バーコードを“ピコ”って即現金化の「PICOL」が正式リリース、ゲームに加えて書籍やマンガも対象に

ゲームのバーコードをスマホでピコる(読み取る)だけで、即座に金額の査定から買取依頼までできる「PICOL(ピコル)」。TechCrunch Japnanでも1月4日に当日限定のテスト版がリリースとなったタイミングで紹介した。

そのPICOLが2月5日、ゲーム機本体やソフトに加えてマンガや書籍にも対応する形で正式に公開された。

2月5日からマンガと書籍、さらに13日からはDVDとCD、19日からはフィギュアにも対応する予定。今回から最低取引金額(換金の対象となる金額)も3000円から1500円に引き下げ、より多くのユーザーが買取を依頼できるサービスを目指していく。

換金するユーザーは、10個以上のゲームを“ピコ”ッた

「(買取までのスピードが早い反面)即時買取サービスは査定金額に対して、一定数批判的なコメントがある印象だったがそれがほぼなかった。実際にどのような状態の商品が送られてくるのかも不安要素だったものの、想像以上に質が高く感触はいい」——PICOLを運営するウリドキネット代表取締役CEOの木暮康雄氏は、テスト版の反響についてこう話す。

実際に換金しているユーザーは平均で11個のアイテムをピコっていて、平均金額は10404円(実際にはゲーム機本体も対象のため、アイテム数などはかなりバラつきがあるそう)。予定していた買取上限金額300万円も超え、途中で引き上げた。

前回取材した際にも木暮氏は「ゲーム感覚でストレスなく複数のゲームをピコれるような設計を意識している」という話をしていたが、その点は今回の反応を見る限りでは当たっているようだ。バーコードを用いることで商品を正確に把握できることに加え、ユーザーによる状態の申告(3段階から選択)も適切なため手応えを得ているそう。

今後は機能面の改善に加えて査定価格のチューニングを進めることで、よりユーザーと買取業者双方に還元していきたいという(PICOLではユーザーから買い取った商品をリユース業者に販売する)。

まずはマンガと書籍に対応、今後はDVDやフィギュアも

前回リリース時の反響として、特に多かったのが「マンガもピコらせて欲しい」という声だった。

そこで冒頭でも触れたとおり、PICOLを再度リリースするにあたって対象商材の拡大と、最低取引金額の引き下げを実施する。1日の買取上限金額は300万円のままで、今回は1日限定ではなく継続的に提供していく予定だ。

「即現金化ということ以上に、ユーザーが最初の段階で買取価格を把握できることがPICOLの価値だと考えている。従来のフローでは無担保の状態で、まず相手に物を渡さなければいけなかった。PICOLでは商品を渡す前に査定金額がわかり、ユーザーはそれを踏まえて買取を依頼するかどうか選択できる。手軽に早く現金化できるのはもちろん、買取の不安をなくすことで多くの人に使ってもらえるサービスにしていきたい」(木暮氏)

 

ゲームやDVDのバーコードを“ピコ”れば即現金化の新アプリ「PICOL」——買取モールのウリドキが公開

目の前にあるアイテムが、すぐに現金化される「即時買取」サービス。フリマアプリ以上に簡単に、そしてスピーディーに商品を査定、現金化できることで2017年に大きな注目を集めた。

この市場を切り開いた「CASH(キャッシュ)」を提供するバンクはDMM.comにより70億円で買収。それを追いかける形で11月末にメルカリも「メルカリNOW」を発表している。2つのサービスの今後も気になるところだが、またひとつこの領域で新たなサービスが生まれようとしているので紹介したい。

ゲームやブランド品など様々な商品の買取価格を比較できるプラットフォーム「ウリドキ」を提供するウリドキネット。同社は1月4日、ゲームソフトなどのバーコードをスマホでピコる(読み取る)だけで即座に現金化できるアプリ「PICOL(ピコル)」をリリースした。

あわせて同社では、2017年の夏にエウレカ共同創業者である赤坂優氏やVCを引受先とした第三者割当増資により資金調達を実施したことも明らかにしている。具体的な調達額は非公開だが、関係者によると数千万円後半の規模だという。

