Amazon、独自のQRコード風の”SmileCodes”を実験中

Amazon、独自のQRコード風の”SmileCodes”を実験中
QRコードはまだ米国では本格的に普及しているとはいえないが、それでもAmazonは類似のシステムに挑戦しようとしている。

Amazonは、独自のスタイルのコードを開発し “SmileCodes” と名付けた。

QRコードをスキャンしたことのある人なら、よく似たアイデアに見えるだろう。雑誌などでコードを見つけたら、スキャナー(Amazonアプリに内蔵される)を開いてカメラをコードに向けると何かが起きる。その何かはコードによって異なるが、製品ページに飛ぶ、ビデオ(映画の予告編や製品レビュー等)が再生されるなどなどだ。

ほかのバーコードと差別化するために、コードの中央右側には大きくAmazonのスマイルロゴが置かれている。”SmileCode” の名前はそこから来ている。

AmazonはこのコードをヨーロッパのポップアップストアとAmazon Lockers(写真上)でこの数週間テストしているが、2月にはいくつかの雑誌で米国デビューさせる予定だ(CosmopolitanとSeventeen)。

雑誌の広告からAmazonの商品ページにジャンプさせるだけでなく、Amazonならこのコードをもっと身近な物に載せると思うべきだ。あのAmazonボックスだ。これまでにもAmazonはこの箱に広告を載せたことが一度ならずある(2015年の鮮やかな黄色のミニオンと数カ月前の赤いGreatest Showmanの箱)。このコードはあの箱をクリック可能なリンクに変える確実で繰り返し可能な方法だ。もしスキャンしてもらえなくても、単にAmazonのロゴが増えるだけのことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アリババ、イスラエルのスタートアップの画期的QRコードを採用―ドットに邪魔されず画像を表示

2015-05-19-visualead

アメリカの読者にはQRコードがアジアでどれほど普及しているかぴんと来ないかもしれないが、つまらない(と皆さんが思っている)QRコードに革命が起きている。ともあれ「ドットレス」のビジュアルQRコードを開発したイスラエルのスタートアップ、VisualeadとスポンサーのAlibabaは、そう言っている。AlibabaはこのドットレスQRコードの最初期からの採用者であり、この1月にはVisualeadに正確な額は公開されていないが、数百万ドルを投資したと報じられている。

Visualeadの共同創業者、CEOのNevo Alva toldはTechCrunchの取材に対して「新しいQRコードにはさまざまな利点があるが、その最大のものはドットに邪魔されずにスペースのほとんどを使って画像が表示できることだ。小売業者は新QRコードを利用してブランドやメッセージを表示できる。またセキュリティーも大きく向上した」と語った。

「われわれの新フォーマットは現行のビジュアルQRコードの次世代版だ。われわれはマーケットからの声に耳を傾けてこのフォーマットを開発した。新フォーマットは消費者との対話を大いに活発化する」とAlvaは言う。

Visualeadによれば新QRコードは「偽造がほとんど不可能」だという。これはAlibabaを始めとする小売業者を悩ませる偽造商品対策を大きく前進させる。偽造商品の販売に関連して先週、アメリカのラクシャリー製品のメーカーから訴訟を起こされたAlibabaは、i淘宝(タオバオ)マーケットプレイスで新しいドットレスQRコードを利用したBlue Starsキャンペーンを展開している。これによると、タオバオのマーチャントはドットレスQRコードを印刷して商品に貼り付けなければならない。商品を受け取った消費者がQRコードをスキャンすると商品が真正であることが確認できる。

最初に述べたように、アジアではQRコードはビッグ・ビジネスだ。特に中国ではオフラインからオンラインへ消費者を誘導するための中核的な役割を担っている。 北京の地下鉄に乗ればすべての広告にPRコードが印刷されているのに気づくだろう 。Alvaは「われわれのビジュアルQRコードは従来のものに比べて消費者の反応を4倍に高める」と主張する。

