Samsung、Galaxy Note 7の生産を完全に終了

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Samsungは同社のGalaxy Note 7の生産、販売を完全に終了した。オリジナルモデルのバッテリー発火事故の発生を受けてリコールを実施し、バッテリーを対策部品と交換したにもかかわらず、新しいバッテリーを原因とするとみられる事故が続き、消費者の間に不安が広がっていた。

ニュースは最初にWall Street Journalで報じられ、Samsungの広報担当者がNote 7の生産中止の事実を確認した。われわれの取材に対して広報担当者は「SamsungがGalaxy Note 7の生産を恒久的に停止したという報道は事実だ」と述べた。

同社は生産中止に関してこれ以上何も明らかにしていないが、韓国当局に対して生産の中止を報告する文書中で「消費者の安全」を理由に挙げている。

昨日(米国時間10/10)、Samsungはキャリヤと販売店に対しNote 7の販売を停止するよう要請し、すでに販売された分については交換を受け付けることを発表している。Note 7の所有者は全額の返金ないし他のSamsungスマートフォンへの交換を受けることができる。また2回のリコールに対する「迷惑料」として25ドル分のギフト券を得られる。

最初のリコールは250万台前後のNote 7を対象として9月の上旬に行われた。同社はその後、Note 7の製造を一時中止していることを認めた。【略】

Galaxyブランドが傷付いたことを別にしてしても今回のバッテリーの発火、爆発によりSamsungが受けた打撃は軽くない。ReutersはNote 7の生産終了はSamsungに最大170億ドルの損害をもたらすとアナリストは推計していると報じた。

今日、Samsungの株価も8%下落した。2008年10月以來の大きな下落だ。同社の時価総額から190億ドルが消えたことになる

アップデート: SamsungはTechCrunchに対して以下の声明を送ってきた。

消費者の安全を考慮し、われわれはGalaxy Note7の販売と交換を中止し、これに伴って生産も中止することを決定した。

〔日本版〕上に引用されたツイートは「Samsungは次に生産するスマートフォンをなんと命名するだろう?」というジョーク。Galaxy Not FireやGalaxy Iceなどが提案されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

レビュー:Galaxy Note 7はベストのファブレット―スタイラスに加えて虹彩スキャン、大型バッテリーを追加

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Samsung Noteは当初ギャンブルだった。むやみサイズが大きい奇妙なガジェットという印象で、特にスタイラスはハードウェアキーボードといっしょに過去のものと考えられていた。しかしこの賭けは即座に大成功を収めた。Samsung Noteは最初の2年で5000万台が売れ、モバイルを代表する生産性ツールの一つなった。

NoteはSamsungのフラグシップモデルではない(それはGalaxy Sだろう)が、大型スマートフォンを代表するデバイスの一つであることは疑いない。5.3インチの画面をスマートフォンの世界に導入した立役者でもある。大画面スマートフォンが「ファブレット」と呼ばれるようになったのはSamsung Noteの成功が大きい。

その後の数世代のアップデートで画面サイズは(予想どおり)少しずつ大きくなった。最初は5.3インチ、次は5.5、そして今回 5.7インチだ。Noteはほぼ毎年かなり大がかりなハードウェアのアップデートを繰り返してきた。先月、世界の大きなイベントでお披露目された最新のNoteは、Galxy
Note 6を飛ばしていきなりNote 7となった。これはメインストリームのモデルGalaxy S7、S7 Edgeと画面サイズが異るだけで基本的に同一の7シリーズとして統一化しようというSamsungの努力を表すものだろう。

使用感は非常に良い。Noteのサイズ、Galaxy Sのデザイン言語、トップクラスのハードウェアが高いレベルで融合している。これにいくつかの新しい機能がセールスポイントとして追加された。Note 7は真に「誰にでもどんな目的にでも対応する」デバイスになったと思う。自画撮りをソーシャルメディアに投稿するカジュアル・ユーザーからシリアスなビジネス・ユースまであらゆる使い方が自信をもってカバーされている。

前世代と同じスクリーンのサイズにもかかわらず、筐体ははっきり分かるほど小さくなっている。

とはいえ、Note 7はやはり大画面でスタイラスが使えるGalaxyファミリーというのが本質だろう。今回の新製品にはテクノロジーとしてまったく新しい要素が導入されたわけではない。しかし実際の製品が発表される前の情報でも虹彩スキャンによるセキュリティーや大型バッテリー搭載の情報はわれわれを驚かすものだった。

