Facebook Portalの音声録音をユーザーが無効にできるように

テクノロジー企業がユーザーの音声データの取り扱いで非難を浴びている中、Facebook(フェイスブック)はユーザーが同社のサービスに保存されている録画や録音の管理ができるようになるという変更を発表した。

Facebookによる新型Portalを発表するプレスイベントにて、幹部のAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は記者に対し、Facebookのサーバーに音声の録音が送信されるのを停止する機能を追加すると語った。同氏は、通話のデータは記録も保存もされていないが、ユーザーが「Hey Portal」といって命令した際に、Facebookの従業員や請負業者がデータを分析して同社の技術の精度を高めることがあることを繰り返した。

ボスワース氏はさらに、「第1世代のPortalでも、いつでも音声での指示を確認し、削除することができた」と伝えている。「さらに、音声指示の保存を完全に無効にする機能を追加する」

これまでPortalユーザーは、Facebookのサーバーに音声指示を保存したくなければ、検索して削除することができたが、今後はストレージを完全に無効にすることができる。ただし、デフォルトではストレージは有効になっており、ユーザーがこの機能を無効にする必要があることには注意したい。

FacebookやGoogle(グーグル)、Apple(アップル)はいずれも、音声録音をどのように取り扱うかで非難を浴びている。

先月、Siriの録音が契約会社によって聴取されている件の報道をうけ、AppleはSiriのオーディオクリップのレビューをデフォルトでオフにし、ユーザーに設定を有効にするかどうかを尋ねると発表した。同社はまた、ユーザーデータはAppleの従業員だけが取り扱うと説明している。しかしFacebookの場合、デフォルトで契約会社がデータと録音にアクセスできる点で、Appleの動きとは異なっている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

フェイスブックのチャット端末Portalは秋に新しいハードウェアが出る

Facebookの「Portal」デバイスは立ち上げから今日まで依然として、プライバシー関連の疑問を大量に引きずっているが、同社はそれにめげる気配も全然なく、このビデオチャットハードウェアをひたすら売っていきたいようだ。

Vox Media主催のCode Conventionカンファレンスで、FacebookのAR/VR担当副社長Andrew Bosworth氏は既存のハードウェアの売上が「好調」と言ったが、でももっとおもしろいのは、今年の秋には新しいサイズのPortalハードウェアを出すらしいことだ。

これまでのいろいろな話の中には、Portalのファームウェアのコードに昨年見つけた「Ripley」というデバイスの名前が登場する。Cheddarの記事によると、そのカメラデバイスはテレビの上に取り付けて、ビデオのフィードをテレビの画面に送る。それによってPortalのようなビデオチャット専用デバイスは要らなくなり、しかもFacebookのハードウェアが家庭の中心に位置することになる。

もちろんさまざまな形状で一挙に出すという説もあるけど、このテレビ画面を利用するバージョンは低価格製品だろうから、真っ先に登場してもおかしくはない。

(関連記事: Facebookが監視するチャット端末「Portal」を半額に値下げ

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebookが監視するチャット端末「Portal」を半額に値下げ

あなたは今、読んでいるヤングアダルト向けディストピア小説の内容を誤って思い出しているわけではない。Facebookは実際に、あなたと愛する人をカメラで追跡するビデオチャット装置を販売している。このたび、そのFacebookが投入時期を間違ったSNS端末がわずか99ドルで入手できるようになった。つい半年前に199ドルで売り出されたことを考えると、かなり大幅な値下げだ。

Facebookのハードウェア実験に骨を折ってきた人たちにとっては残念なことに、そこには著しくFacebook嫌いで、特別プライバシーに敏感な市場が待っていた。それはかなり深刻な向かい風だった。もちろん、多くの一般ユーザーはプライバシーに無関心だが、彼らも気にするべきだ。

本誌のレビューによると、FacebookのPortalはよく考えられデザインの競争力あるデバイスだ。それでも、家庭というもっとも親密な場所に、ユーザーのプライバシーを尊重しないことで知られる会社を呼び込む理由にはならない。

