ドイツの義肢装具メーカーOttobockが外骨格ロボットスーツのSuitXを買収へ

ドイツに本社をおく医療機器メーカーOttobock(オットーボック)は、ベイエリアを拠点とする外骨格スタートアップのSuitXを買収する契約を締結したと米国時間11月2日に発表した。今回の買収は、義肢・装具とともに独自の外骨格を製造しているOttobockにとって、理にかなったものだ。

SuitXは、カリフォルニア大学バークレー校の機械工学教授であるHomayoon Kazerooni(ホマユーン・カゼローニ)博士が設立した、バークレーロボティクスおよび人間工学研究所のスピンアウトベンチャーだ。同社を設立し、2012年にCEOに就任する前、カゼローニ教授は2005年にもEkso Bionicsを設立している。その会社は2014年に上場した。

OttobockとSuitXは同じカテゴリーで、作業支援と健康管理という2つの異なる目的のために設計されたロボット外骨格を製造している。SuitXは現在、3種類の作業用外骨格(腰、肩、脚)と、歩行補助用の「Phoenix」、医療スタッフが重い鉛エプロンを着用する際のストレスを軽減する「ShieldX」という2種類の医療関連システムを製造している。また、最近では「Boost Knee」と呼ばれるロボット膝装具の試験を開始した。

カゼローニ教授とOttobockのサミュエル・ライマー氏(画像クレジット:SuitX)

カゼローニ教授は、今回の発表に関連したリリースでこう述べている。「私は今、我々の人生を豊かにする医療用および産業用外骨格製品をグローバルに提供する立場に置かれており、大変幸運と感じています。この一歩は、SuitXだけでなく、世界中の人類のために起業家精神を最大限に育むカリフォルニア大学バークレー校にとっても成功だといえます。QOL(生活の質)の向上のために、Ottobockとともに我々の技術を国際的なコミュニティに提供することを楽しみにしています」。

Ottobockは、頭上での作業時に首、腰、肩をサポートするように設計されたPaexo Shoulderなどの外骨格を自社で製造している。外骨格デバイス(エクソスケルトン)は、2021年初めにSPAC経由で上場したSarcosの製品を含め、最近ホットな話題となっている。

今回の取引では、OttobockがSuitXの株式を100%取得する。なお、買収条件の詳細については公表されていない。

画像クレジット:Ottobock

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)