パナソニック、テスラ・ギガファクトリーのバッテリーセル生産にRedwoodの再生材を使用へ

Tesla(テスラ)と共同で運営するギガファクトリーで製造されるパナソニックのバッテリーセルは、スタートアップRedwood Materialsとの提携拡大により、2022年末までにリサイクル素材をより多く使用することになる。

米国時間1月4日、パナソニックはCES 2022の会場でRedwood Materialsは、バッテリーセルのアノード側の重要な部材であるリサイクル素材から作った銅箔の供給を開始すると語った。Redwoodは銅箔の生産を2022年の前半に開始し、パナソニックはそれを2022年の終わりごろセルの製造に使用する。

この発表は、より多くのリサイクル素材を使っていくという、パナソニックの方針表明であり、採掘された銅鉱から作る新たな原料への依存を減少させ、さらにRedwoodの事業成長にも寄与する。

現在、市販されている電気自動車には、リチウムイオンバッテリーが搭載されている。バッテリーには2つの電極があり、一方はアノードと呼ばれる負極(マイナス)と、カソードと呼ばれる正極(プラス)だ。両極の間には電解液があり、充放電の際に電極間でイオンを移動させる運び屋として働いている。負極は通常、グラファイトでコーティングされた銅箔でできている。

自動車メーカーが電気自動車の生産を増やし、究極的には内燃機関のクルマやトラックを置き換えていくにともない、バッテリーとその素材に対する需要は急上昇していく。全車種のEV化に本気で取り組んでいる大手自動車メーカーのほとんどすべてが、そのサプライチェーンを確保するために、バッテリーセルメーカーやその他のサプライヤーとのパートナーシップに依存している。

Redwood Materialsは、2017年に当時TeslaのCTOだったJ.B.Straubel(J.B.ストラウベル)氏が創業し、循環型サプライチェーンの構築を目指している。同社は、携帯電話のバッテリーやノートパソコン、電動工具、パワーバンク、スクーター、電動自転車などの家電製品だけでなく、バッテリーセル製造時のスクラップも再利用している。そして、これらの廃棄物を加工して、通常は採掘されるコバルトやニッケル、リチウムなどの材料を抽出し、それらを再びパナソニックなどの顧客に供給する(アマゾンやテネシー州のAESC Envisionとの連携も公表している)。

最終的にはバッテリーのコスト削減と採掘の必要性を相殺するクローズドループシステムを構築することが目的だ。

Redwoodが2022年初めに発表したギガファクトリーの近くに100エーカーの土地を購入したことは、このパナソニックとの提携拡大を示唆するものだった。

Panasonic Energy of North Americaの社長であるAllan Swan氏は「バッテリーの国内循環型サプライチェーンの確立に向けた我々の取り組みは、EVがより持続可能な世界を形成するための機会を最大限に実現するための重要なステップです」と発表している。

Redwoodは2021年9月に、重要なバッテリー材料を米国内で生産する計画を発表している。同社は20億ドル(約2320億円)の工場を建設し、2025年までに年間100ギガワット時(電気自動車100万台分)の正極材と負極材を生産する予定だ。

画像クレジット:Redwood Materials

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ヘビーなメタバースを楽しむ人向け、軽量メガネ型VRヘッドセットや冷温デバイスなどをShiftallが発表

昨年、注目を集めたメタバース。2022年はさらに多くの関心が寄せられ、新たなサービスなど登場すると思われる。テック業界におけるこれからの動向を占うCES。リアルでの参加を見送る企業も増えているが、それでも各社から最新製品が登場するだろう。

日本のShiftallは1月4日、VRヘッドセット「MeganeX(メガーヌエックス)」、ウェアラブル冷温デバイス「Pebble Feel(ぺブルフィール)」、メタバース対応音漏れ防止機能付きマイク「mutalk(ミュートーク)」の3製品を発表した。

MeganeX

「MeganeX」はSteamVRに対応した超高解像度・超軽量のVRヘッドセットだ。メタバースで多くの時間を過ごすヘビーなVRユーザーが、今、求めている「軽さ」を追求した本製品は、ゴーグルタイプではなくメガネ型で重量は約250g(Oculus Quest 2は503gなので半分以下)。スピーカー内蔵の折りたたみフレームになっており、長時間装着しても疲れづらく、収納、携帯も楽になっている。

リフレッシュレート120Hzの5.2K/10bit/HDRのディスプレイを採用。6DoFに対応し、SteamVR対応するVRアプリケーションを楽しめるとのこと。

ウェアラブルデバイス「Pebble Feel」は最低9℃から最大42℃まで人体を冷やしたり、温めたりできるパーソナルエアコンだ。

Pebble Feel

専用シャツに装着することで接触する首元を霊薬、加熱し厳しい季節を快適に過ごせるのはもちろん、専用のSteamVR用アドオンを利用することで、VRChatといったメタバース空間で熱さや寒さを体験することもできるようになる。

mutalk

「mutalk」はメタバース対応の音漏れ防止機能付きBluetoothマイク。メタバースはオンラインゲームでのボイスチャットに最適だ。専用バンドで顔に固定することもできるためハンズフリーで会話も可能となっている。

