OpenStackは市場の整理統合がさらに進行、初期の選手Nebulaが引退へ

OpenStackのインストールを単純化してくれるサービスNebulaが、昨日(米国時間4/1)閉店した。

サービス閉鎖の発表が2015年4月1日だったが、しかしそれは、エイプリルフールのジョークではなかった。

たいへん心苦しいことですが、本日、2015年4月1日に、Nebulaがオペレーションを停止することを発表いたします。

これは私たちにとってつらい発表ですが、顧客や株主や社員のみなさまには、あらゆる選択肢を検討した結果、万策尽きたことをご報告申し上げなければなりません。

同社の将来性は大きかった。これまで3850万ドルのベンチャー資金を調達し、2014年4月13日には350万ドルの融資を獲得していた。協同ファウンダには元NASAのCTO Chris Kempもいたが、彼は2013年に同社を去り、今ではOpenStack Foundationの取締役の一人だ。

OpenStackのエコシステムで使われているデータベースTesoraのCEO Ken Ruggは、この発表が今進行中のOpenStack世界の整理統合の一環だ、と言う。

Ruggはこう説明する: “MetacloudCloudScalingは、どちらもすでに買収された。池に大きな魚が入ってきたので、今でも残っている小さな“OpenStack専門/汎用企業”はますます競合が難しくなっている。Red HatやHP、IBM、Oracle EMC、VMwareなどが全員、自分たちのディストリビューションに巨額の投資をしているから、Nebulaのような企業は対抗できない”。

Ruggによれば、Nebulaは市場参入が早すぎて、OpenStackはまだ成熟に達していなかった。同社のようなサードパーティサービスが提供する、より容易なインストールを求める顧客も、まだ十分に多くなかった。アーリーアダプターたちは自分で自分の手を汚すことを厭わないが、しかし市場の成熟とともに、第二波のユーザがやってくる。彼らは、もっとシンプルなやり方を求める。アプライアンス的なサードパーティサービスは、OpenStackを使うための、もっとすっきりとした方法を提供する。Nebulaがまさにそうだったが、まだ市場がそこまで成熟していなかった。

Ruggは説明を続ける、“アプライアンスとしてのソフトウェアソリューションの提供は、市場がもっと成熟していて、それを使うソフトウェアと人間への大きな需要がすでにある、という状態でなければだめだ。つまりそれは、十分な技術力がなくて“プラグ&プレイ”を求める、中〜後期市場の多数派に売れるものだ。データウェアハウスアプライアンスのNetezzaが登場したときは、人びとがすでにデータウェアハウスの必要性を認識していて、上品質でしかも使いやすい実装を探し求めていた。OpenStackはまだ、アーリーアダプターの段階だ”。

そしてNebulaは、市場参入が早すぎたことの高い代価を払ったのだろう。今のような市場の変動期には、小粒な選手たちにとって、生き残り策を見つけることがとても難しいのだ。

情報開示: ぼくはTesoraのブログを担当して給料をもらっていた。

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OpenStackは成熟期に特有の諸課題に直面

今急速に成長しているオープンソースのクラウドコンピューティングプラットホームOpenStackは、今や200あまりの企業が支えていて、その、ほぼ各年行われるカンファレンスが今年はパリで開催された。今回の来場者は4500名を超えて、これまでで最大のイベントになった。それは、このプラットホームへの関心が大きいことを示しているが、しかし同時にこのプロジェクトは、人気の拡大とともに新しい課題も抱えるようになった。

今日のキーノートでは、何人かのスピーカーが、今の6か月のリリースサイクルは、大企業にとっては追随するのがたいへんすぎる、と述べた。たとえばBMWのデータセンターのStefan Lenzは、“しかも、どのリリースでも重要な変更が多すぎる”、という。彼曰く、“今後はもっと安定してほしいが、現状で使えないということではない”。BMWはOpenStackのクラスタを100ぐらいしか動かしていないが、Lenzによればそれは、半分ぐらいが業務向けで、多くはOpenStackまわりの開発専用に使われている。

