PopSocketsがポップグリップを付けたまま使えるワイヤレス充電器を発売

米国ラスベガスで開催されているCESで、PopSocketsがポップグリップユーザーの大問題を解決する新しいマストアイテムを発表した。米国時間1月7日に発表されたのはPopPower Homeワイヤレス充電器で、中央に穴が空いているのでiPhoneやAndroidスマートフォンの背面にポップグリップを付けたままワイヤレスで充電できる。

ポップグリップを付けていると一般的なワイヤレス充電器は使えなかったが、この形ならモバイルデバイスを水平に置いてワイヤレスで充電できる。これまでポップグリップユーザーは、ケースやスワッパブル・ポップグリップをはずしてワイヤレス充電するか、ケーブルをつないで充電するしかなかった。

新製品のPopPower Homeは、この問題を解決する。厚さ5ミリ以内のケースを付けたままでも動作し、背面にポップグリップを付けていない携帯電話やAirPodsのWireless Charging Caseも充電できる。Wireless Charging Caseにカバーが取り付けられていても動作する。

PopPower HomeはNucurrent製でQi EPP(Extended Power Profile)の認証を受けており、最大15Wでモバイルデバイスをワイヤレスで高速充電できる(多くのワイヤレス充電器は5〜10Wだ)。PopSocketsによれば、充電にかかる時間は携帯電話のブランドやモデル、ケースの厚み、バッテリーの消耗によって異なるという。

発売時点では、PopPower Homeはアップルとサムスンの高速ワイヤレス充電モードに対応する(PopSocketsはTechCrunchに対し、ワイヤレス充電ができるPixelにも今後対応すると説明している)。

使い方は、PopPower Homeにケーブルを接続し、携帯電話などのデバイスを上に置くだけだ。ポップグリップが中央の穴に収まるように置く。側面のLEDで充電中であることがわかる。

ポップグリップと同様に、ワイヤレス充電器にもナイトブルーム、マウンテンスケープ、マットホワイト、コズミッククラウド、カーボネイトグレーなど、多くのデザインがある。

残念ながらこの充電器を使えるのは標準のポップグリップのみで、金属製のグリップ、PopGrip Mirror(日本の同社サイトでの名称はPopMirror)、PopGrip Lips(日本の同社サイトでは未発売)には対応しない。

PopPower HomeはPopsockets.com限定で、60ドル(約6500円)で販売されている。ワイヤレス充電器は20ドル(約2200円)以内の製品が多いので、それに比べると高い。しかしポップグリップユーザーにとっては携帯電話を置くだけで充電できて便利だ。

発売開始時には3種類のデザインしかないが、1月中にはほかのデザインが追加される。

現時点ではバンドル販売はないものの、早ければ2月にはAmazonに登場する模様だ。

価格は高いが、PopSocketsはすでに多くのユーザーを獲得しているのでこの新製品は成功するだろう。同社はこれまでに1億6500万個のグリップを販売しているという。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルのAirPowerがNomadの新製品Base Station Proとして蘇る?

アクセサリメーカーのNomadは、Apple(アップル)やその他のQi互換デバイスで使える優れたワイヤレスチャージャーを、すでにいくつか販売している。そして、さらに汎用性の高い新製品を発売する予定だ。新しいNomad Base Station Proは、パートナー企業のAiraが提供する「FreePower」と呼ばれる技術を利用したもの。表面に置いた3台までのデバイスをまとめて充電できる。置く向きは関係ない。3台を同時に充電できるだけもすごいが、普通の充電器とは異なり、充電するデバイスを正しい向きで所定の位置にぴったり合わせて置いたりする必要もないのも素晴らしい。

これは、残念ながらポシャってしまったアップルのAirPowerが目指したものによく似ている。内部には、複数の充電コイルがマトリックス状に並んでいる。それらが相互にリンクすることで、Base Station Proの表面の、どの位置でも充電できるようになっている。おそらく意図的なものだが、AiraのウェブサイトのURLは「airapower.com」となっている。アップルが棚上げした純正アクセサリの名前に1文字だけ加えたドメイン名だ。

Nomadの新しい充電器は、同社の既存の製品と同じ仕上げを継承している。つまり、デバイスを置く面は、黒い柔らかなレザーになっている。周囲のフレームはスレート色のアルミニウム製だ。この充電器も、かなりの高級感を備えている。これも、同社の他のBase Stationから受け継いだもの。

Base Station Proは、各デバイスに対して最大5Wの電力を供給できる。これはiPhoneや、その他のデバイスがサポートする最大電力ではないが、Airaの共同創立者であるJake Slatnick(ジェイク・スラントニック)氏によると、実際にはほとんど問題にならないという。

