PR TIMESが会員企業の発表前情報に対する不正アクセス公表

PR TIMESが会員企業13社14アカウントの発表前情報に対する不正アクセス公表

PR TIMESは7月9日、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」において、会員企業発表前(当時)の段階にある画像ファイルとドキュメントファイル(PDF)について、外部の特定IPアドレスから不正に取得されていたことを確認したと発表した(PDF)。期間は2021年5月4日~7月6日。金融商品取引法上の重要事実に該当するものは現在まで確認されていないとしている。これらの不正取得については、該当する会員企業に個別にお詫びと経過報告を行っている。

画像データについては、会員企業13社14アカウントのプレスリリース230件に紐づく画像のzipファイル230点の不正取得をアクセスログにおいて確認した。またドキュメントファイルについては、前述13社に含まれる会員企業4社のプレスリリース28件に紐づくドキュメントのPDFファイル28点の不正取得を確認した。

・会員企業13社14アカウントのプレスリリース230件に紐づく画像(JPG/PNG/GIF)を内包したzipファイル230点
・前述13社に含まれる会員企業4社のプレスリリース28件に紐づくドキュメントのPDFファイル28点

また現在、前述特定IPアドレスによる不正取得以外にも不正取得が行われていたかの調査を進めているという。画像ファイルとドキュメントファイルの取得アクセスログは特定できているものの、その中には正規の取得ログも多く存在するため、不正取得にあたるログが他にもあるか否かについて精査を続けている。現時点までに判明した事実について報告するとともに、今後新たな事実が判明した場合には速やかに公開するとしている。

今回の不正取得は、発表前情報の取り扱いにおける機能面でのセキュリティホールにより許してしまったものしている。今回の対応に関しては、原因箇所である画像一括ダウンロード機能とドキュメントファイル(PDF)ダウンロード機能について、公開時のみダウンロードできるように変更したことで、下書きおよび非公開時にはアクセスができない状態へ変更した。なお同対応は一時的な対応であり、今後はセキュリティ強化した上で利便性も高める機能へ刷新する。

システム開発段階では想定しなかった画像一括ダウンロード機能とドキュメントファイル(PDF)ダウ
ンロード機能の不正利用により、発表前情報の取得が行われたものであり、今後は、一連の開発体制に
おいて人員を増強し、仕様設計およびコードレビュー、QA等を漏れなく実行し、セキュリティホールの存在を迅速に発見できる体制へと強化する。開発管理のログ強化も行い、機能実装から時間経過している機能についても定期的に見直しをして、さらなるセキュリティ強化を行う体制へ変更するという。

また、特定IPアドレスの不正行為についてプロバイダーにへ申告。もし今後の継続調査により新たに過去の不正取得が判明した場合には、申告とともに不正行為について会員企業と連携して断固たる措置をとるとしている。

PR TIMESが会員企業13社14アカウントの発表前情報に対する不正アクセス公表

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:データ漏洩(用語)PR TIMES不正アクセス日本(国・地域)

プロジェクト管理ツール「Jooto」がフル機能を無料開放、5人目以降からの有料プランに刷新

PR TIMESは3月4日、プロジェクト管理ツール「Jooto」(ジョートー)の料金プランを改定した。ユーザー数4名まではすべての機能が無料で使えるようになる。

Jootoは、2014年ローンチのクラウド型のプロジェクト管理ツール。プロジェクトをカードとして管理できるかんばん方式を採用しており、カードのステータスを変化させることで進行状況を視覚的に把握可能だ。

生産や工程の管理に便利なガントチャートの機能もあり、締め切り日やタスクの進捗具合を一覧で把握できるのも特徴。GoogleカレンダーやSlack、Chatworkなどの外部ツールと連携することもできる。個人や家庭でのタスク管理から、会社の部署単位のプロジェクト管理、会社間のプロジェクト管理など、さまざまな用途に対応可能なツールだ。

従来はコア機能のみがフリーミアムで、ガントチャートについては月額1780円のベーシックプラン以上、GoogleカレンダーやSlackなどの外部連携については月額3280円のアドバンスプラン以上でないと使えなかったが、前述のように新プランでは4人まではすべて無料。複数あった料金プランはすべて廃止され、5人目以降から税別月額500円/人とシンプルになっている。