MeganeXは販売予定価格税込10万円未満、Pebble Feelは2万円前後、mutalkは2万円前後となっている。MeganeXとPebble Feelは2022年春、mutalkのみ2022年夏の発売予定とのこと。いずれの製品もパナソニックと協業開発し、Shiftall製品として発売される。

まだ3製品は米国時間1月5日に開催されるCES 2022で出展される。

画像クレジット:Shiftall

メルセデスやBMWもCES出展を断念、パナソニックは会場での会見中止

対面でのCES出展を辞退する大企業の数が増え続けており、開幕まで残り1週間を切ったところで、さらに大手自動車メーカー2社が名を連ねた。米国時間12月29日、Mercedes(メルセデス)は、対面イベントを見送ると表明した。

関連記事:CES 2022会場出展を断念する企業が続出、オミクロン株感染拡大受け

「顧客、パートナー、従業員、ゲストの健康と安全が最優先のためです」と同社は声明で述べた。「参加者の数が多く、国ごとに異なる規制があるため、すべての参加者のために堅実で安全かつ無害な計画を立てることは、残念ながら現状では不可能です。非常に残念な決定ですが、必要なことだと考えています」。

米国時間12月30日、BMWもこれに続いた。同社はメディアリリースを発表し、バーチャル記者会見への移行を発表した。「BMWグループは長年にわたり、ラスベガスで開催されるCESでイノベーションを発表してきました。パンデミックのため、BMWグループはCESで予定していたすべてのメディア活動を、ドイツからライブ配信する完全なデジタルプログラムに移行します」と述べた。

一方、LiDAR会社のVelodyne(ベロダイン)は、12月26日の週に同社の決定についてフルプレスリリースを発表し、次のように述べた。

Velodyne LiDARは、新型コロナウイルスの感染率が急上昇しているため、CES 2022に対面参加しません。従業員、パートナー、一般市民の健康と安全がVelodyneにとって最優先事項であり、この決定の主な要因です。

IBMも米国12月30日、対面イベントからの撤退を決定したことをTechCrunchへの声明の中で表明した。

新型コロナの感染状況が悪化しているため、また慎重を期して、IBMは2021年ラスベガスで開催されるCESに参加しません。バーチャルでのイベントに参加することを楽しみにしています。

また、パナソニックは、米国時間1月4日に会場での記者会見を予定していたが、新たに中止を決めた。同社は、バーチャルイベントにシフトし、会場でのプレゼンスは限定的となる見込みだ。

これらの企業は、GM(ゼネラルモーターズ)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、AMD、OnePlus(ワンプラス)、MSI、Lenovo(レノボ)、Intel(インテル)、T-Mobile(T-モバイル)、AT&T、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、Proctor & Gamble(プロクター&ギャンブル)、TikTok(ティクトック)、Pinterest(ピンタレスト)、そしてTechCrunchを含む多くの大手メディアの仲間入りをする。存在に気づいてもらうのにCESのような展示会に依存しているスタートアップにとって、オミクロンの懸念が高まる中で撤退を決断することは、特に難しいことだろう。しかし、展示会への参加を見送るという難しい決断をした中小企業から筆者のもとに入る連絡は増えている。

CESを運営する全米民生技術協会(CTA)は、米国時間1月5日(メディアデーは3日と4日)から始まるCESを断固として開催する姿勢を示している。

「CES 2022は、強力な安全対策を取って1月5日から8日までラスベガスで対面式で開催されます。また、ラスベガスに行きたくない、または行けない人々のために、デジタルアクセスも用意されます」と、CTAは12月22日付の声明で述べている。「私たちの使命は、業界を結集し、直接参加できない人々にもCESの魅力をデジタルで体験してもらうことに変わりはありません」。

クリスマスの日、ラスベガス・レビュージャーナルは「CESはラスベガスで開催されるべき」という見出しのCTA代表Gary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏の論説を掲載した。その中で同氏は、メディアが「ドラマと有名企業のレンズを通してのみ物語を語る」と非難した。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

パナソニックがハッカーによる社内ネットワークへのアクセスでデータ流出を確認

日本のテック大手Panasonic(パナソニック)は、社内ネットワークへのハッカーのアクセスによるデータ流出を確認した。

パナソニックは11月26日付のプレスリリースで、11月11日に同社のネットワークが「第三者によって不正にアクセス」され「侵入時にファイルサーバー上の一部のデータにアクセスされた」と発表した。しかし、パナソニックの広報担当者Dannea DeLisser(ダンネア・デリサー)氏は、この侵入が6月22日に始まり、11月3日に終了したこと、そして不正アクセスが最初に検出されたのは11月11日であったことを認めた。

大阪に本社を置くパナソニックは、データ流出についてその他の情報をほとんど提供していない。同社のプレスリリースによると、同社は独自の調査に加えて「現在、専門の第三者機関と協力して、漏洩に顧客の個人情報および(あるいは)社会インフラに関連する機密情報が含まれているかどうかを確認中」だ。

「当社は、不正アクセスを発見した後、直ちに関係当局に報告するとともに、ネットワークへの外部からのアクセスを防止するなどのセキュリティ対策を実施しました。今回の事件によりご心配とご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます」。

