。

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UdacityがCloudLabsを買収してグループのコラボレーションによるプログラミングを教える

Full Frame Shot Of Program Codes On Screen

オンライン教育のUdacityは主に、ソフトウェア開発やデータサイエンス、機械学習などを教えている。そのために同社は、創業5年目にして初めての買収、CloudLabsの買収により、ネット上(==ブラウザー上)に対話的なグループ・プログラミングの環境を作ろうとしている。言い換えるとそれは、複数の人たちのコラボレーションでプログラムが作られていく過程だ。

CloudLabsという名前はあまりにも漠然としていて分かりにくいが、同社が提供しているTerminal.comは、ユーザーがその上で、独自に対話的なコンピュータープログラミングのコースを作れる、という文字通りのプラットホームだ。各ユーザーのコースはコンテナのイメージに収められるが、コースのユーザーインタフェイスはコマンドラインだ。Udacityは同社の、ライブな(==リアルタイムの)デベロッパー環境を、一部のコースに実装するつもりだ。インストラクターはコードをその場ですぐに点検でき、特定の問題に注意を喚起したり、生徒たちとスクリーンを共有したりできる。

CloudLabsの5名の技術者チームは全員がUdacityに残るので、人材込みの買収になった。CloudLabsのCEO Dr. Varun Ganapathiが同社の機能のUdacityへの統合を指揮し、またUdacityの今後の機械学習プロジェクトに貢献していく。

この二つのプラットホームが合わさったことによって生徒は、一歩々々段階的なプログラミングが容易にできるようになり、またその過程でのフィードバックも得やすくなる。Udacityは、オンラインのプログラミング学習が生徒にとってより心地よい体験になることに加えて、生徒の成績評価や報告機能の自動化でも、CloudLabsのチームの力を借りたい、と考えている。

“人間的な(人間からの)フィードバックはネット学習においてものすごく重要、と考えている。でも、それと同時に、成績評価をもっと効率化したいし、それによって生徒一人あたりのコストを下げたい”、UdacityのCEO Vish Makhijaniはそう説明する。

対話的なプログラミング環境を開発している企業の買収をUdacityは、計画的に進めてきた。まずやったのが、CloudLabsの競合他社の調査分析だ。また同社の一部のナノ学位に、Terminal.comの機能を試験的に実装してみた。Udacityは、ナノ学位と呼ばれるその短い学位取得課程を、ディープラーニングや自動運転技術、VRの開発など、ホットな専門科目で重点的に利用している。

“Terminal.comのうち独自のバージョンも作ってみたし、それがすごく堅固な構造であることも分かった。また同社とは前に、ちょっとした業務関係もあった”、とMakhijaniは付言する。

チームの移籍により、Terminal.com本体の開発は停止する。SECのファイルによると同社はこれまで、612万ドルを調達しているようだ。Udacityは、今回の買収の価額等を公表していない。

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実践重視で生徒の関心が持続するプログラミングスクールAcadGildが開校

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今、プログラミングを勉強したい人にとって、選択肢はとても多い。Codecademyのようなところでマイペースでやるのもよいし、無料や有料のMOOCもある。あるいは、Holberton Schoolのような個人教授タイプもある。

今日(米国時間6/1)アメリカでローンチするAcadGildは、やり方がちょっと変わっている。その学習課程は10名以下の小さなクラスと、経験豊富な先生たちの指導を組み合わせて、プロジェクトベース(具体的現実的なプロジェクトを作っていく)で勉強をしていく。週に7日、1日24時間のサポートもつく。すべてオンラインで行われるが、クラスは一定の日にちと時間に(ネット上で)集まって、教科を消化する。

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プロジェクトの協同ファウンダーVinod Dhamはそれまで、IntelのPentiumプロセッサー部門のVPだった。彼によると、自分のキャリアはハードウェアで築いたけど、“これからの成長株はソフトウェアだ”、と考えている。しかも現状では、プログラミングのスキルに関して、未だに大きな需給ギャップがある。

Dhamも、今や人びとにプログラミングを教える企業や非営利団体がたくさんあることを知っている。しかし彼は、ビデオを使うMOOCは絶対に、プログラミングを効果的に教えられる方法ではない、と確信している。“プログラミングはビデオを見ておぼえるものではない”、と彼は言う。“それは、人にビデオを見せて水泳を教えようとするのと、おんなじだよ”。

パイロット事業によるAcadGildの最初のテストは、彼の故国インドで行った。故国であるというより、インドはプログラミングを教える人材がアメリカよりも見つけやすいのだ。しかも、ほとんどの人が英語能力が高い。

