インド最高裁がFutureとRelianceの3740億円の取引を停止する判決、アマゾンを支持

インドの最高裁判所は現地時間8月6日、Amazon(アマゾン)を支持し、Reliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)へのFuture Group(フューチャー・グループ)売却を停止する判決を下した。これは、米国の電子商取引大手が海外の重要市場で大きな勝利を収めたことを意味するとともに、インドの大富豪Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏にとっては打撃となった。

関連記事:インド最大の小売Reliance Retailが2番手Future Groupの事業を3580億円で買収

インド最高裁は、シンガポールの仲裁裁判所が2020年下したインドの大手2社間の取引を停止させる判決がインドで強制力と法的拘束力をもつと述べた。

今回の裁判所の命令は、国内第2位の小売チェーンを運営し、資金に飢えているFuture Retailにとって、また1つ後退となった。

インド最大の小売チェーンであるReliance Retail(リライアンス・リテール)は1年前、Future Groupとの間で、同グループの小売・卸売事業および物流・倉庫事業を34億ドル(約3740億円)で買収することで合意したと発表していた。

まもなく事態は複雑になり始めた。2年前にFuture Groupのある部門に出資していたAmazonが、同グループの契約違反を訴え、シンガポールの仲裁人にインド企業間の取引停止を打診したのだ。

AmazonとFuture Retail(フューチャー・リテール)の契約上、AmazonにはFuture Retailの株式に関して優先購入権があったとAmazonは主張している。

これに対しインド企業2社は2020年、シンガポールの裁判所命令は南アジア市場では有効ではないと主張した。さらに、インドの監視機関であるインド競争委員会は、2020年、そのインド企業間の取引を承認した

関連記事:Amazonに新たな頭痛の種、インド政府がRelianceによる3580億円のFuture Group買収を承認

Reliance Industriesは当時、Future Retailとの取引はインドの法律に基づき完全に執行可能であり「遅滞なく」取引を完了させるつもりだと述べていた。

インドの400都市で1700の小売店を運営するFuture Retailの株価は8月6日の裁判所命令を受け6%下落し、Reliance Industries(Reliance Retailを経営するコングロマリット)は1.3%下落した。

Amazon、Walmart(ウォルマート)のFlipkart(フリップカート)、そしてインドで最も価値ある企業であるアンバニ氏のReliance Industriesは、インドの小売市場を支配すべく激しい戦いを繰り広げている。

インドの小売市場における電子商取引の比率は3~7%にすぎない。Reliance RetailはAmazonやFlipkartに対抗するために独自の電子商取引事業を立ち上げた。多くの業界アナリストは、報じられているAmazonとReliance Retailとの将来の提携が、Amazonがインドで将来的に成功するために重要だと考えている。

8年前にインドで活動を開始したAmazonは、これまでに65億ドル(約7150億円)以上をインドでのローカルビジネスに投資してきた。

2006年創業のReliance Retailは、インド国内の6500以上の市や町にある約1万2000の実店舗を通じて、(2021年初め時点で)毎週350万人以上の顧客に商品を提供している。

インドで最も裕福な男、ムケシュ・アンバニ氏が経営するこの小売チェーンは、2020年70億ドル(約7700億円)以上を調達した。また、アンバニ氏の別のベンチャー企業であるJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)は2020年、Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)を含む10社以上の著名な投資家から200億ドル(約2兆2000億円)以上を調達した。

カテゴリー:その他
タグ:インドFutureRelianceAmazon裁判

画像クレジット:NOAH SEELAM / AFP / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

印Reliance Retailがローカル検索Just Dialの支配的な持ち分を約516億円で取得

Reliance Retail(リライアンス・リテール)は現地時間7月16日、25年の歴史を持つインドのサーチ・ディスカバリー企業であるJust Dial(ジャストダイヤル)の支配的な持ち分を4億6900万ドル(約516億円)で取得したと発表した。

市場をリードするインドの大手小売企業は、上場企業であるJust Dialの41%の株式を4億6900万ドル(約516億円)で取得したこと、後に追加で26%の株式を取得するためのオープンオファーを行うことを発表した。両社は共同プレスリリースで、Just Dialの創業者で最高経営責任者のVSS Mani(VSSマニ)氏が引き続き同社でリーダーシップを発揮すると発表している。

