クラウドアプリをAIで強制的に最適化するOpsani

米国カリフォルニア州レッドウッドのOpsaniは、クラウドアプリケーションに対し、従来のときどき行うパフォーマンスモニタリングではなくて、コンスタントに絶えず行うように最適化したいと考えた。そのためには人工知能を利用して、最適な状態をソフトウェアが学習できるようにしたい。

同社の共同創業者でCEOのRoss Schibler(ロス・シブラー)氏は次のように説明する。「強化学習を利用する機械学習のテクニックで、クラウド上のアプリケーションのパフォーマンスをチューンナップするんだ」。

シブラー氏によると、何を最適化したいかは企業によっていろいろだ。だから、「リソースまわりのさまざまなパラメータを変えてみて、そのアプリケーションのパフォーマンスを見守る。サービスとしてのアプリケーションがリアルタイムで作り出している、ビジネスの状態を表す重要な測度は何か? それは単位時間あたりのトランザクション数か、それともレイテンシーか?何にせよ、それがビジネスの重要なパラメータなら、われわれはそれを使う」と彼は言う。

彼の主張では、OpsaniはNew RelicやAppDynamicsのようなモニタリングサービスと違って、パフォーマンスをウォッチしてフィードバックをアドミンに伝えるのではなくて、パラメータを実際に変えてアプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで上げる。それができるためにはアプリケーションの特徴と、最適化に関するデベロッパーの要望をよく知らなければならない。

アプリケーションがなるべく安いクラウドリソースを使うように最適化するSpotinstのような最適化ツールがあるが、Opsaniはそれに似ている。ただし最安リソースを見つけるのではなくて、実際にアプリケーションをチューニングする。

同社は最近、Redpoint VenturesがリードするシリーズAのラウンドで1000万ドルを調達した。これには、前からの投資家Zetta VenturesやBain Capitalも参加した。

それでも同社はまだ若い会社で、社員数は10名あまり、そして顧客数もひとにぎりだ。その1000万ドルは、社員の増員とプロダクトの改良に当てたいとのこと。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

今日のエンタープライズITは複雑多様な要素で構成、その全体的管理に挑戦するLightStepが$29Mを調達

アプリケーションのパフォーマンスを管理するツールを開発したLightStepが、2900万ドルの資金調達を経てついにステルス状態を脱した。

GoogleのエンジニアだったBen Sigelmanが創った同社は、エンタープライズの全域にわたる各種アプリケーションの稼働状況をチェックする一連のソフトウェアツールを開発した。

LightStepの声明文によるとSigelmanはGoogleで、毎秒20億のトランザクションを分析できる分散モニタリングシステムDapperの開発とオペレーションを担当した。また彼は、Cloud Native Computing FoundationのOpenTracingスタンダードの開発にも関与した。

同社の顧客リストすなわち初期からのユーザーにはDigital Ocean, Github, Twilio, Yextといったそうそうたる顔ぶれが名を連ね、それに感銘したSequoiaが最新の2000万ドルの投資に踏み切った。

またそれ以前には、Redpointと最初のシード段階の支援者Cowboy VenturesやHarrison Metalから750万ドルを調達している。

2015年に創業されたLightStepは、企業全体にわたって今生じているトランザクションのすべてをリアルタイムで追跡する能力を誇っている。それらのトランザクションは通常、数ダースものさまざまなサービスが、彼らのAPIで絡み合うことによって遂行されている。

同社のソフトウェアは分散的なアーキテクチャを持ち、データを、Sieglmanらが作ったOpenTracingスタンダードのネイティブな統合からか、または、そのほかのトレーシングコミュニティのオープンソースプロジェクトから取り込む。一点に集中化されているさまざまなアプリケーションやサービスのデータロギングや、またEnvoy, linkerd, haproxyといったメッシュ技術やロードバランサーからのデータも、モニタリングと分析の対象になる。

同社の統計エンジンが異状を見つけると、データフローのリプレイ、記録、そしてエンドツーエンドのトレースが行われる。それによって、それらのデータに触っているさまざまなサービスにまたがるコンテキストが提供され、問題の所在を突き止めることができる。

