アダルト系SNS「OnlyFans」が認証済みNFTをプロフィール画像にできる機能を提供

Twitter(ツイッター)に続き、NFTプロフィール画像の波に乗るのは誰になるとあなたは考えていただろうか。アダルトコンテンツで成長したにも関わらず妙にイメージをクリーンアップしようとしている、NSFW(職場閲覧注意)クリエーター収益化プラットフォームであるOnlyFans(オンリーファンズ)と予想していたなら、大当たり!……と喜ぶのは、今はOnlyFansまでもがNFTをプロフィール画像に使うのかと認識するまでの話で、誰も勝者はいないのかもしれない(暗号資産を愛するとともに、NSFWクリエイターの仕事に報酬を与えたいと思っている人々を除けば)。

OnlyFansは、ユーザーが認証済みNFTをプロフィール画像として表示できるようになったと、英国時間2月10日に発表した。Reutersの報道によると、OnlyFansは2021年12月にこの機能を導入したという。TechCrunchはOnlyFansに連絡を取り、この報道を確認することができた。

OnlyFansでは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン上で鋳造されたNFTのみがサポートされ、Ethereumアイコンが表示される。ユーザーはNFTのプロフィール画像をクリックすると、OpenSea(オープンシー)によるそのデジタル資産に関する詳細情報を見ることができる。

新たに就任したOnlyFansのCEO、Ami Gan(アミ・ガン)氏はこう述べている。「この機能は、NFTが当社のプラットフォームで果たすことのできる役割を模索するための第一歩です」。

OnlyFansは2021年、NSFWコンテンツをプラットフォーム上で禁止すると発表し、クリエイターの生活を根底からくつがえす事態になりかけた。このニュースは、MastercardとVisaの規制が変更されたことを受けてのものだった。しかしその後、同社は「OnlyFansがあらゆるジャンルのクリエイターをサポートできることを銀行パートナーが保証したため、変更の必要がなくなった」ことを明らかにし、この決定を撤回した。それでも、OnlyFansのクリエイターたちにとっては、クレジットカード会社の気まぐれによって、いつプラットフォームが崩壊するかわからないという警鐘を鳴らした出来事になった。

セックスワーカーが安定した収入を得られるよう支援することは、実は暗号資産のユースケースとしては悪くない。元OnlyFansのクリエイターであるAllie Rae(アリー・レイ)氏は、現在、暗号資産を中心としたOnlyFansの代替サービスであるWetSpace(ウェットスペース)に取り組んでいる。

クレジットカード会社とは異なり、パブリックブロックチェーンは、気まぐれに変更してポルノの購入を禁止することはできない。しかし、これまで見てきたように、十分な勢いのある中央集権型取引所は、特定の種類のトークンへのアクセスや市場活動を減らすことができる。もちろん、変動が激しく、時には詐欺まがいのこともあるこの分野に手を出したくないファンとクリエイターの両方にとって、暗号資産は障害にもなり得る。しかし、それはともかく、NFTのプロフィール画像を可能にすることで、OnlyFansは暗号資産を含む将来に向けたジェスチャーをしているのかもしれないし、それはポルノビジネスを続ける未来を意味するかもしれない。

TwitterやOnlyFansのほか、Reddit(レディット)もNFTプロフィール画像機能をテストしており、YouTubeも公的にこのアイデアを検討している。

YouTubeのチーフプロダクトオフィサーであるNeal Mohan(ニール・モーハン)氏は10日、Reutersへのアミ・ガン氏の発言を受けて「ブロックチェーンやNFTのような新しい技術によって、クリエイターはファンとより深い関係を築くことができると考えています」と書いている。

「当社の使命は、クリエーターが自分の可能性を最大限に発揮できるようにすることです」とOnlyFansのガンCEOは述べた。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

テクノロジーの最も「ダサかった」瞬間を振り返る

2021年、テクノロジーは大きく進歩した。mRNAワクチンの普及! 小惑星軌道変更ミッション!物議を醸すノッチ付きの非常にパワフルなノートパソコン!しかし室内農業ロボットに驚嘆したことを思い出すよりも、最も困惑するような出来事を思い出す方が残念ながら簡単だ。

さあ、チューチューチューギートレインに跳び乗ろう。なお、お断りしておくが以下話題にするのは、イーロン・マスク氏が2021年にツイートした内容をまとめたものではない。

(訳注:「チューギー/Cheugy」とはネットスラングだが、基本的には「ダサい」「時代遅れ」「単純」といったニュアンスがある、この記事ではもっぱら「ダサい」に近いニュアンスで使っている。しかし日本語の「ヤバい」が肯定的な意味も否定的な意味も持つように「チューギー」も文脈によって肯定的もしくは否定的な意味を持っている)。


FacebookはMetaへ

関連記事:フェイスブックが「Meta」に社名変更、メタバースを中核事業に

2021年、最大かつ最も愚かなリブランディングは争う余地なくFacebook(フェイスブック)のリブランディングだ。最も知名度の高い企業の1つが無数の人びとに与えた取り返しのつかない決定や損害から目をそらす「メタバース」に焦点を合わせるためにMeta(メタ)に社名を変更した。このようなことは誰も頼んでいないし、誰もFacebookに主導権を握らせたいとも思っていない。

これをBlockしよう

関連記事:元Twitter CEOドーシー氏のSquareが「Block」に社名変更

2021年、歯ぎしりしたくなるようなリブランディングを行ったのは、Metaだけではない。さて、次にご紹介するのは……Block(ブロック)だ。もともとはSquare(スクエア)という会社だったスモールビジネスの王者だが、同社の四角い(スクエアな)カード読み取り装置は有名だった。現在、Blockは、新しい名前とアイデンティティのためにブロックチェーンを利用しているが、どうやらBlockの狙いはそれだけではないようだ。同社によると、それはブロックパーティ(コミュニティ作り)、コード開発、克服すべき障害物、そして「もちろん、タングステンキューブ 」(詳しくはこちら) にも関係しているという。おいおいジャック(BlockのCEOであるジャック・ドーシー氏のこと)ちょっと待ってくれ!H&R Block(H&Rブロック)はすでにBlockを商標権侵害で訴えている。名前はもちろんロゴのブロック、グリーンの配色などが、どれもちょっと似すぎている気がするからだ。そしてなにより税務申告準備で有名なH&R Blockは、中小企業向けの会計サービスや消費者向けのモバイルバンキングなど、Squareの…もといBlockのようなフィンテックサービスも販売しているからだ。どちらが先に手を引くか、落ち着くことができるのかは想像がつかない。

