Raspberry Piのストアが開店Apple Storeよりもクールかな

Raspberry Pi Foundationが今日(米国時間2/7)、最新のプロジェクトを披露した。それはなんと、本物のお店だ。イギリスのケンブリッジに住んでる人は、甘くておいしいラズベリーパイをたくさん買って、いろんなクールなものを作れるぞ。

Raspberry Piは最初からずっと、子どもも含め誰もが気軽にプログラミングができることをねらっていた。だから、こういう実物店があることは理想的だ。同ファウンデーションは、ARMのプロセッサーを使った、いろんなI/Oポートのある、Wi-FiもBluetoothもある、とっても安いコンピューターをいろいろ作ってきた。

最新の主力機種Raspberry Pi 3 Model B+は、わずか35ドルだ。もっと小さくて安いのが必要なら、いろんなニーズに合うそのほかの機種もある。

たとえば今のあなたは、何かの物のインターネット(Internet-of-Things, IoT)プロジェクトのための小さなコンピューターが必要かもしれない。それなら、25ドルのRaspberry Pi 3 Model A+がいいだろう。RAMとポートはやや少ないが、性能はほかのRaspberry Piと変らない。省エネが重要なら、10ドル以下で買えるRaspberry Pi Zeroがある。

Raspberry Piにストアができるなんて、考えたこともなかった。でも上の紹介ビデオを見ると、こんなストアが欲しかった、と思ってしまう。今では機種も多様化しているから、自分のプロジェクトにあった機種をお店の人に尋ねられるのが、とてもいい。

このストアは、ショウルームとしても使う気だ。マグカップやおもちゃなど、関連グッズも買える。白と赤のキーボードやマウス(下図)も、クールだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

産業用ニーズに応えるRaspberry Pi Compute ModuleがCM1からPi 3搭載のCM3へアップデート

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Raspberry Pi Foundationが、Raspberry Pi Compute Moduleをアップデートした。この、Piを搭載した超小型マイコンボード(上図)は、製品の制御や、多機能機能化などのパワーアップを、マイクロプロセッサーの力を借りてやりたい企業向けのモジュールで、最近の例ではNECの40/48/55インチ大型ディスプレイが内蔵している。

同Foundationによると、アップデートしてCM3となったモジュールは、より柔軟性のあるフォームファクタと、より強力な内部を持ち、昨年新登場したPi 3を載せている。なのでプロセッサーのスピードは最大1.2GHz、RAM 1GBとなり、最初のCompute Module(CM1)に比べてスピードは10倍、RAMは2倍になっている。

最初のCM1ボードは、2014年にリリースされた。

Foundationの注記によると、CM3ではWindows 10 IoT Coreを動かせるので、IoTのプロジェクトをPi 3からCM3を使ったカスタムのシステムに“きわめて容易に”ポートできる。ピンの並びと構成はCM1と完全互換だが、モジュールの高さはCM3の方が1ミリメートル高い。

またプロセッサーの電源装置VBATへの負荷も大きくて、高負荷状態では発熱量も多い、という。

CM3には二つのバージョンがあり、通常のCM3は4GBのeMMCフラッシュストレージを搭載、CM3 Liteはストレージがなく、代わりにSDカードソケット用のピンがある。ただし、ユーザーがフラッシュストレージを後付けすることはできる。

価格はCM3が30ドル、CM3 Lite isが25ドルだ(送料と税を除いて)。CM1は今後も生産されるが、価格は25ドルになる。

アップデートされたブレイクアウトボードも発売されたが、Foundationによるとそれは、三つの機種(M3, M3 Lite, M1)のどれでも載せられるそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Raspberry Piの公式スターターキットがついに出た、売上台数は1000万を突破

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Raspberry Pi Foundationがやっと、その低価格マイコンの公式スターターキットを発行した。それは、同社曰く、Raspberry Pi 3 Model Bの“どこに出しても恥ずかしくない特別製品”、となり、Apple的な白を生かした光学マウスとキーボード、システムの立ち上げに必要と思われるありとあらゆるケーブル類、などが含まれている。唯一欠けているのは、スクリーンだ。