上位機種のPortal+は回転式の1080 pスクリーンを備え、価格は単体で買うと349ドルだが、Portal 1台以上と同時に購入すると249ドルになるらしい。FacebookこのPortalバーゲンを母の日向けに宣伝しておりセール期間は5月12日まで。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

車いすのユーザーが近づくと自動的にドアが開くBluetooth Low Energyボタン

押すと自動的にドアが開くボタンやプレートがあると建物のアクセス性はよくなるが、常に最良のソリューションとは限らない。上体の動きが自由でない人が車いすに乗っていると、ボタンは押しづらいだろう。ボタンの位置が高すぎたり低すぎたり、あるいはドアから遠すぎて閉まってしまうこともある。

Portal Entrywaysは、そういう既存のボタンをもっと使いやすくする。同社が作ったデバイスをボタンの上にかぶせると、車いすの人が近づけばドアが自動で開き、開いた状態を維持する。ボタンを前と同じように単純にボタンとして使うこともできる。

Portalの製品には二つの部位があり、ひとつは既存のドア開閉システムにくっつけるBluetooth Low Energyのデバイス、もうひとつは車いすのユーザーのスマートフォンで動く付属アプリだ。アプリはそのBluetooth Low Energyデバイスを探す。通信範囲内にひとつ見つけたらコマンドを送ってドアを開き、ユーザーがその出入り口を通過するまでドアを開いたままにする。Portalを装備している出入り口にはステッカーがあるので、ユーザーは自分が近づけば開くとわかる。

PortalはY Combinatorの2019冬季クラスに参加している。でもその始まりはブリガムヤング大学のイノベーション事業における学生プロジェクトで、その課題は、現実世界の問題を解決すること、だった。共同創業者のSam Lew氏によると、最初彼らは建物のアクセシビリティとは全然関係のない、物流関連のプロジェクトを始めた。でもキャンパスで、友だちがドアを開ける時間のスケジュール表を作ったり、手が届かないボタンを押してあげている人物に会ったとき方針を変えた。

まだ始まったばかりだが、彼らは早い成功をねらっている。これまで250台近くのデバイスを据え付けたが「今月中に1250台ぐらいの契約を取りたい」と言っている。

今は、同社の創業者たちが自分でデバイスの据え付けをやっている。ボタンもモーターもドアによってまちまちだ。有線で接続しているところもあれば、すべてワイヤレスのところもある。それらすべてに接続するには、今のところ特殊な知識がいる。しかし共同創業者のJosh Horne氏によると、既存の人気製品のほとんどすべてで動作する。「骨董品でなければ動くはずだ」と彼は言う。

同社が今集中しているのは、大学やモールなど公開的な施設建物のドアだ。どれぐらいの使用料にするかまだ決めてないが、ドア1つにつき1年で100ドルか200ドルぐらいを想定している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebook、Amazonに書いたPortalの好意的レビューを削除するよう社員に依頼

Facebook Portalの評判は、よく言って、賛否様々だ。進行中のプライバシー問題とパッとしない反響は、Facebookが初の自社開発ハードウェアに期待した結果ではなかったに違いない。それにも関わらず、PortalPortal PlusはAmazonで4つ星前後の評価を得ている。悪くない。

New York TimesのコラムニストKevin Rooseはこの状況にうさん臭さを感じ取り、「購入済みラベル」付きレビューの多くが、Facebook社員と同じ名前の投稿者によるものであることをTwitterで指摘した。「自社製品をレビューすることはAmazonのルールに間違いなく違反している」と彼は書いた。「そしてこれは、商品の売れ行きを正確に表す指標ではない!」

FacebookのAR/VR担当VP、Andrew Bosworthはすかさずこれに反応して次のようにツイートした。「会社が仕組んだり指示したりしたものではない。発売時に社内投稿で「Facebook社員にはAmazonで販売する当社製品のレビューを〈書いてほしくない〉」旨を伝えてある。投稿者には削除するよう依頼する」