あらゆる面で優れたNote 7だが、高機能は高コストを招くのはやむを得ない。800ドル以上とされる価格はおそらく万人向きとはいえないだろう。

まとめ

  • モニター:5.7インチ、2560 x 1440
  • メモリー:64GB(microSDで拡張可能)、4GB RAM
  • CPU:2.15GHz, 1.6GHz、クオドコア
  • 価格:キャリヤによって異る

メリット

  • カーブしたエッジ・ツー・エッジの画面は美しくデザインされている
  • バッテリーは大容量化された
  • 虹彩アンロッキングなどセキュリティーも強化

デメリット

  • 高価

美しいデザイン

Samsung Galaxy Note 7

Note 7の外観はシンプルで洗練されている。簡素な命名どおり、ファブレットのフォームファクターとGalaxyファミリーのデザインが融合している。今回のハードウェアのアップデートで目立つのはGalaxy Edge由来の側面まで回りこむカーブした画面の採用だ。これにともないサイドのベゼルは事実上姿を消した。これにより筐体をダウンサイジングしながら5.7インチの画面を搭載することに成功している。【略】

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

デバイスの裏面は表面と同様にカーブしており、同様の素材、CorningのGorilla Glass 5が使われている。Samsungはこの1.6mの高さから落下させた場合80%の確率で耐えるとしているが、正直言って私自身そのテストをする勇気はなかった。小さな点だが裏面は指紋を磁石のように引き付ける。幸い私はセーム皮をいつも携帯しているので大きな問題にはならなかった。

筐体全体がカーブしているので側面はかなり狭いが、左側にボリューム、。右側に電源ボタンが配置されている。【略】

Samsung Galaxy Note 7

ただのスタイラスではない

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Note 7のセールスポイントは大画面に加えてSamsungがS Penと呼ぶスタイラスが装備されていることだ。 実際、Note発表の当初からSamsungは「これはスタイラスではない」と主張してきた。実際タッチ画面に反応させることしかできないプラスチック製のスタイラスと周辺機器であるS Penの機能は大きく異る。

S Penの新しい機能のひとつはデバイスを起動しなくても画面に書き込めることだ。 スタイラスを内蔵スロットから引き出してそのまま画面に文字やスケッチを書き始めることができる。黒バックに白い線がなので見やすい。バッテリーには負担となるが、この機能を利用するには設定からディスプレイのAlways On機能を有効にしておく必要がある。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ソーシャルメディアへの投稿に熱心なユーザーははクイックGIF作成機能はキラーアプリかもしれない。使い方は簡単だ。ビデオを表示させ、望みの箇所まで早送りする。そこでS Penを取り出してボタンをクリックすると自動的に6秒のGIFファイルが作成され、標準の方法で共有できる。【略】

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

S Penは本体と同様、防塵防滴仕様だ。

A/V club

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

【略】

Guts and glory

Galaxy Note 7

【略】

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

【略】

セキュリティー

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

もちろん当初からSamsungのセキュリティーは昔のBlackBerryほど強固ではなかった。しかしモバイルをターゲットにするハッカーやマルウェアの横行が激しくなるにつれてSamsugも対処の必要を感じてきたようだ。ファイルのセキュリティーには従来どおりKnoxが使えるが、プライバシーの強化策として虹彩スキャナーが加わったのは特筆されるべきだろう。虹彩スキャナーは指紋スキャナー、パスワード、PINと並んでデバイスのアンロックに用いることができる。

大半のユーザーにとって虹彩スキャンは目新しい経験だろう。ロックスクリーンをタップするとデバイスはユーザーの両目を撮影する。データの照合に成功すると即座にスクリーンのロックが解除される。虹彩スキャナーの作動は非常に速いため、ビデオに撮影しようとしてわれわれはかなり苦労した。【略】

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

問題は価格

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Note 7のレビューを締めくくるにあたって一つの重要な問題が残っている。発表イベントでもSamsungはこの問題に触れるのを嫌がる様子だった。実際の値段は国によって、またキャリヤによって変わる。しかしどこで買うにせよNote 7は高価なデバイスだ。

AT&Tの最安モデルは879ドル、契約は月額29.34ドルからだ。T-Mobileでは849ドルで頭金69ドル、月額32.50ドル/月だ。どのキャリヤを選ぶにせよ、高機能を得るにはそれなりのコストを負担しなければならない。

