人間の爪のミクロン単位のゆがみから症状の治癒や悪化を判定する超小型センサーをIBM Researchが開発

IBMが今日(米国時間12/20)、人間の手の指の爪につけて、パーキンソン病なやそのほかの疾病の治療薬の効果をモニターする、小さなセンサーを開発した、と発表した。そのデータを分析する専用のソフトウェアと共にセンサーは、ユーザーが物を握ったときの爪の歪(ゆが)みを測定する。ほとんどどんな活動にも、物を握る行為があるので、そのソフトウェアが分析すべき大量のデータが生成される。

センサーを爪ではなく肌につけて運動をモニターし、筋肉や神経の健康を調べる方法もあるが、IBMのチームによると、皮膚を使う方法には感染など多くの問題があるので、爪の曲がりから得られるデータを使う方法を選んだ。

ただし、多くの場合に、爪はわずかしか曲がらないので、感度の高いセンサーが必要になる。研究者たちはこう説明している: “分かってきたのは、人間の指が、それらで物を握ったり掴んだり、曲げたり伸ばしたりするとき、一定のパターンで変形することだ。この変形の大きさは通常、ひと桁の数ミクロンのオーダーで、肉眼では見えない。しかし、ひずみゲージを使えば容易に検出できる。ご参考までに、人間の毛髪の太さは50から100ミクロン、赤血球の径は10ミクロン未満だ”。

現在のプロトタイプバージョンでは、センサーを爪に接着している。爪はけっこう丈夫なので、そのやり方でもリスクはほとんどない。肌につけるセンサーよりは、ずっと安全だ。センサーのデータはスマートウォッチへ行き、そこで機械学習のモデルを動かして、震(ふる)えなどのパーキンソン病の症状を検出する。モデルは、装着者が今何をしているかも検出できる(ドアノブを回している、ドライバーを使っている、など)。装着者が自分の指で数字を書くと、それも正確に判読できる。

今後は、このセンサーのプロトタイプとモデルの改良により、そのほかの疾病も認識し分析できるようにしたい、とチームは望んでいる。このセンサーが市販される時期については、まだ発表の段階ではないようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

レーザー光を照射する靴がパーキンソン病患者をふつうに歩けるようにする

テクノロジーが多くの人の生活を快適にしてくれるささやかな例が、意外なところにもある。それは、レーザー・シューズだ。そう、男の子の玩具ではない真面目な製品だ。上図のような、小さなレーザーエミッターを取り付けた靴は、最近のテストによると、パーキンソン病患者の正常な歩行を助ける。

パーキンソン病の症状のひとつに、すくみ足がある。それは、自分には前へ進む意志はあるのに、そのための一歩を踏み出せない状態だ。その状態が数秒から一分近くも続くと、不便であるだけでなく体のバランスを崩して転倒することもある。

しかし不思議なことに、足がすくんでいる人が前方の足元に気になるものをみつけて、心がそれに集中すると、それに向かって歩こうとして、すくみ状態がなくなることがある。それは、床板でも歩道の割れ目でも、なんでもいい。しかし、そんなものがつねにあるとは限らない。常時あるようにするには、どうしたらいいか?

そこで、オランダのトゥウェンテ大学のMurielle Ferrayeの想像力から生まれたのが、レーザー・シューズだ。つま先に取り付けたレーザー照射デバイスが、約45センチ前方の床に光の線を描く。するとユーザーは、その線に向かって足を踏み出そうとする。靴が動いているときにはレーザーは消えている。足が静止しているときだけ、線が描かれる。

こんな感じだ:

21名のパーキンソン病患者でテストした結果では、レーザー・シューズによってすくみ足の発生が半分近くに減り、すくみの持続時間は半分以下になった。患者の多くが、その靴を使いたいと言い、足がすくんでいないとき光が投射されても気にならないと言った。大学のニュースリリースでFerrayeが述べている次の課題は、すくみが検出されたときだけレーザーが発光するようにすることだ。

この研究は今週、Neurology誌に発表された。

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パーキンソン病患者の状態を終日チェックするウェアラブル(+補助アプリ)XEED、徐々に投資家の関心が集まる

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物のインターネットや、とくにウェアラブルは、その誇大な約束にまだ達していないと思うが、パーキンソン病で苦しんでいる人たちの助けにはなるようだ。ペンシルベニア大学工学部の二人の学生が、その可能性を追究するために会社を興した。会社の名前を、XEEDという。

その二人、Sade ObaとAlfredo Munizはヒューストン出身、子どものころからご近所同士で、大学に入る前から、テクノロジーを保健医療方面に活かすことに関心があった。パーキンソン病の治療にウェアラブルが使えるのではないか、という考えは、大学入学後に芽生えた。Obaは機械工学、そしてMunizは電気工学専攻だ。

“二人ともロボット工学を主に勉強しているので、家庭用の移動するスマートホームロボットに関心が向いた”、とObaは言う。“しかし最初に作った製品があまり受けなかったから、専門家にアドバイスを求め、センサーの数を大幅に減らして、人の動きを追跡する用途に特化した”。

パーキンソン病には、間欠的な震えが伴う。それは薬や物理療法でコントロールできるが、震えがいつ起きるか分かればもっと良いし、また患者の、病院へ行くこと以外の行動も知りたい。

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XEEDのブレスレットふうのウェアラブルはユーザーの手足を終日チェックし、震えが起きる時間や震えの強さを知り、またユーザーの自発的な動きの範囲も分かる。そのデータは介護者がアクセスするだけでなく、スマートフォンのアプリに送られて、いろんなアドバイスをしたり、またユーザーが自分の症状改善の進歩を知ったりする。

Obaは大学で作ったビデオの中で、“患者はスマホアプリの情報から、日常の生活や活動の何をどう変えるべきかを理解する”、と言っている。

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データは、患者個人と物理療法士と医師が利用するが、蓄積されてデータベースに入ると研究者のためにも役に立つ。

“今は三つ目のプロトタイプを設計している段階だ”、とMunizは言う。“プロトタイプは50作り、それを小さなグループで2週間テストする。実際に彼らはどんな着け方をするのか、LEDの表示は役に立っているか、充電を忘れることはないか、アプリのどこをどう変えるべきか、などなどをチェックするんだ”。

だんだん完成に近づいているようだが、最終的にはFDAの認可が必要だ。そのお役所では、彼らの製品が医療補助具として評価される。本格生産までまだ道のりは遠いが、小規模な研究はもちろん続けられる。

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二人は昨年、大学の起業支援制度“イノベーション学長賞”により、20万ドルの資金を獲得した。だから、まだまだ当分、研究開発を続けられる。

“数社の投資家も関心を示しているから、ピンチになったら頼ろうと思う”、とMunizは語る。“でも今は、NSFNIH(SBIR)の助成金が欲しいね”。

XEEDは、地元のパーキンソン病リハビリセンターとパートナーしている。今月の終わりごろには、支援などに関してMichael J. Fox Foundationとの話し合いを持つ予定だ。〔Michael J. Foxはパーキンソン病の闘病生活で有名。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))