これは発売から間もない同製品にまつわる多くの問題のひとつにすぎない。発売当初Bosworthは、Facebookがこの製品を使って通話を聞いたりデータを集めたりするのではないかという懸念を払拭する必要があると感じていた。そしてこれはFacebookが計算したことではなかっただろうが、同製品への否定的反響にまつわる社内分裂を予感させる結果となった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookがPortalの発売を開始、プライバシーと広告のポリシーをあらためて説明

Portal現象に早く一枚加わりたい、と願っていたあなた、Facebookは今日(米国時間11/7)、そのビデオチャットデバイスの発売を開始する、と発表いたしました。同社の初めての本格的な専用ハードウェア製品には、構成が二種ある: AmazonのEcho Showに似たPortalと、大型のPortal+だ。お値段はそれぞれ、199ドルと349ドルである。小さい方は、二つで298ドルという売り方もある。

このデバイスが先月初めに発表されたときには、プライバシーを心配する声があった。同社はそれらの問題の一部を、ローンチ前に蕾のうちに摘み取ろうとした。なにしろ2018年は、Facebookのプライバシーにとって散々な年だった。同社はその後数週間、データ追跡と広告のターゲティングに関してあいまいな言い訳に終始し、またまた点を下げた。

そのことが念頭にあるFacebookは、ローンチを告げるブログ記事でPortalのプライバシーについてさらに呪文を並べた。その筆頭は、同社はビデオ通話を見たり聴いたりしないことを約束する、だ。通話は暗号化され、またすべてのAI技術はデバイス上でローカルに実行される。同社のサーバーには送られない。

その記事でFacebookはさらに、Portal上の会話の扱いはMessengerのそれと同じである、と約束している。その意味は、通話をのぞき見しないが、実際には使用データを追跡し、その後それをクロスプラットホームな広告に利用するかもしれない、ということだ。

Facebookはこう書いている: “Portalでビデオ通話をするとき、Messengerができるデバイス上と同じデバイス使用情報をわれわれは処理する。それには、音量レベル、受信量バイト数、フレームの解像度などが含まれる。そのユーザーの通話の頻度や長さが含まれることもある。この情報の一部は、広告目的に使われることもある。たとえばユーザーの大量の通話が、その人が見る広告を知る手がかりになるかもしれない。この情報には、通話の内容は含まれない”。

言い換えると、同社は個人を同定できるデータは集めないが、情報は追跡する。そして率直に言って、Facebookのアカウント保有者はすでにそういう条件で登録しているのだ。問題は、それのまた新たなレベルが登場してリビングルームやキッチンに入ってきても、ユーザーは平気かどうか、という点だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookよ、本気なのか?

Facebook はビデオカメラを作っている。同社はそれを家庭に設置して、きょろきょろと落ち着きがないながらも瞬きは一切しない目玉で周囲を見回し、いくつもの耳を持つパネルに向かってユーザーが、愛する家族や友人への個人的な見解を話して欲しいと考えている。

その名はPortal。キッチンのカウンターの上やリビングルームや、友人や家族とおしゃべりをしたい場所ならどこにでも置くことができる。Portalは対象人物が動いても常に画面に収まるように追跡をして、気楽なビデオチャットが続けられるようにしてくれる。背景の雑音もカットされるので、会話がクリアーに聞こえる。気の利いた道具だが、目からウロコというほどではない。それでも便利そうではある。あなたの知っている人は、みなFacebookに登録している。または登録していたか。いずれにせよ、そうなると話が違ってくる。

いつも間が悪いFacebook

多くのユーザーがFacebookの利用を限定または縮小したいと考えている今、Facebookは家庭にその居場所を求めている。Portalは音声で起動するため、つねにキーワード(この場合はHey Portal)に聞き耳を立てている。Amazon Alexaの音声コマンドにも対応する。問題は、Alexaがつねに聞き耳を立てている機能上の性質と、隣の部屋の会話の断片まで聞き取ってしまうという悪い癖のために、すでにかなりの数のユーザーが「気味が悪い」と感じていることだ。Facebookは世界最大のソーシャルグラフを持っているのだろうが、2018年にはFacebbokの利用を抑えようとしている。増やそうとは思っていない。