Just Dialは、ウェブサイト、モバイルアプリ、電話回線を通じて、ローカル検索とeコマースサービスを提供している。インドのユーザーは、「8888888888」をダイヤルするだけで、地元の配管工やホテルの詳細、ハウスキーピングサービスなどについて照会することができる。

創業10年になる同社は上場前にTiger Global、Elevation Capital、Sequoia Capital India、Sapphire Ventures、Nalanda Capitalから約1億200万ドル(約112億円)の資金を調達した。同社は膨大なデータベースを構築しており、その検索結果は、Google(グーグル)などの検索エンジンの上位に表示されるほど有用で適切な情報を提供している。

ユーザーは無料で利用できる。Just Dialは企業や個人のサービスプロバイダーに掲載料を請求する。

Just Dialのウェブサイトのスクリーンショット

「約25年前、私たちは、ユーザーに迅速かつ無料で信頼性の高い包括的な情報を提供し、買い手と売り手を結びつけることに特化した、つながりのある単一のプラットフォームを構築するというビジョンを持っていました」とマニ氏は話した。

「私たちのビジョンは、サーチやディスカバリーを提供するだけでなく、B2Bプラットフォームを通じて商人間の取引を促進し、さらにプラットフォームエンゲージメントによって消費者と商人との間の商取引を可能にすることへと発展しました。Relianceとの戦略的提携により、このビジョンを実現し、今後のビジネスを変革することができます」と語った。

Just Dialの買収は、Reliance Industriesグループが直近四半期に実行した数多くの買収の1つだ。グループには、子会社として通信大手のJio PlatformsやReliance Retailが含まれ、2社は2020年、Facebook(フェイスブック)やGoogleなどの著名な投資家から合計で270億ドル(約2兆9700億円)以上を調達した。

関連記事
グーグルがインドの通信大手Reliance Jio Platformsに約4800億円出資
インド小売最大手のReliance Retailが家具通販のUrban Ladderを約25.5億円で買収
インドの裁判所がリテール大手Future GroupのパートナーAmazonに関する請願を却下

Relianceは8月、医薬品マーケットプレイスのNetmedsの親会社であるVitalicの株式の60%を約8320万ドル(約92億円)で取得した。また、11月にはオンライン家具のUrban Ladderを2440万ドル(約27億円)で買収した。

加えてReliance Retailは2020年、Future Groupと34億ドル(約3580億円)の契約を締結し、インド第2位の小売チェーンの事業をいくつか買収した。この取引はまだ成立しておらず、米国のeコマース大手Amazon(アマゾン)との訴訟の中心となっている

Reliance RetailのディレクターであるIsha Ambani(イシャ・アンバニ)氏は声明で「Relianceは、ビジネスの洞察力と忍耐力によって強力なビジネスを作り上げたJust Dialと第1世代の起業家であるVSSマニ氏と提携することに興奮しています」と述べた。

「Just Dialへの投資は、当社のパートナーである何百万もの加盟店や零細・中小企業のデジタル・エコシステムをさらに強化し、ニューコマースに対する当社のコミットメントを明確にするものです。今後の事業拡大に向けて、Just Dialの経験豊富な経営陣と協力していくことを楽しみにしています」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Reliance Retailインド

画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

Amazonに大打撃を与えるインドRelianceによるFutureの資産買収を同国証券取引所が承認

インドの証券取引所は、インド時間1月20日午後、同国の小売大手であるReliance Retail(リライアンス・リテイル)による、Future Group(フューチャー・グループ)の34億ドル(約3521億円)の資産買収を承認した。これはAmazon(アマゾン)にとって大いなる打撃となる。Amazonはこれまで世界第2位のインターネットマーケットであるインドに対して65億ドル(約6731億円)を投資しており、前述の大手2社間の買収を阻止しようとしていた。

ボンベイ証券取引所(BSE)は通知の中で、インドの市場規制当局であるインド証券取引委員会(SEBI)と協議をしたが、この買収についての反対や異論は特に出されなかったと述べている。

