Tissot T-Touch Solar Expertは、ギークのためのハイキングウォッチ

Tissot T-Touch製品ラインは、長年、スイスが出したクォーツ製ハイキングウォッチのユニークな答えだった。Tissotは、カシオ、セイコー、シチズンらの作る高度計気圧計スーパーウォッチに対抗している唯一の会社だ。そして、これまで素晴らしい仕事をしてきた。

最新モデルのTissot T-Touch Solar Expertは、T-Touch Expert直系の後継機で、充電式バッテリーとソーラー文字盤を備え、電池交換なしで何年も動き続ける。

名前から想像できるとおり、T-Touchの文字盤はタッチセンサー付きで、ベゼルに沿ったラベルをタップすることによって様々な機能を起動できる。このモデルは、コンパス、タイマー、高度計、気圧計を内蔵し、そこそこ正確な温度計もある。タップして機能を有効にすると、2本の針が驚くような速さで回転する。何と言ってもいちばんクールな機能はコンパスで、針がクルクルと回った後、方角を示し始める。

T-Touchは、長年優れたトレッキングウォッチとして知られているが、ラバーベルトモデルが1150ドル、金属ベルトが1250ドルというのは、高価な提案だ。ちなみにCasio Pro Trekの最高価格品が、200ドルで機能はほぼ同等で、SuuntoやCitizenといった会社も同じような機能 ー GPS時刻設定を含む ー の優れた製品を1000ドルをはるかに下回る価格で作っている。

しかし、ウォッチスノブの一人として、私はやはり、T-Touchの控えめな文字盤とユニークなインターフェースを好む。文字盤をタッチすると小さな針たちが素早く、正確に動く。針は1分刻みで進み、世界時計の設定では1秒あたり1時間進むので、時刻設定は簡単だ。すこく楽しくもある。ソーラー機能が素晴らしい、Tissotはソーラー無しモデルもあまり価格を下げていない。残念なからスイスのきまぐれなプライシングによって、非ソーラー版でさえ価格は1200ドルであり、これは、安く手に入れるためには、ネットで中古品を探すしかないことを意味している。

45 mmという大きさは、以前の43 mmよりもすこし大きめで、小さな手首には合わないかもしれない(妻は私の前世代モデルを着けているが)。私は、このシリーズのオレンジ色のベルトも恋しい。あれは、元のT-Touchを特にクールにしていたた要因だった。しかしこれらは些細なことであり、全体的なサイズ、軽量、耐久性はおおいに魅力的だ。

本格的ハイキングを考えている人は、おそらくもっと高機能の腕時計が欲しくなるだろうし、この製品は間違いなくランニング用ではない。これは、スーツ姿で着けられるCasioだと思えばよい。Tissotはこの時計で最先端技術を進歩させてはいないが、シンプルな高度気圧コンパスウォッチとして、十分投資に値する。方角に弱く、蜂の巣模様のソーラー文字盤を楽しそうに回る針たちを見るのが好きな人には特におすすめだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Motorolaから新登場のMoto Gレビュー:抜群のコストパフォマンス、驚異的な待ち受け時間

Moto Gの発表でMotorolaはついに手頃な価格でトップクラスのパフォーマンスのAndroidスマートフォンの提供に成功した。Moto Gは高価なMoto Xの弟分だが、どちらにも全身にGoogleの刻印が打たれている。Moto Gの良いところは値段以上の価値があることだ。以下に詳しくレビューする。

概要

  • 4.5インチ、1280×720, 326ppiディスプレイ
  • 8GBまたは16GBのストレージ
  • 5MPリアカメラ、1.3MPフロントカメラ
  • 802.11n Wi-Fi
  • Pentaband HSDPAをサポート
  • Bluetooth 4.0
  • メーカー希望小売価格179ドル/199ドル、アンロック、キャリヤ契約なし
  • 製品情報ページ

メリット

  • 驚くべき低価格
  • この価格でこれだけの性能のスマートフォンは世界中にMoto G以外ない

デメリット

  • コストパフォーマンスは極めて高いが、性能には若干の妥協がある

デザイン

Moto Gはややまるっこいデザインだが、慣れれば持ちやすく快適だ。マット仕上げのケースはグリップがいいが、痛みが目立ちやすい。全体としてiPhone3G、3GSを思い起こさせる。Moto Gのデザインはスマートフォンが「携帯電話」だったころの性格を残しており、私は気に入っている。ただしこのデザインは裏蓋を開けるのが難しい。