FacebookはF8でPortalを発表する予定だったのだが、Cambridge Analyticaを始めとする数々のスキャンダルが持ち上がったために中止したという。大量のデータ流出事故の直後にこの製品をリリースしたことから、今出さなければ、これ以上この製品を持ちこたえることができなくなり、葬り去るよりほかになく、暗雲から抜け出すチャンスをしばらく失うことになるからだと読み取れる。FacebookのPortalは、ユーザーが毎日歩き回りながら、互いにつながれるというFacebookの新しい道を切り開くものだ。しかし、当初の出荷予定日から数カ月が経過したが、依然として最悪に間の悪い状態は続いている。

(本文は英語)

この8年間、Facebookは折あるごとに、自分たちはハードウエア企業ではなく今後もそうなるつもりは一切ないと主張してきた。
私は、5年前、あの謎多きメンローパークの記者会見で前から2列めに座っていたときのことを憶えている。記者たちは、ついに伝説のFacebook Phoneが登場するとささやきあっていた。しかし、Mark Zuckerbergが紹介したのはGraph Searchだった。2003年と比べて、市場のタイミングが改善されたかどうか、はっきと述べるのは難しい。プライバシー擁護の問題で、Facebookは警告を受けてきた。それでも、ユーザーはあまり深く考えることなく、日常的にFacebookに出入りしている。Facebook中毒を断ち切った友人は、いまだに異例な存在だ。容赦なく社会的行動に影響を与えるソーシャルメディアの分析が、日常の気楽な会話の話題になることはない。それを話し合っているのは、幻滅した技術系記者だけだ。

Facebookを信じる(か否か)

Onion紙の大見出しを飾るこのタイミングはともかく、Facebookもどうやら自覚しているようで、Portalは「プライバシーとセキュリティーを重視して作られている」と話している。さらに、いくつかの約束も明言している。

「Facebookは、みなさんのPortalによるビデオ通話を聞いたり、見たり、記録したりはしません。Portalでの会話は、あなたとあなたの相手の外に出ることはありません。また、Portalの会話は暗号化されます。そのため、あなたの会話は常に安全が保たれます」

「セキュリティーを高めるために、AI技術を利用したSmart CameraとSmart Soundは、Facebookのサーバーではなく、Portal本体の中で実行されます。Portalのカメラは顔認証を行いません。あなたが誰であるかを特定しません」

「音声で利用する他の機器と同じく、Portalは、あなたがHey Portalと言ったあとの声による命令のみをFacebookのサーバーに送ります。Portalの音声履歴は、Facebook Activity Logでいつでも消去可能です」

まともに見えるが、普通の内容だ。どの製品も、最初に動向を伺っておいて、後になって広告の蛇口を全開にしてきたFacebookのことなので、いつこれが変わるとも知れない。たとえば、Portalのカメラは顔を識別しないが、Facebookには強力な顔認証エンジンがあり、主要製品の境界線が曖昧であることでも知られている。こうした性質は、監視役がいなくなることで、さらに悪い方向に進む恐れがある。

Facebookの信頼は、標準レベルに達していない。このところ失墜した信頼を取り戻すためには、かなりのレベルでのユーザーの信頼を築かなければならない。非現実的な信頼レベルだ。そこで、新たな生きる道へと舵を切ったわけだ。

ハードウエアは難しい。Facebookはハードウエアのメーカーではないし、同社が扱っているOculusが、唯一、製造、マーケティング、そしてセキュリティーという難題に挑戦したソーシャル・アプリ以外の製品、つまりハードウエアだ。2012年、Zuckerbergは、Facebookにとってハードウエアは「いつだって間違った戦略」だと宣言した。その2年後、FacebookはOculusを買収したが、それは、初期のモバイルブームが去った後、船を失った将来のためのプラットフォームを確保しておくのが目的だった。Facebookがハードウエア企業になりたがっているサインではない。

念のため:Facebookの存在理由は、ユーザーから個人情報を抽出することにある。そのため、ビデオチャット、メッセージ、キッチンに馴染む全展望監視システムといった個人生活に密着した製品は、ユーザーのプライバシーと真逆の方向性のビジネスモデルを持つ企業に依存するのがいちばんだ。そうした企業はFacebookだけではない(Googleもだ)が、ユーザーを惑わして過度な信頼を持たせるに値するものとして、Facebookの製品は決して特別ではない。