今回の料金プラン変更に併せて、「組織情報」と「ユーザー管理」機能も加わっている。「組織情報」を入力することで、メンバーが自身が参加しているプロジェクトがどの会社やチームに属しているかが確認できるようになる。。「ユーザー管理」は、組織に所属しているユーザーを一覧で確認でき、そのユーザーがどのプロジェクトに所属しているかなど詳細情報もわかる。これらの機能によって、さまざな組織形態に対応できるという。

プロジェクト管理ツールといえばTrelloをはじめとしてさまざまなツールが存在するが、ガントチャートやGoogleカレンダーなどの連携機能を個人や家族なら実質無料で使えるのはうれしい。創業間もないスタートアップにとっても導入しやすいツールだろう。

TC Tokyoのライブ配信が決定!一部のセッションがPCやスマホで見られるぞ

11月15日(木)、16日(金)に開催される日本最大級のスタートアップイベントである「TechCrunch Tokyo 2018」。今年はより多くの方にスタートアップ業界の熱気を伝えるべく、一部のセッションをライブ配信で無料公開することが決まった。Video-Streaming PartnerのPR TIMES協力のもと、以下のセッションをライブ配信する予定だ。都合が合わずに会場に来られなかった方は、PCやスマホからTechCrunch Tokyo 2018にぜひ参加してほしい。

なお、15日と16日ではYouTubeのURLが異なるので注意しよう。

TechCrunch Tokyo 2018 11月15日(木)

11:50-12:20 Fireside Chat

空飛ぶクルマをどう実現するか、日米のキーパーソンに聞く
Long Phan博士(Top Flight Technologies共同創業者/CEO)
向井秀明氏(楽天AirMap代表取締役/CEO)

12:40-13:20 Product Update

猪瀬雅寛氏(ecbo執行役員)
大塚裕太氏(助太刀社長室室長)
島田寛基氏(Scouty代表取締役CEO)
緒方憲太郎氏(Voicy代表取締役CEO)

13:40-14:10 Fireside Chat

スポーツ系スタートアップを支援する「SPORTS TECH TOKYO」が始動
宮田拓弥氏(Scrum Ventures創業者/ジェネラルパートナー)
西内 啓氏(データビークル代表取締役/Jリーグアドバイザー)
山下大悟(日野自動車フューチャンプランアドバイザー)

14:30-15:00 Fireside Chat

ソフトバンク傘下のARMが6億ドルで買収、日本人によるアメリカ起業家
芳川裕誠氏(Arm IoTサービスグループ データビジネス担当バイスプレジデント/ジェネラルマネージャー)

15:20-16:00 Panel Discussion

今年もあと少し、スタートアップ投資業界のトレンドを知ろう
仁木勝雅氏(ディープコア代表取締役社長)
村田祐介氏(インキュベイトファンド代表パートナー)
千葉功太郎氏(Drone Fund創業者/代表パートナー)

  

TechCrunch Tokyo 2018 11月16日(金)

11:50-12:20 Fireside Chat

充電不要、洗濯可能ーーAppleも認めるスゴいヘルスタグ
Jonathan Palley氏(Spire CEO)

12:40-13:20 Product Update

渡辺良太氏(justInCase商品開発部)
西尾夏樹氏(リフカム営業部ゼネラルマネージャー)
松村大貴氏(空CEO)
藤原健真氏(ハカルス代表取締役)

13:40-14:20 Panel Discussion

2018年は新型旅行サービス元年だったのか、旅領域のキーパーソンに聞く
有川鴻哉氏(Hotspring代表取締役)
光本勇介氏(バンク代表取締役/CEO)
岩本有平氏(プレジデント社プレジデントオンライン編集部)

14:40-15:10 Fireside Chat

スタートアップの経営で学んだ教訓と“これから“
堀江裕介氏(dely代表取締役/CEO)

15:30-16:00 Fireside Chat

氷河期の創業、今年の上場、そしてこれから——将棋AIのHEROZが語る“次の一手”
林 隆弘氏(HEROZ代表取締役/CEO)

17:40-18:20 Fireside Chat

Periscope創業者が描くTwitterの新たな未来像
Kayvon Beykpour氏(Twitterプロダクトリード/Periscope共同創業者)

