モバイルアプリに簡単にコミュニケーション機能を導入できるサービスSinchをVoIPのRebtelが出産

スウェーデン製のSkypeと呼ばれるRebtelが、1200万ドルを投じて、デベロッパがどんなモバイルアプリにもコミュニケーション機能を持たせられるためのツールを作る会社Sinchを誕生させた。

SinchのサービスはLayerやTwilioに似ているが、これら競合他社と違って“ほんの小額で”iOSやAndroidアプリにメッセージングやビデオ通話の機能を加えられる点が違う、と同社は主張している。

つまりSinchには親会社のRebtelのライセンスとパートナーシップがすでにあるから、他社接続(call termination)など、通常は高価な処理も安くできる。

アプリ間通話やインスタントメッセージングは、参加ユーザ数と通話時間で課金される。アプリから電話通話やSMSをする場合は、時間と本数で課金される。どちらの場合もTwilioよりは安く、またLayerなどにない機能が提供される。

デベロッパはSinchを使って、自分のアプリに無料通話、メッセージング、グループメッセージング、SMS、そして他社接続を実装できる。

Rebtelが前から提供しているSDKにも、アプリ間通話やメッセージングの機能はあるが、こういうサービスは独立させた方がよい、とこのたび判断したのだ。

なお、RebtelのSDKは無料だったが、Sinchのサービスは(安いとはいえ)無料ではない。

Sinchは今、40名の社員がストックホルムとサンフランシスコのオフィスにいる。またIndex VenturesやBalderton Capitalなどの投資家がRebtel経由で投資をしている。

SinchのCEO Andreas Bernströmによると、デベロッパが自分のアプリにSinchのコードを盛り込む作業は、セットアップも含めてほんの数分で終わるそうだ。

デベロッパツールの革命が今進行中だ。アプリ構築のためのツールやサービスを提供する企業がこのところ、ますます増えている。しかも、さらに、デベロッパツールは新しいエンタプライズツールだ、とも言われるご時世になっている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


消費者向けVoIPのRebtelがAPI/SDKの無料提供でデベロッパ世界に進出, Twilioらのお株を奪う気だ

【抄訳】

スウェーデンの(より小さな)Skypeと呼ばれることもあるVoIPプロバイダRebtelが今日(米国時間4/24)SDKをリリースしたので、iOSやAndroidのアプリデベロッパはAPIを直接呼び出すことにより、自分のアプリにRebtelのボイスコールを埋め込むことができる。Index VenturesとBenchmarkが投資しているRebtelは、小売企業や消費者に安価に提供しているVoIPサービスですでに利益を上げている。その月間アクティブユーザ数は2200万に達する。

Rebtelが今回無料で提供するAPIは、既存のスタートアップ勢力、TwilioCallfireTelAPIなど、モバイルキャリアから分単位課金の通常電話の顧客を奪いつつある破壊的革新勢力への挑戦でもある。

SDKは12月に非公開ベータで立ち上げられ、TGTHR、Agile Dimension、eXeltior、MobisleAppsなどがテスターとして参加した。そして今日からは、セルフサービス型のプラットホームとして一般公開される。

“今年中には数千のデベロッパとプロジェクトがこのSDKを利用し、彼らのアプリから1000万〜1500万ぐらいのエンドユーザがRebtelのVoIP機能を使う、と想定している”、RebtelのCEO Andreas Bernströmは本誌にそう語った。実際に同社には、世界中から数千のデベロッパからの問い合わせがあるそうだ。その主な国や地域は、インド、中国、ヨーロッパ、そして合衆国だ。これまでは同社の予想は当たっており、たとえば2012年の売上予想8000万ドルに対し実際は7960万ドルだった。2013年は、1億ドルを突破しそうな勢いだという。2〜3年後にはIPOもありうるらしい。

Bernströmの構想は、VoIPのAPIを無料にすることによって、その利用を底辺の…いわゆるロングテールの…デベロッパやアプリに広めることだ。その典型的な例がデートアプリのMaybeで、ここではユーザ同士がお互いによく知り合うためにVoIP機能を提供している。今モバイルのデベロッパは、iOSとAndroid合わせてざっと75万人おり、彼らのアプリの総数は150万に達する、とRebtelの(獲らぬ/獲る狸の)皮算用は計算している。

そして将来の収益化/マネタイゼーションは、アップタイムの保証や陸線電話への接続などより高度なサービスを大口ユーザに対し有料化することによって確保する、という構想だ。そして、これまで消費者向けサービスだけだった同社が、デベロッパレベルのサービスからも収益を確保できるようになる。言い換えるとTwilioなどと並んで、デベロッパたちのあいだでのブランドイメージを、確立し拡大していくことだ。今現在は、デベロッパの世界ではRebtelは無名に等しいが。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))