「ベンチマークテストによって明らかになったのは、私たちの5W出力による充電時間が、他社の10W出力とされている充電器と、ほとんど変わらなかったことです」と、スラントニック氏はメールで説明してくれた。「スマホが熱くなり始めると、充電速度が大幅に低下することもわかりました。その際、電力は5W未満になってしまいます。7.5W以上の充電器は、その電力を、ほんの2、3分しか維持できないようです。現時点でのパフォーマンスは、他社のどんな充電器とも同等で、ほとんどのユーザーは違いに気付かないはずです」。

Nomad Base Station Proは、すべて5Wで最大3台のデバイスの同時充電をサポートする。例えば、2台のiPhoneと、AppleのWireless Charging Caseに入れたAirPodsを一度に充電できる。

この製品には、USB Power Deliveryに対応した27WのUSB-C電源アダプターと、それをBase Station Proに接続するUSB-Cケーブルも付属している。価格は、おそらくかなり高価なものとなりそうだが、実際のところは11月に予約注文が始まれば明らかになるはずだ。

アップルが開発していたものと比べると、少なくともアップルの熱心なユーザーにとって重要な違いが1つある。それはApple Watchの充電をサポートしていないこと。NomadのBase Stationには、Apple Watchの充電機能を統合したモデルもある。しかし、そのモデルには、この新モデルのようなオーバーラップするコイルの設計は採用されておらず、どこに置いても充電できる機能は実現していない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

厚いケースをつけたままでも4台同時受電OKのワイヤレス充電器

TechCrunch Disrupt SF 2017で賞を受けたPi Chargingは、4月にSpansiveとブランド名を改めた。そして以前に発表していた、スマートフォンを周囲に置くだけで充電できる円錐型の充電器の開発を断念した。この充電器を使うにはデバイスに専用のケースをつける必要があった。しかもQiのようなワイヤレス充電の標準が普及してきて継続が難しくなっていた。

同社はそれとは別に、Qi準拠で独自の「ちょっとした工夫」を盛り込んだワイヤレス充電器にも取り組んでいて、夏までに発売する見込みだとしていた。それが今回登場したこの充電器だ。

このSpansive Sourceは、最大4台の携帯電話を同時にワイヤレスで充電できるベースステーションだ。携帯電話を周囲に置くだけでよかった以前の円錐型の充電器とは違って、Sourceの上に置く必要がある。しかしほかの多くのプレート型のワイヤレス充電気とは異なり、きちんと正しい場所に置く必要はない。円錐型の充電器で取り組んでいた構想を生かして、Sourceのどこに携帯電話を置いたかを検知し、それによって磁気充電コイルの配列を調整しているとSpansiveは説明する。しかも多くのメーカーのケースをつけたまま充電できる。

SpansiveのCEOで共同創立者のJohn MacDonald氏は、この充電器を持って我々のオフィスを訪れ、機能のデモをした。携帯電話を2台置いたところ、両方とも充電されていることが画面に表示された。1台には厚みのあるOtterboxのケースをつけたまま置いたが充電された。もう1台にはOtterboxのケースとポップソケッツのスマホグリップの両方がついていたが、まったく同じように充電された。

Sourceは携帯電話1台につきワイヤレスで最大5W、USBポートでは最大12Wで充電できるという。MacDonald氏は、ワイヤレス充電の速度は充電器に置かれた電話機の台数に影響を受けないと語った。つまり充電器に置く電話機を2台、3台と増やしても、1台目の充電が遅くなることはない。

MacDonald氏は、Sourceは携帯電話の充電用に開発したものだと注意を促した。スタンドが斜めになっているデザインなので、たとえばApple Watchなどは置きづらい。そのためSourceの側面にはUSBポートが2つあり、さまざまなデバイスを充電できるようになっている。現時点ではQi対応の携帯電話であっても完全に互換性があるわけではない。MacDonald氏は、まずサムスンのGalaxy S7シリーズ以降とiPhone 8シリーズ以降に対応するように開発し、その他の電話機については今後、無線でのソフトウェアアップデートで対応する予定だと語った。SourceはWi-Fiを内蔵しており、アップデートをダウンロードすることができる。Sourceの台の部分にはボタンがあり、ネットワーク上のIoTデバイスを追加したくない場合にはこのボタンを押してWi-Fiの認証情報を消去できる。