18:20-18:50 Startup Battle授賞式

 
TechCrunch Tokyoでは現在、一般チケット(4万円)、5人以上の一括申し込みが条件の「団体チケット」(2万円)、創業3年未満(2015年10月以降に創業)のスタートアップ企業に向けた「スタートアップチケット」(1万8000円)、学生向けの「学割チケット」(1万8000円)も販売中だ。やっぱり現地でセッションを見たい、スタートアップ企業や投資家と話してみたいという方は、チケットの購入を検討してほしい。

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ゴールは“起業家を増やすこと”——スタートアップメディアの「THE BRIDGE」がPR TIMES傘下に

PR TIMES代表取締役の山口拓己氏(左)、THE BRIDGE取締役・共同創業者の平野武士氏(右)

TechCrunchがシリコンバレーで産声を上げたのは2005年のこと。翌年にはその日本版であるTechCrunch Japan(当時のサイト名はTechCrunch Japanese)がスタートした。そこから12年、日本発でスタートアップの情報を伝えるメディアやブログが徐々に立ち上がっていった(そして、いくつかは消えていった)。そんなスタートアップ向けメディアの1つである「THE BRIDGE」のイグジットに関するニュースが飛び込んできた。

プレスリリース配信事業などを手がけるPR TIMESは4月19日、THE BRIDGEの運営元である株式会社THE BRIDGEからメディア事業を譲受したことをあきらかにした。譲受に関する金額は非公開となっている。なお今後もTHE BRIDGE取締役・共同創業者でブロガーの平野武士氏が中心となってメディアや有料コミュニティの運営を継続。加えてPR TIMES内の編集部にてニュースの執筆なども準備する。一方、THE BRIDGEが開催する仮想通貨をテーマにしたイベント「THE COIN」については、平野氏が個人で運営する予定だという。

THE BRIDGEは2010年の設立(当時の社名はbootupAsia、2013年に社名変更)。エンジェル投資家などから支援を受けていたが、2016年1月にはフジ・スタートアップ・ベンチャーズおよびPR TIMESから資金を調達した。これに先駆けるかたちで2015年2月には、PR TIMESに掲載するスタートアップ(創業7年以内)のプレスリリースの転載を実施。それと前後してPR TIMESが同社のイベント協賛を行うなど、連携を進めてきたという。

なお先に開示しておくと、僕は前職のメディア「CNET Japan」において、THE BRIDGE設立以前の平野氏と契約して1年以上に渡って共同でスタートアップの取材を行っていた関係がある。さらにさかのぼれば、平野氏は立ち上げたばかりのTechCrunch Japanでライター等として活躍。現在はビジネス上の関係はないが、一時は運営元の変更で閉鎖の可能性もあったTechCrunch Japanを支えてきた人物でもある(TechCrunch Japanのこれまでについてはこの記事も参照して欲しい)。また同時に、PR TIMESは僕らが毎年開催してきたスタートアップ向けイベント「TechCrunch Tokyo」のスポンサードをしてくれている企業の1社でもある。

スタートアップのエコシステムとともに成長

THE BRIDGEには当然広告枠もあるが、主な収益源となっているのは、イベントや大企業とスタートアップを結び付けるマッチング・勉強会を軸にした会員制の有料コミュニティだ。「とにかくインプレッション、ユニークユーザー、ページビューといった指標で記事を書く場合、どうしても扇動的な内容やゴシップ、激しいものが必要になってくる。一方でスタートアップの情報は地味。誰も知らない起業家の突拍子もないアイデアや情報を書くので。広告、課金というインターネットのビジネスモデルに当てはめたときに、課金や積み上げのモデルを探したかった」(平野氏)。

また、コンテンツ課金についても考えたが、「誰もが情報発信ができる時代では、コンテンツの価格は限りなくゼロになってくる。それでお金を払ってもらうというのはどうしても信じられなかった」として、ビジネスを模索する中でリリースワイヤー、つまりプレスリリース配信サービスのモデルに興味を持ち、以前からスタートアップコミュニティに積極的にアプローチしていたPR TIMESと関係を深めていったと語る。