Piの公式スターターキットはイギリスではFoundationの代理店であるelement14RS Componentsからオンラインで99ポンド(+付加価値税)で買える。世界のそのほかの市場は、“数週間後”だそうだ。Piのもともとの構想は、子どもたちがハードウェアの面倒な使い方を試行錯誤で体験しながらプログラミングをおぼえる、というものだったが、それが今度のように‘箱から出せばすぐ動く’というプラグアンドプレイ型になってきたのは、Foundationとしては一種の革命だ。

立ち上げから4年半となる現在、シングルボードマイコンのPiは1000万台あまり売れ、Foundationは、ケーキの上に最後に飾るいちごのような、プロジェクトの総仕上げとして、その美麗なスターターキットを構想したのだろう。未来の、一層の幸運を祈ろう。昨年の2月にPiは、売上500万台に達した。しかしその後11月に、5ドルという超低価格のPi Zeroを出したことが、需要の伸びを一挙に加速したようだ。

そしてそれが伸びた方向も、Foundationの最初の構想を激しく逸脱している。今では、プログラミングを学ぶ児童生徒たちだけでなく、さまざまな電子製品のメーカーや独創性豊かなスタートアップたちが、Piをベースに何かを作っている。今回のスターターキットは、西欧世界の電子工作愛好家だけでなく、超安価なPiが広まっている途上国市場にとっても、ふさわしいものだ。

これまでは、公式スターターキットの不在を好機ととらえて、Kanoのような企業がPiを主役とする教材キットのような製品を市場化してきた。それらは、ゲーム的な要素を含むプログラミング教材だ。だから公式スターターキットが出た今後も、いろいろと変わった趣向を盛り込んだ教材的玩具的製品に、十分な市場機会があると思われる。特殊な、ニッチ的需要も、きっとあるだろう。

Piの公式スターターキットには、次のものが含まれている:

  • Raspberry Pi 3 Model B
  • 8GB NOOBS SDカード
  • 専用ケース
  • 2.5Aマルチリージョン電源
  • HDMIケーブル、1メートル
  • 光学マウスとキーボード、キーボードは高品質シザースイッチアクション
  • Adventures in Raspberry Pi Foundation Edition一冊

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Raspberry Pi FoundationとイギリスのCode Clubが合併して世界中の子どもたちにプログラミング教育を展開

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さあ、‘Pi Club’様のご誕生だ。35ドルの世界的に大人気の超小型コンピュータボードRaspberry Pi日本語ページ)を作っている非営利団体Raspberry Pi Foundationと、イギリスで学校の放課後に子どもたちにプログラミングを教えているボランティアチャリティ団体Code Clubがこのたび合併し、後者が前者の傘下に入る形になる。

その目的は、両団体の中核的ミッションをさらに前進させるためだ。Piとしては、もっと多くの子どもたちにテクノロジの知識と能力をつけること。Piは2012年のローンチ以来、700万台も売れたが、その成功は主に、大人のメイカーたちがこの安いハードウェアでいろんなプロジェクトを作っていったところにある。

しかしPiの創始者(Eben Upton)のそもそもの動機が子どものテクノロジ教育にあり、Pi Foundationは今でも、学齢期の児童たちにこそ触ってもらいたいと願っている。

一方Code Clubの方は、2013年にローンチし、主に9〜11歳層の子どもたちにプログラミングによるものづくりの楽しさを教えようとしている。今イギリスでは44000名の子どもたちが放課後のクラブに参加していて、その約40%が女の子だ。

Code Clubのクラブはイギリスだけでも3150あり、ほかにブラジルやオーストラリア、ニュージーランドなどに1000あまりのクラブがある。

両団体とも、いくつかの慈善指向の出資者がついている。たとえばGoogleの場合は、次世代の労働者たちの多くがプログラミングのスキルを持っていれば、同社の事業もいよいよますます元気活発になれるだろう。

このほかCode Clubには、ARMやNesta、Samsung、それに英国内閣府もお金を出している。

Raspberry Pi FoundationのCEO Philip Colliganによれば、両団体は前にも一緒に仕事をしたことがあり、したがって今回の合体は‘当然の成り行き’だそうだ。