今回のデータ流出のニュースは、パナソニックインドがランサムウェアの攻撃を受け、ハッカーが財務情報や電子メールアドレスを含む4ギガバイトのデータを流出させてから1年も経っていない中でのものだ。また、日本のテクノロジー企業を狙ったサイバー攻撃が相次いでいる中でのものでもある。NECと三菱電機は2020年にハッキングに遭い、オリンパスは最近、ランサムウェアBlackMatterの攻撃を受け、欧州・中東・アフリカ地域での事業停止を余儀なくされた

関連記事:オリンパスがランサムウェア「BlackMatter」の攻撃を受ける

画像クレジット: Sean Gallup / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

EVメーカーCanooのバッテリーサプライヤーにパナソニックを選択、施設拡大計画も発表

2020年に上場を果たした電気自動車メーカーのCanoo(カヌー)は米国の施設を拡大中で、Walmart(ウォルマート)で有名なアーカンソー州ベントンビルに本社と別の施設を設置する計画だ。

2021年11月15日に行われた第3四半期決算発表ではまた、パナソニックをバッテリーサプライヤーとすることや他の施設拡大計画についても発表した。施設拡大には、アーカンソー州フェイエットビルでの研究開発センター設立、同社の米国初のオクラホマ工場でのオペレーション拡大などが含まれる。さらに同社は、ライフスタイル車両の生産開始時期を2023年初頭から2022年第4四半期以前に前倒しすることも発表した。

2021年初め、同社は製造に関する2つの発表を行った。同社は、ライフスタイル車両の生産委託先として、オランダのVDL Nedcarを指名した。VDL Nedcarは、Canooが米国にメガマイクロファクトリーを建設している間、米国およびEU市場向けの車両を生産する。Canooはこれまで、VDL Nedcarの工場で2022年に米国および欧州市場向けに最大1000台の生産を想定し、2023年には1万5000台を生産することを目標としていた。CEO兼会長のTony Aquila(トニー・アクイラ)氏は8月に、2023年の生産台数を2万5000台に引き上げた。

Canooは6月、オクラホマ州に最初の工場を建設する計画を発表した。その際、オクラホマ州は、この施設と製造のフェーズ2を支援するために、3億ドル(約342億円)の非希釈型金融インセンティブを約束した。アクイラ氏は11月15日、オクラホマ州がさらに1億ドル(約114億円)のインセンティブを追加し、合計4億ドル(約456億円)としたと発表した。

「我々は引き続き、『Big News or No News』をモットーにしています。ですので、米国での高度な生産を加速させて2022年第4四半期の前に開始します」とアクイラ氏は声明で述べ、施設がある州や大学から約1億ドルの車両注文を目標にしていると付け加えた。

オクラホマ州の工場には今後、研究開発、ソフトウェア開発、カスタマーサポート、ファイナンスの各センターが設置される予定だ。

第3四半期決算は純損失が8090万ドル(約92億円)となり、前年同期の2340万ドル(約26億円)から約4倍に拡大した。

画像クレジット:Canoo

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマートドライブとパナが物流車両の運行管理を行う「ETC2.0 Fleetサービス」実証、ETC2.0活用で新たな専用デバイス不要

スマートドライブとパナが物流車両の運行管理を行う「ETC2.0 Fleetサービス」実証、ETC2.0活用で新たな専用デバイス不要

「移動の進化を後押しする」をビジョンとするスマートドライブは9月7日、パナソニックとの共同事業として、物流車両を利用する企業向けに、ETC2.0を活用した運行管理サービス「ETC2.0 Fleetサービス」の提供を開始すると発表した。今回は、参加企業を限定した実証サービスとなっており、キャンペーン価格で提供する。9月7日から申し込み受け付けが開始している。

物流業界では、貨物量の急増と高齢化によるドライバー不足が深刻化しており、2024年4月に労働基準法の年間残業時間規制が開始されると、状況はさらに厳しくなるという。それに対応すべく車両管理を厳密化しようとすれば、運送事業者の負担が大きくなる。既存の運行管理サービスを利用して業務の効率化を図ろうとすれば、新規に専用デバイスを導入しなければならないなどの金銭的な負担が生じる。

そこで、スマートドライブとパナソニックは、すでに普及しているETC2.0を搭載している車両なら、新たにハードウェアを導入することなく運行管理が行える「ETC2.0 Fleetサービス」を開発した。

ETC2.0 Fleetサービスは、ETC2.0車載器に備わっている乗用車の経路情報や急ブレーキを把握する機能と、高速道路・直轄国道合わせて約4100基ある路側機を連携させて行うサービスという。

運行管理の実施により、車の稼働状況・業務状況の可視化が可能となり、走行履歴も見える化される。これにより、複数のドライバーの走行ルートを把握することで、配車を最適化するなどドライバーの業務効率化も図れるとしている。運行管理業務のデジタル化は、保有車両の台数や形態が適切かを見極めることにもつながり、保有車両台数の削減や配車最適化による業務効率の改善も期待できる。

またドライバーにとっても、運転日報の作成を補助する機能により記入の抜け漏れを防ぐことができるなどのメリットがある。

おもな機能は以下の通り。

車両位置の把握

高速道路や国道に設置された路側機からのデータを利用して、最新の車両位置を把握(車両位置や渋滞情報の更新にはタイムラグが発生するため、リアルタイムを保証するものではない)。渋滞情報などから到着時刻の予測が可能になり、荷待ち時間の削減にもつながる。