意識調査

現在、消費者である私たちの力は限られている。Facebook、Apple、Amazon、Google、Microsoftといった一握りの巨大な技術系企業は、表面上は便利な製品を作っている。私たちは、それがどれほど便利か、その便利さと引き換えに、どれだけのプライバシーを提供できるかを決断するようになっている。これは駆け引きだ。嫌な駆け引きだ。

消費者として、それには受け入れるだけの価値がある。いちばん信用ならない企業はどこだろうか。その理由は?

もし、Facebookが、その主力製品(つまりFacebookそのもの)にたしかなセキュリティーを施すことができないとなれば、まったく異質な製品、つまり物理的な製品への実験的な進出も信頼性を失う。22億3000万人のユーザーを抱えるソフトウエア・プラットフォームのセキュリティーを確保することは、非常に難しい。そこへハードウエアを加えれば、今のその心配を複雑化させるだけだ。

安全な選択を行うために、セキュリティーの一部始終を知る必要はない。信用が力になる。自分の感覚を信じることだ。その製品が簡単なテストに合格しなかったなら、その気持を信じて、使うのを止めよう。その前に、キッチンのカウンターに置かないようにしよう。

もし、安全にウェブサイトにログインしたり、ストーリーをシェアできるという信頼感をFacebookが与えてくれないならば、つねにカウンターの上に置かれ、極めて機密性の高いデータを収集できる能力を持つスピーカーを、Facebookが我が家に持ち込むことを許せるはずがない。長くなったが、早い話が、止めておけ、ということだ。信頼すべきではない。もう、みなさんはお気づきだろうが。

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(翻訳:金井哲夫)

Facebook、ビデオチャット端末「Portal」でハードウェアに進出

PortalはFacebook版のEcho Showではない。これは収束進化の一例とも言えるもので、2つの会社がそれぞれ異なる角度からハードウェアにアプローチした結果、よく似た商品にたどりついた。Facebookが解決しようとした問題はフェイスツーフェイスのコミュニケーション。ビデオチャットから他社デバイスを取り除こうとする試みだ。

Facebook、Amazon、Googleのスマートディスプレイが似たようなところに着地したのはもちろん偶然ではない。これらのスマートディスプレイと同じく、テレカンファレンス用デバイスは事実上、立てかけられたタブレットだ。ただし、Portalのシステムは2種類のフォームファクターを採用した。

まず標準のPotalは、Lenovoが最近発売したGoogle Assistant Smart Displayによく似ている。そしてより魅力的なPortal Plusがある。この高級モデルは15インチディスプレイ(1920 x 1080)を備え、最近のテレプレゼンスロボットを彷彿させる。ベースは固定されているが、ディスプレイの向きは縦横に回転できる。

もちろん何よりも注目すべきは、これが最初のFacebook製家電製品であることだ。Facebookが独自ハードウェアを作るかどうかが問題になったことはない——問題は、いつ、どんな形になるのかだった。フィードやテキストチャットなどと異なり、ビデオはFacebookがソーシャルプラットフォームとしてスタンドアロン機器を作ることを正当化できる初めての理由だ。

TechCrunchとのミーティングで、同社は この2015年の記事が同製品の原点だったと語った。記事を書いたTim Urbanは、自身の死に関する赤裸々なインフォグラフィックスを紹介した。さらに、彼が今後どれだけ両親とフェイスツーフェイスの時間を過ごせる分析し、60年代中頃と比較した。

これは正直なところ不快な体験だ。飛行機で読んではいけない。しかし、教訓はこうだ。

「結局、高校を卒業した時、私は親と直接会う時間の93%をすでに使い終わっていた。いまは残りの5%を楽しんでいるところだ。私たちは結末にいる。」

わかってる、わかってる。

Portalの誕生は、2年前のハードウェアチーム誕生に遡る。チームの最初のプロダクトマネージャーだったRafa Camargoは、当時Facebookが自社ハードウェアを本気で作ることの意味について、議論は行ったり来たりしていたと話した。