そのパイロットの間に、いろんなカリキュラムやコース編成をテストした。そのとき彼らはさまざまな発見をしたが、そのうちの一つは、生徒は具体的現実的なプロジェクトに自分で取り組む方が、学習成果が良い、ということだ。だから今日ローンチするコースでも、時間の半分はメンターに助けられながらアプリケーションを実際に作ることに当てられる。

AcadGildが今提供しているコースは、フロントエンドのデベロッパー向け、バックエンドのデベロッパー向け、データサイエンス、モバイル開発、テクノロジー主体の経営学、などだ。ひとつのコースが約12週、授業料は約600ドルだ。

子どものためのクラスもあり、それは500ドルぐらい。今後は、企業の社員教育もやってあげたい、という。

一部のプログラミングスクールと違ってAcadGildでは全員入学、途中で、ついていけないと自覚した者には返金する。インドで行ったパイロットでは、生徒の大半は既存のプログラマーのスキル・ブラッシュアップが目的、しかし、事前のプログラミング経験はゼロ、という人たちもけっこう多かった。後者のような生徒のために同社は、複数のプログラミング入門クラスを設けている。

AcadGildは今、各コースの入学申し込みを受け付けている。新しいクラスは、週に一つまたは二つのペースで始まる。

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適応数学学習プラットホームKnowReがシリーズAで$6.8Mを調達、ニューヨーク市の教育アプリ賞を受賞

中学生のための数学勉強サイトKnowReが、新たに680万ドルの資金を調達した。この投資を率いたのは同社の前からの投資家SoftBank Ventures Koreaで、KTB Network Partners FundとPartners Investment、およびSparkLabs Global Venturesが参加した。

KnowReの協同ファウンダで協同CEOのDavid Jooは、声明文の中で、このシリーズAの資金によって“合衆国における展開を拡大し、弊社のローンチによって生まれた各学校や学区からの熱烈な需要に応えていきたい。また製品開発にもさらに力を注ぎ、合衆国と韓国および広大なアジア市場に合わせたプロダクトを提供していきたい”、と述べている。

KnowReを本誌が最初に取り上げたのは2013年の1月で、そのとき同社はその適応学習プラットホームのためにSoftBank Ventures Koreaから140万ドルを調達していた。このサイトは、各生徒の勉強の進み方に合わせてレッスンを個人化する。このプラットホームを教師が宿題の一部として利用したり、また教室で授業に利用したりすることが、主なねらいだ。

同サイトは1年間、合衆国の数十の中学や高校でパイロット事業を展開し、その後今年初めに正式にローンチした。2013年のGapアプリコンテストではニューヨーク市教育局“最優秀教育アプリ賞”の一等賞を受賞し、最近ではRobin Hoodカレッジの成功賞を受賞した。

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動画学習サービスの「schoo」が刷新、起業や英語など4分野をカリキュラム化

スクーは6月2日、オンライン学習サービス「schoo」をリニューアルし、「学部」制度を導入した。

schooは、オンラインで生放送の授業をストリーミングするリアルタイム動画学習サービス。現在ユーザー数は8万人ほどで、外部の「公認団体」によるコンテンツも含めて、毎月150本程度の授業が提供されている。平日夜にも関わらず、4000人が視聴する授業もこれまでにあったという。schooを運営するスクー代表取締役の森健志郎氏は、「月次に提供できる授業数が増えれば、ユーザー数が増えるという形ができあがっている」と現状について説明する。法人向けのニーズも高まっているとのことで、オフラインで開催されるセミナーのリプレイスをしたいとった相談もあるそうだ。

また3月に東京⼤学 知の構造化センターが主宰する全学教育プログラム「東京⼤学 i.school」の学習コンテンツを無料公開し、5月には法政大学キャリアデザイン学部の2科目13授業を無料公開するなど、コンテンツプラットフォームとしての役割も広げつつある。

今回導入する学部は、カリキュラム化された生放送やこれまでの録画授業を1つの分野でまとめることで、その分野に関する知識をひと通り学べるようになるというものだ。schooでは、これまでにも起業をテーマにした授業が多く存在しているが、このカリキュラムをこなすことで、「法律や規約」「資金調達」「メンバーの採用」「ビジネスモデルの構築」といった「起業を検討し始めたときから、シリーズ A の資金調達を完了できる起業家になるまで」に必要なスキルが身につく、というところを目指すという。6月上旬には同じ学部所属者とコミュニケーションをとることができる「グループ機能」の試験運用を開始するほか、一定の学部所属者が集まった時点で、リアルイベントも開催する予定だ。

すべての生放送と一部の録画は無料だが、月 2 コマ以上の録画を受講する場合には、月額 525 円のプレミアム会員登録が必要となる。僕は創業時からスクーの取材をさせてもらっているが、実はこれまで、同社はマネタイズについてあまり明言してこなかった(現状3%程度のユーザーがプレミアム会員だったとは聞いている)。しかし今回の学部導入について話を聞いた際、「ここまで来たらマネタイズが見えてきた。現在の学部よりさらに高度なスキルを学べる学部を新設して有料サービスにしたり、広告を導入したりできるのではないか」と、初めて森氏から話を聞くことができた。ただしまずは冒頭で紹介した法人対応を優先するとのことで、有料の学部設置などはそのあと検討していくそうだ。

設置する学部は「スタートアップ」、「WEB デザイナー」「グローバルビジネスパーソン」「キレイ女子」の4つ。これまでも授業のテーマとしてきた起業やウェブデザインといった分野以外に、ビジネス英会話や女性向けメイクといった分野のコンテンツを集めていく予定だ。1つの学部の学習時間は30〜50時間程度になる予定だという。


Pixarなども顧客とするクリエイティブ教育のDigital-Tutorsがデベロッパ教育の大手PluralSightに買収

【抄訳】

PluralSightはソフトウェアのプロフェッショナルたちのための教育訓練企業として2004年に創業、2008年にオンライン化したが、近く、クリエイティブ方面の教育訓練サービスDigital-Tutorsを4500万ドルで買収する、と発表した。

Digital-Tutorsを買収することによってPluralSightには、これまでなかったメディアやデザイン関連のコースがおよそ1500ほど加わる。現在のPluralSightには、プロのデベロッパ向けの教育訓練モジュールが3000あまりある。

このところソフトウェアの教育訓練という業種分野には合従連衡のブームがあり、買収等を通じて、今までよりも大きくなって市場を有利に支配したいという動機が伺える。買収に動くのは主に、これまですでに資金状態が良くて大きくなっていたところである。

ソフトウェア技術の世界は技術の革新や変化が常時激しいので、プロたちもコンスタントに勉強せざるをえない。そこで情報技術のための教育訓練サービスが、ビッグビジネスになるのだ。Global Industry Analystsの予想によると、ソフトウェアと情報技術に関してプロたちを教育訓練するための支出は、2015年には1070億ドルに達する。

PluralSightと似た動きを見せているのが、今月初めにカナダのオンラインプログラミング学習サービスCompilrを買収したLynda.comだ。Lyndaもオンライン学習サービスの大手だが、これまで同社になかったプログラマ~デベロッパを育てるコースを、この買収により手に入れたのだ。

“この業界の最近の傾向は、投資家にとっても、また市場の顧客にとってもより明確で分かりやすい業態に脱皮することだ”、とPluralSightのCEO Aaron Skonnardは語る。“今はMOOCが注目を集めているが、その多くは収益化で苦労している。そして、財務基盤が堅固で良いアイデアを持っているところが、そうでないところを取り込んで、より肥大しようとしている”。

PluralSightにとってオクラホマシティのDigital-Tutorsは、ここ8か月で4つめの買収だから、上述のSkonardの言葉も真に迫っている。Digital-Tutorsの顧客には、PixarDreamWorks Animation、 and Rockstar Gamesなどの企業や、大学、そして個人のプロフェッショナルたちが顔を揃えている。なお、今回の買収により両社の既存のユーザは、お互いに相手企業の教材に現在の料金のままでアクセスできる。Digital-TutorsのファウンダでCEOのPiyush Patelは、Pluralのクリエイティブ担当VPになる。

PluralSightがこのところ総額1億ドル近くを投じてかき集めた4つの買収企業のうち、残る3社は、デベロッパにオープンソース関連のコースを提供しているPeepCode、スクリーンキャストを利用してプログラマを教育していたTekpub、そして企業のITスタッフを育てるTrainSignalだ。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


有力オンライン語学サイト、DuolingoがKleiner Perkinsから2000万ドル調達―グループ機能追加へ

人気のオンライン語学プラットフォーム、Duolingoは、今日(米国時間2/18)、シリーズCのラウンドで2000万ドルの資金をKleiner Perkins Caufield & Byersから調達したことを発表した。私の取材に対してDuolingoのファウンダー、Luis von Ahnは「この資金を利用してわれわれは語学学習市場のリーダーとなるべく引き続き努力していく」と語った。

これまでDuolingoは2011年にUnion Square VenturesがリードしたシリーズA、2012年にNEAがリードしたシリーズB(1500万ドル)の2回のラウンドを実施している。Duolingoへの投資家にはTim Ferrisや俳優、ベンチャーキャピタリストのアシュトン・クッチャーなどが含まれる。今回のラウンドにはこれら既存の投資家も参加した。