安全運転管理

ETC2.0に備わっている急ブレーキを感知する機能を利用し、危険な場所の把握や、ドライバーの安全運転指導が行える。

運転日報の作成補助

走行履歴が残るため、日報作成での記入漏れが防げる。過去の日ごとの走行履歴も一覧で確認可能。

ドライバーの高速時間管理

月間高速時間累計が上限の293時間に近づくと注意喚起がなされる。拘束時間累計の上限に近づくドライバーが出るとアラートで表示する。

運行履歴管理

過去の走行ルートや速度が示されるため、ドライバーの管理や配車計画の検討に役立つ。地図上に速度レンジを色分けして表示する。

同実証サービスでは、2021年12月末まで参加企業を募集するものの、社数が限定されているので早めにお問い合わせをとのこと。対象となるのは、高速道路を使った移動が多い業態、たとえば、センター間輸送、長距離輸送、高速バス、サービスエリアへの配送、高層道路メンテナンスなどを行う事業者だ。保有車両にETC2.0が装備されていなくても、ETC2.0車載器のリースが提供される。

参加を希望する場合は、まずは「https://lp.smartdrive-fleet.jp/FreeDEMO-Form.html」にアクセスして個別説明の予約を行う。希望時間を選択し、「ご要望・ご質問があればご記載ください」欄に「ETC2.0」と記載して予約してほしいとのことだ。

パナソニック ライフソリューションズ社「Panasonic Accelerator by Life Solutions Company」が参加企業募集

パナソニック ライフソリューションズ社「Panasonic Accelerator by Life Solutions Company」が参加スタートアップ募集

ゼロワンブースターは8月3日、パナソニック ライフソリューションズ社と共同開催する「Panasonic Accelerator by Life Solutions Company」参加企業の募集を開始した。スタートアップ企業との共創によるイノベーション創出、社会課題の解決、パナソニック ライフソリューションズ社の新規事業加速を目的としている。早期応募期限は2021年9月3日、最終応募期限は9月30日。

パナソニック ライフソリューションズ社は、街づくりや移動など、「人々の『くらし』に関わるあらゆる場面」で事業を展開する企業。「人が集まる空間の課題を解決するためにデータコンサルティングを通じた継続的な空間の最適化」(空間ソリューション)などを推進しているが、激しく変化するライフスタイル、価値観、ニーズに対応するソリューションを創出し続けることを重視している。そのためのアプローチのひとつが、このプログラムということだ。

募集領域は次の4つ。

  • 空間価値の向上:IoTやデータを活用した次世代の空間サービスやコンテンツなど、オフィスや店舗などが安心、安全、快適、効率的な空間となるアイデア
  • 建築・建設業界のDX:働く人や環境のデジタル化により効率化や高度化を実現し、安全、安心、スマートでクールな現場プロセスを再構築できるアイデア
  • カーボンニュートラル:省エネや創電、持続的社会の実現に向けたサービスやコンテンツなど、カーボンニュートラル社会の実現に向けたサービスやアイデア
  • その他:「人起点でくらしをより良く、快適にする」とのビジョンに沿い、パナソニック ソリューションズ社のアセットを活用したアイデア

応募アイデアの審査により、最終的に5〜8チームが採択される。採択されたチームはパナソニック ライフソリューションズ社のカタリストとチームを結成してアイデアをブラシュアップし、優れたものには事業化へ向けてナソニック ライフソリューションズ社とゼロワンブースターからの支援が提供される。

スケジュール

2021年8月3日:ビジネスプラン募集開始
8月19日:オンライン説明会
9月30日(木)応募締切
10月:選考期間
2021年11月〜2022年3月:アクセラレータープログラム期間
2022年3月:成果発表

8月19日木曜日午後2時から約1時間、オンライン説明会が実施される

募集概要

下記の領域においてイノベーションをもたらす起業家・事業家を募集。既存領域に捉われない、新たなテクノロジーを活⽤したビジネスアイデアを広く募集する。

事業領域

・空間価値の向上
・建築・設備業界のデジタルトランスフォーメーション
・カーボンニュートラル
・その他

選考基準

下記を中心に、社内および社外の審査員により総合的に判断。

・事業創造への本気度、能力、チームワーク、バックグラウンド、リソース調達力など
・革新的な事業を共創する本アクセラレータープログラムの趣旨との親和性
・課題、変化に対するソリューションの独創性、革新性
・ビジネスプランの新規性、成長性

事業ステージ

事業ステージは不問。プラン企画段階・検証段階の独立起業志望者から、事業化済み・資金調達済みの起業家・スタートアップまで歓迎するという。

参加企業・チーム

参加条件は、法人もしくはチームの代表者がビジネスプランの実現・加速にフルコミットしている、もしくはアクセラレータープログラム参加時点でフルコミットできる見込みがあること。年齢・国籍不問。個人・法人どちらでも応募可能なものの、複数人のチームを歓迎するとしている。