創業者の言葉をうのみにするわけにはいかないが、その主張を裏付ける事実もある。Alibabaの投資―同社として初めてのイスラエルのスタートアップへの出資―自体ものその一つだ。またVisualeadはすでにフリーミアム・サービスに50万以上の顧客を獲得しているという。Alvaは「何十万社がなんらかの形で有料サービスを利用している」と述べた。

しかし新しい規格を浸透させるには時間がかかる。AlvaはAlibabaに採用されたことが普及を大きく加速するものと期待している。

欧米への普及に関してもAlvaは望みを捨てていない。多少の時間はかかるだろうが、適切なパートナーを得られれば、欧米でも新QRコードの価値は必ず認識されるようになると考えている。

「欧米の専門家は『QRコードは死んだ』と5年も言い続けている。しかし啓蒙と浸透によってO2O [オンラインとオフラインをまたいだコマース]でQRコードは必ず成功する」とAlvaは言う。

Messengerをプラットフォーム化し、支払を可能にしたことで、Facebookは一段とeコマースに近づいた。ライバルのメッセージ・アプリのひとつ、Tangoは先週、ショッピングを全面的にサポートした。Amazonも定期的に購入するアイテムの保管場所に取り付けておき、 ボタンを一回押すだけで補充注文ができる物理的デバイス、Dashを発表した。 O2O分野でのこうしたさまざまな努力と比較すると、QRコードの柔軟性と汎用性が際立つ。アジアでは以前からメッセージ・アプリがeコマースの有力なチャンネルだったが、アメリカでもそうなりつつある。これはアメリカにおけるQRコードにとっても追い風かもしれない。

Alavaはすでにアメリカ企業とも接触していると語った。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOS 7でAppleはQRコードを容認 ― ただし目的達成の手段としてのみ

AppleはWWDCのキーノートで、近距離無線通信(NFC)を一笑に付したが、同じくらい(それ以上?)に冷笑されている技術であるQRコードを、こっそりと採用した。AppleはiOS 7にQRコードリーダーを内蔵した。そう、OSレベルで。しかしそのやり方には、QRコードの存在は少々目障りであり、自社テクノロジーを推進するのに都合のよい道具ではあるが本気で持ち上げたり推奨するつもりはない、という明確なメッセージが表れている。

iOS 7のQRコードリーダーはPassbookアプリに内蔵されている。サービス全体を説明するためのPassbookカードには、新たにコードスキャン機能が組み込まれている。Passbookの初期画面からワンタッチで利用でき、iPhoneのカメラを使って印刷あるいはウェブに表示された四角いバーコードを読み取ると直ちに認識する。しかし、次に起こることを見ればAppleが全面的にQRコードに改宗していないことがわかる。

あらゆるQRコードを平等に扱い、どんな情報でも実行するリーダーを作ることは十分簡単だっただろうが、Appleは汎用ツールを欲しくなかった。だからPassbookアプリのQRコードリーダーは、Passbookのパスにリンクしていないコードをスキャンしようとすると、その目的に関する非常に明快なメッセージを発信する。親切なタレコミ人が送ってくれたスクリーンショットが上にある。

統合の目的は明白だ。Appleはこれを、ユーザーがPassbookコンテンツをできるだけす早く簡単にライブラリーに追加できる方法の一つと考えていて、そのための障壁はできるだけ減らしたい。しかし、QRコードそのものは目的を達成するための手段にすぎない。究極の目的はユーザーがPassbookをもっと使うようになることであり、QRコードは単なる道具だ。実際、QRコードを厳密にPassbookパスだけに制限することは、汎用技術として利用しようとするとはるかに有害だ。大量のiOSユーザーがQRコードをPassbookと関連づけようとするだろうから、その種のコンテンツ提供していないコードには不満さえ感じるだろう。

これを、AppleがメインのカメラアプリでQRコードをサポートする前兆と考える向きもあるだろうが、期待しない方が良い。Appleは自らの目的に合致する技術を選り好みするので、もっと良い方法が見つかるか、Passbookが十分な勢いを得るために必要なくなれば、捨てられるかもしれない。少なくとも、これでQRコードがブームになることはない。Appleは永遠にこれを、Passbookを補助する下位ブランド技術として扱うだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)