この1月20日の通達は、インドの2大小売チェーンであるFuture GroupとReliance Retail間の数十億ドル(数千億円)規模の買収を阻止しようと、SEBIとインド公正取引委員会に嘆願を行っていたAmazonにとっては、最も新しい打撃となった。2020年、インドの公正取引委員会(Competition Commission of India、CCI)は両社の買収合意にゴーサインを出していた

今回の通知には「当証券取引所はここに、上場規定内での上場 / 上場廃止/ 上場継続要件に関係する事項に照らして、特に反対意見はなかったことをここに通知し、同社がNCLT(会社法裁判所)へ申請を行うことを認める」と書かれている。SEBIはFutureに対して、現在進行中のAmazonとの訴訟のさまざまな情報を、取引の承認を保留しているNCLTに提出するように助言した。

Amazonは2019年に、当時1億ドル(約103億4000万円)以上と評価された取引で、Future傘下の未上場企業1社の株式の49%を購入していた。その取引の一環として、Futureはライバル企業に資産を売却することはできないことになったはずだと、Amazonは法廷で主張してきた。

Future Groupの最高経営責任者であり創業者のKishore Biyani (キショア・ビヤニ)氏が、最近のオンライン仮想会議で、事態が変わったのは、2020年の新型コロナウイルスパンデミックが、Futureを現金不足に追い込んでからだと語っている。2020年8月にFuture Groupは、インド最大の小売チェーンを運営するAmbani(アンバニ)氏のReliance Industriesとの間で小売、卸売、物流、倉庫事業を34億ドル(約3521億円)で売却することで合意したことを発表した。

Amazonはこの取引に対して、シンガポールの仲裁人を介して抗議を行い、裁判所に対してこのインドの小売大手の間の取引を阻止するように求めた。Amazonは2020年10月下旬に、シンガポールの仲裁裁判所から、Future Grpupの売却を一時的に阻止する緊急命令を得た

仲違いした両社は、2020年にデリー高等裁判所で争ったが、そこではFutureとRelianceの間の取引に対して、Amazonが規制当局や他の公的期間に懸念や撤回を求める要請を出すことを一時的に差し止めてほしいとする、Futureからの嘆願が拒絶された。これは米国の大企業Amazonにとってのかすかな希望となった。

Amazonの広報担当者は、同社は法的救済措置を追求し続けるとTechCrunchに語っている。「BSEとNSEが発行した書簡には『調停の草案』(提案された取引)に対するSEBIのコメントが、現在進行中の仲裁やその他の法的手続きの結果に従うべきであると明記されています。私たちは、私たちの権利を行使するための法的救済措置を引き続き追求していきます」と広報担当者は述べている。

ここで争われているのはインドの小売市場だ。コンサルタント会社BCGと地元の取引グループであるインド小売業協会によれば、インドの小売市場は2019年の7000億ドル(約72兆3000億円)から2025年には1兆3000億ドル(約134兆4000億円)に膨れ上がると推定されている。オンラインショッピングは、インドの小売業全体の約3%を占めているに過ぎない。

関連記事
インド最大の小売Reliance Retailが2番手Future Groupの事業を3580億円で買収
Amazonがインドのスモールビジネスのデジタル化促進のため約1100億円を投資
Amazonに新たな頭痛の種、インド政府がRelianceによる3580億円のFuture Group買収を承認
インドの裁判所がリテール大手Future GroupのパートナーAmazonに関する請願を却下

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonReliance RetailFuture Group買収インド

画像クレジット:Noah Seelam / AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:sako)

Amazonに新たな頭痛の種、インド政府がRelianceによる3580億円のFuture Group買収を承認

インドの規制機関、Competition Commission(CCI、インド競争委員会)は米国時間11月20日、Future GroupとReliance Retailという同国の2大小売業巨人間の34億ドル(約3530億円)の契約を承認し、この提携に不服申立をしていた米国のeコマースグループ、Amazon(アマゾン)に新たな頭痛をもたらした。

インドの公正取引機関であるCCIは短い声明で、インド第2の小売業チェーンであるFuture Groupの小売、卸売、運輸、および倉庫事業を、最大チェーンのReliance Retailが買収することを承認したことを発表した。Relianceはアジア最大の富豪、Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が支配している。