一方のPR TIMESは、THE BRIDGEへの資本参加より以前の2015年1月から、特定条件を満たした創業2年以内のスタートアップのプレスリリースを月間1本無料にする「スタートアップチャレンジ」といった取り組みも行ってスタートアップとの関係性を強めてきた。2018年2月末時点では、累計約3200社のスタートアップ(創業2年以内と定義)がサービスを利用している。PR TIMESの利用企業社数は累計2万2000社。スタートアップの割合は決して小さいものではない。

PR TIMES代表取締役の山口拓己氏は、今回の事業譲受にも至ったこれらの取り組みについて、「スタートアップのお客さんを増やして行きたいと思っていたものの、一方でメディアは非常に少ない。生産量も少ない。ニーズはあるが生産者に届くものは少ないので(スタートアップを取り扱うメディアとの)関係を含めたいと考えていた」「PR TIMESが始まった2007年は、PRと言えば大企業のものがほとんどだった。それはメディアが、(メディアの)枠が、尺が限られている中では大企業や社会的役割が大きいところが中心だったから。一方で我々は裾野を広げようと思った。中小企業からスタートアップ、最近では地方まで広げている。その課程の中でスタートアップの人にリリースを活用頂きたいと考えていた。その中でスタートアップチャレンジを始めたり、THE BRIDGEと資本業務提携を進めたりしてきた」と説明する。

スタートアップのプレスリリース配信件数がこの数年で増えているというのは僕も感覚的には理解していたし、そのリリースの種類についてもプロダクトローンチから資金調達、提携、上場と幅広くなっているとは思っていた。実際、山口氏の話では、2017年に上場した90社中40社は上場時にPR TIMESでプレスリリースを配信していたのだそうだ。「 自分たちがスタートアップをけん引したのではない。スタートアップのエコシステムが広がった結果としてこの数年で会社も伸びてきた。 そのエコシステムを作っているのは『参加者』だ。メディアもそうだし、起業家、投資家も増えた。大企業とのコラボレーションも広がった。その核となるメディアに協賛や業務資本提携をしてきたことで、スタートアップのエコシステムの広がりとともに私たちの事業も広がった」(山口氏)

起業家は人をエンパワーする

少し余談になるのだが、日本のオンラインメディアで「ベンチャー(もしくはVB、Venture Business。これは和製英語だという説も)」から「スタートアップ(動詞、名詞として)」という言葉に変わっていったのは、ざっくりした肌感では2009年から2010年頃のことだったと思う(翻訳記事は除く)。そういう意味では平野氏や僕らは国内で「スタートアップ」のニュースに関わった初期の人間かも知れない。

そんな国内のスタートアップの環境の変化について、平野氏は2010年にスタートしたシードアクセラレーションプログラム「Open Network Lab」の存在が1つのターニングポイントになったのではないかと振り返る。「それまであったインキュベーションではなく、3カ月といった期間でスタートアップを生み出すようなプログラムが2008年頃に米国で起こり、それを日本に持ってきたところから環境が変わっていった」「イベントにしても、これまでは登壇者が並んで、話を聞いて、名刺交換をして帰るという、『行くこと』が目的だった。一方で(西海岸を中心に)『ミートアップ』と呼ばれる起業家と投資家が会って、エコシステムを作るための場所ができはじめた。そういうモノをやりたいというのが自身の最初のアクションだった」(平野氏)

そんな平野氏は、メディアの“中の人”から起業家として自らメディアを立ち上げるに至った経緯についてこう語る。

「一番最初はコンプレックスからスタートした。(TechCrunchに関わり始めたのは)30歳になった当時で、米国に行ったこともないし英語もできない。毎日面倒くさくて、給料をもらえればそれでいいくらいだった。でも記事を見ると、シリコンバレーには無茶苦茶なことをやっている起業家達がいた。YouTubeだって違法アップロードが当たり前だし、Napsterのようなサービスもあった。彼らを見て、自分はどう生きていくか考えて、『元気にやっていこう』と気付かされた。自分がそれで元気になれたのだから、もっと色んな人が元気になれるんじゃないかと思った。 起業家は人をエンパワーする力を持っている。 リスクだらけだし、金を借りて出ていくだけかも知れない。人からは怒られるし、詐欺師だとまで言う人がいるかも知れない。ネガティブな話ばかりだ。それでも進んでいって、最後にはみんなを幸せにする人が出てきた。この界隈は本当の詐欺師のような人もいるので、『この人はいい人だ』と伝えていくことにしても、情報を出す意味もある」