彼曰く、“両団体は活動分野がほぼ同じであり、目標も共通している。その達成を目指すやり方がすこし違うだけだ。しかし両者の能力の多くは、一緒にした方がより多くの人びとに到達できると思われる。両者が力を合わせれば、両方のスキルとリーチをを有効に組み合わせ、また投資を成長途上のCode Clubに振り向けることにより、世界中のすべてのコミュニティにクラブがある、という状態を作り出せるだろう”。

Code Clubの創始者の一人Clare Sutcliffe*はこう語る: “たしかにRaspberry Piにも世界中にすばらしいコミュニティがあり、その一部、たとえばこの国のRaspberry Piコミュニティは、すでにCode Clubのボランティアだ。したがってわれわれのねらいは、両者のコミュニティを刺激して世界中にCode Clubをスタートすることだ。そしてそれが、われわれの国際的な成長にも寄与するだろう。それも、ねらいの一つだ。Code Clubを世界のすべてのコミュニティに置くことが、われわれの計画だ”。〔*: もう一人の創始者。〕

“もはや、ぐずぐずしてるヒマはないね!”、とColliganは説く。

Pi FoundationとCode Club、どちらの団体にも、教師たちが子どもにコンピュータ科学やデジタルのメイカーへのなり方を教えられるようにするための、教師育成事業がある。イギリスではプログラミングが小中学校の必須科目になったが、しかし教師の数と能力が追いつかないのが最大の問題だ。(たとえば昨年イギリス政府は、教師にテクノロジ教育の能力を身につけさせるための補助事業…既存教育機関等への助成…に50万ポンドを支出した。)

“Piにも、教育者たちの強力なコミュニティがいくつかある”、とColliganは語る。“だから両団体の協働には理念だけではなく現実的な機会があり、これまでよりも、もっともっと多くの先生たちにリーチできる”。

もうひとつ両団体で共通しているのは、どちらも、プログラミングとデジタルのメイカースキルを勉強するための、無料のオンライン教材や学習サイトを、作ってきたことだ。

Colliganはこう述べる、“世界中の誰もが、自分の空き時間や学校の教程でわれわれの教材にアクセスし、それらを利用できる。両者が合体したことによってそれは、従来よりもずっとずっと強力なオンラインリソースになる”。

“Code Clubのやり方は、今のやり方で十分だが、イギリスでも世界でも対象人口を大きく広げたい”、と彼は話を締めくくった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Raspberry Pi 2はクアッドコアを搭載して処理スピードは6倍、お値段は35ドル据え置き

ついに出ました! 今日(米国時間2/2)発売されたRaspberry Piの強力なニューバージョンPi 2は、プロセッサはクアッドコア、メモリは倍増して、より厳しい処理ニーズに対応している。

Pi Foundationはまた、この新型機によりPiが“PCと互角に競合できる”パワーを持つに至った、と宣言している。

Piの作者Eben Uptonは、こう言っている: “Pi 1もPCとして使う人たちがいたが、35ドルのPCだからこんなもの、というあきらめもあった。Pi 2の最大の違いは、それがまさにPCであることだ。35ドルにしてはまあまあだね、ではなくて、文句なしのPCだ”。

“PCとして利用される多様なニーズがある、と確信している。Webブラウザはあるし、LibreOfficeをインストールできる。PCの入門機としては十分な性能だ”。

そのため、数か月後に出す予定の、本機のRaspbian参照インストールには、LibreOfficeなどの実用アプリケーションを最初から含める。OSは、ニーズによってはWindows 10をインストールしてもよい。

35ドルのPC入門機を必要とする人は、誰だろう? たぶん学校だ、とUptonは言う。“教材としていろんな目的で使えると同時に、汎用のコンピュータでもある”。

昨年はGoogleのチャリティ部門Google Givingが100万ドルを寄付して、イギリスの学童15000名にPiが無料で提供されることになった。また、KanoのDIYコンピュータPimoroniのFlotilla電子工作キットのように、Piをベースとするさまざまな教材製品も出回っている。Piはすでに、学校や児童生徒にかなり入(はい)り込んでいるのだ。

もちろんPiの用途は、組み込みシステムや、ホビー、ロボット工学など、とても幅広い。だからUptonは、“Pi 2ぐらいのパワーが求められる開発課題はいくらでもある”、と言っている。言い換えるとユーザコミュニティは、このようなハイパワーのRaspberry Piを前から求めていた、というのだ。