今朝のキーノートでは、そのほか数名のスピーカーが同様の不満を述べた。またOpenStackのCOO Mark Collierと常務取締役のJonathan Bryceはキーノート後の記者会見で、その問題には自分たちも気づいている、と述べた。しかし、このプロジェクトを構成するモジュールの多くが成熟期に達している今では、毎回のアップグレードを律儀にインストールしなくてもよい、というユーザがほとんどだ。Collierは、あらゆるオプションをユーザにとってオープンにしておきたいが、次回のリリースは既存ユーザがアップデートをもっと容易にできるための仕組みを導入している、と述べた。

もうひとつの問題はOpenStackのセットアップと日常の運用が、当初の難しさを引きずっていることだ。だから企業ユーザの多くが、OpenStackクラウドの立ち上げを、専門知識技能のあるサードパーティのベンダにお願いしている。しかし、今後のユーザ増加策として重要なのは、それを誰でもできるようにすることだ。

メインイベントと並行して、OpenStackのコントリビュータたちは、”Design Summit”と名づけた会を開いて、今後のリリースの優先事項を検討した。それはOpenStackの各モジュールの担当者が自分たちのロードマップを設定するだけでなく、今年はとくに、モジュール間の調整にも力が注がれた。各モジュールに導入する新機能だけではなく、プロジェクトが成熟期に来ている今では、モジュール間の調整の重要性が増しているのだ。

成熟の兆候として挙げられるのが、OpenStackのエコシステムにおけるベンダ数の増加だ。UbuntuSUSERedHatなどのLinuxディストリビューションがあり、OpenStackクラウドのための仮想ネットワークインフラストラクチャ専門のPLUMgridもいる。だから、投資家たちの視線もベンダたちに集中する。たとえばSwiftStackは先月、シリーズBで1600万ドルのラウンドを発表しMirantisは1億ドルを獲得など、資金調達の発表が最近はとても多い。それに今では、OpenStack関連の買収もある…たとえばCiscoは9月に、Metacloudに飛びついた

以上のように、今ではいろんなことがOpenStackプロジェクトの成熟を示している。最初にRackSpaceとNASAがこのプロジェクトを産んでからその後長年、比較的目立たない存在だったが、最近の2年間で技術の改良と、外部への積極的な情報提供が行われた。参加企業が増えて成熟した今でもしかし、現段階で求められている安定性の実現のために、イノベーションの歩みを鈍らせることは許されないのだ。

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OpenStackのストレージプラットホームSwiftによるオブジェクトストレージサービスSwiftStackが$16Mを調達

オープンソースのOpenStackプラットホームの採用がこのところ増加するに伴って、このプラットホームを軸とするエコシステムも成長している。たとえばストレージの分野では、OpenStackのオブジェクトストレージプラットホームSwiftをベースとするオブジェクトストレージサービスを、SwiftStackが提供している。

今日(米国時間10/27)SwiftStackは、B2B専門のVC OpenView Venture Partnersが率いるラウンドにより、シリーズBで1600万ドルを調達した、と発表した。このラウンドには同社のこれまでの投資家Mayfield FundとStorm VenturesとUMC Capitalも参加した。昨年のシリーズAによる610万ドルおよびその前のシード資金を合わせると、同社の総資金額は2360万ドルになる。同社によると、マーケティングや営業のスタッフがほとんどいないにも関わらず、同社の売上は過去1年で4倍に増加した。

OpenStackのSwiftプロジェクトに最大の貢献をしているのが、SwiftStackだ。同社は今回の資金を“企業向けのストレージサービスのスケールアップを手頃なお値段で簡単に提供できるために”使いたい、と言っている。またマーケティングや顧客のエンゲージメント事業にも力を入れたい、と。

Swiftを使うと既存のストレージの再利用ができるし、それだけでなく、安価なコモディティハードウェアを使った社内ストレージシステムとクラウド(パブリックとプライベート)ストレージ併用してデータを保存できる。そのためにSwiftおよびSwiftStackのControllerは、巨大なストレージクラスタの運用を支えるプロビジョニングとレプリケーションとフェイルオーバーとモニタリングなどなどのタスクを、総合的に面倒見る。

SwiftStackもオープンソースなので、顧客に付加的サービスや、Swiftをより使いやすくするためのプロダクトを容易に提供できる。その例が、SwiftStack Management ServiceSwiftStack Controllerだ。SwiftStackは、HPやDisney、Time Warner Cableなども利用している。

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エンタプライズOpenStackのリーダーの座をねらうMirantisが$100Mの巨額を獲得