「自分で記事を書き始めてむずがゆいところがあった。 取材空いては全員が創業者。何かをやって実績がある人ばかり。だから聞けないことも多かった。じゃあ自分もやってみよう。 そうすれば少なくとも『金に苦労した』ということだって話せると思った。そういうことから同じ年代の起業家と話が聞けるようになると思った」

ゴールは「起業家を増やす」

冒頭にあるとおりだが、PR TIMESは今後、THE BRIDGEのメディアを中心にしつつ、イベントやコミュニティ形成を強化するとしている。またスタートアップに限らず、幅広い層に対してプレスリリースという手段で自身の行動を発信するための施策を展開していくとしている。

また平野氏はTHE BRIDGEのゴールについて「起業家を増やすこと」と語る。「それに取り組んできた10年だし、だからこそ自身で起業もやった。日本でメルカリみたいな規模の会社をもっと作れるはずなのに、なぜ見つからないのだろう。 例えば渋谷には人がたくさん歩いているが、彼らが起業したらどうなるだろうか。でもそんな選択肢を考えるには情報が足りない。大学を出て、いい会社に入って……と思う人はたくさんいるから。ニッチな情報を出すメリットを伝えないといけない」

「今は情報を出す側の人間も圧倒的に少ない。また、今は起業家と投資家を見ると今は投資家のほうが強い。そうなると、どの起業家にどのビジネスをさせると成功するかというのが分かるようになってしまった。ある意味ではリスクを取らなくなってしまった。そういう人達の情報を出すにはPR TIMESなども活用していけばいいと思う。一方でスマートフォンシフトのような大きな波が暗号通貨やブロックチェーンのまわりで起こっているが、情報が足りない。何が正しいのか、誰が悪いのか、そういう情報も分からない。だから情報を出す側も勉強しないといけないし、企業も学ばないといけない。この大きなパラダイムシフトを理解して情報を出すメディアを作らないといけない」(平野氏)

 

スタートアップはPR TIMESから無料でプレスリリースが出せるぞ(条件クリアで)

スタートアップに朗報だ。設立から2年未満で上場企業の子会社でない企業は、一定のミッションをクリアすれば、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を無料で利用できる。創業間もないスタートアップにとって、プレスリリースをどこに送ればいいかわからないっていうのはありがちなこと。PR TIMESを使えば、メディアとして会員登録している2000人にプレスリリースを配信できる。

無料でプレスリリースを配信するには2つの条件がある。1つ目は、PR TIMESでリリースを配信してから24時間以内に、「企業のフォロワー数」を最低50人獲得すること。企業のフォロワーというのは、PR TIMES上での自社ページを読者にフォローしてもらい、最新情報を配信するための仕組みだ。2つ目の条件は、配信したプレスリリースを500人以上に見てもらう必要がある。2つの条件をクリアできなかった場合は、PR TIMESで1回プレスリリースを配信する料金の3万円がかかる。

ところで、スタートアップがプレスリリース配信サービスを使う意味は何なのだろうか? こと、ウェブメディアに関しては、公開されているリリース送付先アドレスを探して送ればよさそうにも思える。この点についてPR TIMES代表取締役の山口拓己氏に聞くと、メディアの送付リストが充実していることに加えて、一般の読者にプレスリリースが読まれていることも強みだと語る。

PR TIMESのサイト自体のページビュー数は前年同月比1.5倍の320万PV。ちょっとしたウェブの専門メディア並みの数字だ。最近ではPR TIMESのプレスリリース自体がバズる機会もあるのだとか。例えば、フリークアウトとPFI のジョイントベンチャー設立を紹介するプレスリリースでは社長のヘアスタイルが話題になり、ソーシャル上で拡散した。山口氏は「人通りが多いところにプレスリリースを出すことで、知ってもらう機会を作るのは重要」とアピールする。

2014年までにPR TIMESを利用した企業は累計8000社。2012年は2000社、2013年は4000社と、毎年倍増ペースで右肩上がりを続けている。スタートアップに焦点を当てることで、2015年も利用企業数の拡大を図る考えだ。