機能

Moto Gはユーザーにとって役立つ機能以外の余分な機能を全廃し、出来る限り低価格で販売できるようにするという方針で開発が進められたようだ。Moto CareはMotorolaのサポートにインスタント・メッセージまたは音声通話で直接アクセスできる機能で、 Assistは「運転」、「会議」、「就寝」の3状況に合わせてワンタップでデバイスの動作モードを変える機能だ。Motorola Migrateを利用すればデバイスを乗り換えたときに旧デバイスの設定、IM、通話履歴などをコピーできる。

こうした地味だが便利な機能は他のAndroidメーカーのこけおどしで邪魔になるばかりのプレインストール・アプリとは対照的だ。Moto Gには初めてスマートフォンを利用するユーザーも多いだろうからますます適切なサービスだ。

パフォーマンス

Moto Gのパフォーマンスを600ドル以上のフラグシップ製品と比べるのは無理がある。しかし使用していてハイエンド・モデルとの差を感じることはほとんどない。たとえばGoogleNowのカード表示はスムーズだし、音声認識の精度もずっと高価なモデルと変わりない。文字の鮮明さは特筆ものだ。ブラウザで画像が多い重いページを読み込むと若干もたつき気味になることがたまにある。

Moto Gのカメラはすばらしいというほどではないが十分役に立つ。

ディスプレイ

私はめったに手放しで称賛はしないが、Moto Gのスクリーンにはそうしてもいい。私は以前のMotorolaのスクリーンは彩度が高すぎてあまり好みではなかった。しかし今回Motorolaはカラーマネジメントでも大いに進歩を見せただけではなくはるかに高価なiPhone5sなみの高解像度(326ppiという数字に注目した読者も多いだろう)を実現した。Androidのトップ製品とは違ってフルHDではないが、この価格帯では群を抜いた画質だ。.

バッテリー

バッテリーはMoto Gの中でも屈指の長所だ。Motorolaでは終日持つと言っているが嘘ではない。ヘビーな使い方ではなかったとはいえ、私の場合、1回の充電で3日ももったことがある。

これだけのバッテリー駆動時間があれば、Moto Gは「カバンに放り込んでそのまま忘れてしまう」という使い方ができる初めてのスマートになれるだろう。省電力モードでの待ち受け時間は1週間にもなるという。動画などでヘビーな使い方をした場合は現行の他機種とそう変わらなくなるが、それで上位に位置するのは間違いない。この価格でこれだけのバッテリー駆動時間は驚異だ。

結論

Moto Gはきわめて優秀な製品だ。一見すると今年派手に登場したMoto Xの地味な弟分と思われるだろうが、コストパフォーマンスの優秀さを考えるとこちらの方がはるかに重要な製品だ。念のために断っておけば、私個人はやはり高価なトップエンド機を今後も日常使い続けるだろう。しかし私がテクノロジー・ライターを職業としていなかったら、あるいは私に十分な収入がなかったら、私は毎日喜んでMotoGを使うだろう。

〔日本版:元記事にはデバイスの細部がわかるスライドショーあり〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iPad Airは過去最高のタブレット―またminiとの比較で悩むことになった

Appleがサンフランシスコで10月22日(米国時間)に発表したiPad Airをテストしてきたが、やはりこの製品は大型タブレットのチャンピオンであることがはっきりしてきた。以下にフル・レビューを掲載する。

レビュービデオ


製品概要

  • 2048 x 1536 (Retina) 9.7インチ・ディスプレイ
  • 16GB、32GB、64GB、128GB
  • A7プロセッサー
  • 802.1n デュアル・チャンネルWi-Fi、Bluetooth 4.0
  • Wi-Fi利用で10時間、携帯無線網で9時間
  • 499ドルから