Mirantisは数年前に、当時まだ無名だったOpenStackに乗り、その後は、各年ごとに高くなるその人気の波に乗ってきた。そして今日(米国時間10/20)同社はシリーズBで1億ドルの資金を調達し、エンタプライズOpenStackのリーダーの地位を目指す旅を、これからも続けて行くことになった。それは、同社の今後の前進のための、十分な額と言えるだろう。

1億ドルはどんな企業にとっても大きいが、同社はしかもオープンソースの企業であり、それまでの二回のラウンドで計2000万ドルしか調達していない。今回のラウンドを仕切ったのはInsight Venture Partners、これにAugust Capitalおよび既存の投資家Intel Capital、WestSummit Capital、Ericsson、SAPが参加した。Insight Venture Partnersの専務Alex Crissesが、Mirantisの取締役会に加わる。

OpenStackは、IaaSを展開するためのオープンソースのプラットホームだ。4年前にRackspaceとNASAの合同プロジェクトとして始まり、IaaSのプロプライエタリな商用プロバイダAmazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Google Cloudなどに対するチェック役のオープンソースプロジェクトとしてスタートした。その後順調に成長して、コミュニティとリッチなエコシステムと活気あるサプライヤーネットワークが形成された。後者にはエンタプライズソフトウェアにおける超大手たちも加わっている。

Mirantis自身は言わないが、同社はEnterprise LinuxにおけるRed Hatと同じようなリーダー的な位置を、OpenStackの世界でねらっているようだ。言い換えるとそれは、OpenStackの企業向けの顔だ。しかしエンタプライズOpenStackはHP、IBM、Cisco、それに、そう、Red Hatなどが大きなパイの分け前をねらっている市場だから、それらに伍していくためには大きな資金が必要だ。たとえば2週間前にRed Hatは、クライアント/サーバから、OpenStackをベースとするクラウドコンピューティングに軸足を移す、と発表した

しかしCEOのAdrian Ionelは競争にひるんでいない。むしろ彼は、OpenStackの世界における自社の優位性を固く信じているように見える。彼によると、OpenStackのルーツを継承して真のオープンソースを提供しているのはMirantisだけである、と。しかも彼によると同社は、OpenStackの実装と運用に関してHPやRed HatやCiscoのチームを指導している立場である。“彼らが好打者だとは思わないが、体がでかいことは確かだね”、と彼は皮肉っぽく言っている。

Ionelは、Mirantisが唯一の本物のOpenStackベンダだ、と自負している。同社よりもさらに本物があるとすれば、オープンソースのソースコード本体、それだけだ、と彼は言う。そして彼によると、多くの顧客は特定のベンダの特定のアーキテクチャに閉じ込められることよりも、ピュアな実装を望んでいる。大手ベンダを選べば、必ずプロプライエタリなものがくっついてくる、と彼は警告する。

Ionelによると、同社は大きな展開で実際にテストされた唯一のOpenStack実装系であり、136社の顧客の中にはWells FargoやOrange、DirectTV、Ericssonなどの有名企業もいる。EficssonはMirantisに投資もしている。彼によると、今回の大きな資金が得られたのは、投資家たちも同社の今後の長寿を信じているからだ。“うちもいずれ、VMwareぐらいのサイズの会社になるだろうね”、と彼は言っている。昨年の月商は100万ドルだったが、今では週の売上が100万だ。つまり、文字通りの急成長である。投資家たちが飛びつくのも、当然かもしれない。2016年にはIPOを検討したい、とも言っている。

そもそもMirantisは、やったことのすべてをオープンソースとしてOpenStackプロジェクトへ還元しているし、またOpenStack本体のアップデート等に100名あまりの技術者を提供している。今社員数が600名で、420名が技術者だから、その中の100名提供は、すごい。

そしてもちろん、今回得た1億ドルは人員増にも使われる。Ionelは、もし資金が得られなかったとしても、エンタプライズOpenStackのリーダーを目指す道を進むことは変わらない、と言っている。お金は、あるにこしたことはないが。

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EucalyptusのCEOの突然のOpenStackへの改宗はHPによる買収が下地だった

先月、長年OpenStackを批判していたEucalyptus *のCEO Mårten Mickosが突然心変わりした。昨日(米国時間9/11)は、彼の会社がHPに買収された。HPは、今年OpenStackで大きく稼ごうとしている企業だ。〔*: Eucalyptus, プライベートクラウドのためのIaaSでAWSのAPIを多用。〕

