大成功裏にクラウドファンディングを終えたPlay-i、いよいよ出荷を準備中

この前にPlay-iの話を聞いた時は、BoとYanaはいろいろと芸を見せるのに大忙しの様子だった。いろいろな人に木琴演奏などを披露して、140万ドルのクラウドファンディング資金の調達に励んでいたのだった。現在は資金調達も完了して、子供たちのプログラミング学習の助けとなるべく、出荷開始の時期を待ちわびているところだ。

Play-iは簡単なプログラミング言語であるLogoのロボット版と考えれば良いかもしれない。iOSデバイスを使って、いろいろとロボットの動きをプログラミングすることができる。Play-iでゲームを遊ぶうちに、関数、サブルーチン、ループなど、プログラミングの基本を勉強できるようになっているのだ。

いろいろな課題も用意されていて、たとえばBoのロボットアームを動かして、木琴で指定された音を鳴らしなさいというようなものがある。たとえば青い板を5回叩いて、次にピンクの板を5回叩けというような具合だ。まず同じ場所でアームを5回振り下ろし、そして目的の場所に移動してさらに5回振り下ろすという内容をプログラムすることになる。

(訳注:プログラミングの様子は上の動画にあります)

Play-iは、それだけで閉じた使い方しかできないわけではなく、他のものと連動させて利用することも可能だ。すなわちLEGOなどと組み合わせて使うこともできるわけだ。個人的にはテック系おもちゃ(tech toys)には懐疑的な気持ちもある。すぐに飽きられてしまったり、あるいはどう考えても高すぎるなどということも多いからだ。しかしPlay-iはあっという間に資金を調達し、そして製品開発にも必死に取り組んだようだ。間もなく出荷準備も整うことになる。この妙な形をした青いロボットがあちこちを走り回り、時にはペットの上に腕を振り下ろして喧嘩をするというようなシーンが見られるようになるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


プログラミング教育用トイ・ロボットのPlay-i、140万ドルを調達していよいよ来夏より出荷開始

これからは世の中にさらにテックの要素が増えていき、そして仕事でも一層テック系の素養が必要となってくる。それであってみれば、子供たちにコンピューターサイエンスやエンジニアリングを教えていくことが大切だ。と、そういう考えを当然のことだと考える人も多い。しかしアメリカでは10校のうち9校までがプログラミングの授業を行っていない。コンピューターサイエンスやテクノロジーに親しませ、積極的に関わっていくことができるようにするためには、たとえば他の言語を学ぶのと同様に、早期に始めることが非常に大切なことなのだ。もちろん、内容は楽しいものでなければならない。

コーディングのスキルを身に付けるのには時間もかかり、大人になってからではかなり難しくなってしまう。但し、子供を椅子に縛り付けてコーディングの勉強をさせるのもまた難しいことだ。もちろんコンピューターサイエンスの理論を覚えこませようなどというのも無駄に終わる可能性が高い。これに対処しようと動き出したのが、GoogleでConsumer Payments部門の長を務めた経験をもつVikas Guptaだ。子供たちが楽しくプログラミングを学ぶことのできるPlay-iというプロダクト(プログラムでロボットを動かす)を生み出したのだ。

共同ファウンダーにAppleでiPodソフトウェアチームを率いていたSaurabh Guptaおよび,
Frog Designでエレクトロニクスプロダクトおよび玩具のデザインおよび製造を行っていたMikal Greavesを加えて、Play-iの開発を行った。開発にあたっては、子供たちが「遊べる」ものを作ることを心がけたのだそうだ。こうした考えに沿って生まれてきたのがBoとYanaという2つのロボットだ。プログラムで制御できる、インタラクティブなトイ・ロボットだ。

Play-iは昨年、Google Ventures、Madrona Venture Groupなどから100万ドルの資金を調達してプロトタイプの開発を行った。現在もまだ細部を詰めている段階ではあるが、全体的な学習システムはほぼ完成し、ついに商用リリースの目処がたつところまでやってきた。来年には販売を開始する予定で、そうなればiPadで動作するPlay-iを使って、BoやYanaと一緒に遊ぶことが出来るようになるわけだ。

iPad用アプリケーションには、アクションシーケンスや、簡単なコマンドが用意されていて、それを並べてロボットを動作させることができる。たとえば手のようなパーツを叩いたり、あるいは手を振るように動かしたり、握手するような動きを行うことができる。3つのタイヤを備えたBoは部屋の中をあちこちに動きまわることができるし、ライトを点滅させたり、木琴を演奏したり、あるいはYanaを揺らしてライオンのように吠えさせたり、さらにはロボット2台を対話的に動かすことなどができる。実際に動いたり音楽を奏でたりするおもちゃを通じて、自分のプログラムがいったい何を引き起こしているのかということを学習していくことができるのだ。

また、単にロボットが動くのを見て愉しむ段階をこえて成長しても、このPlay-iを楽しめる仕掛けが用意されている。すなわちPlay-iで使うことのできるコマンドは、JavaやPythonなどといったプログラミング言語を用いて作成されたものなのだ。こうしたプログラミング言語を活用して、自分だけのコマンドを作ることもできるわけだ。これにより、さまざまな年齢層でBoおよびYanaとのコミュニケーションを愉しむことができるようになっており、いろいろなレベルでプログラム開発を行っていくことができる。

おもちゃを使ってプログラミングを学ぼうというコンセプトは、このPlay-i以外にも昔から存在するものだ。Play-iについての以前の記事でも指摘されているように、この分野にはCargo-Bot、Move the Turtle、あるいはBee-Botなどの先輩プロダクトがある。比較的新しい分野だとはいうことができ、いろいろなプロダクトが今後も参入してくることとなるだろう。こういうプロダクトに対するニーズも、最近になって生まれてきたものだ。教育会全体としてもSTEM教育に関心があつまりつつあり、それもあって若年層に対するテック教育のためのツールが探し求められるようになった背景もある。この分野は、今後ますます発展していくことになるのだろう。

もちろん共同ファウンダーたちは、このBoとYanaのことをとても気に入っている。しかし一般の消費者が興味を持ってくれるのか、あるいは商品を手にとってみたいと思ってもらえるのかについては慎重な姿勢ももっていた。すなわち11月半ばにクラウドファンディングでのプロジェクトを立ち上げて、一般の人の反応を探ってみたのだ。反応は上々で、しかもアメリカ以外の国の人も関心を持っていることが判明した。

Kickstarterでの31日間のキャンペーンにて、Play-iは目標の5倍となる140万ドルの資金を調達した。また、そのうちの2万6000ドルは、学校や経済的に恵まれない子供たちを対象とした施設に対してPlay-iを寄贈することを目的とした寄付として出資された。出資者はイギリス、カナダ、ドイツ、オーストラリア、インド、フランスなど多数の国にわたり、全体の30%以上がアメリカ国外からのものだった。

プレオーダーの件数も1万を超え、出荷は来年の夏から開始される見込みだ。それまでの期間は、製品の最終仕上げと、販売パートナーの獲得を行っていく予定なのだそうだ。Gupta曰く、Play-iをサイトおよび実店舗の双方を通じて販売していきたい考えであるとのこと。但し詳細についてはまだ決まっていないらしい。

今後もまだまだ新しい情報が出てきそうなPlay-iのホームページはこちら。またファウンダーのインタビュー動画を下に掲載している。

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(翻訳:Maeda, H


元Googlerによるプログラミング学習用目玉ロボット、クラウドファンディングにて資金調達中

来年のホリデーギフトとして流行るかもしれない。Play-iが、クラウドファンディングにて教育用ロボットの資金調達を開始したのだ。このロボットは、子供たちにコーディングの概念を教えることを目的に活用するものだ。

開発したのは、2010年に自ら設立したJamboolをGoogleに対して7000万ドルで売却し、そしてConsumer Payments部門の長を務めていたVikas Guptaだ。Play-iは募集開始から24時間で148,085ドルを集めており、さらに今年の春にはGoogle Ventures、Madrona Venture Group、その他の投資家より100万ドルの資金も調達している。

今回市場に出そうとしているロボットはBoとYanaという名前だ。それぞれ専用のアプリケーション経由で操作する。アクションボタンを入れ替えることにより、ロボットへの命令セットを作成できるわけだ。たとえば手を叩いて前進するようにさせたり、その場で回転させたりすることができる。他にも木琴を演奏させたり、誰かに試験管に入った花を捧げたりすることもできる。一般のプログラミング言語によるプログラミングとは違った感じだが、子供たちにロボットによるフィードバックを見ながら、ロジック(論理)を学ばせることができる。

BoとYanaはお互いを認識して行動することもできる。Boには車輪がついていて、その場でぐるぐるまわったり、どこかに走って行くことができる。Yanaには車輪はなく自分の力で移動することはできない。

子供にゲーム感覚でコーディングを教えるツールというのはいろいろと出てきている。たとえばMove the TurtleCargo-Botなども有名だ。したがってゲーム感覚でプログラミングを行ったり、あるいはプログラミングにより相互作用的なキャラクターを動かすなどというのも別に新しい試みではない。また、おもちゃを動かすということでいえばBee-Botなどの商品も世に出ている。Play-iのプロダクトが独創的なものであるというわけではないわけだ。

ただ、YanaとBoは(少なくとも大人の目で見た限り)とてもチャーミングで、プレゼントにも適しているように思う。プログラムに応じて大きな目を光らせ、何かを訴えかけてくる様子は「くすぐりエルモ」(Tickle Me Elmo)風でもあり非常に可愛らしい。Guptaによれば可愛さをアピールしようとデザインしたわけではないが、ペット風の外見は採用しないようにと意図してデザインしたのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H