Von Ahnが語ったところによれば、Duolingoには現在2500万の登録ユーザー、1250万のアクティブ・ユーザーがいる。昨年末のアクティブ・ユーザーは1000万人だった。

この数字が正しいなら、現在Duolingoで外国語を学んでいるユーザーはアメリカの公立学校で外国語を学んでいる生徒より数が多いことになる。Von Ahnはこの急成長の一因はAppleがDuolingoをiPhone App of the Yearに選定したことにあると述べた。Appleの「今年のアプリ」に教育ジャンルから選ばれたのはDuolingoが最初だ。

今回の資金調達に伴い、Kleinerのパートナー、Bing GordonがDuolingoの取締役会にオブザーバーとして参加する。

同社の社員は現在、34人だが、資金調達によって新規採用を行い、近く50人になるという。

またDuolingoは近く、グループ学習機能をリリースする。これによって学校の教師はクラスでの授業にDuolingoを利用しやすくなる(多数の生徒の進歩を把握できるようになる)。多くの大企業では社員の語学研修にRosetta Stoneなどのツールを使っているが、Duolingoはグループ機能を武器にこの分野にも積極的に進出していくという。

Von AhnはDuolingoの創立以前にOCRで読み取れなかった文字をクラウドソースで人間に判定させるreCAPTCHAを開発しGoogleに売却するという成功を収めている。

Duolingoも同様のクラウドソース原理に基づいたサービスだ。教師役のユーザーは生徒役のユーザーに外国語を教えながら、その過程で有料の顧客のために翻訳を行うことになる。

昨年、同社はCNNやBuzzFeedと提携し、記事のスペイン語、ポルトガル語、フランス語への翻訳をスタートさせた。CNN、BuzzFeedは契約を更新して翻訳が続けられている。

こうした大企業との契約は現在大きな収入源となっているが、von Ahnはこの2ヶ月ぐらいの間にセルフサービスの翻訳サービスもスタートさせる予定だと語った。

ただしDuolingoは今のところ損益分岐点に到達するための期限を特に決めていない。voh Ahhは「売上があるのはいいことだが、当面はユーザーベースの拡大に最大限の努力を払うつもりだ。オンライン語学学習のデファクト・スタンダードになることがわれわれの目標だ」という。またvon Ahnは「今まで広告には1ドルたりとも使っていない。当面、広告に金を出すことはないだろう」と語った。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


既存大学そのままオンライン化の限界を悟ったUdacityが, 企業人を先生とするデータサイエンス課程を開始

インターネットの上には、その気になればビジネスに活を入れることのできる貴重なデータがたくさんあるので、今企業は、それらのデータの中からデジタルの金塊を発見できる統計家を熱烈に求めている。ホワイトハウスもデータサイエンティストの増員が必要と言い出した昨今、MOOC(Massively Open Online Course, 大型公開オンライン課程)のプロバイダUdacityが、有料の統計学課程をローンチした。

“すでに相当大きな需要がある。このオンライン課程により、求人者と求職者とのあいだのスキルギャップを解消したい”、とUdacityのファウンダSebastian Thrunは言っている。

“探査型データ分析(Exploratory Data Analysis)”と題されたそのコースは、 月額150ドルで3月に始まり、Facebookのエンジニアが授業を担当する。また、今日(米国時間1/22)始まる”データサイエンス入門(Intro to Data Science)”(同じく月150ドル)は、小売業向けの小さなアフィリエイト企業Yubのエンジニアが教鞭をとる。

受講期間は受講者のペースにもよるが、およそ2週間から2か月である。

しかしこのオンライン教育を、大学のオンライン課程に比べるとどうだろうか。UC Berkeley(カリフォルニア大学バークリー校)は、学費6万ドルで2年がかりのオンラインデータサイエンスコースを開始した。Udacityのコースに比べると、期間も学費も相当大きい。

今のところ、Udacityがバークリーに比べて良いとか悪いとかは言えないが、ぼく自身はかつて、ふつうの大学で統計学の修士号を取得した。そこで、ぼくの過去の学習体験と、CourseraでJohns Hopkins大学が無料で提供しているデータサイエンスコースを比較してみた。