MickosがOpenStackに対して急に前向きになったのは、まさに、それがあったからだ、としか思えない。

彼は自分の会社のWebサイトのブログで、その心変わりを説明している。彼は、OpenStackと競合することでむしろOpenStackに貢献してきた、とジョークを言っている(初期には実際にOpenStackにコードを貢献している)。しかしMickosは、この爆弾投下(買収発表)の前に、来週シリコンバレーで行われるOpenStackのイベントでキーノートを担当する、と発表した。競合どころか今の彼は、OpenStackプロジェクトに真剣に寄与貢献しようとしているのだ。

Mickosはブログの記事にこう書いている: “私から見てOpenStackは何でもありのクラウドプロジェクトで、大小さまざまなベンダがそれを独自に複雑高度にカスタマイズしたパッケージを作って、展開していくものだ。それらは、〔Eucalyptusのように〕AWSとの互換性が必須要件となるような展開ではない”。

MickosがOpenStackに関して心変わりしたときSteven J Vaughan-Nicholsは自分のブログに、EucalyptusとOpenStackの併存は犬と猫が同じ部屋にいるようなものと書き、長年のオープンソース評論家である彼Vaughan-Nicholsは、Mickosの発言に“ぶったまげた”と言っている。Mickosの会社EucalyptusはOpenStackの宿敵AWSとベッドを共にしている。そんな両者が共存できるわけがない。でもMickosは、共存の道を見つけようとしているのだ。

IaaSとしてのOpenStackはいわば、Amazon Web ServicesやGoogle Cloud、Microsoft Azureなど、パブリッククラウドの強力な商用プロバイダたちの、オープンソース版だ。これらの商用サービスは、細部まで透明というわけにはいかないので、ユーザによってはそのことが問題になる。4年前にRackspaceとNASAが共同して、成長著しい大手パブリッククラウドプロバイダたち(中でもとくにAWS)に対するチェック機能としてOpenStackプロジェクトに着手した。それは完全にオープンソースなので、ITの人たちやデベロッパはコードベースに直接アクセスして、必要なカスタマイズを行える。それは、商用システムではできないことだ。

Mickosの会社はそうではなく、パブリックやプライベートなクラウドからAWSのクラウドへのブリッジを作った。しかし、彼自身資金力はあったが、市場はOpenStackをも含むさまざまな競合勢力に席巻されつつあった。

一方、今年になってHPはOpenStackに転向し、同社のこれまでのCloud OSに代わってHP HelionとOpenStackを主軸に据えることになった。しかもおもしろいことに、Helionへの移行と共にAWS APIのサポートをやめた

というわけで、知らない間に両社(HP, Eucalyptus)は、最初は互いに別の方向を向いてクラウドに取り組んでいたにもかかわらず、今ではOpenStackという共通項で結ばれようとしているのだ。

買収の話はかなり前から進んでいたはずだから、Mickosが突然OpenStackへの改宗を発表したときには、買収をめぐってHPとの会話を重ねていた、と見るのが自然だろう。

いずれにしてもHPはついに買収を決定し、Mickosを同社のクラウド事業部担当のSVPに任命することにした。つまりこれからは、MickosがHPのクラウド戦略の鍵を握る人物になる。HPのクラウドビジネスの今後の吉凶を、彼の手腕が決めるのだ。

企業世界で人気を高めつつあるOpenStackも、相当高度な専門知識および技能がないと実用化できないことが、難点と言われている。そこで先週HPは、OpenStackの実装を楽にしてくれる一連のサービスを発表したが、モバイル開発プラットホームKinveyのCEO Sravish Sridharの説では、HPは今回の買収を活用してOpenStackの実装を単純化するための総合的なシステム(ソフトウェアによるアプライアンス)を作ることもありえる。

“Eucalyptusを買収したことによってHPは、展開と管理の容易なクラウドアプライアンスを作れるプロダクト指向のチームを入手した。それは、OpenStackソフトウェアの弱点と言われていた部分だ”。

