パフォーマンスを上げケガを防ぐチームスポーツトラッキングプラットフォームのPlayerDataが約2.5億円調達

Hiro Capitalは「デジタルスポーツ」あるいは略して「DSports」分野の投資家として徐々に名を知られるようになってきた。このHiro CapitalがPlayerDataの230万ドル(約2億5000万円)のラウンドを主導した。小規模のラウンドのように聞こえるかもしれないが、参入しようとしている領域は大きく、しかも成長している。このラウンドでは英国スーパー最大手であるTescoのCEOだったTerry Leahy(テリー・レイフィー)卿も出資した。

英国エジンバラに拠点を置くPlayerDataはウェアラブルのテクノロジーとソフトウェアによるトラッキングを活用して、市民スポーツからプロスポーツに至るまでトレーニングに関するフィードバックを提供している。例えばコーチがゲームの重要な瞬間をリプレイしたり、さらにプレイヤーのポジションに基づいてさまざまな結果をモデリングしたりすることもできる。

Hiro CapitalがDSportsや「コネクテッドフィットネス」に投資するのは、Zwift、FitXR、NURVVに続いてこれで4社目だ。「Tomb Raider(トゥームレイダー)」のパブリッシャーであるEidos plcの元会長でさまざまなゲームのパイオニアとして知られるIan Livingstone(イアン・リビングストン)氏が共同創業者でパートナーであることにふさわしく、Hiroは英国や米国、ヨーロッパのゲームスタートアップ8社にも投資している。

PlayerDataによると、同社は英国のサッカーとラグビーで1万以上のチームセッション、プレイの距離では5000万メートル以上を記録している。またネットワーク効果が高く、新たに1つのチームがPlayerDataのプラットフォームを使っているチームに遭遇すると、そこから5チームがユーザーになるという。

PlayerDataの共同創業者でCEOを務めるRoy Hotrabhvanon(ロイ・ハトラブヴァノン)氏は、かつて国際的なアーチェリー選手だった。ファームウェアとクラウドインフラストラクチャのエキスパートであるHayden Ball(ヘイデン・ボール)氏が共同創業者として加わりCTOになった。

PlayerDataのアプリ(画像クレジット:PlayerData)

発表の中でハトラブヴァノン氏は「我々のミッションは、ゲームメイキングを進化させプレイヤーのパフォーマンスを上げケガを防ぐのに役立つように、きめ細かいデータとインサイトをチームスポーツのクラブに提供することです。我々の最終目標はあらゆる分野、あらゆるレベル、あらゆるチームが利用できるウェアラブルのパイオニアとなって最先端のインサイトを実現することです」と述べている。

Hiroの共同創業パートナーであるCherry Freeman(チェリー・フリーマン)氏は「PlayerDataは我々が重視するポイントをすべてクリアしています。300万を超える草の根クラブが存在する巨大なTAM(獲得可能な最大の市場規模)、共有されたプレイヤーのデータの上に築かれた大きな参入障壁、機械学習とアクションに結びつけやすい予測アルゴリズム、顧客のネットワーク効果の高さ、そして熟練でありながら謙虚な創業者チームです」と述べた。

PlayerDataのニュースはデジタルスポーツの幅広い成長ぶりを示す一端だ。この分野のニュースにはPeloton、Tonal、Mirror、そしてHiroの投資先であるZwiftなど注目の名前が並ぶ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により家でのワークアウトと健康全般の両方が重視され、パフォーマンスをデジタルで測定できる魅力はこの分野で重要な要素になっている。

フリーマン氏はTechCrunchに対し「PlayerDateの潜在的な顧客は300万チーム程度と考えています。ランナーの数は明らかに膨大で、その市場のごく一部を獲得するだけで極めて大きなビジネスになります。結局、誰もが運動をしていて、あるいは単に散歩に行くだけかもしれませんが、ターゲットとなる市場は巨大です。PlayerDateは走りに関することから始めましたが、同社のテクノロジーは他の多くのスポーツに応用可能です」と述べた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:PlayerData資金調達イギリススポーツウェアラブル

画像クレジット:PlayerData

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(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)