Sourceは米国ですでに販売開始されている。白とチャコールの2色があり、価格は189ドル(約2万円)。

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(翻訳:Kaori Koyama)

iOS 11.2でワイヤレス充電が速くなる。7.5W Qiに対応

iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xはいずれもワイヤレス充電に対応し、Qi規格を採用している。これは新しいiPhoneが世の中にある何百という充電器を利用できることを意味している。しかし今のiPhoneのQiによる充電は5Wというワイヤレス充電の最低速に制限されている。現在AppleはiOS 11.2を準備中だ。このアップデートで7.5W充電に対応するらしい、とMacRumorsは 指摘する

充電するたびにプラグを差し込むのがいやな人にとってワイヤレス充電は実にありがたい。しかし画期的な機能というわけではなく、充電器はコンセントに差し込む必要がある。しかも充電器に載せなくてはいけないから、厳密にはワイヤレスではない。

それでも、端末を持つたびにケーブルが邪魔になって困るという人は、デスクや枕元にワイヤレス充電器が欲しいかもしれない。新型iPhoneが発表になったとき、Appleは5Wによる充電のみ当面対応すると言っていた。

Appleは現在iOS 11.2をベータテスターとテスト中で、このアップデートがワイヤレス充電の速度制限を解除するという。5Wのワイヤレス充電というのは、だいたいiPhoneについてくる充電アクセサリーを使うのと似たような速さだ。

MacRumorsがiOS 11.2で7.5W充電器と5W充電器をテストしたところ、アップデート後7.5W充電器は43%速くなった。

これは心強い結果で、現在のワイヤレス充電よりも便利になる。現在Appleは直営ストアでMophieとBelkinの充電器を売っている。いずれも7.5W充電に対応している。Amazonには10Wや15Wに対応している充電器もある。今のところ使い道はないが、来年のiPhoneでワイヤレス充電が改善されるかもしれない。

そしてケーブルの好きな人は、10/12WのiPad用充電器がiPhoneに今すぐ使えることをお忘れなく。別途購入する必要はあるが、その違いは大きい

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iQiのiPhone用ワイヤレス充電システムをテストしてみた

Indiegogoでキャンペーンを行っているiQiはソフトケースにセットされたiPhoneに対応したワイヤレス充電器だ。

昨年12月からのクラウド資金調達で16万1500ドルを 2350人以上の支援者から集めることに成功している。Appleはまだワイヤレス充電テクノロジーを採用していないが、この機能は多くのiPhoneユーザーが待望していたものだ。はたして25ドルからのこのデバイスは期待に沿う出来栄えだっただろうか?

iQiは見たところぱっとしない。パッケージを開いてみると、ボール紙のカードと取り扱いを説明した紙切れが1枚入っているだけだった。もちろんシンプルなのは良いことだ。

iQiの本体はボール紙(クレジットカードよりやや小さい)が電子回路をサンドイッチしている。カードからiPhone用Lightningコネクターをつけたケーブルが伸びている。

iQiを使うにはまずiPhoneにコネクタを差し込む。奥まで押しこむためには爪が長いか何かの道具を使う必要がある。次にiQiの本体をiPhoneの裏側にぴったり沿わせる(コネクターのりボンケーブルは柔軟性があるが、曲がるだけで完全に折れはしない)。パッケージについてくる滑り止めの平らなシリコンの円盤をセットする。

もちろん、実際に充電するにはQi充電器が必要だ。またiQiカードを固定するためにiPhoneをソフトケースに入れなければならない。

さて本題に入ろう。iQiは本当に役に立つか? 残念ながら現在のところ信頼性はあまり高くないと言わざるを得ない。Appleがこのテクノロジーを(まだ)採用しないのには理由があるようだ。

今回iQi をテスト(iPhone 5)したときに生じた問題の多くは他のQi規格のワイヤレス充電器でも起こるものだ。TCの同僚、John Biggsも指摘していたが,、Qiの充電はかなり遅く、安定性も高くない。さらに苛立たしいことにiQiはQi充電器に正しく載せないと夜泣きするロボットベビーよろしくずっとビープ音を出し続ける。また充電機能がなにか邪魔をしたらしく、充電中に何度か通話を受け損なった。

もうひとつの注意点は、Indiegogoのページにも明記してあるが、このハードウェアはMFiプログラムでAppleに承認されたプロダクトではなく、したがってiQiはiOS7.0.4で動作するといっても、それは保証されたものではないということだ。またQiはハードウェアだから将来iOS 8がリリースされたときにi対応しないだろう。

iQiに限らないが、現在のワイヤレス充電テクノロジーはまだ全面的に信頼できる水準には達していない。iQiは役にたたないわけではないが、その利便性はかなり限定されており、ときには苛立たしい思いをするというのが実情だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+