“たとえば画像処理は当然、高性能な処理能力を必要とする。ロボットにPiとカメラを搭載して環境を認識させようとすると、そのための画像処理のアルゴリズムは、シングルコアのARMよりもクアッドコアの高速なARMで動かしたいからね”。

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

お値段は変わらず

Pi 2の正式名称はRaspberry Pi 2 Model Bで、そのフォームファクタはPi Model B+と同じだから、過去のアドオンやアクセサリやオンラインのチュートリアルなどがそのまま使える。

“2年前ぐらいからもっと速いPiを求められていたが、こっちはフォームファクタを変えないために相当苦労した。2年もかかったのは、そのためだ”。

“互換性を捨てればもっと早く出せたと思うが、それではもうRaspberry Piじゃなくなる。別のコンピュータになってしまう。そうやってブランドを拡張するエンジニアリングよりも、実用性の高いエンジニアリングにわれわれは固執した”。

価格を35ドルに維持できたのは、Uptonによると、最初のPiが“規模の経済”の基盤を作ってくれたために、部品の大量発注が可能だったからだ。製造はPi 1と同じくイギリス国内で行われている(ウェールズのSonyの工場)。Pi 1のごく一部のみ、中国で生産されている。

Pi 2のプロセッサは900MHz Quad ARM Cortex-A7だ。昨年の夏に出たばかりのModel B+がこれまでの最速機だが、Pi 2はその6倍のスピードだ。

“これまで使ってきたシングルコアのARM 11はもう相当古い。クアッドコアのARM Cortex A7は新鋭機だし、Pi 1の6倍は速い”。

Pi 2はメモリを倍増して1GBになった。フォームファクタとインタフェイス機能は、前述のようにB+と同じだ。

“ユーザの要望は無限にある。昨年の7月にModel B+で、I/Oの増設やUSBポートの増設、フォームファクタの改良、省エネ化など、基本的な要望には対応した。でもそのほかの要望は、プロセッサとメモリをアップグレードしないと無理、というものが多かった”。

“そういう意味でPi 2は、Piに寄せられていた重要な問題の多くを解決している”。

Uptonの予想では、Pi 2は発売初日に少なくとも1万、うまくいけば10万は売れる、という。“スパイクには十分対応できると思うけど、もしかしたら、待ち行列ができてしまうかもしれない”、と彼は言う。

現在のPiの売れ行きは毎月20万強だ。あとしばらくは、このペースが続くとUptonらは予想している。Pi 1の生産を打ち切る予定はないから、ユーザはPi 2へのアップグレードを急ぐ必要もない。

“どちらも、需要があるかぎり生産を続ける”、と彼は言っている。

これまでに売れたPiの総台数は約450万、オリジナルのModel Bがローンチしたのは3年前の2012年2月だ。

“量では、北米地区がいちばん多く売れているけど、人口一人あたりではそれほどでもないね。今、いちばん勢いづいているのは中国。前は少なかったけど、今は急速にPiの需要が伸びている。Piが、本格的に使われ始めているようだね”。

そのほかのPi

昨年の11月に発売したModel A+はどうだろう? Uptonによると、20ドルという価格は魅力的だから、今後は後継機の一つとして伸びると思っているが、それにはまだ時間がかかりそうだ、という。

“A+は売れてるんだよ。オリジナルのModel Aより売れてる。20ドルという価格と、小さなフォームファクタ、そして省エネ、この三つの組み合わせは、現実に強力なセールスポイントになっている。だからA+はうちのローエンド機として、少なくともあと1年は需要が続くと思っている。でも、2016年になったら、クアッドコアにするとか、メモリを増設するなどを検討しなければならないだろう”。

“実際にはあれは、うちが企画した製品ではない。うちの余力としてやってるようなものだね”。

10月のDisrupt Londonで同社が見せたタッチパネルタイプのPiは、今でも開発が進められている。本番生産のための部品が倉庫で寝ているけど、UptonらはPi 2を優先したのだ。“タッチパネルは今四半期(1-3月)内には何とか仕上げて、ローンチまでこぎつけたい”、とUptonは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))