サタデーナイトマスク

「みなさんは腰をおろした方が良いかもしれません、私のいうことで少し腰を抜かすかもしれませんので」このセリフは、マスク氏がサタデーナイトライブ(SNL)内のコント「Gen Z Hospital」で医師役を演じたときのものだが、彼にしてみれば精一杯頑張ったものだろう。イーロン・マスク氏は、彼の後を追って一攫千金を狙っている世界中のファンたちの大部分をうまく騙してきたかも知れないが、結局のところ、このやり方はサタデーナイトライブでは通用しなかった。彼は俳優ではないし、さほどおもしろいわけでもない。世界有数の大金持ちであり、ソーシャルメディア上の主要なセレブであるという大きな力を持ってしても、彼のSNLのホスト役は…独りよがりで、でくのぼうで、退屈で、気まずい不発弾だった。そもそも、なぜ/どのように彼が注目を集めることになったのかには、疑問が残る(とはいえ、私はいつでも彼についてはそう思っているのだが)。

NFTオーナーのみなさん、ご機嫌はいかが?

関連記事:始まる前から終わっていた6人のベストセラー作家によるNFTの世界「廃墟の王国」の顛末

NFTのゴールドラッシュは、普段なら頭のいい人たちに残念なやり方でNFTを導入させようとした。数多くの企業がNFTに関連したプロジェクトを発表した。例えば、ファン作成のストーリー、ゲーム内アイテム、Discord絡みの何か(?)などをトークン化するなどだ。だがこの興味深い、しかし現時点では非常に疑わしい技術に対する、インターネット上での一般的な懐疑的意見を読み取ることができていなかったため、各社は大慌てで、場合によっては発表や噂のわずか数時間後に後退した。文字通り、誰もがダメなアイデアだと言ったはずだ。次の機会があったら質問してみると良いだろう。

ベゾス氏は、宇宙に向けて発射したお金を払ってくれた全員に感謝している

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Blue Origin(ブルー・オリジン)とVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)による、初の「本物」の宇宙旅行をめぐる執拗な自己満足の騒動は、非常に疲れさせるものだった。ブランソン氏の会社が不透明な運用をしていたことで評判を落としたことや、ベゾス氏が巨大な帽子で不評を買ったことには多少溜飲も下がったが、ベゾス氏にとって最高の見せ場は、倫理的に破綻した彼の巨大企業で世界中の人に買い物をしてもらったことで、彼の自尊心を満たす旅の資金が得られたことを、トンチンカンな感謝の言葉として述べた瞬間だった。「Amazonの従業員のみなさん、そしてAmazonのお客様に感謝したいと思います。なにしろみなさんが、この費用を支払ってくれたのですからね」。彼はきっと一言一句を本気で言っているのだろうが、だからこそ最悪なのだ(また、ベゾス氏にイメージを台無しにされたカウボーイハットも哀れだ)。

Blue Originのイチャモンが次の月面着陸を遅らせることに

Blue Originは、ライバルのSpaceX(スペースX)にHuman Landing System(有人着陸システム)契約で大敗した後、不適切な行為があったとしてNASAを訴えた。同社の主張は非常に恥ずかしい形で却下されたが(NASAは業界全体を前にして同社を徹底的に非難した)、長大な手続きを経る必要に迫られたことで、2024年に予定されていた有人月面着陸は2025年に延期された。公平を期すために言っておくなら、皆がそうだと思ってはいたが、Blue Originは自身を完璧なスケープゴートに仕立てたのだ。この失態により、NASAとの関係は永久に悪化したかもしれない。これはBlue Originの唯一の資金源がNASAであることを考えると良い知らせではない(もちろん「Amazonの従業員のみなさん、そしてAmazonのお客様」は別勘定だが)。

OnlyFansの自粛

私たちはOnlyFansが何のためにあるのかを知っているが、とりわけセックスワーカーたちが自分自身で収益を上げることができるプラットフォームを手に入れることができたのはすばらしいことだ。しかし、プラットフォームをにぎやかな場所にしてくれた人たちが、今後は禁止されることが突然発表された。さようなら、お元気で!ということだ。だがその反発はすさまじく、上品ぶった銀行を理由としていたその決定は、納得が得られないまま1週間で覆された。教訓。自分を養ってくれている手を噛んではいけない(健全なファンタジーの一環としてその手が同意している場合は別だが)。

ドナルド・J・トランプ氏のデスクより

トランプ氏のソーシャルメディアとの激しい関係は、ここで扱うにはあまりにも重すぎる問題だが、その中でも知っておくことに価値がある一面がある。それは、短命に終わった「ソーシャル」プラットフォーム「From The Desk of Donald J. Trump」(ドナルド・トランプの机から)だ。この素朴なマイクロブログは、彼があらゆる主要なソーシャルメディア・ネットワークから排斥されたあと登場したが、最小限の機能しか持たず、アクセス数も少なかったために、1カ月も保たずに閉鎖されてしまった。それは明らかに、彼のメディアチームが、今度はMastodonのコードを借りて、次作のTruth Social(トゥルースソーシャル)を作ることに集中するためだった。しかしそれすらも、2021年の後半に私たちが見ることになった必死のピッチデッキやSPACの前段階に過ぎなかった。よく言われるように、最初に大失敗したら、あきらめず失敗して、また失敗せよだ。(訳注:英語には「最初に失敗しても、あきらめず挑戦して、また挑戦せよ」という諺があるのだがここではそれをもじって皮肉っている)。