良い点

  • 第4世代モデルに比べてデザインは大きく改良され、薄くなり、軽量化された。
  • バッテリー駆動時間は十分

問題点

  • RetinaのiPad miniとの競合。miniもA7を搭載。

デザイン

iPad Airの最大の改良点の一つはデザインだ。iPad miniの路線を踏襲した新デザインではベゼルが43%も小さくなり、筐体は20%薄くなった。重量も28%軽くなって1ポンド(WiFiモデルが469g、WiFi+セルラーモデルが478g)となった。


ディスプレイ

iPad Airは9.7インチRetinaディスプレイを搭載している。解像度は264PPI、2048×1536ピクセルだ。iPad miniよりピクセル密度は低いが、その違いは肉眼ではほとんど判別できない。画質は間違いなく市場でトップクラスだ。

私は去年からiPad miniを使ってきたが、9.7インチのRetinaディスプレイを使ってみるとやはりその情報量の豊富さに驚く。度の合わないメガネを度の合うものに買い替えたような感じだ。特にビデオがすばらしい。

iPadはデビュー当時からパソコンを代替するだろうと言われてきたが、iPad Airは日常の用途に関するかぎり本当にパソコンの代わりとして実用になる性能だ。

特長

iPad AirはiPhone 5sと同様、最新のA7 64ビットプロセッサー、M7モーション・プロセッサーを搭載している。

64ビット・プロセッサーに最適化された最新のiLife、iWorkはすべての面で高速化された。すべてのアプリが前世代に比べて2倍に高速化されるわけではないが、64ビット用にアップデートされたアプリは間違いなく反応速度が速くなっている。

デュアル・マイクのおかげでFace Timeの通話音質は大きく向上した。新しいモーション・プロセッサーはiPadの位置情報モニタ機能を改善させた。

カメラも改良されたが、特筆すべきはFaceTime HDフロント・カメラが720pから1080pにアップグレードされた点だろう。リアカメラは5メガピクセルでセンサーのピクセル・サイズが大きくなり画質が向上した。

パフォーマンス

iPad Airは外見とは裏腹にパフォーマンスの点ではヘビーウェイトだ。一言でいえばトップクラスだ。

A7の採用によってOpenGL ES v3.0グラフィックスがサポートされ、従来デスクトップでしか実現できなかった効果がゲームなどに使えるようになった。Batman:Arkham Originsをテストしたが、新しいグラフィックス能力のすごさが実感できた。

私がテストしたのはLTEモデルで、世界中のセルラーで使われているほとんどの周波数帯をサポートしている。私はサンフランシスコからロンドンに出張したが、AT&TでもEELTEでも問題なく作動した。世界を旅行するものの強い味方だ。Face Time AudioやSkypeを使えば、高額のローミングを使わずに世界のどこからでも通話ができるのもありがたい。

バッテリー

Appleの公式発表では連続10時間もつということだったが、テストしてみたところ実際そのとおりだった。WiFiなら連続10時間、LTEの場合はそれよりやや短い。

iPadが良いのは何日か放置した後で起動してもバッテリーがほとんど減っていないことだが、iPad Airでもその点は変わらない。筐体の小型化でバッテリー容量も減ったはずなのに、まったくその影響を感じさせない。

カバー

Appleは前のモデル同様、iPad Airにもスマート・カバーとスマート・ケースを用意している。スマートカバーは折畳式でマグネットで吸着する。スマート・ケースはその名のとおりケース状で、カバーに加えて裏側まで覆うようになっている。

私はケースやカバーをあまり好まないが、どちらかといえばスマート・カバーの方がよい。かさばらないし、iPadのもっとも重要なパーツ、ガラスをしっかり守ってくれる。


結論

iPad Airは前のモデルに比べて劇的な進歩だ。フォームファクターはこのクラスのタブレットの中でもっともコンパクトでもっとも洗練されている。携帯性と機能を最高レベルで両立させており、市場にあるメディア・デバイスの中で最高のできといっていい。

iPad miniが登場したとき、私は2度と大型iPadに戻ることはあるまいと思っていた。しかしiPad Airの発表でまたこの比較に悩むことになった。なるほど9.7インチのタブレットにも十分役割があると再確認させられた。これからは複数のiPadを所有する家庭が増えるだろうし、それと逆にパソコンはどんどん減っていくだろう。

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(翻訳:<A href=