デリバリピザのニューモデルZume Pizzaは製造を完全にロボット化、窯を乗せたトラックが地域に出張

Zume Pizzaは、ロボットを使ってスピードと品質を上げ、Pizza HutやDominoなど宅配ピザの老舗たちに勝とうとしている。これまでの2年間、ファウンダーのJulia Collinsは彼女のピザ製造ラインに次々と新しいマシンを導入して、味を犠牲にする小細工に依存することなく、一貫して合理化に努めてきた。

今日同社は、生地回し(dough spinner)〔参考動画〕を機械化する“Doughbot”を導入したことを発表した。この部分の機械化を機に、パロアルトにも進出し、当地でも、窯を搭載したトラック軍団と配達用スクーターによる分散デリバリ方式を試す気だ。

Doughbotは、ピザの製造工程を36秒短縮する。Collinsによると、装置自身は一般市販品だが、生地を傷めないためと、添加剤不要にするために、相当お金をつぎ込んだそうだ。

ピザは、生地を延ばすとき、生地が縮むのを防ぐために。特殊なオイルや化学製品を使うことが多い。しかし超強力なDoughbotを使えば、ふつうのオリーブオイルを塗るだけで十分だ。化学物質は使わない。

ピザ1枚につき数秒節約しても、たいしたことない、と思えてしまうが、Zumeのビジネスモデルにとってはとても重要だ。同社は、既存の大手チェーンのピザデリバリを完全に打ち負かしたいのだ。Zumaの場合、製造拠点は1都市1箇所、そして、ピザの入ったバッグ(複数)をティーンエイジャーが運転する1998年型Toyotaの後ろに積み込む方式ではなく、窯を搭載したトラックのきめ細かいネットワークを張りめぐらし、モペット(原付き自転車)で配達する(下図右)。トラックへのピザの補充は、それ専用のバンが担当する。

この分散型のピザデリバリは需要の変化に素早く対応できるし、また需要予測を有利に生かせる、とZumeは期待している。従来のピザデリバリは、新たな出店に際して、需要に対する‘賭け’をする。そしていったん出店したら、需要の変動に機敏に対応できない。製造能力は、つねに一定だ。

これに対してZumeは、窯を乗せたトラックの配置を変えることで、需要の変動に即座に対応できる。このやり方の欠点は、需要が急増したとき、ピザを作る拠点店のロボットたちが、ボトルネックになることだ。そして、そうならないためには、ピザの製造時間を短縮してスループットを上げるしかない。

かつてゼネラルマネージャーとしてUberEATSを指揮したSusan AlbanがこのほどZumeに加わり、その複雑なロジスティクスを担当することになった。今現在、ピザを焼くトラックは6台だが、パロアルト進出に備えて近く4台を増車する(現在はマウンテンビューのみ)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))