同社Enterprise Strategy GroupのアナリストDaniel Condeは、声明文の中でこう述べている: “今日のエンタープライズが日々実際に運用しているアプリケーション(‘プロダクションアプリケーション’)は、一つの鋳型で作られてはいない。マイクロサービスの集合があるかと思えば、モノリシックなアプリケーションもある。そしてデプロイメントは、ベアメタルのサービスとハイブリッドクラウドのプラットホームが混在している。これだけ多様なものが共存して互いに統合し合うことが、今日のエンタープライズのニーズであり、したがって現代のアプリケーションパフォーマンスモニタリングは、これらさまざまなモデルのすべてから、エンタープライズ全体にわたるデータを集めてくる必要性がある”。

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Androidを作ったAndy RubinはGoogleを辞めて何をしているか?ハードウェアインキュベータと老舗VCのパートナーだ

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2014年の1月に、Androidの協同ファウンダAndy Rubinは、それまで9年在籍したGoogleを去った。

当時の噂では、彼はPlaygroundと名づけたハードウェア専門のインキュベータを作っている、と言われた。そして今朝(米国時間4/6)は、まさにそのインキュベータが480万ドルを調達したことが、公表された。

しかも、それだけではない。今の彼はRedpoint Venturesのパートナーでもあるのだ。

2005年にAndroidをGoogleに売る前のAndyは、Dangerの協同ファウンダだった。Sidekick/Hiptopを作ったことで知られる企業だ。

Redpointが創業されたのは1999年で、そのポートフォリオ企業は今では300を超えている。有名どころでは、Nextdoor、Path、Sonos、Stripe、Twilio、それにAndroidをベースとするAndroidコンペティタ(競合実装系)Cyanogenもいる! RubinのPlaygroundインキュベータにも投資している、とRedpointのJeff Brodyは言っている。

RubinはRedpointでの新しい役割を、今日の午後のツイートで確認した

[Redpointに加わるなんて、これ以上のコーフンはないね。身震いしてるよ。]

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無理のないエラスティックな分散ストレージプラットホームHedvigがステルスを脱して$12Mを調達

新しいストレージプラットホームのローンチが、それが分散型という珍しいタイプのものであっても、人の胸をときめかせることはないと思うが、今日ステルスを脱して新たな資金調達を発表したHedvigには、ちょっと気にしてみたくなるすごい血統がある。HedvigのファウンダAvinash Lakshmanは、FacebookでCassandraを発明し、Amazonでは他と共同でNoSQLデータベースDynamoを発明した人物なのだ。スケーラブルな分散ストレージの作り方を知っている人といえば、それはたぶんLakshmanのことだ。

同社の今日の発表によれば、シリーズAで1250万ドルを調達し、ラウンドを仕切ったのはAtlantic Bridge Capital、これにTrue VenturesとRedpoint Venturesが参加した。この資金は同社の初のプロダクトの市場展開と、技術営業両面における陣容拡大に投じられる。

Hedvigの核となる考え方は、これまでのストレージでは、今日の企業が日々作り出しているデータの膨大な累積量とその増加になめらかに対応できない、というものだ。対してHedvigの分散プラットホームでは、ストレージの拡張が必要に応じて簡単にできるし、ストレージのアーキテクチャを頻繁に組み直す必要もない。

Lakshmanはこう書いている: “Hedvigは、企業が最初からすべてを分かっていると想定して、多くの時間と労力と予算を押し付け、やがて時の経過とともにそれが陳腐化する、というやり方を採らない。むしろ、まず既存のストレージ資産に無理なく適応し、その後、必要に応じて未来のストレージの購入もできる、という方式を提案する。そのストレージは、プロプライエタリなものでも、コモディティでも、どちらでもよい”。

Hedvigの主張によると同社のストレージソリューションは、ハードウェアとコンピューティング環境を特定せず、レガシーシステムでも仮想化システムでもクラウド環境でもどこでも利用できる。ユーザには“AWS的にシンプルな”利用インタフェイスを提供する(AWSのインタフェイスがシンプルだと言うAWSユーザはほとんどいないと思うが)。ストレージのプロビジョニングはアドミン自身が簡単にやれて、また社内社外のユーザにセルフサービス型のアクセスを提供できる。小さな展開からペタバイト級へのスケーリングも容易であり、データはその企業の方針によりオンプレミスでもパブリック/プライベートなクラウドでも、どこにあってもよい。

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