応募時点で法人設立していない個人事業者でも応募可能だが、出資を希望する場合は法人設立が前提となる。

その他の条件

・2次選考(面談選考)を通過した場合、最終選考(ピッチコンテスト)でピッチ(4分35秒予定)を行う必要がある。選抜された場合、同アクセラレータープログラムに必ず参加すること
・パナソニック ライフソリューションズ社および01Boosterによる出資について協議してもらう場合がある
・チーム(人)で複数のビジネスプランをご応募可能
・ビジネスプランはチーム(人)で複数プランを申請可能。その場合はプランごとに申請書を作成し、1件ずつエントリーを行う。また、1度提出したビジネスプランの申請書を修正・再提出することも可能

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カテゴリー:VC / エンジェル
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本物の天窓のような空間演出を実現する「天窓Vision」をパナソニックが開発、照明や音響の連動制御ユニットが夏頃完成

本物の天窓のような空間演出を実現する「天窓Vision」をパナソニックが開発、照明や音響の連動制御ユニットが2021夏頃完成ビル内のオフィスや地下にある店舗などでは、自然光を取り入れづらく、空間に閉塞感が生まれがちだ。しかし、コロナ禍においてテレワークやネットショッピングが普及しつつある今、リアルオフィスやリアル店舗は、オンラインではなし得ないコミュニケーション活性化のためのリラックス感やデライト感、またネットショッピングでは難しい実体験を得られる場所としての位置づけが求められている。

パナソニック ライフソリューションズ(以下、パナソニック)が開発した空間演出システム「天窓Vision」が、そんな閉塞感を払拭し、新たな体験をもたらすかもしれない。

天窓Visionは、2019年に同社が開発し、リラックス感や外とのつながりを感じられることを実証実験で確認した「天窓照明」より約2.4倍の発光面積を持つ約1.1m角の大型タイプを展開。さらに本体同士の連結(最大3台)と、映像コンテンツの連動(6台まで)を可能にしたことで、本物の大きなガラス窓から見える景色のような、ダイナミックかつ解放感のある空間演出を可能にした製品だ。

本物の天窓のような空間演出を実現する「天窓Vision」をパナソニックが開発、照明や音響の連動制御ユニットが2021夏頃完成

イメージ画像左は「2台連結×2セット、4台で映像連動」、画像右は「3台連結を2セット、6台で映像連動」

 

天窓Visionには、刻々と移り変わる空の色や流れる雲だけでなく、木々と木漏れ日、桜、紅葉といった季節に応じたコンテンツのほか、星空や雨模様、イルカやオーロラといった、通常の窓からは見られない景色も表示できる(有料オプション)。もともと柔らかで奥行き感のある映像表現を行っていた天窓照明に、高解像度機能を持たせたことにより、このような映像コンテンツの拡充が図れたという。

本物の天窓のような空間演出を実現する「天窓Vision」をパナソニックが開発、照明や音響の連動制御ユニットが2021夏頃完成

時間帯に合わせた映像の切り替えが可能

また、天窓照明に比べ、製品の高さを約30%低減し、大型タイプだけでなく小型タイプも展開したことにより、スペースの限られる天井裏や、面積の取れない壁や天井などへの設置を可能にした。

本物の天窓のような空間演出を実現する「天窓Vision」をパナソニックが開発、照明や音響の連動制御ユニットが2021夏頃完成

さらに、天窓Visionの空間演出に合わせ、照明や音響、プロジェクターなどの機器と連動できる制御ユニットも開発中。バイオフィリックデザイン(バイオ=自然、フィリア=愛好。建築物の中に自然とのつながりを感じられるようにするデザインのこと。業務効率や幸福度に影響を与えると考えられている)にデジタル技術をかけ合わせた新たな空間演出をパナソニックでは提案していく。

 

天窓Visionは、機器に映像システム、標準コンテンツ、施工、設定をパッケージにしたエンジニアリング商品で、2021年6月1日からパナソニックの関係会社でエンジニアリング事業を担う事業会社を通じて展開。制御ユニットは2021年夏頃の完成を目指しており、天窓Visionを扱う同事業会社を通じ、天窓Visionと組み合わせて展開する。制御ユニット単体での販売は予定していない。

パナソニックでは、天窓Vision導入に関する問い合わせフォームを設置している。

本物の天窓のような空間演出を実現する「天窓Vision」をパナソニックが開発、照明や音響の連動制御ユニットが2021夏頃完成

様々な機器を連動させた場合のイメージ図

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カテゴリー:ハードウェア
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パナソニックが世界で初めて純水素型燃料電池を活用したRE100化ソリューションの実証実験を開始

パナソニックは5月24日、純水素型燃料電池と太陽電池を組み合わせた自家発電によるRE100化ソリューションの実証に取り組むと発表した。工場の稼働電力のための自家発電燃料として水素を本格的に採り入れた実証実験としては、世界初の試みとなる。

RE100(Renewable Energy 100%)とは、事業活動の自然エネルギー100%化を推進する国際イニシアティブ。これに加盟するパナソニックは、滋賀県草津市で家庭用燃料電池エネファームを生産する同社工場に、500kWの純水素型燃料電池、約570kWの太陽電池を組み合わせた自家発電設備と、余剰電力を蓄える約1.1MWh(メガワット時)のリチウムイオン蓄電池を備えた大規模な実証施設を設置し、同工場の製造部門の全使用電力をこれでまかなうことにしている。また、これら3つの電池を連携させた最適な電力需給に関する技術開発と検証も行う。