率直に言って、Couseraはなかなか良い。授業内容はぼくが大学で受けた講義や演習などとほとんど変わらないが、教え方のテクニックは最新だ。

Udacityのは、先生が企業人だ。だから教材として使用されるデータ集合は、ぼくが大学の統計学で使ったものよりも、ずっと実用価値が高いだろう。

Udacityのビジネスとしては、どうなるのか、そこがまだはっきりしない。同社はこれまで、総額で2000万ドルの資金を獲得したし、ジョージア工科大学のコンピュータ科学の学位を6000ドルで提供している。カリフォルニア州立サンノゼ大学との実験的な提携がうまく行かなかったので、今多くの大学がオンラインコースの提供開設をためらっている。しかしThrunは、学習資源を既存の大学以外にも広げていきたい、と言っている。だから今回は、企業人の先生に教わるのだ。

今後は、このようなノン大学のコースを、コンピュータ科学Web開発、そしてモバイルWeb開発でも始める予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


デベロッパ教育訓練企業もMicrosoft/Windows偏重から脱出して現代化未来化へ転身

プロのデベロッパに対する教育訓練のための各種リソースを提供するPluralsightは、今年の初めにInsight Venture Partnersからの2750万ドルの資金調達を発表したが、このほどそのお金を、実際に当初の目的どおりに使うことになった。MicrosoftやSalesforce、Twitter、Facebook、Dell、HP、Intel、Disney、EMCなどが利用している同社は、同じくデベロッパ教育のためのリソース、とりわけビデオによるチュートリアルを提供しているPeepCodeを買収した。ここには、Ruby、Node.js、JavaScript、Unix、Git、CSS、RSpec、データベースなどなど、さまざまな技術を対象とする教材が揃っている。

全額キャッシュによる買収だが、その額は公表されていない。しかしこの買収によってPluralsightのオンラインライブラリには新たにおよそ100の新しいコースが加わることになり、とりわけ、相当量のオープンソースコンテンツが増加する。今では、プロのデベロッパの多くが、オープンソースの技術およびツールと親しい仲になりたいと願っているから、絶好の買収だったと言える。

“PeepCodeはオープンソース界隈でもっとも尊敬されている名前の一つだ。そのクライアントにはGitHub、AT&T、Yammerなどが顔を揃えている”、とPluralsightのCEO Aaron Skonnardは語る。“これまでのPluralsightの顧客ベースは、顔をもっぱらMicrosoftの方に向けているエンタプライズが中心だった。今回の買収はPluralsightに、本格的なオープンソースプログラマの学習リソースとなっているコンテンツを与える。また、それらを支えている人材も得られる”、と彼は述べた。

2004年に創業されたPluralsightは最初の3年間、物理的な教室を使うデベロッパ教育を提供していたが、その後オンラインに方向転換した。今日の同社は数百ものコースを抱え、プランは個人、モバイルユーザ、企業、エンタプライズなどに分かれている。これまではMicrosoftの技術に強い教育企業だったが、そのほかSalesforce、Java、Android、iOSなどのプラットホームのための教材や教程も提供している。

今年の初めにSkonnardは、新たに得られた資金を教材/教程の一層の多様化に充てていきたい、と言っていた。そのとき具体的に構想していた開発プラットホームは、TwitterやFacebookのようなソーシャルプラットホーム、Java、Android、Ruby、PHP、Python、そしてAmazonのAWS、Google App Engine、Windows Azureなどのクラウドプラットホームだ。

PeepCodeには、それらのコンテンツが部分的にあり、またそのビデオコースの有料ユーザが数千人いる(ビデオ5本で55ドル、10本で99ドル、無制限で199ドル)。それらのビデオは、デスクトップからモバイルまでどんなデバイスからでも見ることができ、またオフラインで見ることもできる。

これらの顧客が、これからはPluralsightのユーザベースに加わる。その総数は、150か国30万名におよぶ。

さらにPeepCodeは、ビデオ教材/教程コースを作る数十名の教材制作者を抱え、彼らに指導料とロイヤリティを払っている。その点はPluralsightも同じで、Peepの数十名がこれからはPluralの150名の教材制作者の仲間に加わることになる。またPeepCodeのファウンダGeoffrey Grosenbachは、Pluralsightにおいてオープンソース開発を担当するVPになる。

Skonnardの予定では、両社の教材ライブラリの統合に数か月を要する。その後はコース数が650あまりになり、受講の方式は一本化される。

また、経過措置として、PeepCodeの既存のユーザに対し、Pluralsightの料金体系に対する“両替システム”が提供される。たとえばPeepのビデオ教材5本プランを買っていたユーザは、Pluralで一定時間のコースを受講できることになる。

向こう数か月は両サイトとも現状のまま運用されるが、そのあとは、PeepCode.comがPluralsight.comへリダイレクトされる。

今回の新コースの追加により、来年以降のPluralsightの売上の成長は三桁ペース(伸び率数百パーセント==倍増、倍々増)を維持する、とSkonnardは豪語している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))