Panicの人気携帯ゲーム機Playdateにバッテリー問題、2022年初頭まで出荷できず

Panicが、レトロな雰囲気のかわいい携帯ゲーム機Playdateの予約販売を開始したとき、最初の2万台はホリデーシーズンに向けて2021年末までに出荷される予定だった。そして、この最初のロットは、20分以内に完売した

しかし残念なことに、出荷直前に発生したバッテリー部品の問題により、最初の注文も2022年にずれ込んでしまった。

予約者に送られたメールには、次のように書かれている。

最初の5000台のPlaydate完成品が2021年に向けてカリフォルニアの倉庫に到着したとき、私たちはそのうちの数台をテストし始めました。その結果、期待していたバッテリーの寿命が得られないものがあることに気がつきました。Playdateのバッテリーは非常に長持ちするように設計されていて、しばらく使わなくても、いつでも使えるようになっています。しかし、実際にはそうではなく、バッテリーが消耗してPlaydateの電源が入らなくなり、充電もできないものがいくつかありました。これはバッテリーにとって最悪のシナリオです。

この問題は、数カ月に及ぶ総力を挙げた研究の負担となり、工場での生産を中止しました。

その結果?

私たちは、既存のすべてのバッテリーを、まったく別のバッテリーサプライヤーの新品に交換するという、困難で高価な決断を下しました。

Panicは、新しいバッテリーを受け取り、それらは正常に動いているが、すべてをマレーシア送り返し、電池を交換し、海を越えて戻ってくるまでには時間がかかるだろう。

一方で、2022年に出荷するPlaydateの全機種に搭載する予定だったCPUが、文字通り数年分のバックオーダーになっていることも判明した。

たくさんの予約が入っていたので、2022年以降に必要な部品をすぐに工場に発注しました。その結果は……厳しいものでした。多くの部品が大幅に遅れているのです。実は、Playdateの現在のCPUは、信じられないかもしれませんが、2年間は入手できないのです。そう、730日です。

多くの人が話している「世界的なチップ不足」という話を、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。私たちはそれが現実であることをお伝えしたいと思います。新型コロナウイルスは、世界的なサプライチェーンの障害を連鎖的に引き起こし、多くの電子部品が単に……なくなってしまいました。

この問題を回避するために、同社はプレイデイトの基板を再設計し、より入手しやすく、ユーザーが気づくような動作への影響のない別のCPUをサポートするようにした。

同社によると、1号機から2万号機までは2022年にずれ込んだが、これまでに発注した分が2023年にずれ込むことは今のところないという。

相変わらず、ハードウェアは難しい。さらに、パンデミックが加わると……。

画像クレジット:Panic

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Yuta Kaminishi)

Panicの奇抜な携帯ゲーム機「Playdate」年内生産分の2万台がわずか20分で完売

1週間ほど前からわかっていたように、Panic(パニック)の魅力的で奇抜で奇妙な(クランク付き!)ゲーム機「Playdate(プレイデイト)」の予約が、日本時間7月30日午前2時より開始された。この小さくてレトロな携帯ゲーム機の話題性は高いようだが、それが実際の販売に結びつくだろうか?

その答えは、明らかに「イエス」だった。Panicは2021年内に2万台を製造し、先着順で販売することにした。それ以降の注文も受け付けるが、出荷されるのは早くても2022年になってからだ。

Panicの出荷目安によると、最初の2万台は予約受付開始から20分以内になくなった。2021年製造分のロットは、本当にすぐに完売してしまったのだ(我々がPanicの担当者に確認したところ、出荷目安は正確であり、最初の2万台は売約済みとのこと)。

画像クレジット:Panic

ほぼすべての人気商品が発売される時と同様に、この予約受付プロセスに技術的な問題が発生しなかったわけではない。サーバーが不安定になって502エラーが発生した後、Panicのチェックアウトシステムはオンラインになったものの、国際配送を処理するために使用されていたプラグインシステムがクラッシュしてしまったのだ。これにより、米国以外の顧客からの注文の一部がチェックアウトの処理から漏れてしまい、実に不幸なことに、2022年製造分に回されてしまうことになった。

一方ではすでに「2023年製造分」を注文するという話も出ているが、そこに到達するまでには「しばらく時間がかかる」とPanicでは注意を促している。

初めて知ったという人のために、このゲーム機のことを振り返っておこう。Playdateは、Mac用アプリの「Transmit(トランスミット)」や「Prompt(プロンプト)」を開発し「Firewatch(ファイアー・ウォッチ)」や「Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜」などのゲームの販売にも携わったPanicが、Teenage Engineering(ティーンエイジ・エンジニアリング)と共同で開発した、ちょっと実験的なゲーム機だ。

この価格179ドル(約1万9600円)のデバイスに、ゲームは「シーズン」としてリリースされ、まずは最初の12週間に、毎週2本の新作ゲーム(長さや複雑さなどはさまざま)が届く予定になっている。

白黒の画面、最小限のボタン、そしてクランク(これはゲームを操作するために使用するもので、バッテリーを充電するためのものではない)を備えたこのゲーム機は「CRYSIS(クライシス)が動作するか」を問題にするようなものではなく、むしろ「真っ白なキャンバス」のようなものだ。

次世代ゲーム機レベルの売上とまではいかないものの、これまでソフトウェアを手がけていたチームが初めてゲームハードウェアに参入して、あっという間に数万台の売上を達成したことは、見事な成果と言えるだろう。あとは実際に製品をきちんと世に送り出すだけだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Panicゲーム

画像クレジット:Panic

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hirokazu Kusakabe)