一般に、RE100の実現方法には自家発電と外部調達の2つがあるが、外部調達の主力となるグリーン電力の購入も環境価格証明書の活用も価格が不安定などの短所がある。また自家発電の主力である太陽光発電も、事業に必要な電力を生み出すためには広大な敷地を必要とすることや、天候に左右されるという短所がある。そこでパナソニックは、3つの電池を組み合わせることで、工場の屋上などの限られたスペースでも、高効率で安定的に電力を供給できる方式を考案した。蓄電池を含めることで、需要に応じた適切なパワーマネージメントが可能になり、工場の非稼働日にも発電量を無駄にしないで済む。

この実証でパナソニックは、純水素型燃料電池の運用を含めたエネルギーマネージメントに関するノウハウの蓄積と実績構築、そして事業活動に必要な再生可能電力を自家発電でまかなう「RE100ソリューション」の事業化を目指す。

今回使用する水素は、再生可能エネルギー由来のグリーン水素ではないものの、ゆくゆくは環境価値証書の活用を含む再生可能エネルギーにて生成された水素を使用し、RE100に対応してゆく予定だ。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:SDGs(用語)カーボンニュートラル(用語)環境問題(用語)再生可能エネルギー(用語)水素(用語)燃料電池(用語)Panasonic / パナソニック(企業)日本(国・地域)

WHILLのパーソナルモビリティがベース、パナソニックが追従型ロボティックモビリティ「PiiMo」発売

WHILLのパーソナルモビリティがベース、パナソニックが追従型ロボティックモビリティ「PiiMo」発売

パナソニック プロダクションエンジニアリング(PPE)は10月27日、安全・快適な移動のサポートを実現するための安全停止機能、追従走行機能を有するロボティックモビリティ「PiiMo」(ピーモ)を発表した。発売は2020年11月予定。

PiiMoのサイズはW592×L1046×H870mmで、重量70kg。最大搭載重量は100kg(このうち手荷物台は10kg)。最高速度は時速4キロ。連続走行距離は約16km。

パナソニックWHILLは、超高齢社会において移動困難者の移動をサポートするロボット型電動車いすを2015年より共同開発。パナソニックは、WHILLのパーソナルモビリティ「WHILL」(ウイル)をベースに独自の安全技術、制御技術を搭載したロボティックモビリティの開発を行い、空港・駅など様々な環境で実証実験を積み重ねてきた。

今回PPEはWHILLのパーソナルモビリティ供給などに関する契約締結に合意し、ロボティックモビリティPiiMoの販売を開始する。

ロボティックモビリティPiiMoは、障害物を検知すると減速・停止する「自動停止機能」、先行機体に追従動作する「自動追従機能」を有した新しいモビリティ。先頭の1台を搭乗者またはスタッフが操作し、後続のモビリティが自動追従することで、安全に効率よくグループの移動をサポートする。

  • 自動停止: 搭載センサーで得た周辺情報から、モビリティが障害物などに衝突の恐れがあると判断すると自動停止。余裕をもった減速を伴う停止と、業界初の機能安全による停止の二重化を行うことで、快適性と安全を両立した移動を実現
  • 自動追従: 前方モビリティに設置されたマーカーを後方モビリティが追従することで、前方の軌跡を正確に追従可能。それぞれのモビリティが知能部を有しており、前方モビリティの軌跡に障害物などが出現した場合には自律的に回避し、移動を継続
  • 車両連携技術: モビリティ同士はWi-Fi接続による無線通信を行うことで、モビリティ間での情報共有が可能。後方での取り残しや、後方モビリティ搭乗者からの停止リクエスト対応が可能

今後もパナソニックとPPEは、最新技術の開発・導入に積極的に取り組み、これまでにない移動体験を実現する次世代のロボティックモビリティの開発を行っていくとしている。

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アマゾンとパナソニックが注目するバッテリーリサイクルスタートアップRedwood Materials

Tesla(テスラ)の共同創業者で元CTOのJB Straubel(JBストラウベル)氏は、謙虚で先駆的なエンジニアとして語られることが多い。ある意味会社の最も重要な技術に対して15年間裏方として目立たぬ苦労を重ねて来た人物だ。 テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏に対する誇大宣伝とメディアの注目が高まるにつれて、その性格が対照的に語られることが多くなったものの、それだけでは真実の一部が語られているに過ぎない。

ストラウベル氏は、自己宣伝を行ったり進捗を誇ったりしがちなタイプの人物ではない。彼の個人的なTwitterアカウントも、彼のスタートアップであるRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルス)の専用アカウントも、これまでにツイートを行ったことがない。そして彼は、込み入った問題対して苦労を重ねることを、こよなく愛する人物なのだ。

しかし、彼の控えめな表現は、2017年に共同創業したリサイクルスタートアップのRedwood Materialsに対する、彼の野心と計画を分かりにくいものにしている。Straubelは、Redwoodを世界の主要なバッテリーリサイクル企業の1つにすることを構想し、積極的に取り組んでいるが、今では多数の施設が戦略的に世界中に配置されている。