Reliance RetailとFuture Groupは2020年8月末、両社間の34億ドルの買収契約を発表した。Future Groupの持株会社の1つの株主(未訳記事)であるアマゾンはこの契約に不服を申し立て、同社がインサイダー取引を行い契約に違反したと主張した。アマゾンは、Future Groupの持株会社であるFuture Couponsとの契約によって、同グループの資産をReliance Retailのような競合他社に売却することは禁じられていると訴えた。

10月末、シンガポール仲裁裁判所はインドの2大小売業巨人間の契約に一時停止命令を発行した(未訳記事)が、それがインドでどの程度有効なのかは未だに不明だ。裁判所命令の発行後すぐ、Future GroupとReliance Retailは、契約は「一切の遅滞なく」完了に向けて進められていると語った。

20日の発表は極めて重要だ。 インド事業に65億ドル(約6740億円)以上を投資しているアマゾンは、インド競争委員会と証券取引委員会に対し、シンガポール国際仲裁センターの命令を考慮して取引を中止させるよう、要望を出していた。

Future Groupは現在デリーの裁判所でアマゾンと係争中で、そこではインド企業の弁護士が奇っ怪な文言で米国企業を非難している。弁護士は一度ならず、Future Groupの取引を阻止しようとするアマゾンの行為を、インドの200年近い植民地支配の始まりとなった英国商社、東インド会社になぞらえた。

アマゾンはコメント要求に「直ちには」応じていない。

Future Groupは、アマゾンとの契約はReliance Retail との契約に対して無効であり、もし買収が阻止されると何万人もの人が職を失うと主張している。

インドの2大小売りチェーン同士の契約は、CCIが小売業界の価値連鎖(卸売、運輸、倉庫、店頭販売)全体を見直す機会としても見られていた。この日に下された承認決定は、公正取引機関がこの買収について、関連する業界の競争に悪影響を及ぼさないだろうと結論を下したことを意味している。

関連記事
インド最大の小売Reliance Retailが2番手Future Groupの事業を3580億円で買収
Amazonがインドのスモールビジネスのデジタル化促進のため約1100億円を投資

カテゴリー:その他
タグ:AmazonFuture GroupReliance Retailインド

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インド小売最大手のReliance Retailが家具通販のUrban Ladderを約25.5億円で買収

Reliance Retail(リライアンス・リテイル)は家具通販スタートアップUrban Ladder(アーバン・ラダー)の過半数株式を取得し、インド最大の小売チェーンとしてAmazon(アマゾン)、Flipkart(フリップカート)との戦いに向けてeコマースを強化した。

現地証券取引所への申請書類で、Reliance RetailaはUrban Ladder株式の96%を約2443万ドル(約25億5000万年)で取得したことを明らかにした。インドの小売最大手は、設立7年半のスタートアップから残りの株式を購入する権利を保持しており、2023年12月までに追加で1006万ドル(約10億5000万円)を投資する提案をしたと語った。

2012年4月設立されたUrban Ladderは家庭用の家具および装飾品をオンライン販売(未訳記事)おしている。同社はインドのいくつかの都市で実店舗の小売チェーンも展開している。買収条件からみて投げ売りだったことを思わせる。

Urban Ladderはこれまでに1億1500万ドル(約120億2000万円)をSequoia Capital、SAIF Partners、Steadview Capital、MITを始めとする投資家から調達したとCrunchbaseとTracxnは示している。2020年3月までの会計年度で、インドのスタートアップは5820万ドル(約60億9000万円)の売上で663万ドル(約6億9000万円)の損失を計上した。

Reliance Retailはこの投資について「グループのデジタルおよび新たなコマースへの取り組みを可能にし、グループが提供する消費者製品ラインアップの幅を広げるとともに、小売事業全体のユーザーエンゲージメントと体験を向上させるものです」と声明で語った。

Urban Ladderの買収に先駆け、Reliance Retailは2020年にFuture Groupと34億ドル(約3554億8000万円)の契約を完了し、インド第2位の小売チェーンから事業のいくつかを買収した。8月には医薬品マーケットプレイス、Netmedsの親会社であるVitalicを約8320万ドル(約87億円)で買収した(未訳記事)。

Reliance RetailはReliance Industies(インドで最大評価額の会社)の傘下にあり、この数カ月で約64億ドル(約6691億1000万円)を調達した。姉妹子会社のJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)は、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)らの著名投資家から合計200億ドル(約2兆910億円)以上を獲得している。