上院議員が、Facebookの担当者に「フィンスタ(裏アカウント)をなくすと約束して欲しい」と要請

現在、Facebookの内部告発者として知られるFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏は、雇用主だったFacebookから膨大な内部文書を流出させた。その中には、Instagram(インスタグラム)が10代の少女たちに悪影響を与えていることを認識していることを示す文書も含まれていた。その直後、Facebookのセキュリティ部門のグローバル責任者であるAntigone Davis(アンティゴーン・デイビス)氏が上院に召喚され、子どもたちのインターネットの安全性について証言を行った。

75歳のRichard Blumenthal (リチャード・ブルーメンタール)上院議員(民主党/コネチカット州)は、若者が親に隠した秘密のアカウントを使うことを心配していた。

上院議員は「フィンスタ(finsta、裏Instagramアカウントのこと)をなくすと約束できますか?」と問いかけた。

デイビス氏は辛抱強く「上院議員どの、説明させて下さい。私たちが実際にフィンスタというものを提供しているわけではありません。フィンスタとは、若い人たちがより強いプライバシーを確保したいと思って設定したアカウントのことなのです」と答えた。

Facebookの流出した福利厚生登録動画

2021年1月6日の暴動を止めるために十分なことをしなかったという大量の非難を受ける中で、Facebook(現在の呼び名はMetaだが)で働くのは大変だろう。しかし、福利厚生に加入しなければならない場合でも、Facebookで働くのは大変かもしれない。

ハウゲン氏がリークしたファイルには、かなりひどい内容が記されているが、メタバースの支配者に対する信じられない気持ちを少しでも味わってみたいひとは、このビデオを観て欲しい。Facebookには充実した福利厚生があるに違いない。なにしろ1兆ドル(約115兆円)の巨大テクノロジー企業なのだから。だがこんな振り付けダンスが関わっているとしたら、補助金を受けるだけの価値があるのだろうか?

NFTはゲートキーピングにも向いていない

Bored Apes Yacht Club(退屈している猿のヨットクラブ)とは、Coinbase(コインベース)を愛する人たちの友愛会(フラタニティ)のようなものだ。排他的なギリシャ式友愛会に参加するために会費を払う代わりに、52イーサリアム(出版時には約21万ドル[約2416万円])の「猿のNFT」を購入すれば、クールなクラブの一員になることができる。そう、タレントのJimmy Fallon(ジミー・ファロン)氏、プロバスケットボール選手のSteph Curry(ステフ・カリー)氏、ラッパーのPost Malone(ポスト・マローン)氏もYacht Club(ヨットクラブ)のメンバーだ。ちょうど、あなたが生まれる20年前にBリスト俳優(一瞬売れっ子になったが今ではそうでもない俳優)があなたの大学の友愛会に入っていたようなものだ。しかしそれは単なる猿ではない。派手なイベントや物品などにアクセスできるのがこのNFTの価値なのだ。そこで、ナイトライフ・ジャーナリストのAdlan Jackson(アドラン・ジャクソン)氏は、Bored Apesのパーティーに忍び込むために、巧妙な計画を立てた

結局、ある友人の上司が猿NFTを所有していて、ジャクソン氏にパーティーに参加できるQRコードのスクリーンショットを送ってくれた。しかし門番が、実際のNFTではなく、以前のイベントで使用したリストバンドの有無をチェックしていたため、彼は猿NFT(のQRコード)を持っていたにもかかわらず追い返されてしまった。夜遅くなって、ジャクソン氏は再び入場しようとして…今度はそのまま入場できた。リストバンドも、NFTも、何も必要なかった。排他性といってもそんなものだ!幸運なことに、ジャクソン氏は The Strokes(ザ・ストロークス)のフロントマン、Julian Casablancas(ジュリアン・カサブランカス)氏がステージ上でこんな発言をしているのを目にした「これはアートのようなものだよね?NFTだって?へえ、それって何かな。わかるのは…今夜はたくさんの男どもが集まっているということだけだね」。

こんなことはやめさせよう

もしいまNFTが、金融ソーシャルメディア(これにどうして短い名前がないのか。たとえばFiSoとか?)という投機バブルで吹き上がっているとしたら、その多くは、Gamestop(ゲームストップ)のおかげだ。ミーム銘柄と呼ぶこともできるだろう。テクノロジーの革新、消費者の習慣、エンターテインメントの嗜好の変化に押されて潰された他の多くの凡庸な小売業者と同じように、同社も忘却の彼方に向かっていたかもしれない。しかし、そうなる代わりに、同社はネットの過大な噂の波にさらわれて価格が成層圏まで押し上げられた。その結果、誰が取引の世界の門番になり、誰が金を稼ぎ、誰が最大の敗者になるのかという多くの疑問が生じたのだ。人が煽られるのを見るのは嫌だろうが、煽られて買った人たちが力のない貧乏人のように扱われるのを嫌がる理由も理解できるだろう。これでは誰も勝者にはなれない。しかし、驚くべきことに、この物語はまだ終わらないのだ。株価は2021年1月の成層圏ピークに比べて低いものの、現在でもそれほどかけ離れているわけではない

Spotifyまとめは「ダサい」

はい、はい、Spotifyまとめ(Spotify Wrapped)のシェアを行うことは基本的にSpotifyの無料PRになることはわかっている。しかし「Spotifyまとめ」のコピー文言は、40歳のコミュニケーションスタッフが姪っ子にZ世代(現在20〜30歳位の世代)が好きなフレーズを尋ねたように思える。Spotifyは、Mystic Michaela(ミスティック・ミカエラ)氏というオーラ鑑定士を雇うことまでしていて、音のオーラを生み出すための協力をしてもらっている。その結果は?チューギーだ。

「この1年、あなたの頭の中に住んでいるポッドキャストがありました」とそれはいう。

「あなたはいつも使命を理解していました」。

「他の人たちがみんなNFTとは何かを考えている間、あなたはある1曲を繰り返し聴いていましたね」。

「あなたにふさわしいのはスキンケアと同じくらいの時間のプレイリストです」。

Elizabeth Holmes(エリザベス・ホームズ)には熱狂的なファンがいる

Theranos(セラノス)の元創業者でCEOだったElizabeth Holmes(エリザベス・ホームズ)は、2021年に4カ月以上にわたり、刑事詐欺の容疑で裁判にかけられていた。しかし、裁判の初日、何人かのファン(間違いではない)が、エリザベス・ホームズに扮して登場したのだ。金髪ならば簡単だ。黒のタートルネックに赤の口紅をつけて、髪を低い位置でポニーテールにすればそれで一丁上がりだ!これでハロウィンパーティーの準備は万端!