ストラウベル氏は米国時間10月7日に開催された、TechCrunchのTC Sessions:Mobilityの仮想ステージ上で「これは主要な業界であり、大きな課題です。それこそが私にとって時間を費やしたい理由の大きな部分なのです」と語った。「私は、世界の持続可能性に、実際に重大な影響を与えることができる、何かをしたいと思っています。それを行うには規模が必要です。なので私はこの会社を成長させ続けて、世界最大とは言わないまでも、主要なバッテリーリサイクル会社の1つにすることに熱心に取り組んでいます。そして最終的には、世界の大手電池材料会社の1つになります」。

ストラウベル氏が経営する、ネバダ州カーソンシティを拠点とする同社は、循環型サプライチェーンの構築を目指している。同社はB2B戦略を採用しており、バッテリーセルの製造工程からのスクラップだけでなく、携帯電話のバッテリー、ノートブックコンピューター、電動工具、モバイルバッテリ、スクーター、電動自転車などの消費者向け製品からもリサイクルを行っている。Redwoodは、家電会社やパナソニックなどのバッテリーセルメーカーから、スクラップを回収している。次に、これらの廃棄物を処理し、通常は鉱山から採掘されるようなコバルト、ニッケル、リチウムなどの材料を抽出して、パナソニックやその他の顧客に供給する。Redwood Materialsには多くの顧客がいるが、協力が公表されているのはパナソニックとAmazon(アマゾン)だけだ。

現在のRedwood MaterialsはB2B企業だが、そのビジネスモデルはいつか進化する可能性がある。関心が非常に高まっているため、ストラウベル氏は現在、より消費者向けのビジネスにも拡大すべきかどうかを検討している最中だ。これまではRedwood自身が、消費者が直接古いスマートフォンやその他の家電製品を持ち込むことができる、収集サイトを提供することは決してなかった。しかし、地方自治体や、電気自動車(EV)のバッテリーを含む電子機器をリサイクルするオプションを探している消費者からの問い合わせの数を見て、ストラウベル氏は少なくともその可能性を検討するようになっている。

わかっていることは、ストラウベル氏が、多くの施設(おそらく数十カ所)を各地域に設置し、顧客数が十分に大きい場合には、工場と同じ場所に設置することも考慮しているということだ。同社は、これらの施設が将来どこに設置されるかについては明らかにしていない。

同社はカーソンシティに、2カ所のリサイクルおよび処理施設を持っている。そして、世界最大のバッテリーリサイクル企業の1つだと呼ぶことは難しいものの、Redwoodはすでに「ギガワット規模」で運営されている。

「私たちはとても急速に成長し、生産能力を増強することができました。それはリチウムイオン生産の規模をほぼ数年遅れで追っていくことになると思っています」と彼はいう。

ストラウベル氏の言葉を理解するために、パナソニックがネバダ州スパークでテスラと一緒に運営しているギガファクトリーについて考えてみよう。現在この工場には、年間35GWh(ギガワット時)のリチウムイオン電池セルを生産する能力がある。もしストラウベル氏が狙っている規模に達した場合には、Redwoodはパナソニックにその生産能力に見合う十分な材料を供給することになるだろう。その目標を達成することで、パナソニックのサプライチェーンは、採掘される鉱物からRedwoodによってリサイクルされる鉱物へと根本的に変化を遂げることになる。これらのリサイクルされる材料は、パナソニックの製造スクラップやその他の家電製品から供給される。

北米パナソニックエナジーのバッテリー技術担当副社長であるCelina Mikolajczak(セリーナ・ミコライチャック)氏は、同社にとってリサイクル供給を無視することは愚かな行為だと語った。

ミコライチャック氏は、TC Sessions: Mobilityでのストラウベル氏との共同インタビューの中で「私たちはすでに、これらの金属を大地から掘り出し、セルに入れ、もうそこにあるのです」と語った。「もちろん、セルの取り扱いは少々難しいものです。セルは通常の金属鉱石とは多少異なる方法で処理されますが、同時に、必要な金属の濃度は通常の金属鉱石よりもはるかに高いものになっています。ですから、リサイクルを積極的に追求することは理にかなっています。なぜならリサイクル対象のものがたくさんあるからです、世界中にすでにたくさんのバッテリーがあります」。

バッテリーの再利用

今日、スマートフォンやその他の家電製品に使用されているリチウムイオン電池の大部分はリサイクルされておらず、その代わりに所有者のガラクタ入れの中で忘れられるか、廃棄物処理の流れに乗って最終的に埋め立てられている。電気自動車は、言うならば、はるかに長い賞味期限を持っている。だが、最終的には、電気自動車に使用されるバッテリーは、自動車メーカーだけでなく、廃棄物に取り組むコミュニティにとっても課題となるだろう。

ストラウベル氏は、Redwoodが電気自動車のバッテリーの、寿命末期のソリューションの一部になることを望んでいる。

「再利用問題と、これらのバッテリーをどのように復活させるかはとても興味深いものです。そしてバッテリーをそのまま2番目のアプリケーションへと組み込む方法については、さまざまなアイデアが提案されています」とストラウベル氏は語ったが、Redwood自身は再利用そのものには直接は取り組んでいないと述べた。「これらのデバイスを一定期間再利用することで、より多くの期間利用できるなら素晴らしいことですが、それは避けられない運命をただ遅らせているだけです。最終的には、適切な廃棄とリサイクルソリューションが必要になるのです」。