OpenStackによるクラウドの構築と展開と管理の面倒を見るサービスでHPは、VMwareやIBM、Red Hatなどなどと競合する。RedHatは最近、OpenStackのテストを容易にできるためのソフトウェアアプライアンスを発表した。たぶん同社はこれを皮切りに、OpenStackとそのまわりの実装を容易化するアプライアンスを次々と出していくつもりだろう。

この買収が表面的には奇妙な仲と見えても、HPの市場奪取努力としてはむしろ、きわめて分かりやすいし、これからも同社は、より魅力的なクラウド製品を提供することによって、競争の激しい市場で優位に立とうとするだろう。

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OpenStackをAPIレベルでAWS互換にせよ, という切実なる公開書簡

CloudscalingのCTO Randy Biasが今日(米国時間7/24)、OpenStackに宛てた公開書簡を書いた。その中で彼は、オープンなクラウドを目指す各種の取り組みは、Amazon Web Services(AWS)のデファクトスタンダード性を素直に認めて、それと互換性のあるAPIを整備しなければ勝利できない、と述べている。

彼は、AWSは事実上のリーダーだ、と主張する。だから正しい対応は: OpenStackは独自のAPIを作って自己を差別化する努力をやめて、AWSがパブリッククラウドにおける勝者であるという現実を受け入れることだ。そうすればOpenStackは、AWS的なパブリッククラウドと現代的なデータセンターが交わる“ハイブリッドな”クラウドの分野で勝てる。OpenStackが伸びる場所は、そこだ。その顧客は、それなりの伸縮自在性を持つクラウドオペレーティングシステムを必要とするが、何万何十万もの一般ユーザにサービスを提供する必要はない企業ユーザだ。

とりわけBiasは、OpenStackを使う場合の、スタンダードとなるAPIを作ることを、Rackspaceに呼びかけている。彼は、OpenStackがこれまでRackspaceのオープンクラウド寄りのAPIを作ってきた経緯を、詳しく述べている。Biasによれば、RackspacはOpenStackのAPIを自分のために作ってきた*。同社はOpenStackを利用して、自己のサービスを差別化しようとしてきた。〔*: RackspaceはOpenStackの最有力の創設メンバーの一人。〕

たしかに、それは事実だ。明らかにRackspaceは、OpenStackという公共的な性格の団体を作るという機に乗じて、自分自身をより大きくしようとした。当時の同社は、クラウドの今後の方向性について模索し迷っていた。同社は、ホスティング企業からソフトウェアデベロッパへという、重要な曲がり角にさしかかっていた。そのことを、Rackspace自身も理解していたのか? 理解していたと思う。同社はOpenSackのリーダー役を買って出ることによって、それをコントロールしようとし、自社のクラウドとそのAPIをOpenStackの“ネイティブの”APIと呼ばせようとした。

しかしRackspaceには、世界初の大規模で本格的なオープンクラウド運動の口火を切った、という功績がある。今ではそこに、250社あまりが参加し、何千ものデベロッパが120万行を超えるコードを書いている。IBMもRed HatもHPも、みなOpenStackに加わった。そしてBiasはCloudscalingの新しい市場を開拓でき、そこに対し、クラウドインフラを構築するためのシステムサービスを提供していった。

しかし、ここにきてBiasがAWSを持ち上げるのには、理由がある。それは、彼自身の利害だ。彼の会社はAWSとGoogle Compute Engineを重視している。だからAWSとOpenStackが重なるようなAPIがあれば、彼の若い会社の大きな助けになる。こういった問題に関しては、クラウドコメンテーターのBen Kepesが良い記事を書いているので、一読をおすすめしたい。

それは、奇妙な状況でもある。OpenStackに参加している企業は、強きも弱きも、大きな市場圧力にさらされている。そしてそのプレッシャーを増幅しているのがAWSと、その疑問の余地なきイノベーションだ。OpenStackの創設から今日までの3年間で、AWSはクラウド宇宙を支配してしまった。

しかし、HP、IBM、Red Hat、AT&Tなどなど多くの企業は、AWSをそう簡単にパブリッククラウドのデファクトスタンダードとして受け入れるわけにはいかない、それぞれの事情を抱えている。彼らは、AWSに勝たせたくない。彼らから見ると、Amazonの、自分がコントロールを握ろうとするときのやり方は、あまりにも苛烈で非情だ。そのAPIはクローズドだし、いつでも勝手に変えることができる。独自の理由で、一部のサービスを一方的に切り詰めることすらありえる。