しかしこのコスプレイヤーたちは、話を聞いた記者たちが見た限り、みな本気だった。虚偽の血液検査結果を出すことで、人びとの健康を積極的に脅かした会社を経営するという深刻な詐欺罪で起訴されたエリザベス・ホームズを、有罪かどうかはまだわからないものの彼らは心から称賛していた。だが、ひとそれぞれだ。

LinkedIn(リンクトイン)でさえTikTok(ティクトック)のようになりたいと思っている

基本的に、すべてのソーシャル / エンターテインメント・プラットフォームは、縦長のショートフォームビデオを組み込む方法を編み出している。TikTokの直接のライバルであるInstagramやSnapchat(スナップチャット)がこのようなことをするのは、非常に無機的で派生的な感じがするものの、理には適っている。しかし、2021年末になるころには、Netflix(ネットフリックス)、Spotify、Reddit(レディット)、Twitter(ツイッター)、Pinterest(ピンタレスト)といった企業までもが試行を始めていた。2022年にはLinkedInも加わる予定だ

プロフェッショナルネットワーキングプラットフォームのLinkedInは2021年、ストーリーを試みたが、Snapchatの丸パクリ機能を統合したInstagramほどの成功は収められなかった。

フリートよさらば

また、Twitterはフリートでもあまり良い結果を出せなかった。この件については、不吉な予感を感じることはできたのではないかと思う。まさにTwitterは、その名の通りフリートな運命を決定付けたのだ(英語のFleetは「束の間の」とか「はかない」という意味を持つ)。短くてすぐに消える動画に参入しようとした同社の試みは、Twitterユーザーの間で大きな反響を呼ぶことはなかった。Twitterユーザーたちは他のソーシャルメディアとは異なる機能を持つ従来のフォーマットを特に気に入っているからだ。すなわちユーザーのフォロー数に関係なく、鋭いユーモア、辛らつな批判、完璧なタイミングのフェイク、時折すばらしいものを垣間見させることができるテンポの速い単語や画像の応酬が好きなのだ。いまさらSnapchatやInstagramのストーリーのようなものを、一体誰がさらに必要としているというのだろうか?特にこの期に及んで、大した工夫もなく、簡単に利用できるものでもない機能を投入しているところは何をしたいのだろうか。

Instagramはウェブ上でティーン向けの安全機能をオンにし忘れていた

2021年7月にInstagramは、ユーザーの安全性を確保するために、これまでの欠点を覆うためのいくつかの新機能を導入した。そのうちの1つの機能は、16歳未満のユーザーが新規にアカウントを作成すると、デフォルトで非公開になるようにするというものだ。しかし、Marsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン)上院議員(共和党/テネシー州)は、何カ月も前から目の前にあったスクープを発掘してテックジャーナリストたちに恥をかかせた。10代の若者がウェブ上でInstagramのアカウントを作った場合、デフォルトでは公開になっていたのだ。

まあ公平な立場からみれば、Instagramをウェブで使う人はほぼいないだろう。しかし、これはかなり大きな見落としであると感じられたのだ。インスタグラムの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は、自分のチームが失敗したことを認めなければならなかった。それ自身かなり困惑させるものだったが、同時に2021年の秋に上院で、10代の安全へのコミットメントを繰り返し主張してきた同社にとっては、憂慮すべき痛恨の間違いだった。

この記事の見出について

もとはDevin(デビン)のアイデアだったが、Amanda(アマンダ)に喜んで賛成してもらえた。まだまだチューギーだ。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、Amanda Silberling、Ingrid Lunden、翻訳:sako)

性的コンテンツの禁止で揺れたアダルト系SNS「OnlyFans」創業者兼CEOが退任、後任は広報担当者

OnlyFans(オンリーファンズ)の創業者でCEOを務めてきたTim Stokely(ティム・ストークリー)氏が退任することになったと、Bloombergが報じている。後任には、同社の元コミュニケーションマーケティング部長だったAmi Gan(アミ・ガン)氏が就任する。この動きは、OnlyFansにとって不安定な1年の終わりに行われたものだ。同社は8月にそのプラットフォーム上で繁栄しているセックスワーカーを禁止すると発表したが、この決定は1週間後に保留にされた

関連記事:アダルト系SNS「OnlyFans」が性的なコンテンツを禁止する決定を「一時的に中止」

広報担当者を会社のCEOに任命することが奇妙に思えたとしても、それは当然だろう。しかし、報道によると、これはストークリー氏自身の判断だったとのこと。同氏はアドバイザーとして会社に残ることになっている。

「私たちは、このクリエイターエコノミーに対する情熱を共有しながら、机を並べて仕事をしてきました」と、新CEOのガン氏は語る。「私たちの優先事項は、世界で最も安全なソーシャルメディアプラットフォームであるために引き続き全力を注いでいくことです」。

また、ガン氏は同社のsafe-for-work(職場で閲覧しても大丈夫)なストリーミングアプリであるOFTVに投資し、クリエイター向けの新しいツールを構築していくとも述べている。ストークリー氏自身のビジネスバックグラウンドがオンラインポルノであるのに対し、ガン氏はRed Bull(レッドブル)、Quest Nutrition(クエスト・ニュートリション)などのブランドや大麻カフェで働いた経験がある。

TechCrunchはOnlyFansに、このリーダーシップの変化がプラットフォーム上のセックスワーカーに影響を与えるかどうかを尋ねたが、OnlyFansはコメントを辞退した。

