OrCamがAIを活用した聴覚補助デバイスを発表

MyEye 2という視覚障がい者向けデバイスで知られるOrCamが、新たなユースケースに取り組んで製品ラインナップを増やす。MyEye 2はメガネに取り付けて周囲をナビゲートする小さなデバイスだ。

CESでOrCamはMyEye 2の新機能を発表した。テキストや看板にカメラを向けて読み上げるこれまでの機能に加えて、顔や物体、紙幣を認識してガイドする。

例えば「私の前に何がある?」と尋ねるとデバイスは「ドアがある」と答えるので、ドアの方向にガイドするように頼むことができる。MyEye 2はインタラクティブな読み上げの際の自然言語処理も向上している。



OrCamは、新しいデバイスのOrCam Hearで聴覚障がいの支援に手を広げる。これは騒がしい空間で特に便利なデバイスだ。話者の声を特定して分離するので、公共の場でも会話をしやすくなる。既存のBluetooth補聴器とペアリングできる。

そして同社は、OrCam Readも発表した、これは手で持てるサイズのAIリーダーだ。これがあれば、メガネにカメラを取り付けなくても、デバイスを手に持ってテキストにかざすことができる。同社によると、これは失読症で文章を読むことが難しい人に特に有効だという。

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(翻訳:Kaori Koyama)

MyMeは会った相手全員を覚えてくれる――OrCamから顔と名刺を認識するウェアラブル・カメラ登場へ

テキスト読み上げテクノロジーを利用して視覚にハンディキャップのある人々向けのデバイスを提供しているスタートアップ、OrcamからMyMeというミニカメラが登場した。Tシャツの襟元にもクリップできる小型デバイスで、 ユーザーが会った相手をすべて記憶する。

MyMeはスマートフォンからカメラ部分を独立させたようなプロダクトで、OrCam独自の顔認識アルゴリズムにより、顔と名前を一致させてくれる。会議やカンファレンスで大勢の初対面の人に会うような場合はもちろん、日常生活でも大いに役立ちそうだ。

OrCamは数年前から視覚にハンディキャップがある人々向けのMyEyeを販売している〔MyEye2は日本でも販売中〕 。これはメガネにクリップするウェアラブル・デバイスだ。カメラとスピーカーが内蔵されており、ユーザーが指さした部分を読み上げてくれる。

OrCamはこうしたリアルタイムの画像認識テクノロジーの延長線上にあるプロダクトだが、一般ユーザーを対象にしている。OrCamの秘密は非常に小型軽量のボディーにMyEyeのOCR機能と顔認識機能を搭載したところにある。当然バッテリーも小型だが、処理はすべて本体内で実行され、クラウドへの接続は必要ない。

またOrCam MyMeは画像や音声を一切記録しないのでプライバシーに関する懸念は少ない。デバイスが顔を認識すると特徴を抽出してシグナチャーを生成し、マッチする記録があるかどうかチェックする。MyMeはスパイカメラではないので相手はレンズが自分の方を向いているのに気づく。人によっては多少違和感を感じるかもしれない。

ユーザーが初対面の誰かに会う(相手が一定の距離で正面に立つ)とMyMeはスマートフォンないしスマートウォッチに通知を送る。ユーザーは通知が来たデバイス上で名前を入力できる。次にその相手と会ったときに.MyMeはシグナチャーをチェックし会ったことがある相手だと通知してくれる。

相手が名刺をくれた場合、ユーザーはMyMeのレンズの前にかざせばよい。デバイスは自動的に名刺のデータと顔データを結びつけて記録する。

ユーザーは人々を家族、同僚、友達などに分類してタグづけできる。過去数週間に会った人の数をタグ別に知ることもできるのでワーク・ライフ・バランスも数字で分かる。

MyMeはまだ市販が開始されていないが、すでにKickstarterで800台以上の予約を得ている。OrCamでは熱心なユーザーによるコミュニティーを組織し、新たなユースケースの開発に役立てたい考えだ。

私(Dillet)は先週のCESで実機に触れるチャンスがあったが、写真での想像よりずっと小型で軽いのに驚いた。それと知らなければ誰も気づかないだろう。Google
Glassのようにひどく目立って邪魔になるということはないはずだ。服装によってクリップが使えない場合はマグネットによる吸着キットも用意される。.

OrCamでは2020年1月までに399ドルでMyMeの市販を開始する予定だ。これは確かに役立つデバイスだと思うが、唯一の懸念は、「常時待機して顔認識する」というデバイスに対して人々がどう感じるかだ。

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滑川海彦@Facebook Google+