「われわれは6ヶ月かけて、Facebookのさまざまなプラットフォームを拡張する方法を見つけようと考え、もしすべてを自社で持っていたら何ができるかというアイデアを弄り回していた」と元GoogleのCamargoがTechCrunchに言った。「そうでなければ何のためのハードウェアだろうか?」

Portalのアイデアが最初に閃いたは1年半前のことで、FacebookはBuilding 8プロダクトチームに開発を委ねた。途中、同社はFacebook PhoneかAmazon Echo競合製品を作っているのではないかという憶測が流れた。もちろん、後者の方がずっと真実に近かった(少なくとも今のところ)。しかし、PortalとPortal Plusは、いろいろな意味で完全に独自の生き物だ。

この製品は、予想をはるかに上回るほどビデオチャットに集中している。そして、われわれの見たデモは実に印象的だった。事実、この製品はその単一機能にあまりにも特化するあまり、それ以外に見るべき部分はほとんどない。

たとえば、Portalは次世代のスマートホームの中心にはならない。そして、UIはかなり原始的でアプリストアは存在すらしていない。ウェブブラウザーもなく、大きな画面にも関わらずNetflixやHuluやYouTubeのビデオを見ることはできない。実際、皮肉なことに、これは消費者向けハードウェアとしては極めて稀な、Facebookフィードを見ることのできないデバイスだ。

もちろん、ユーザーのFacebookアカウントはログインのために必要だ。標準では(さまざまなアルゴリズムを使用)Portalは5~6人までの人たちをコミュニケーションの中心として扱う。ただしこのリストはいつでも変更できる。呼び出し方法はこの種のデバイスに期待するものと概ね変わらないが、多くのチャップアプリにある大げさなUXはない。

ビデオはフルスクリーンで、自分の側の映像は小さくオーバーレイされている。大きな特徴は、AIとカメラトリックによる人物フォーカスだ。Portalは人を認識、追跡しそれに沿ってカメラのフレーミングを移動する。

Facebookは専門の撮影技術者の力を借りて、スムーズな移動、パンニング、ズームイン/アウト(最大10倍)を使ってできるだけ多くの人をフレームに収めるよう工夫した。カメラ移動には若干慣れが必要だが、よく出来ていて驚くほどスムーズだ。

ビデオのもうひとつの大きな特徴は体験の共有だ。最も単純なのはSpotifyやPandoraなどの音楽アプリを使って遠方の誰かと一緒に音楽を聞くこと。再生中、曲のビジュアル情報がオーバーレイ表示され、ボリュームは会話のどちら側からも調整できる。簡単なAR体験、Instagramのフィルターや、Storytimeという愛くるしい機能もあり、物語のビジュアル要素を画面に表示しながら、読み手のためにお話のテキストをテロップに流す。

以上はもちろんすべて初期段階にある。Facebookは約1000人のユーザーを対象に、9ヶ月ほどのプライベートトライアルでデバイスのデモを行っている。新機能のフィードバックを得ることが目的のひとつだ。スタート当初は基本的機能のみで、その後徐々に追加していくのだろう。

ハードウェア面の情報はあまり公表されていな。Plusは1080p画面で標準型Portalは720pだ。そこそこのスピーカーと4マイクアレーを内蔵しているので、アシスタント機能の重労働はAlexaに任せることができるだろう。

ボイスコントロールもいくつか内蔵していて「Hey Portal」がウェイクワードだが、操作は音声とタッチスクリーンとで分離している。カメラを使わないときのためのボタンスイッチとレンズキャップもある。

この製品で最も驚くべきは(その存在自体を別として)価格かもしれない。大画面モデルが349ドル、小さい方は199ドルでEcho Showよりも20ドル安い。さらに、Portal 2台で299ドルというバンドル商品もある。このデバイスは、ユーザーをさらにつなぎとめる方法としてのハードウェアを模索するFacebookの利益を度外視した製品であることは明らかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

PortalのルーターはWi-Fiの隠れたチャネルを探して接続を高速化

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今朝(米国時間10/21)はルーターのことをちょっと考えよう。どこにでもある。必要である。誰も重視していない。これまでの数年間で消費者電子製品は激しく進化し多様化したのだから、そろそろルーターにも何かあってよいのではないか。サーモスタットや煙探知器をセクシーにできるのなら、あの目立たないルーターもなんとかしたら?

元Qualcommの社員たちが5月に興したPortalは、今の、デバイスだらけになっている家庭を、テクノロジーの力ですっきりさせることを、ねらっている。タッチスクリーンを売るSecurifiのAlmondや、電波の到達域を広げるLumaなどと違って、同社の製品はワイヤレスの帯域を単純な2.4GHzや5GHzよりも拡張しようとする。なんとなく、眉に唾をつけたくなる、一見すごい技術だ。

このシステムは、電波探知技術により、5GHzのスペクトルの未使用部分を見つけて利用する。このようなマルチチャネルの技術を、同社は“Fastlanes”(高速レーン)と呼んでいる。また帯域の特性に合わせてネットワークの利用を最適化するやり方を、“Smartlanes”(スマートレーン)と呼んでいる。

おっと、下図はそのマルチチャネルを表したGIFだ:

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これらのルーター技術を訴求した同社の5月のKickstarterキャンペーンは、16万ドルの目標額に対して、大金79万1862ドルを集めた。そして今日、この記事でご報告するのは、同社の小さな白いルーターの小売販売(予約販売)がAmazonで始まったことだ。Kickstarterの初期支援者よりも60ドル高い199ドルだが、来月の初めには配達される予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

PushbulletのPortalはどんなファイルでもパソコンからAndroidに高速コピーする便利なアプリ

2015-06-17-portal

Pushbullet同名のユーティリティーを作ったスタートアップだ。Pushbulletはスマートフォンとパソコンの間で通知やファイルを簡単にやりとりするアプリで、特にスマートフォンに表示される通知をChromeにリアルタイムに表示できるのが便利だ〔Pushbulletアプリは日本語化ずみ〕。今回リリースされたPortalはPushbulletの数多い機能の中でパソコンからスマートフォンへのファイル転送に絞って、シンプル化、高速化したアプリだ。当面はAndroid版のみだが、iOS版も開発中だという。

フラグシップ・プロダクトのPushbulletにもファイル転送機能はあるが、PortalはWi-Fi転送に的を絞っているところが違う。スマートフォンとパソコンが同一のWiFiに接続してなければならないが、転送の速度はるかに向上し、対象ファイルの数やサイズにも制限がない。

PushbulletのCEO、Ryan Oldenburgによれば「飛行機に乗る前に映画をまるごとスマートフォンにコピーすることもできる」という。

Screen Shot 2015-06-16 at 2.07.25 PM

PortalアプリをGoogle Playからインストールした後、パソコンで Portalサイトを訪問するとQRコードが表示される。スマートフォンのカメラでスキャンするとパソコンとスマートフォンの間にチャンネルが確立されるので、転送したいファイル(あるいはフォルダー)をそのウェブページにドラグ&ドロップですればよい。.

Screen Shot 2015-06-16 at 2.07.34 PM

スマートフォンとパソコンのファイル転送を行うAndroidユーティリティーはFilePushFiledropなどいくつかあるが、Portalはパソコン側にアプリやブラウザの拡張機能をインストール必要がない。すべてブラウザの通常のページ内で処理がすむ。つまり職場や友達のコンピュータからも自分のAndroidにファイルを転送できる。

またDropboxなどを使って同期する場合と異なり、クラウドの容量を必要としない。アップロード、ダウンロードを行わず、デバイス間で直接接続を行うのでデータ通信の容量を食わない点もメリットだ。

OldenburgによるとPushbulletのアプリはすでに数百万のユーザーがいるという。これらのアプリは無料でアプリ内購入や広告表示もしていないので、今のところ売上はゼロだ。しかしPushbulletは今年150万ドルのシード資金の調達に成功しており、当面は売上を立てることより優れたアプリの開発に集中していくという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+