OnlyFansは、NSFW(not safe for work、職場での閲覧には不適切な)クリエイターのおかげで繁栄しており、8月には2021年の売上高が、2020年の12億ドル(約1370億円)から大きく増加し、25億ドル(約2860億円)に達する見込みであると発表していた(OnlyFansはクリエイターの収益の20%を徴収する)。しかし同時に、OnlyFansは同社を10億ドル(約1140億円)規模の企業にしたセックスワーカーたちの生活を脅かすような爆弾発言をした。それは、OnlyFansがNSFWコンテンツ(つまり、露骨に性的なコンテンツ)を禁止するというものだった。それが急速に反発を招いた後、OnlyFansはこの決定を保留し、銀行プロバイダーとの問題を解決したと発表している。

それでも、セックスワーカーたちは、プラットフォームから追い出されることを懸念しているようだ。結局、OnlyFansは禁止措置を撤回するのではなく「保留」すると言っているのだ。

OnlyFansのようなプラットフォームがセックスワーカーを排除すると脅すことは、彼(女)らが生活の糧を失うことを意味するだけでなく、彼(女)らをより危険なオフラインの労働環境に追いやることにもなりかねない。

米国議会は2019年に「Safe Sex Workers Study Act(性労働者安全調査法)」を導入し「Fight Online Sex Trafficking Act(FOSTA 、インターネット上の性的人身取引対策法)」など、オンラインでのセックスワークを困難にする法律の影響を調査した。この研究では、セックスワーカーが「オンラインプラットフォームへのアクセスによってもたらされる経済的安定性」を失った後「コミュニティ組織は、セックスワーカーのホームレス化が進んでいると報告していた(いる)」ことが判明した。

OnlyFansにおける変化の可能性は、プラットフォームからプラットフォームへと移ることがどれほど大変なことかを知っているセックスワーカーにとっても恐怖である。Patreon(パトレオン)でさえ、2018年にセックスワーカーをプラットフォームから排除した。同社はポルノを決して許可しないと言っていたが、何年もの間、このガイドラインは厳格に施行されていなかったため、セックスワーカーは同プラットフォームを利用して生計を立てることができていた。

Patreonでは、少なくともクリエイターはサブスクリプション会員のメールアドレスにアクセスできるので、プラットフォームの仲介がなくてもファンベースと連絡を取ることが可能だ。しかし、OnlyFansは、Instagram(インスタグラム)やTwitter(ツイッター)と同様に、たとえ誰かにフォローされても、その人と直接コミュニケーションを取る手段がない。顧客と連絡を取る手段がなかったら、どうやって別のプラットフォームで新しいビジネスを構築すればいいのだろうか?

OnlyFansは、このリーダーシップの変化がセックスワーカーを危険に陥れると暗示してはいないが、NSFWクリエイターの信頼をすでに翻弄してきたプラットフォームにとって、これは重大な変化である。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【コラム】アダルト系SNS「OnlyFans」の性的コンテンツ禁止でクリエイターは「権利章典」について語り出す

性的に露骨なコンテンツを禁止するというOnlyFansの決定に端を発して、テック企業、コンテンツガイドライン、セックスワークをめぐる重要で見過ごされがちな会話が再燃している。しかし、こうした議論の意味するところは、1つのプラットフォームと1つの周縁化されたグループだけにとどまらない。

これは、クリエイターがコンテンツを共有してフォロワーやファンと関わることを可能にする方法に対して、プラットフォームが巨大なコントロール権を有しているという、コンテンツクリエイターにとっての壊れたエコシステムを示唆している。これに対応して、クリエイターたちは分散化し、複数のプラットフォームへのリーチを広げ、オーディエンスを引き連れている。

そうすることで、クリエイターは、これらのプラットフォームにどのような権利を組み込みたいかを定義する機会も得ている。

歴史は繰り返す

クリエイターが個々のプラットフォームから締め出されるのは目新しい話ではない。OnlyFansのポリシー変更について、2018年にTumblrがアダルトコンテンツを禁止した動きと比較する向きがあるが、これはYouTubeにとっても継続的な問題であり、LGBTQユーチューバーのグループを含むいくつかのコミュニティは、プラットフォームが彼らを非収益化アルゴリズムで標的にしていると非難している。

OnlyFansを含むこれらのプラットフォームの多くは、特定の種類のコンテンツを許可する際の障壁として支払いパートナーのポリシーを挙げている。この領域における主要な論争として最も初期のものは、PayPalが2010年にWikiLeaksを禁止した時に見られた。

こうした事象はいずれもクリエイターとフォロワーの怒りを買ったが、それはエコシステム全体の問題を示唆するものであり、必ずしもプラットフォーム自体を非難するものではない。

結局のところ、これらのプラットフォームは、クリエイターがオーディエンスを構築し、ファンと関わる機会を提供してきたのである。しかし一方で、これらのプラットフォームは、規制上のリスクや評判上のリスクから自らを守るためのポリシーを整備する必要もあった。

これは、すべてのガイドラインやポリシーが悪いということではない。それらは思慮深いガイドラインの下で、ポジティブで安全なコミュニティを醸成し、管理する役割を果たしている。しかし、これらのプラットフォームをコンテンツとエンゲージメントで活性化するクリエイターに損害を与え、彼らをプラットフォームから切り離すという犠牲を払うべきではない。問題の核心は、クリエイターが個々のプラットフォームに依存しており、ポリシーの変更に対して常に脆弱で、プラットフォーム間のオーディエンスと収益化の移行という痛みをともなう作業を余儀なくされることにある。

そして最終的には、有意義なコンテンツを作成し、コミュニティと関わり、信頼できる生計を得る能力が失われてしまう。

クリエイターのプラットフォームに対するコントロール力がますます失われていく中、一部のクリエイターたちは、オーディエンスからの独立した直接的な収益化を分散した方法によって可能にする、代替的な選択肢を模索し始めている。