しかし高価ではあっても機能はそれに見合う。Note 7はNoteシリーズとGalaxy Sシリーズの最良の部分を合体させ、さらにいくつかの魅力的な機能が追加されている。虹彩スキャナーなどはいささか「やり過ぎ」の感もあるが、全体としてNote 7がすばらしい製品であることは間違いない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、Nexus 6を発表―5.9インチ、5.0 Lollipop搭載の強力Androidファブレット

Googleがファブレット分野に参入するだろうとだれもが予測していた。そしてNexus 6でそれが事実となった。この最新のAndroidレファレンス・モデルはMotorola製で、5.9インチのディスプレイ、1440×2560、496 ppiという高い解像度を備え、QualcommのSnapdragon 805(2.7Ghz)と最新のAndroid 5.0 L(“Lollipop”と命名された)を搭載している。

Darrell Etheringtonは当初、大型スマートフォンについて「扱いづらい」と書いていたが、最近は5.5インチのiPhone 6 Plusがお気に入りだ。いずれにせよGoogleはこの分野に巨大な可能性があると確信しているようだ。

これまでNexusはカメラではあまり高い評価を得ていなかったが、6のリアカメラは13メガピクセルで画質は大幅にアップしているはずだ。外観の印象はMotorolaのMoto Xによく似ている。ボタンは側面の中央に移されたが、これはサイズを考慮しての配置だろう(AppleがiPhone 6/6 Plusのスリープボタンを側面に移動したのも同じ理由だろう)。

製品発表は今日(米国時間10/15)だが、予約受付開始は10月29日だ。出荷開始については「11月中」という以外にまだはっきり分からない。32GBと64GBモデルが用意され、カラーバリエーションは白とミッドナイトブルー(ダークブルー)だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


来年の発売に向けてAppleが4.7インチと5.7インチの大型iPhoneをテスト中か? 廉価版はこの秋にも登場へ

Reutersの報道によれば、Appleは来年のiPhoneのアップデートに向けて大型スクリーン・モデルの実験を行なっているという。4.7インチ、5.7インチの両モデルがテスト中ということだ。またAppleは廉価版のiPhoneも準備しており、Reutersはこちらは来月にも生産が開始されるとしている。廉価版はプラスチックの筐体の色を調整する必要が生じたためリリースがスケジュールより多少遅れるようだ。

廉価版iPhoneは8月にフル生産の態勢に入り、9月に発売開始となる。Appleはこのデバイスについてクリスマスシーズンを含めた四半期に2000万台の販売を見込んでいる。Reutersの記事は最近われわれが聞いた各種情報と符合するところが多い。

かなりの確度で予測してきたMing-Chi Kuoは、廉価版はiPhone 5と同じ4インチ・スクリーンだが筐体がプラスチックになり、ボディーの色のオプションが増えると予測していた。Reutersはこれに加えて「価格は当初99ドルだが、発売時期は丸1年ほど延期になる可能性がある」と指摘している。

廉価版のiPhoneの情報は信頼性の高い情報源が一致して伝えるので確度は高いだろう。しばらく前からAppleがファブレット、すなわちGalaxy Noteのような大型スクリーンを備えたiPhoneを開発中だとする情報も流れていた。 しかしファブレットなどの前に、Appleのフラグシップ機、iPhone 5の画面が4インチのままで、Galaxy S4などのライバルと比較して一周遅れになっていた。

大型画面iPhoneの開発は廉価版の開発ほど進捗していないようだ。Reutersのある情報源は、「われわれが生産開始にこぎつけるまでにはまだ紆余曲折があるだろう」とj語っている。AppleはOEMメーカーと協議をしているが、生産や発売の開始のスケジュールはまだ白紙状態だという。

AppleのCEO、Tim Cookは最近のAllThingsD D11カンファレンスで「(画面の大型化に伴う)バッテリー駆動時間、画質、色彩の再現性などへの副作用が解決されればそういうモデルを発表するかもしれない。一部のユーザーが大型画面モデルを望んでいることは知っている」と認めた。過去にもAppleの厳しい社内テストに不合格だったために発表前に消えていった製品は多数ある。Appleが大型画面モデルをテスト中だというのはおそらく事実だろうが、実際に市場に出るかどうかについては現在なんとも言えない。しかしタイミングとしては製品ラインに今日のReutersの記事にあるような大幅なアップデートが加えられてもいい頃ではある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+