だから、Rackspaceがこれまで我が道を行くでやってきたように、誰もがそうしてきたのだ。

Biasは、OpenStackの将来性に疑問を投げかけている。最終的にそれは、誰の役に立つものになるのか、と。この、AWSのAPIとの互換性、という問題について、RedMonkのアナリストDonnie Berkholzに話を聞いてみた。彼は、結局それは将来性の問題だ、と言った。APIのプロバイダには、それを将来にわたってメンテする義務がある。そのAPIは、今後もずっと動くもの、使えるものでなければならない。その点に関しては、Amazonには疑念の余地がない。しかしOpenStackは、大きなクェスチョンマークだ。OpenStackには今すでに変種が相当多くて、統合を難しくしている。たとえば、Dreamhostはストレージに(分散並列ストレージ)Cephを使い、RackspaceはSwiftを使っている。Dellは、自社製を使っている。

OpenStackは、こういった複雑性を解消すべきである。しかし参加企業が多くてそれぞれが独自の利害を抱えているから、その課題は、言うは易く行うは難しの典型となる。

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クラウドOSの勝者がOpenStackに決まりデベロッパの活躍の場が高レベルになるのは良いことだ

編集者注記: 筆者のRandy BiasはCloudscalingの協同ファウンダでCTO、OpenStack Foundationの創立理事会のメンバーでもある。彼をTwitterでフォローするには、@randybiasへ。

われら神を信ず。神以外のみんなはデータを持って来い。

信じてほしければデータをくれ、という上の引用は、Total Quality Managementの元祖W. Edwards Demingの言葉だ、と広く信じられている。今朝Tumblrで、私のプレゼンテーション“State of the Stack”を批判している匿名の投稿記事(のちにそれは取り下げられた)を読んだとき、この言葉が脳裏に浮かんだ。その投稿はとりわけ私の分析の、OpenStackがオープンソースのクラウド戦争に勝った、とする結論部分に噛みついていた。その投稿にはほかにもいくつか問題があったが、それらに関しては読者ご自身が判断していただきたいと思う。私は一般的に、匿名でしかも論拠となるデータが提示されていない議論は応じる価値がない、と信じているが、今日はTwitter上の会話に、たまたま参加してしまった。この記事は、そのときのやりとりの、蒸し返しのようなものだ。

コモディティを正しく理解する

まず、Tumblr上の匿名氏は、コモディティ化を誤解している。コモディティ化とは、一つの不可分な能力や機能が商材…売り買いの対象…になった状態を指している。定義をGoogleで調べると: “買ったり売ったりできる原材料や農業の一次産物、たとえば銅やコーヒー”、とある。

原油にも銅にもコーヒーにも石炭にも、さまざまな種類がある。原油には、ライトスウィートクルード、ブレント原油、ウェストテキサス原油などがある。銅も、産地が違えば品質が違う。コーヒーは、さらに種類が多い。でも、それらすべてがコモディティだ。

その基本単位は同じでなくてもよいが、価値を測ることが可能で、それらを互いに比較できる必要がある。最近、商品取引のブローカーだった人とディベートする機会があったが、その人も、彼が買ったり売ったりしたコモディティは、違いと変化が激しかった、と言っている…しかしどんなに違っていても、互いに価値を比較できるのだ。なお、その人の名はJames MitchellCloudOptionsの協同ファウンダでCEOだが、以前はMorgan Stanleyでグローバルな商品取引部門の長だった。

クラウドOSのコモディティ化も、多様化と比較可能性を指しており、単一実装系の圧勝と支配のことではない。

クラウドはゼロサムゲームではない

匿名氏は、OpenStackが勝者なら他はすべて敗者か、と文句を言っている。でも、これはゼロサムゲームではないから、勝者が複数いてもよい。しかしLinuxに関しては、勝者の数はとても少なくて、彼らが多くを支配し、そこにとても長いロングテールがある、という状態になるだろう。

Linuxの成功(私のプレゼンではスライドデッキの13枚目)の意味は、UNIXおよび、そのほかの初期のx86 UNIX派生系(SCO UNIX, 386BSD, FreeBSD, OpenBSD, NetBSDなどなど)が要するに“負けた”ということだ。