分散化、収益化

ファンから直接収益化するモデルは、クリエイターたちが長年頼りにしてきた従来の広告ベースのプラットフォーム主導モデルをすでに置き換えつつある。筆者はPatreonに在籍していた時、コントロールとオーナーシップをクリエイターの手に委ねることで、より持続可能で、公正で、活気のあるクリエイターエコノミーが構築される様子を目にした。Substackはライターにも同様に強力な金融ツールを提供しており、クリエイターに奉仕する企業がここ数年にわたって増え続けている。

課題は、これらの企業の多くが、過去のプラットフォームを無力にした既存のシステムに依存しながら、テイクレート(手数料などの割合)と収益配分が必要なビジネスモデルを持っていることである。多くの点で、クリエイターエコノミーは、クリエイターとファンのインタラクションの次の段階を構築するために、新しいインフラストラクチャとビジネスモデルを必要としている。

適切なアプリケーションであれば、暗号資産により、クリエイターがどのように収益化し、ファンと関わり、プラットフォームとパートナーを組むかについてのプレイブックを書き換えることができる。そのピア・ツー・ピアの構造は、ファンとの直接の関係を反映するものであり、クリエイターは、テック大手や支払いパートナーを仲介者として頼ることなく、オーディエンスとの金銭的関係を持つことができる。さらに暗号資産は、クリエイターが所有権を維持し、ブランドや知的財産を管理することを可能にする。

加えて多くの暗号資産プロジェクトでは、DAOやガバナンストークンを通じて、参加者がプロジェクトにおける価値提案、戦略的方向性、運用機能、経済構造について発言権を持つことができる。このようにして、クリエイターはプロジェクトに参加し、コミュニティとの関わり方に合わせて方向性を決めることができる。

クリエイターは、自らのコミュニティを動機づけ、関与させる能力を備えており、コミュニティ主導のプロジェクトから利益を得る立場にある。私たちは暗号資産のアダプションの初期フェーズにあり、クリエイターにはこのパラダイムシフトの未来を形作る巨大な機会がもたらされている。ソーシャルトークンを使えば、クリエイターは自分の暗号資産をマイニングすることができ、クリエイターとファンが共に成長し、異なるプラットフォーム間で直接取引するために利用できる共有エコノミーが実現する。

別のカテゴリーとしてNFTが存在するが、2021年に入って爆発的な人気を集めているものの、今のところ業界はNFTが持つであろう有用性の表面をなでているにすぎない。クリエイターたちと暗号資産プロジェクトは、NFTをコレクティブル以上のものにする方法を模索している。つまり、NFTが提供するエンゲージメントの高い機能的なデジタルツールにより、クリエイターはファンに(ビデオ通話やAMAを通じて)自分の時間を提供したり、その他の独占的なメリットをもたらすことができる。

クリエイターたちは、暗号資産がもたらす力を見出そうとしている。暗号ベースのプラットフォームのユーザーエクスペリエンスがより直感的になるにつれて、暗号資産はどこにでも存在するようになる。その前段階として、クリエイターたちは、自らが利用している分散型サービスにどのような権利が必要か(そして要求できるか)について考えるべきであろう。

クリエイターの権利章典

暗号資産の中であるかどうかにかかわらず、クリエイターたちはついに自分たちの権利を決定する力を手にした。筆者は、クリエイターこそがこの会話をリードすべきだと考えているが、ここでいくつかのポイントを挙げておこうと思う。

  • プラットフォーム間を自由に移動する能力:個々のプラットフォームへの依存は、クリエイターが直面する多くの問題の中心的なものである。クリエイターがどこへでもファンを連れて行けるようにすることで、ファンからの直接収益化においても見られてきたような、多くの問題を解決することができる。
  • クリエイターとファンの直接的な金銭的関係:OnlyFansの問題の中心にあるのは、クリエイターがファンとの金銭的関係を持つことができなくなることである。たとえ直接的な金銭的関係がすべてのプラットフォームで実現可能ではないとしても、クリエイターはそうした関係を所有し、自らの条件を決定するための選択肢を持つべきである。
  • クリエイター主導の意思決定:これまでプラットフォームは、クリエイターに対し、プラットフォーム全体の意思決定とポリシーに関する最小限のコントロールしか与えてこなかった。クリエイターは直接的なインプットを持つべきであり、プラットフォーム全体のさまざまな施策について投票することさえできるべきである。
  • 量よりも質:プラットフォームとそのアルゴリズムは、量に報いるために構造化されており、クリエイターを燃え尽きさせ、コンテンツ作成を超高速化する。クリエイターとファンの両方が、より深く、エンゲージメントの高いインタラクションを求めており、この行動を奨励することで、より活気のある、持続可能なクリエイターエコシステムが実現するだろう。
  • 低い(あるいはゼロの)テイクレート:大手テック企業は収益のほぼ100%をクリエイターから得ている。クリエイター(とそのファン)は、プラットフォーム収益の大部分を得るべきである。
  • 公正性へのアクセスや収益の分配:大手テック企業はクリエイターの労働力を利用して帝国を築いてきた。分散型プラットフォームは、クリエイターに広告収入の支払いを命じるのではなく、クリエイターがパイの一部を完全に所有したり、エコシステム全体の成長から利益を得たりすることによって、真の「skin in the game(個人的な関与 / 自らの能力や資産を投資すること)」をクリエイターが備えることを可能にするべきである。この利害関係の整合は、今日見られる資本と労働の分離からの大きな転換となるだろう。
  • 透明性とコンサルテーション:クリエイターは、自分たちに何ができるのか、何ができないのかを完全に把握し、ポリシーが策定され適応されていく中で、議論の席に座るべきである。プラットフォームのコンテンツモデレーションの決定や、非収益化の背後にあるアルゴリズムは、しばしば不透明で、広く適用され、インパクトを与えるクリエイターに相談することなく決定される。また、全体的な収益のパイの大きさとシェアを把握する必要もある。
  • 改良と再生の能力:私たちはみんな人間であり、クリエイターはプラットフォームによって設定されたガイドラインを知らず知らずのうちに逸脱することがあるかもしれない。クリエイターが自らのコンテンツを回復させるためのスペースを作ることで、クリエイターとプラットフォームの間に、より信頼性の高い協力関係が生まれる。