バーコードをピコるだけで目の前のゲームが現金に

PICOLはゲームやCD、DVDなど「メディア系商材」といわれる商品を対象にした即時買取サービスだ。

CASHの場合は売りたい商品の写真を撮ることで料金が査定されるが、PICOLの場合はメディア系商材に付与されているバーコードをスマホでピコり、商品の状態を選択すると査定がスタート。買取金額が表示され、ユーザー情報と集荷日時を登録すればアプリ内のウォレットにお金がたまる。

ウリドキネットではまず本日1日限定でPICOLのテスト版をリリースする。買取対象となるのはゲーム機本体およびゲームソフト。査定金額の上限は最大5万円まで、PICOL全体での買取金額の上限は300万円までとなる。換金した商品については、査定日の翌日から5日以内に配送業者が自宅まで無料で集荷にいく。

ウリドキネット代表取締役CEOの木暮康雄氏によると、PICOLの構想は既存のネット買取サービスのフローでは不安に思ったり、面倒に感じたりするユーザーが一定層いると考えたことから始まったという。

ウリドキを含めて従来のネット買取サービスでは、まず査定をした後に商品を業者へ送る。最終的な金額の確定は業者が実物を見た後で、双方が合意に至れば金額が振り込まれるというのが通常の流れだ。

「物を送ってから金額が確定するということに不安を感じるユーザーもいる。それならば送る前に金額が確定し先に振り込まれるほうが、ユーザーも安心して使えるから利便性が高いのではと考えた」(木暮氏)

今年の初旬頃からリユース業者の関係者との間でも新しい仕組みの構築について話がでていたそうだが、その間にCASHに始まりメルカリNOWなど市場が盛り上がってきた。「ゲームという商材で即時買取サービスをリリースするとどうなるのか、予想がつかない部分もある」(木暮氏)ということで、まずは1日限定でリリース。ユーザーの反応を見ながらDVDやフィギュアといった領域に拡大していく予定だという。

既存事業で蓄積したデータを活用して適正価格を実現

「ゲームやDVDなどメディア系商材は得意中の得意。今まで蓄積してきたデータを生かして、納得感の高い査定金額を提示できる」——先行するサービスとの違いについて尋ねた際の、木暮氏の回答だ。

写真左がウリドキネット代表取締CEOの木暮康雄氏、右がCTOの益田恭平氏

2014年に設立された同社の主力サービスは、多様なアイテムの買取金額を比較できるウリドキ。さまざまなリユース企業の買取価格を比較した上で査定を申し込み、金額に納得すれば自宅まで集荷に来てもらえることが特徴で、特にゲームを中心としたメディア系商材の買取が活発だ。このウリドキを通じて培ってきた知見やつながりが、PICOLの強みになりえるという。

「日々ゲームに関する膨大な買取価格のデータが更新されていることに加え、ウリドキを通じて買取業者とのつながりも強い。いくら即現金化できるとしても、市場価格とかけ離れた(安い)価格ではユーザーが離れてしまう。市場にもユーザーにも適正な価格を提示できるという点については、これまでやってきた強みを活かせる」(木暮氏)

たとえばメルカリNOWは買い取った商品を運営元のソウゾウがメルカリ内で販売するということだった。一方PICOLの場合は運営が買い取ったあと、リユース業者へ販売する形をとる。

ウリドキの最高買取価格をそのまま提示できるわけではないが、きちんとした価格で買い取ってくれる業者との結びつきも強いからこそ、他社よりも高い査定金額を提示できるというのが木暮氏の見解だ。またバーコードを活用しているため商品の間違いも起きづらいのも、即時買取には相性がよくリスクを抑えられるという。

「ウリドキは少し時間がかかっても高い価格でちゃんと売りたい人が多く、玄人も多いイメージ。一方で慣れていない人や手軽に売りたいという人を取りきれていない部分がある。PICOLでは従来の買取フローでは不安がある人や、手軽に早く金額を確定させたいという人が使いやすいサービスにしていきたい」(木暮氏)