シンガポールの300ドル3Dプリンタ–Kickstarterで目標額の14倍に,しかし会社は今後ソフトウェアに注力

Pirate3DのBuccaneerプリンタはKickstarterにおける資金募集に成功し、目標額10万ドルの14倍を上回る143万8765ドルを集めた。

このシンガポールのスタートアップは今年の5月に、比較的安価な3Dプリンタをひっさげてテクシーンに闖入してきた。BuccaneerはKickstarter上で347ドル(出資者価格は247ドル)、Makerbot Replicator 2.0の2199ドルよりも相当安い。最近発売を開始したForm Oneは、Kickstarterで2299ドルだ。

このプリンタは消費者製品と位置づけられ、Pirate3Dはドラッグ&ドロップでダウンロードできるオブジェクトライブラリをWeb上に開設している。CADなんかとまったく無縁なしろうとでも、十分に3Dプリントを楽しめる。Web以外にAndroidアプリもあるので、スマホやタブレットからのダウンロードもできる。

Pirate3Dは、オブジェクトライブラリのユーザインタフェイスを一般人向けに使いやすくすることに、とくに力を入れている。なぜなら、協同ファウンダのRoger Changによると、3Dプリントというビジネスは、ハードウェアよりもむしろソフトウェアに、長期的な生き残りの鍵があるからだ。“安い3Dプリンタなんて、これから、いろんなところが続々出してくるからね、しかもBuccaneer互換で”、…だからハードウェアはメインの経営資源にはなりえない。

この業界では、ハードウェアではそっくりさんが続々出てくるから、それらにやられないために、Pirate3Dは今後は社内にハードウェアチームを抱えない、すべてアウトソースする、という極端なプランを抱えている。

そっくりさんを作ったメーカー企業も、完全な互換性のためには、Pirate3Dのソフトウェアライブラリに依存するだろう。だからPirate3Dは、ソフトウェア主体の企業として、しかもリーダー的な存在として、生き残ることができる。同社は、Buccaneer用のオブジェクト規格Smart Objectsのライブラリを作るためのSDKを近くリリースし、コミュニティがこのオブジェクトでいっぱいにあふれるようになることを、期待している。

Kickstarterで集まった予約は、3000台を超えている。製造は今、シンガポールのメーカー企業に発注して行っている。…とは言っても、実際の生産は中国で行われるのだが。

うまくいけば、最初のプロトタイプが出るのが今年の12月、本格発売は来年の2月、とChangは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))