私たちは、クリエイターたちに自らの条件を決定することを委ねたいと思う。彼らはあまりにも長い間この会話から締め出されている。それでも、RallyをはじめとするWeb 3.0エコシステムの主要な参加者の多くは、クリエイターとそのファンのために機能する環境を作るためのこの取り組みを、オープンにサポートしてくれると筆者は確信している。

編集部注:本稿の執筆者Bremner Morris(ブレムナー・モリス)は、クリエイターやアーティストが独自のデジタル通貨を立ち上げ、ファンコミュニティとともに持続可能な独立した経済を構築することを可能にする暗号プラットフォームRallyのCMO/CRO。以前は、Patreonのグローバル・ゴー・トゥ・マーケットおよび収益部門の責任者を務めていた。

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(文:Bremner Morris、翻訳:Dragonfly)

アダルト系SNS「OnlyFans」が性的なコンテンツを禁止する決定を「一時的に中止」

アダルト系コンテンツで知られるOnlyFans(オンリーファンズ)は、露骨な性描写を含むコンテンツを禁止すると発表してポリシーの変更を予定していたが、広く反発を受けた後、その決定を中止した。Onlyfansは特にポルノのために作られたわけではないが、性的コンテンツは、同プラットフォームで最も目につくユースケースとなっていた。

「皆様の声をお聞かせいただきありがとうございます。当社は、多様なクリエイターのコミュニティをサポートするために必要な保証を確保し、10月1日に予定されていたポリシーの変更を中止しました」と同社は米国時間8月25日にツイートした。「OnlyFansはインクルージョンを支持しており、今後もすべてのクリエイターに活動の場を提供していきます」とも。

OnlyFansの広報担当者は、TechCrunchに対しメールで「提案されていた2021年10月1日の変更は、OnlyFansがすべてのジャンルのクリエイターをサポートできるという銀行パートナーの保証により、もはや必要ありません」と述べた。

OnlyFansは以前「銀行パートナーとペイアウトプロバイダー」の要求に応じるため、ポリシーの変更を行わざるを得ないと述べていた。同社はこれらの関係者からの圧力により、プラットフォーム上での露骨な性的表現を許可しないことを決定したと示唆していたが、OnlyFansがこの原因について公表した後、現時点では問題を解決することができたようだ。

なお、OnlyFansの公式声明では、この決定が「一時的に保留」されたとあり、このポリシー変更が完全に取り消されたわけではないことがうかがえる。

OnlyFansは、最初の発表に対するフォローアップのツイートの中で「クリエイターの皆様への公式なご連絡は、まもなくEメールでお送りします」と述べていた。

性的表現を禁止するという決定は、経済的に同プラットフォームに依存していたセックスワーカーたちを苛立たせた。この方針変更を受けて、一部のクリエイターはすでにOnlyFansのアカウントを削除し、他のサービスに移行していた。今回の決定取り消しにより、クリエイターたちはこれから、OnlyFansに戻るか、それともOnlyFansを離れて他のライバルサービスを利用するか選択しなければならない。

OnlyFansは2016年に設立され、1億3000万人以上の登録ユーザーと200万人以上のクリエイターがいるとされる。このプラットフォームは、Bella Thorne(ベラ・ソーン)、Cardi B(カーディ・B)、Bhad Bhabie(バッド・ベイビー)など、複数の有名人を引きつけることに成功している(18歳のラッパーBhad Bhabieは、OnlyFansアカウントを開設してから、わずか6時間で100万ドル[約1億1000万円]以上を稼ぎ出した)。

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画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

​​​​アダルト系SNSのOnlyFansのポルノ禁止は暗号資産決済にとって千載一遇のチャンスとなる

米国時間8月19日、​​​​アダルト系SNSとして知られるOnlyFansは、2021年後半に「性的に露骨なコンテンツ」をアプリから禁止するという大規模な爆弾発言をした。OnlyFansは、アダルトコンテンツ業界を完全に破壊し、パフォーマーが購読料を通じてファンと直接つながれるようにすることで、パフォーマーにさらなる独立への道を与えていましたが、これは明らかに大きな変化だ。今回の閉鎖は、暗号業界にとっては千載一遇のチャンスでもある。暗号業界は、今回の閉鎖と、消費者に優しい暗号資産決済インフラが次々と登場する流れを利用して、決済業者の影響を受けても崩壊しないプラットフォームを作ることができる。

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OnlyFansは、ユニコーン企業の評価額で資金調達をしようとしており、巨額の収益を上げているにもかかわらず多くの問題を抱えているが、今回の根本的な変更の理由については明言していない。OnlyFansのニュースに関する声明では「これらの変更は、我々の銀行パートナーおよびペイアウトプロバイダーの要求に応じるためのものです」と述べられている。

大衆文化の中で、セックスワークやアダルトコンテンツに対する風当たりが強くなっているにもかかわらず、銀行機関は基本的に保守的で、これらのプラットフォームを経由して流れる資金を扱うことに慎重になっている。

プラットフォームを運営する企業の多くは、ある日突然、プラットフォームが金融機関の支持を失い、すべてを失ってしまうかもしれないという不安を常に抱えている。その一方で、多くのベンチャーキャピタルは「悪徳条項」によって、これらの分野での活動を禁じられており、これらのプラットフォームが成長資金を得ることができないようになっている。アダルトコンテンツのプラットフォームが、これらの金融機関と友好的な関係を築くことができないのは明らかであり、プラットフォームとそれを利用するクリエイターたちが前進する時期がきているのだろう。

多くの意味で、OnlyFansがポルノを捨てたことは、クリエイターのネットワークに対する明白な裏切りのように見える。クリエイターたちは、自分たちの後にどんな模倣者を受け入れる際に必ず覚えているだろう。支払いプロバイダーの行き詰まりにどう対処するかについて懐疑的になる可能性が高いが、野心的なプラットフォームが成長しても、これまでと異なる結果にはならないだろう。クリプトネイティブなプラットフォームではまた別の状況になる可能性も高いが、普及率が低いことを考えると、ファンがコンテンツへの支払い方法を知らない可能性のあるプラットフォームを採用することは、クリエイターにとって大きなリスクとなる。