しかしLinuxが“勝った”ことの意味は、サーバ用オペレーティングシステムが全世界的にほぼ標準化された、ということになる。そのことによって互いの競争性が増し、また人びとはソフトウェア階層のずっと上の方の、価値の高い学習と知識を追究できるようになった。そして万人に、より良いコンピュータ人生、すなわち高レベルのコンピューティングの追究が保証された。一将功成れば万卒枯る、のような匿名氏の主張は、今のLinux界隈の現状を反映していない。一方的で単純すぎる説だ。

こう言っている私自身も、長年のBSD人間だ。Linuxが勝っても嬉しくなかった。でも、サーバのオペレーティングシステムがほぼ標準化されたことは、とても嬉しい。

これもやはりいつか来た道

クラウドオペレーティングシステムの戦いはサーバやデバイスのオペレーティングシステムの場合と違う結果になる、と想像するのはナンセンスだ。明らかに、一つか二つのメジャーな勝者が決まるだろうし、今のデータを見るかぎり、OpenStackが先頭位置につけていることは確かだ。

読者からのフィードバックを歓迎する。無署名でも、いいですよ。

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OpenStackでクラウドをビルドするMirantisがシリーズAの第二ラウンドでさらに$10Mを調達

OpenStackデベロッパMirantisが、Red HatとEricssonとSAP Venturesからまた新たに1000万ドルの資金を調達した。OpenStackを使ってプライベートやパブリックのクラウドシステムを作りたいという需要が、このところますます増えているためだ。今回の資金は、シリーズAの第二ラウンドに相当する。

この前Mirantisは12月に100万ドルを、Dell Ventures、Intel Capital、およびWest Summit Capitalから調達したが、今回のラウンドにはこの三社も参加している。MirantisのCEO Adrian Ionelによると、最初のラウンドで一部の投資家が増額を要求した、しかし:

うちはすでに利益が出ていたし、1000万ドルは大きな額だから、その時点の評価額ではそれ以上を求めなかった。そこで、今後一定の経営目標を達成したら新たな評価額を算定し、それに基づく新たなラウンドを展開することで投資家たちとの合意を形成した。今回その目標に達したので、第二ラウンドを行うことになった。

MirantisもOpenStackの創設メンバーだが、OpenStackのインフラストラクチャを構成するさまざまな部品(計算処理、ストレージ、ネットワーク、…)を目的システムへと組み上げる仕事で業績を上げてきた。OpenStackはこれまで、7回のリリースを経ており、最新リリースがGrizzlyだ。開発はコミュニティが行い、さまざまな企業が自社の技術を部品として供給することによって、OpenStackが組み立てられている。

それらの企業の中では、下の図が示すように、Red HatがOpenStackの最大の貢献者であり、今回のようにアプリケーション開発企業に投資するのもうなづける。下図は、OpenStackへのこれまでの累積コミット数を表しており、左端の赤い棒がRed Hatである。

OpenStackのインフラストラクチャの派生系を作るスキルにも需要がある。たとえばSAPは、OpenStackを利用して自己のインフラを構築している。

一方Mirantisは、OpenStackのDIYキット Fuelをアップデートした。これはMirantisの多機能ライブラリ群をベースとする製品だ。たとえばMirantisのPuppetというライブラリは、インフラ利用の自動化を支える。同社はそれまで自己ライブラリへの外部アクセスをさせなかった。

しかし新バージョンはApache 2.0のライセンスにより無料で利用できる。それにはヴィジュアルなインタフェイス、ワンストップのコントロールプレーン、自動化機能、前述のGrizzlyのサポート、などが含まれる。今年の終わりごろには、Fuelの会員制の商用バージョンFuel Enterpriseのリリースを予定している。

Mirantisは今ではOpenStackのデベロッパとしていちばん目立つ企業になっている。その将来にとっては、Fuelがとくに重要だ。OpenStackの市場はどんどん拡大しているので、Fuelのようなツールの需要も拡大する。ただし、市場拡大の過程の中で、ますます多くの企業が彼ら独自のターンキーソリューションを提供してくるだろう。CloudscalingとPiston Cloud が、その分野で名を上げつつある。

しかしIonelによれば、Fuelの強みはディストリビューションを特定しないこと、またハードウェアとネットワークに関しても、要件を狭く限定していない。

“それに、うちはオープンソースだからね”、とIonelは言った。


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