ストラウベル氏は、Redwoodをそのための最終関門にしたいという。

EVのバッテリーをエネルギー貯蔵用に転用することについて、話し合いを持った自動車メーカーはたくさんある。しかし、OEMがそれらのバッテリーを、消費者から回収する手段は不十分なままだ。ストラウベル氏はRedwoodを、電気自動車を製造するすべてのOEMと提携し、業界全体にその材料を提供できるような、独立した企業にしたいと考えている。

Redwoodが、どの自動車メーカーと提携するのか、あるいはすでに提携しているのかについて、公に発表したことはない。とはいえ、EV業界全体を見渡せば、可能性のあるパートナーがいくつか浮かび上がる。たとえば、電気自動車のスタートアップのRivian(リビアン)は、Redwood Materialsと直接連携する計画を発表したことはないが、しかしどちらの会社も、投資家および顧客としてのAmazon(アマゾン)と関係を持っている。RivianのCEOであるRJ Scaringe(RJスカーリンジ)氏とストラウベル氏は、お互いを知っているだけでなく共通のビジョンも共有している。

スカーリンジ氏は、まだ詳細は不明なもののバッテリー再利用計画について語り、またバッテリーの寿命が尽きたときに何が起こるかについても語った。現在Rivianは路上を走る車を供給していないので、それは一見はるか未来の物語のように思える。だがその状況は、同社が電動ピックアップトラックとSUVを消費者市場に投入し、Amazonに電動バンを提供する2021年に変わるだろう。最終的に、RivianはAmazonに10万台の電動バンを配達する契約を結んでいる。

スカーリンジ氏は先月Bloomberg Green Summitで行われたインタビューの中で次のように語っている「JB(ストラウベル氏)がやっていることに、本当にわくわくしています。車両を原料として使うことができるからです。これらの車両から回収したバッテリーを原料にして、別のバッテリーと電気自動車のライフサイクルを開始できるからです」。なおこのインタビューの行われたパネルセッションにはストラウベル氏と、AmazonのGlobal Last Mile Fleet and Productsの責任者であるRoss Rachey(ロス・ラチー)氏も参加していた。「これを本質的にクローズドなエコシステムとして制御できるようになれば、業界全体が電化だけでなく様々な消費手段へと移行する中で、こうしたことに対する条件反射的な行動を学び行うことができるようになります」。

規模について

ストラウベル氏は「Redwood Materialを公開することに興味がない、特に短期的には」と述べた。

ストラウベル氏は、テスラの現状に向けられたコメントの中で「良くも悪くも、私は上場企業であることのよって効率の悪い部分を、最前列で見ていました」と語った。「私は急いでいません。公開企業であることは、なぜか成功の証だと思われていますが、実際にはあまり意味がないのです」。

彼は、その目標はRedwoodが影響を与え、産業規模で意味のあることを行い、見返りを得ること(すなわち利益を生み出すこと)だと語った。

「それはすぐに公開するということではありませんし、投資家にすぐに利益を還元しようとするようなことでもないのです」とストラウベル氏はいう。「私が本当に時間を使いたいことは、影響を生み出すことです。そして、これは数十年に及ぶ可能性のある、非常に長期的な成長ミッションだと思っています」。

労働者がインドのニューデリーで使用済みの携帯電話の山を選別している様子 (画像クレジット:Getty Images / Kuni Takahashi/Bloomberg)

ストラウベル氏は規模に関して大いに語った。それはRedwoodに対する彼のビジョンや米国の消費者のガラクタ入れの中に眠っている電子廃棄物の現状などを含む内容だった。まず語ったのはギガファクトリーの規模に関してである。ここはパナソニックがバッテリーセルを製造するために使用し、テスラがその車両用のバッテリーパックと電気モーターを製造するために使用している工場である。ストラウベル氏がRedwoodの創業を駆り立てられた理由の一部には、この工場の存在がある。

「世界が輸送を電化する中で、非常に多くの異なる材料が必要となっています。そんな中で、工場の上流のサプライチェーンはしばしば過小評価されていると思います」と彼はいう。「ギガファクトリーは氷山に少し似ています。水面下には通常目にすることのない、サプライヤー、鉱山、精製、その他供給する必要のあるさまざまなものが、たくさん連なっているのです」。

ギガファクトリーが成長するにつれて、サプライチェーンの一部がボトルネックになったのだと彼は付け加えた。

「もちろんテスラがここににもっと焦点を合わせているのを知っているでしょう。私も当然そう思っています」とストラウベル氏は語り、ニッケルのような材料の、より広範なサプライチェーンに焦点を合わせる必要性について述べたマスク氏の最近の発言に対して賛意を示した。「それは非常に興味深い分野だと私は考えていますが、あまり注目されていません。そして材料ライフサイクルの一部を構成する最終処理とリサイクル処理は非常に大切な分野で、バッテリー作成の持続可能性に対して大きな影響を持つことができると考えています」。

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タグ:Amazon、パナソニック、Redwood Materials

画像クレジット:Redwood Materials

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(翻訳:sako)