ポルノ業界は、ゆっくりではあるが、暗号資産による支払いを受け入れている。2018年、Pornhubは初めて暗号資産による支払いの受け付けると発表した。2020年に話を進めると、VisaとMastercardはこのプラットフォームを捨てため、現在では暗号資産による支払いとACH送金が、唯一のプレミアムサブスクリプションサービスの支払い方法になっている。この分野には、CumRocketやSpankChainなど、ニッチな視聴者を対象とした暗号プラットフォームのプレイヤーがすでにいくつか存在しているが(おそらくリブランディングが必要)、OnlyFansのような絶対的な存在がいなくなったことで、既存プレイヤーや新興プレイヤーが革新を起こしてこの市場を獲得する余地が実際にあるかもしれない。

本当の課題は、従来のウェブ決済構造が非常に合理化され、無料のアダルトコンテンツが相変わらず大量に提供される中で、規制ガイドラインに準拠しながら、新しいプラットフォームと最初の暗号ウォレットの両方に新規ユーザーを簡単に組み込めるようにすることだ。暗号資産購入を検証するためにパスポートや運転免許証をアップロードするようユーザーに求める顧客(KYC)のガイドラインは、おそらく新しい暗号資産ポルノサイトを求める最も簡単なオンボーディング要求ではない。しかし市場が少し成熟し、最初のウォレットを設定するユーザーの課題がプラットフォームのオンボーディングプロセスから切り離されると、実現すべき多くの利点が出てくる。

ポルノは、常に新しいテクノロジーの発射台のようなものだ。ここ数カ月で暗号資産の人気が急上昇し、総資産が2兆ドルを超えようとしているが、人々が実際に使用しているアプリでの暗号資産普及率は極めて低いままだ。暗号資産の購入や送信を簡略化することを目的とした新しいソリューションやスタートアップが登場していることから、OnlyFansの撤退で空いた空白を埋めて、暗号資産に全面的に取り組むより革新的なプラットフォームを構築するために、ポルノ業界が最適な場所にいる可能性があるように思う。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

​​​​アダルト系SNSのOnlyFansが「職場安全」なアプリを宣伝、約1098億円超の評価額で資金調達目指す中

アダルトコンテンツクリエイターがオーディエンスを通じて直接マネタイズできるプラットフォーム「OnlyFans(オンリーファンズ)」は、同社がiOSとGoogle Playで提供しているSFW(safe-for-work、職場でも安全)なアプリ「OFTV」をプッシュしている。広告なしのこのアプリは2021年1月にローンチされ、料理のチュートリアルやヨガのルーティン、インタビューなど、OnlyFansのクリエイターたちによる800以上のビデオを共有している。しかし、同社が既存のOnlyFans顧客ではない人々にリーチすることを目指してアプリをマーケティングするのは、今週が初めてになる。

「OFTVにはアダルトコンテンツはありません。収益化されておらず、クリエイターの収益に直接影響を与えないため、アプリストアに参入することができるのです」とOnlyFansのCEOであるTim Stokely(ティム・ストークリー)氏はBloombergに語った。App StoreとGoogle Playはいずれもポルノを禁止しているが、(Redditのような)ユーザー生成コンテンツを含むアプリの場合、NSFW(職場危険)コンテンツはそのように表示され、デフォルトでは非表示になっている限り、アプリストアに滑り込める。OnlyFansサイトはウェブ上に存在するため、AppleのApp StoreやGoogle Playでは承認されていない。

画像クレジット:OFTV(screenshots by TechCrunch)

OnlyFansは利益を上げているが、今後も成長を続けるために、10億ドル(約1098億円)以上の評価額で資金調達を目指している。Bloombergによると、OnlyFansは、アダルトな評判を気にする広告主を募るために、よりメインストリームなプラットフォームになりたいと考えているようだ。​​​​​​ヒップホップミュージシャンのCardi B(カーディ・B)やプロボクサーのFloyd Mayweather Jr.(フロイド・メイウェザー・ジュニア)といった有名人もOnlyFansに参加している。また、2020年3月、このアプリは「クリエイティブ・ファンド」を立ち上げ、4人の音楽アーティストに活動補助金として2万ポンド(約300万円)の報酬を与えた。さらに、同アプリがブログで紹介している「ライジングスター」には、ソングライター、フォトグラファー、スタイリスト、パーソナルトレーナー、シェフなどが含まれている。度同社がSFWクリエイターにスポットライトを当てようとしている姿勢は明らかであり、OFTVのプロモーションもそれを裏付けている。

同社のプラットフォームは2016年の設立以来、クリエイターに30億ドル(約3294億円)以上を支払っており、特に2020年は、パンデミックによる経済的逼迫の中で多くの人がOnlyFansに収入源を求めたことから、収益が553%以上も増加した。OnlyFansはクリエイターの収益から20%を徴収しているが、比較的にPatreon(パトレオン)は5~12%、Cameo(カメオ)は25%を徴収している。仮に(NSFWコンテンツなども考慮に入れた上で)OnlyFansがアプリストアに受け入れられたとしても、プラットフォームの20%に加えてアプリストアの手数料が30%余分にかかることになるので、クリエイターにとっては良いことではないかもしれない。しかし、OFTVはコンテンツを販売したり、未承諾のユーザーがビデオをアップロードすることを許可していないため、その目的は、ポルノではないOnlyFansのコンテンツをより盛り上げることにあるようだ。

SFWクリエイターにアピールするためには、OnlyFansのイメージを払拭する必要があるかもしれないが、それよりも重要なのは、プラットフォームがクリエイターにとって特に収益性の高い空間であることを示すことだろう。OnlyFansの売上高を見ればわかるが、それはプラットフォーム自体よりも、クリエイター経済の成長やコンテンツの性質にかかっているのかもしれない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:OnlyFansアプリクリエイター収益化NSFWSNS

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)