Oculusファウンダー、「仮想現実の普及の最大の障害はインターネットのケーブル接続」と警告

2015-11-03-oculus

一見奇異な発言に思えるかもしれない。しかしよく考えてみれば当然の警告だ。読者の母親はインターネットに(煩わしく、時に危険でさえある)有線で接続している間は仮想現実の世界に飛び込むことはしないだろう。

Oculusのファウンダー、パーマー・ラッキー(Palmer Luckey)は仮想現実(VR)に関するSamsungとの提携のイベントでそのことを警告した。つまりモバイル化がVR普及のカギになるという。

Oculusから発表された最新のガジェットは好評で、TechCrunchのJosh Constine記者はこう書いた。

新しいOculus Gear VRは従来より22%軽く、装着感もずっと良い。ヘッドセットのトラックパッドはこめかみ辺りに来るが、これも位置が適切だ。ユーザーが自然に指を伸ばすとトラックパッドにタッチすることができる。

Oculusのファウンダー、Palmer Luckeyは今日(米国時間11/1)、 伝統的パソコン対モバイルVRの問題について:こう述べている。

〔今後長期間にわたり、ケーブル接続はVRビジネスにとって普及の最大の障害になる。パソコンがモバイル接続にならなければモバイルVRの成功もない。〕

〔VRのソフト、ハードを開発するときは、ユーザー行動の限界を認識することが必須だ。本当のユーザーはケーブル接続を楽にしてくれる都合のいい奴隷など持っていない。〕

〔長年にわたって奴隷となってケーブルをさばき、VRの実現に努めてきた私が言うのだから間違いない!〕

実は私〔Olanoff記者〕はこの問題に関して仮想現実ビジネスのリーダーたちと幾度も話し合ってきたが、これは全員一致の意見だ。VRをメインストリームに持ち込もうとしてGoogleは段ボール製のVRセットを配ったり、SamsungはGear VRを製作したりしている。パソコンに有線接続されたVRは無線接続の場合より強力だ。しかしGear VRを利用した体験からしても VRはモバイル接続の方がはるかに快適だ。私はOculus devkit以外のデバイスでVRを体験しようとは思わない。

もちろん私は熱狂的なゲームファンではない。ゲームに関してはソニーが開発中のPlaystation VRが重要だろう。このあたりは古典的な「ニワトリが先かタマゴが先か」問題となっている。

しかし仮想現実がメインストリームに受け入れられるためには、モバイル化はやはりカギだ。現状では一般ユーザーはVRヘッドセットを装着してみて「おお、いいね」などと感心するものの、5分も経てばデモの体験は忘れられてしまう。こうした反応を示すのがLuckeyの言う「本当のユーザー」だ。VRはこういうユーザーが自発的に戻ってきて継続的に利用してくれるようにならなけれいけない。

デベロッパー、投資家ともにLuckeyが指摘した点が、VRデバイスをデザインする上でも大量生産の立ち上げに投資する上でも重要だということを認識する必要がある。この無線化をリードするのは、個人的にはLuckeyが創業し、今やFacebookの傘下にある Oculusではないかと考えている。

画像: n/a/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+