Reliance Retailaは、インドの6500を超える市町にある1万近い店舗を通じて、毎週350万人以上の顧客に対応しているほか、Jio PlatformsとのジョイントベンチャーであるJioMartでeコマース事業にも参入している。JioMartは現在200以上のインド市町に進出しており、フェイスブックとの提携によってWhatsAppとの統合も果たしている。

関連記事
インド最大の小売Reliance Retailが2番手Future Groupの事業を3580億円で買収
サウジアラビア政府系ファンドがインド最大の小売Reliance Retailに約1340億円出資
グーグルがインドの通信大手Reliance Jio Platformsに約4800億円出資
インドのeコマースベンチャーJioMartが国内200市町村でサービス開始
インド拠点のeコマースJioMartが商品をWhatsAppで注文するシステムをテスト中

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Reliance Retail買収eコマース

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サウジアラビア政府系ファンドがインド最大の小売Reliance Retailに約1340億円出資

2020年、Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏の通信ベンチャーJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)に15億ドル(約1550億円)を(未訳記事)、光ファイバー事業に5億ドル(約520億円)超を(未訳記事)投資したサウジアラビアのPublic Investment Fund(PIF、公的投資基金)が、インドで最も裕福なアンバニ氏の事業を支援するために再び戻ってきた。

政府系ファンドであるPIFはインド最大の小売チェーンであるReliance Retail (リライアンス・リテール)の持ち分2.04%を13億ドル(約1340億円)で取得する。この投資により、2006年創業のReliance Retailのバリュエーションは624億ドル(約6兆4500億円)になる。

Reliance Retailはインド国内6500超の市町村に約1万店を展開し、2020年初めの時点では毎週350万人が利用していた。同社が今年9月以降に調達した額は64億ドル(約6600億円)を上回る。

2020年、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などを含むさまざまな投資家からJio Platforms向けに200億ドル(約2兆670億円)超を集めたアンバニ氏は、今年末までにReliance Retail向けに数十億ドル(数千億円)を調達する。Reliance Retailへの出資が見込まれる企業の1社はAmazon(アマゾン)で、同社はすでにインドの小売事業に65億ドル(約6720億円)超を注いできた。

Relianceが、インドで2番目に大きい小売チェーンFuture Retailの事業の一部を34億ドル(約3500億円)で買収するという案件は現在行き詰まっている。Future Retailの子会社の1つの少数株を所有するアマゾンは、RelianceとFuture Retailのディールを阻止すべく法的手段に出た。Future RetailとReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)はこのディールを進めるつもりだと述べた。

「Relianceは、サウジアラビア王国と長年関係を持っています。PIFはサウジアラビアの経済トランスフォーメーションの最前線にいます。 Reliance Retailの重要なパートナーとしてPIFを歓迎します。また、インド国民13億人と何百万という小売店の暮らしを豊かにすべく、インドの小売部門を変革する野心的な取り組みを続けるにあたって、PIFの持続的なサポートとガイダンスに期待しています」とアンバニ氏は声明で述べた。同氏はReliance Retailの親会社Reliance Industriesを経営している。

Reliance Retailは2019年に、Jio Platformsとの合同ベンチャーJioMart(ジオマート)を通じてeコマースの分野に進出した。JioMartはいま、インド国内200以上の市町村で店舗を展開し、またWhatsApp(ワッツアップ)統合でフェイスブックと提携している。2020年初めにJio Platformsに57億ドル(約5890億円)を投資したフェイスブックは、インドの6000もの家族経営店や中小企業をデジタル化するためにRelianceと協業するさまざまな方法を検討していると述べた。

「インドで最もエキサイティングな部門をリードしているReliance Industriesとの信頼できるパートナーシップをさらに深化させることを嬉しく思います」とPIF総裁のYasir Al-Rumayyan(ヤセル・ルマイヤン)氏は声明文で述べた。「今回の投資は、サウジアラビア国民へのリターンを生み出し、サウジアラビアの経済分散を押し進めるというPIFのコミットメントを示すものです」。

カテゴリー:その他
タグ:Reliance Retail資金調達インド

画像クレジット:DIBYANGSHU SARKAR/AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi