EVメーカーのRivianが秘密裏にIPOを申請

Ford(フォード)やAmazon(アマゾン)など、多くの機関投資家および戦略投資家に支援されている新興EVメーカーのRivian(リヴィアン)が、米国証券取引委員会(SEC)に対し、秘密裏に上場申請の書類を提出した。

IPOの規模や株価幅は未定だ。簡潔な声明によると、IPOはSECが審査プロセスを完了した後に、市場やその他の状況に応じて実施される予定だという。

今回の秘密申請は、RivianがAmazonのClimate Pledge Fund、D1 Capital Partners、Ford Motor(フォード・モーター・カンパニー)、T. Rowe Price Associates Inc.がアドバイザーを務めるファンドおよび口座が主導する25億ドル(約2746億円)の私募式ラウンドをクローズしたと発表してから、2カ月も経っていない。このラウンドにはThird Point(サードポイント)、Fidelity Management and Research Company、Dragoneer Investment Group、Coatueも参加した。

同社は2021年7月のラウンド発表時には、ポストマネー評価額を公表しなかった。

現在7000人の従業員を擁するこのEVメーカーは、9月にピックアップトラック「R1T」の納入を控えている。R1Tとそれに続くSUVを生産するためには資本が必要だが、Rivianがそれを調達するのは難しいことではなかった。

Rivianはこれまでに約105億ドル(約1兆1532億円)を調達している。2021年1月には、既存の投資家であるT. Rowe Price Associates Inc.、Fidelity Management and Research Company、AmazonのClimate Pledge Fund、Cootue、D1 Capital Partnersから26億5000万ドル(約2910億円)を調達した。このラウンドには新規投資家も参加し、Rivianの評価額は276億ドル(約3兆円)に達したと、同ラウンドに詳しい情報筋が当時TechCrunchに語っていた。

このニュースは進行中のため、新情報が入り次第引き続きお伝えする。

【更新】このニュースを最初に報じたBloombergによると、Rivianは約800億ドル(約8兆7862億円)の評価額を求めており、感謝祭(11月末)前後のIPOを視野に入れているとのこと。TechCrunchは現時点でこの報道を独自に確認していない。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

Rivianが事業拡大を見据えAmazonのファンドなどから新たに約2760億円調達

Rivian(リビアン)は米国時間7月23日、AmazonのClimate Pledge Fund、D1 Capital Partners、Ford Motor、T. Rowe Price Associates Incがアドバイスしたファンドや個人がリードした25億ドル(約2760億円)の私募増資ラウンドをクローズしたと発表した。

Rivianによると、Third Point、Fidelity Management and Research Company、Dragoneer Investment Group、Coatueも本ラウンドに参加した。

「車両生産開始が近づき、次の成長段階を見据えて進み続けることが重要です」とRivianのCEOであるRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏は声明で述べた。「信頼できるパートナーからの今回の資金注入により、Rivianは新車両プログラムを拡大して米国内の施設を拡張し、そして海外へのプロダクト展開の資金をまかなうことができます」。

D1 Capital Partnersの創業者、Dan Sundheim(ダン・サンドヘイム)氏は「顧客にとって優れたプロダクトとなると我々が確信しているものの商業化と納車においてRivianが変曲点に達している中で、同社への投資を増やすこと」に興奮している、と述べた。

Rivianはこれまでに約105億ドル(約1兆1610億円)を調達した。同社はポストマネーの評価額は公開しなかった。

現在7000人を雇用し、9月のR1Tピックアップトラック納車開始を準備しているRivianは、直近では2021年1月に資金を調達した。そのラウンドでは既存投資家のT. Rowe Price Associates Inc.、Fidelity Management、Research Company、AmazonのClimate Pledge Fund、Coatue、D1 Capital Partnersから26億5000万ドル(約2930億円)を調達した。新規投資家も参加し、情報筋が当時TechCrunchに語ったところによると、同ラウンドによりRivianの評価額は276億ドル(約3兆510億円)になった

今回の資金調達のわずか数日前に、Rivianは米国に2つめの工場の建設を計画していることを明らかにした。また、同社は「パンデミックの波状の影響」、特に現在も続いている世界的な半導体チップ不足で生産が遅れているために、R1TトラックとR1S SUVの納車を今夏から9月へと延期することも決めている。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Rivianがコロラド州に続きテネシー州の56の州立公園にEVチャージャーを設置

Rivian(リビアン)の電気自動車(EV)充電ステーションがまたも州立公園に導入される。同社は「ウェイポイント」と呼ばれるチャージャーをテネシー州の56の州立公園に設置すると明らかにした。同社は4カ月前にコロラド州との同様の提携を発表したばかりだ。

同社にとって、レベル2ACチャージャー1万基超のネットワークを2023年末までに構築するというのが計画の次のステップだ。州立公園やその他あちこちでのチャージャー設置はRivianのブランド戦略にとって鍵を握る要素だ。同社は自らを、Rivianの車を所有しているかどうかにかかわらずアウトドア派にとってエコフレンドリーな車メーカーとして位置付けようとしている。ウェイポイントチャージャーは一般開放され、J1772プラグ搭載のすべてのEVが利用できる。

テネシー州環境保全局との提携の一環として、Rivianは無料でチャージャーをデザイン・設置し、サービスやメンテナンス、アップグレードにかかる費用を10年間負担する。また、たとえば電気サービスパネルやトランスフォーマーの改良など、チャージャー設置に関係する必要なユーティリティアップグレードの費用ももつ、と同社は話した。

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Rivianは早ければ秋にもチャージャーの設置を開始できそうだ。レベル2チャージャーは最大11.5キロワットで給電できる。これはR1TピックアップトラックとR1S SUVであれば、1時間つなぐと25マイル(約40キロ)の走行が可能になる。高速道路や交通量の多い道路沿いにあるチャージャーだと、バッテリー充電のために何時間も待つというのは理想的ではないが、公園であればドライバーは「日帰り旅行や宿泊キャンプを楽しむ間に走行可能距離を伸ばすことができる」と同社は話す。

差し当たり充電は無料で利用できるが、将来のコストは州が電気代をどのようにまかなうかによると同社は指摘した。

Rivianウェイポイントは、同社の顧客専用の3500超のDC急速チャージャーを設置するという計画のAdventure Networkとは別物だ。DC急速チャージャーは20分の充電で140マイル(約225キロ)の走行を可能にする。

Rivianの創業者、RJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏は辺鄙なところを含む充電ネットワークを構築するという願望をオープンにしてきた。これは便利な場所、そしてハイエンドな場所にもあるSuperchargerネットワークを所有するTeslaのような企業とは大きな違いだ。

「州間高速道路ではないところにRivian充電ロケーションを設置する機会に興奮しています。こうした充電ロケーションは、充電インフラのために通常EVを招いたり歓迎したりしない場所にあなたを誘ったり、あなたが訪れることができるようにします」とスカリンジ氏はTechCrunchのKirsten Korosec記者との広範にわたるインタビューで話した。「関心に基づいてルートを選べるという、キュレートされたドライブをどのようにクリエイトできるかについて、我々はかなりの時間をかけて検討してきました。旅の途中で1、2マイル、あるいは5マイルのハイキングのために車を停めたいのなら、あなたが取りたいルートがあり、その横に充電ロケーションがあります」。

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タグ:Rivian充電ステーション電気自動車アメリカ

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

​​Rivianが電動車両R1TとR1Sの納車時期を9月以降へとさらに延期

​​Rivian(リビアン)は待望の電動ピックアップトラックR1Tと電動SUVのR1Sの納車をさらに数カ月延期する。CEOのRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏が顧客に送ったレターによると「パンデミックの連鎖的な影響」、特に現在も続く半導体チップ不足によって生産が遅れているためだ。R1Tの納車は2021年9月に始まり「ほどなくして」R1Sも続く、とスカリンジ氏はレターに書いた。

「電動アドベンチャー車両」の最初のシリーズの発売を記念した特別バージョンであるR1Tローンチエディションの納車は1カ月の延期を経て7月に始まる予定だった

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​​世界的なチップ不足に苦慮している自動車メーカーはRivianだけではない。GM(ゼネラル・モーターズ)や Ford(フォード)、トヨタ、そして実質的には他の自動車メーカーすべてが減産したか、チップで動く特定の機能を搭載せずに車両を生産している。たとえばGMはいま、世界的な半導体チップ不足のためにスマホワイヤレス充電機能なしの中型・フルサイズのSUVを生産している。

十分なインバウンド収益がある有名メーカーと異なり、​​Rivianは電動ピックアップトラックをマーケットに持ってくる初のメーカーになろうとしている新規参入企業だ。Fordは電動のF-150 Lightningピックアップトラックを2022年春にマーケットに投入する計画だ。GMC Hummer EVピックアップの生産は2021年後半の開始が見込まれている。

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TechCrunchが確認したスカリンジ氏のレターは以下の通りだ。

注文したクルマに乗るのが待てないのは承知しております。この夏の初め、納車が7月に始まる、と当社は発表しました。しかしながら、R1Tの最初の納車の時期は9月にずれ込み、R1Sはそのすぐ後の秋となります。直に私からお知らせさせていただきます。

当社の生産が予想よりも長くかかっているのにはいくつかの理由があります。パンデミックの連鎖的な影響が予想以上に増幅しました。施設の建設から設備の導入、車両部品の供給(特に半導体)に至るまで、すべてがパンデミックの影響を受けました。これらの予期せぬ障害に加えて、複数の車両に対応する生産プラントを準備しながら3種の新しい車両を立ち上げるというのは、相互に関連した活動の複雑なオーケストラであり、小さな問題がさらなる遅れにつながります。

スカリンジ氏は、現在7000人超を雇用していることなど、同社の状況についてさらに詳細を明らかにした。同氏によると、イリノイ州ノーマルにある同社の工場には2つの生産ラインがある。1つはR1車両向け、もう1つは商業バン向けだ。

同社は2019年に自社のスケートボードを使ってAmazon(アマゾン)の電動配達バンを開発している、と発表した。Amazonはこうしたバン10万台を発注し、納車は2021年開始だ。2021年初め、Amazonはロサンゼルスとサンフランシスコで電動配達バンのテストを開始した。

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Rivianは「認証プロセスの一環として数百台の車両を生産し、これらの多くはユニークなビニールカバーで覆われたままになっている」とスカリンジ氏は話した。同氏はまた、そうした車両がなぜ顧客に届けられていないのかについて「社の長期的な成功と、立ち上げたプロダクトの質と頑強性がブランドに期待しているものを真に方向づけている、というあなたの究極的な満足にとって重要」だと考えているからだ、と説明した。

同氏はまた、納車についての詳細をどのように案内するかという点でRivianが改善する必要があることも認めた。

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タグ:​​Rivian電気自動車トラック

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Rivianの電動ピックアップトラックR1Tの納車が1カ月後ろ倒し、チップ不足などが影響

Rivian(リビアン)は同社の「電動アドベンチャー車両」第1弾の限定版であるR1Tローンチエディションの納車が1カ月後ろ倒しになるとウェブサイトで明らかにした。

プレオーダーした顧客は2021年6月ではなく7月にピックアップトラックを受け取り、ローンチエディションの納車は2022年春までに完了する見込みだ。この変更はRivian Forumが最初に気づいた。1カ月の後ろ倒しは、出荷コンテナの遅れや現在も続くチップ不足、それから整備部品がきちんとセットアップされているかの確認など、小さな問題が重なったためだとRivianの広報担当は話している。

Amazon(アマゾン)から出資を受けているRivianは2020年7月、ピックアップトラックの納車が2021年6月に、R1S電動SUVの納車はその2カ月後の8月になるとプレオーダーした顧客に伝えた。そのタイムラインは、新型コロナウイルスパンデミックによる工場の建設工事中断で、すでに一度後ろ倒しになっていた。

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RivianはR1Sの8月納車を維持すべく取り組んでいる、と広報担当は述べた。

納車遅れにもかかわらずRivianは、この業界への新規参入企業、そして既存の自動車メーカーの中でマーケットに電動トラックを持ち込む初のメーカーとなるようだ。Lordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)のCEOであるSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏は先にあった投資家への説明会で、同社の「Endurance」トラックの納車はまだ予定通りで、9月になると述べた(生産台数を半分に減らしているにもかかわらずだ)。Ford(フォード)の電動版ピックアップトラックF-150 Lightingは2022年発売予定だ。そしてTesla(テスラ)は、Cybertruckの生産が2021年後半に始まるとこのほど明らかにした。

Rivianはまた、顧客がドライブテストやツアーイベントへの出席をスケジュールできるドライブプログラムを8月に開始すると述べた。プログラム開始日やツアーイベント予約などの詳細は数週間内に発表する。ツアー第1弾の実施都市として同社はロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、シカゴ、デトロイト、シアトルを選んだ。

加えて同社はいくつかのプロダクトアップデートも発表した。顧客は車両のコンフィギュレーションにOff-Road Upgradeを2000ドル(約22万円)で追加できる。全Rivian車両には、これまでオフロードアップグレードでのみ提供されていた空気圧縮機が搭載されるようになっている。

顧客はまた、コンフィギュレーションにRivian Adventure Gearを加えることも可能だ。ここにはルーフトップテント、荷物バー、キャンプキッチン(キッチン用具30点)が含まれる。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

電動トラックRivianga全米40州で自社保険プログラムを立ち上げ

電動トラックのスタートアップRivianは、米国時間4月15日木曜日にRivian Insuranceプログラムの詳細を発表した。この保険は、同社のデジタル注文プロセスに統合される予定だ。

この保険は当初、40の州で提供される予定だ。「アドベンチャー・ビークル」企業としてのRivianのマーケティングに沿って、顧客は自宅やボート、ダート・バイク、キャンピングカーなどのレクリエーション設備をカバーするオプションもある。同社が保険プログラムを開始するという計画は、1年以上前に求人広告が発見されて初めてリークされた。

この保険サービスが際立っているのは、Rivian車両プラットフォームとDriver+セーフティスイートの統合だ。同社はブログ記事の中で、この統合により「カスタマイズされたデータベースの補償」を提供できると述べている。Rivian Insuranceを選択した顧客には、Driver+の割引料金が適用される。ドライバーはさらに、RivianのActive Driver Assistanceソフトウェアを使用することで割引を受けることができる、別のプログラムも選択できる。

これは、2021年後半に初の電動ピックアップを市場に投入することを計画しているRivianにとって、賢明な動きだ。Tesla(テスラ)と同様に、RivianはRivian Collision CenterとService Centerですべての作業を自社で行うことで、顧客がシームレスな保険プログラムに魅力を感じるようになると考えているようだ。Rivian Insuranceはベテランに続く新規参入者の一例だが、実は大きな利点がある。なぜなら、Tesla Insuranceが利用できるのはカリフォルニア州のオーナーだけだからだ。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:塚本直樹 / Twitter

電気自動車RivianがSamsung SDIとバッテリーセル供給で提携

Amazon(アマゾン)が支援し2021年後半の市場投入を目指している電気自動車メーカーのRivianは、バッテリーセルのサプライヤーとしてSamsung SDIと提携したことを米国時間4月12日に発表した。

両社は買収金額や期間を明らかにしていないが、Rivianが同日に発表した声明の中で、Samsung SDIとは「車両開発プロセス全体を通じて」協力してきたと述べている。

Rivianは同社が「アドベンチャー・ビークル」と呼ぶ「R1T」ピックアップと「R1S」SUVは、極端な温度や耐久性の必要なユースケースに対応できるバッテリーモジュールとバッテリーパックが必要だと指摘した。

Samsung SDIはすでに他の自動車メーカーにバッテリーセルを供給している。2019年、同社はBMWグループと32億ドル(約3500億円)で10年間の供給契約を結んだ。

RivianのRj Scaringe(R・J・スカーリンジ)CEOは声明の中で「Samsung SDIのバッテリーセルの性能と信頼性を、私達のエネルギー密度の高いモジュールとパックの設計と組み合わせることに興奮しています。Samsung SDIのイノベーションとバッテリー材料の責任ある調達能力は、私達のビジョンとよく一致しています」と述べている。

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タグ:RivianバッテリーSamsung SDI電気自動車

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:塚本直樹 / Twitter

新興EV企業のRivianが2023年末までに全米に1万基以上の充電器を設置すると発表

Amazon(アマゾン)やCox Automotive(コックス・オートモーティブ)、T. Rowe Price(ティー・ロウ・プライス)などが出資するEVスタートアップのRivian(リビアン)は、2023年末までに1万台以上の充電器を設置することを計画している。この充電ネットワークには2つの目的がある。1つは高速道路沿いに急速充電器を設置し、同社の電気自動車にすばやく電力を供給すること。そしてもう1つは、都市部から離れた公園や登山口などに隣接した場所にレベル2の充電器を設置し、同社のEVオーナーが冒険やレジャーを楽しんでいる間に、クルマのバッテリーを充電しておけるようにすることだ。

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Rivian Adventure Network(リビアン・アドベンチャー・ネットワーク)と呼ばれる充電ネットワークは、600カ所以上の場所に3500基以上のDC急速充電器が設置され、Rivianの電気自動車の所有者のみが利用できるようになると、同社は米国時間3月18日に発表した。各場所には複数の充電器が備わり、高速道路や幹線道路沿いを中心に、カフェやショップの側などにも設置されると、同社は公式ブログで述べている。

さらにRivianは、米国とカナダの全域にレベル2のAC充電器も設置しており、こちらは2023年中に1万基を超える予定だという。この「Rivian Waypoint(リビアン・ウェイポイント)」充電器は出力11.5kWで、Rivianのピックアップトラック「R1T」とSUV「R1S」の航続距離を1時間の充電で最大25マイル(約40km)伸ばすことができる。このWaypoint充電器は、Rivianの顧客が通りそうな場所に戦略的に設置される。ショッピングセンター、レストラン、ホテル、キャンプ場、公園などで見かけることになるだろう。このWaypoint充電器は一般にも開放され、J1772プラグを持つ全ブランドの電気自動車が利用できる。まずはコロラド州にある42の州立公園すべてに各2基ずつ、2021年7月より設置が始まると、同社は述べている。

Rivianの創業者でCEOを務めるRJ Scaringe(RJスカーリンジ)氏は、2020年末のTechCrunchのインタビューで、充電、バッテリー、自動運転などについて幅広く語った際に、この2層目の充電ネットワークを追加するという決定は、Rivianの顧客層に直接アピールするものであり、同社のブランドや製品に対する信頼を築くために必要だと述べていた。

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RivianのアプローチはTesla(テスラ)と似ているが、いくつか明確な違いがある。テスラは現在、2万基以上のSupercharger(スーパーチャージャー)と呼ばれる急速充電器からなる独自の充電ネットワークを構築しており、その多くは、高速道路や交通量の多い市街地に隣接して設置されている。そして低出力な普通充電器のデスティネーションチャージャーは、高級ホテルやレストランなど、同社のEVオーナーが訪れる可能性のあるスポットに設置されている。

RivianのWaypoint充電器は、テスラのデスティネーションチャージャーと、設置場所の種類は異なるものの、目的は同じだ。しかし、テスラの充電器とは異なり、RivianのWaypoint充電器は一般に公開されており、電気自動車用コネクタの北米規格であるJ1772プラグを使用している。

今回の発表で、Rivianは急速充電器の設置場所を示す地図の画像を公開した。この地図はインタラクティブではないため、正確な位置を知ることは難しいが、ユタ州のグランドキャニオン国立公園やザイオン国立公園の近くに急速充電器が設置されていることが分かる。

画像クレジット:Rivian(スクリーンショット)

Rivian車のオーナーは、車載ナビゲーションや付属のアプリを使って、WaypointやRivian専用急速充電器の位置を確認できる。ドライバーはこのアプリや車内のスクリーンで、充電状況を確認することもできる。

Rivianの車両には、CCS(Combined Charging System、通称「コンボ」)という急速充電用の直流コネクタが採用されている。CCSは近年、欧州や北米で普及しているオープンな国際規格だ。そのため、RivianのトラックやSUVは、アダプターを使用することなく、サードパーティ製のCCS対応充電ステーションを利用することが可能だ。

Rivianは、その充電ネットワーク全体が100%再生可能エネルギーで駆動されることを明示した。これは、ソーラーパネルや蓄電システムを使うという意味ではない。TechCrunchの取材で、Rivianはソーラーパネルや風力発電は設置しないことを明らかにした。代わりに、100%再生可能エネルギーという目標は、電力会社とのパートナーシップによって達成される。Rivianによれば、可能な限り風力や太陽光を利用し、グリーン電力証書によって他の電力源と相殺するという。

これほど大規模なネットワークを構築するには資本が必要だが、Rivianはその調達には苦労していない。2021年1月に同社は、T. Rowe Price Associates Inc(ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ・インク)が顧問を務めるファンドや口座を中心としたラウンドで26億5000万ドル(約2885億円)の資金を調達した。この投資ラウンドに詳しい人物の話によると、Fidelity Management and Research Company(フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ・カンパニー)や、AmazonのClimate Pledge Fund(気候変動対策に関する誓約のための基金)、Cootue(クーティー)、D1 Capital Partners(ディーワン・キャピタル・パートナーズ)などの既存および新規の投資家も参加し、Rivianの評価額は276億ドル(約3兆円)に達したという。

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画像クレジット:Rivian

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アマゾンがRivian製の配達EVテストをサンフランシスコでも開始

Amazon(アマゾン)は電気貨物車両を使った顧客への配達をサンフランシスコにも拡大する。同社は2021年に計16都市でRivian(リビアン)製EVを導入する予定であり、その中でベイエリアは2番目の実施となった。

テストを行う2番目の都市としてサンフランシスコを選んだいくつかの理由の1つは、その特徴ある道路と天候だと同社は説明した。Rivianとの提携でデザイン・製造されたAmazonのEVはフル充電で最大150マイル(約241km)走行可能だ。

同社はClimate Pledgeの一環として、2021年2月初めにロサンゼルスで電気貨物車両のテストを開始した。Climate Pledgeにはカスタム電気配達車両10万台の購入が含まれている。同社は2020年10月に初めてこの車両を披露し、2022年までに10万台展開することを目指していると述べた。

ベイエリアでの配達はまずはカリフォルニア州リッチモンドにある同社のステーションから始まる。同ステーションはAmazonが新型EV車両に合うように再設計している多くのステーションの1つだ。サンフランシスコ中心部に立地する新しい配達ステーションへの直近の2億ドル(約218億円)の投資は、同市での配達を大幅に増加させるという同社の意図を示している。

「すでに目にしてきたことから、これは最速の現代商業電動化プログラムの1つであり、非常に誇りに思っています」と同社のグローバル車両・プロダクト担当ディレクターであるRoss Rachey(ロス・レイチェイ)氏は声明で述べた。

街中での短距離配達向け車両の電動化の理論を理解している企業はAmazonだけではない。DHLは展開する車両の20%がすでにゼロエミッションのタイプだと話し、UPSはEV1万台を発注済みだ。そしてFedExは全車両を2040年までにEVに換えることを約束している。

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画像クレジット:Amazon

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラやライバルのリビアらが団結しEVの直接販売法制定を目指す

Tesla(テスラ)、Rivian(リビアン)、Lordstown Motors(ローズタウン・モータース)、Lucid Motors(ルーシッド・モーターズ)、急成長する電気自動車市場で潜在的なライバルとなるこれらの4社は、少なくとも8つの州で直接販売を可能にする法律を成立させるために協力しており、2021年はそのための法案が提出される可能性が高い。

この法案が可決されれば、Teslaのような大手EV企業のみならず、まだ市場に車両を投入していない新参メーカーのLucid MotorsやRivianも消費者に直接クルマを販売する道が開けるだろう。しかし、Teslaが協力すれば、一部の州では直接販売による独占を失う可能性もある。

Teslaやその他の増えつつあるEV新興企業は、GMやFord(フォード)、Chrysler(クライスラー)といった伝統的な自動車メーカーとは異なるビジネスモデルを持っている。Apple(アップル)がApple Store(アップルストア)で製品を販売するように、Teslaは自ら直営する店舗で車両を販売しており、フランチャイズ契約によるディーラーを持たない。米国では、既存のフランチャイズ加盟店を持つ自動車メーカーが、自ら直接経営の販売店を開設してフランチャイズ加盟店と競合するのを防ぐための法律が、全50州で長年確立されてきた。Teslaの直接販売形態は、この法律の恩恵を受けている自動車ディーラーの怒りを集めている。Teslaと他の同盟企業は、(競合する)フランチャイズディーラーを持たないのだから消費者に直接販売することを認められるべきだと主張している。

Teslaのシニアポリシーマネージャーを務めるThad Kurowski(タッド・クロウスキー)氏はワシントン州で、下院の消費者保護・ビジネス委員会における証言の中で「我々は、他のEV専門メーカーとその希望を支持します。我々と同様に彼らも消費者に直接販売し、投資し、雇用を創出し、自由にそれを行うことが許されるべきです」と述べた。ワシントン州は、このような法案が検討されている多くの州の1つである。Teslaは同州に6つの販売店を構えている。

同様の法案はコネチカット州、ネブラスカ州、ジョージア州、ニューヨーク州、ウィスコンシン州、ペンシルバニア州、ネバダ州でも検討されている。これらの州の中には、すべてのEVメーカーが顧客に直接販売することを禁止している州もあれば、他の企業を除くTeslaのみに許可を与えている州もある。ただし、その場合も開設できる店舗数に上限を設けている。

市場シェアを求めてお互いに競合するだけでなく、旧来の自動車メーカーとも競わなければならないEVメーカーにとって、これは協力関係を築くことができた稀有な瞬間だ。各社の関係は、常にこれほど協力的だったわけではない。Teslaは2020年7月、企業秘密の窃盗と人材の不正引き抜きを主張してRivianを提訴した。Rivianは、この訴訟における3つの主張の中で2つは同社の評判を中傷するための試みに過ぎないと反論した。

関連記事:テスラがRivianを提訴、営業秘密窃盗と従業員不正引き抜きを主張

Teslaは、直販をめぐる州議会との戦いに関してはベテランだ。アリゾナ州、コロラド州、ユタ州を含む少なくとも十数の州では、新たな法律または裁判所を介して、Teslaが消費者に直接販売することを妨げていた禁止事項を覆してきた。

大手自動車メーカーのGMとFordが本拠を構えるミシガン州は、長い間戦場となっている。

Rick Snyder(リック・スナイダー)前州知事が2014年に署名した法案は、ミシガン州自動車販売業者協会が発起人となり支援したもので、Teslaが同州の消費者に直接販売することを禁止するものだった。その2年後、Teslaはミシガン州がTeslaの自動車販売権を否認したとして同州を提訴した。2020年12月、ミシガン州議会は、最初の車両登録を他の州で行う限り(後にオーナーはミシガン州に登録証を書き換える必要がある)、Teslaのみに直接販売を許可する法案を検討した。しかし、このTeslaの特例は法案から削除され、同州内におけるTeslaにとってのわずかな進展を脅かすことになった。しかし、最終的にこの法案は、Teslaの取り決めをそのまま残して廃案になった。

元Teslaの従業員で、EV新規参入企業のLucid Motorsに公共政策責任者として転職したDaniel Witt(ダニエル・ウィット)氏によると、Lucidは直接販売を許可する法案が検討されているいくつかの州で主導的な役割を果たしているという。この法案は、EV企業の連合、EV所有者やEV愛好家、消費者団体による草の根ロビー活動の努力の結果であるとウィット氏は強調している。また、この法案は環境保護団体やクリーンエネルギー団体からも支持を得ている。消費者の選択とアクセスが容易になることは、内燃エンジン搭載車からEVへの移行を後押しする重要な鍵であるというのが、これらの団体の主張だ。

「Teslaの背後でドアが閉ざされた状況は、同社が市場で優位に立とうとしていたわけではなく、議会における交渉の産物に過ぎない」とウィット氏はいう。「ニューヨークでもワシントンでもコネチカットでも、概ね同じ方向に舵を切っています」。

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ワシントン州自動車ディーラー協会は、TechCrunchに寄せた声明の中で、フランチャイズディーラーはゼロ・エミッション車への移行を支持しており、各地元でそれらのクルマを販売したいと考えているが、直販法案は「メインストリート対ウォールストリートの戦い」だと述べている。

「電気自動車メーカーは、自ら店舗を構えれば我々と同じコストを負担することになるでしょう。しかし、クルマを販売して得た利益は、地域社会に還元するのではなく、州外に住む億万長者の投資家に流れることになります。ブローカーの神話を永続させるだけです」と、同協会は述べている。

同団体は、RivianがFordから5億ドル(約540億円)もの資金を調達したことを指摘している。現在276億ドル(約3兆円)と評価されているリヴィアンには、Amazon(アマゾンを、T. Rowe Price Associates Inc.(T・ロウ・プライス・アソシエイツ)、Fidelity Management & Research Company(フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ・カンパニー)、Coatue(コートゥー)、Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)、D1 Capital Partners(D1キャピタル・パートナーズ)など、多数の支援者がいる。

「Fordはディーラーネットワークを放棄し、ディーラーが稼ぎ出す利益を、Rivianの所有権拡大に移すつもりなのでしょうか?GMはEV子会社をスピンオフさせて直販に乗り出すつもりなのでしょうか?何がそれらを止められるのでしょうか?」と、同協会は声明で述べている。

なお、FordもGMも、ディーラー網を放棄する計画を表明したことはない。

電気自動車メーカーには、まだこれから法制化までの長い道のりが待っている。通常、法案が法律として成立するためには、立法委員会を通過し、下院と上院の両方で過半数の賛成票を得てから、知事の机に送られ、署名される必要がある。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アマゾンがRivian製電動バンを使った荷物配達テストをLAで開始

Amazon(アマゾン)はRivian(リビアン)が設計・製造した電動バンを使って顧客への配達をロサンゼルスで開始した。

Amazonの米国時間2月3日のアップデートによると、2040年までに二酸化炭素排出量をゼロにするという同社のClimate Pledge(気候公約)の一環である電動バンの量産は2021年末まで始まらないという。何台の電動バンでテストが行われているのか、同社は明らかにしなかった。

顧客への配達は、バンの性能やさまざまな気象や地域での安全耐久性を調べるためにAmazonとRivianが行っているテストの一環だ。路上テストは4カ月以上前に始まった。現在使用している車両はミシガン州プリマスにあるRivianの本部で製造され、1回のフル充電で150マイル(約240km)走行できる。Rivianのエンジニアはイリノイ州ノーマルにある工場での生産開始に向けて引き続き車両の改良を行う。

一方で、こうした電動車両は2021年にさらに15都市の配達ルートに登場する予定だ。最終的にAmazonは電動バン10万台を展開する。この数字は今後数年間でRivianに発注する台数だ。

AmazonとRivianは、顧客への荷物配達を開始する4カ月前にテスト・開発プロセスの一環として車両のテストを開始した。Amazonはまた新車両に対応できるよう建物の改修も始めており、何千ものEV充電ステーションを北米と欧州の配達ステーションに設置した、と述べた。

「オンライン上で目にする写真から、車両を直接見ようと当社のドライバーを止めるクルマファンまで、これまでのところ顧客から熱い反応が寄せられています」とAmazonのグローバル車両・プロダクト担当ディレクターRoss Rachey(ロス・レイチー)氏は声明文で述べた。「この取り組みは最速のモダン商業電動化プログラムの1つであり、当社は大変誇りに思っています」。

Rivian製の電動バンの外観は、今日ガソリンで走行しているバージョンと同じデザイン特徴を備えている。角が若干丸く、全体的に滑らかな見た目だ。

実際の違いはバンに搭載された電動アーキテクチャとカスタム機能にあり、ここには高速道路運転・交通アシスト機能、ドライバーがデジタルディスプレイで車の周り360度をチェックできる外部カメラ、ドライバーが乗降りしやすいよう従来よりも広いキャビン内部床面積、ブレーキ視認性向上のためのサラウンドテールランプ、3段棚とドアで仕切られた貨物スペースなどが含まれる。またAmazonのAlexa音声アシスタントも搭載されている。

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画像クレジット:Amazon

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

RivianがEVピックアップトラック生産開始に向け2753億円調達

今夏の全電動ピックアップトラック生産開始に向け、Rivian(リビアン)は26億5000万ドル(約2753億円)を調達した。T. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドや個人がリードした本ラウンドにはFidelity Management and Research Company、 Amazon(アマゾン)のClimate Pledge Fund、Coatue、D1 Capital Partners、そのほかの既存・新規投資家も参加した。

本ラウンドに詳しい情報筋によると、Rivianは現在、276億ドル(約2兆8670億円)で評価されている。

Rivianにとって重要な時期での資金調達となる。同社は消費者向けの2モデル(R1TピックアップトラックとR1S SUV)のデザイン、開発、生産、納車を進めている。そして電気自動車充電ネットワークを構築中で、Amazonから注文のあった配達用のバン10万台にも対応中だ。

「投資家からのサポートと信頼を受けて、当社は引き続き車両の立ち上げにフォーカスし、と同時に次なる成長に向けて事業を拡大することができます」とRivianの創業者でCEOのRJ Scaringe(RJ・スカーリンジ)氏は声明文で述べた。

今回の資金調達は、同社が電動SUVとピックアップトラックを2018年のLAオートショーで発表した後に本格的に始まった、2年にわたるかなりの投資の動きに続くものだ。

発表からわずか数カ月後にRivianはAmazonがリードした7億ドル(約727億円)のラウンドを発表した。その後、Ford(フォード)からの5億ドル(約519億円)の拠出など、さらに投資や未来のEVプログラムでのコラボの約束が続いた。2019年9月にはCox Automotive(コックス・オートモーティブ)が3億5000万ドル(約364億円)を出資した。Rivianは、T. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドや個人がリードし、AmazonやFord Motor Company、BlackRockが管理するファンドも参加した13億ドル(約1350億円)のラウンドを発表して同年を締め括った。

資金流入は2020年も止まらなかった。Rivianは2020年7月に、T. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドや個人がリードしたラウンドで25億ドル(約2597億円)を調達したと発表した。既存株主のAmazonや BlackRockとともに、Soros Fund Management LLC、Coatue、Fidelity Management and Research Company、Baron Capital Groupといった新規投資家もラウンドに参加した。

2019年初めからのRivianの資金調達額は80億ドル(約8311億円)になった。

イリノイ州ノーマルにあるRivianの工場(画像クレジット:Rivian)

Rivianはそうした資金の使途を隠してこなかった。同社は10億ドル(約1039億円)超をイリノイ州ノーマルの工場に注ぎ込んだ。三菱とChrysler Corporation(クライスラー)の合弁会社を通じてかつて三菱のEclipseを生産していた同工場は完全に刷新・拡張された。

Rivianによると、広さ300万平方フィート(約28万平方メートル)の工場の整備は予定通り進んでいるがまだ完了していない。試験ラインが稼働し、R1Tピックアップトラックの認証プロトタイプを毎日生産している。

Rivianはまた、Amazonの配達バンを同工場で生産する計画だ。Amazonへの最初の納車は2021年後半が見込まれている。

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画像クレジット:Kirsten Korosec

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(翻訳:Mizoguchi

EVメーカーRivianが独自の充電ネットワークをアクティブなレジャースポットにも展開する理由

人里離れた道をクルージングするドライバーは、これから数カ月の間に珍しい光景に出くわすかもしれない。都市部や幹線道路ではない、人気のない場所にRivian(リビアン)の充電ステーションが設置されているかもしれないからだ。

電気自動車メーカーのRivianは、ピックアップトラック「R1T」とSUV「R1S」の最初の納車に向けて、米国内に電気自動車用充電ステーションのネットワークを設計し、構築することに着手している。このネットワークには、高速道路に沿って設置される急速充電器が含まれる予定だ。これはTesla(テスラ)やElectrify America(フォルクスワーゲンがディーゼル排出ガス不正スキャンダルをめぐる米国規制当局との和解の一環として設立した事業体)が採用している戦略である。

だが、Rivianは電気自動車の充電設備展開計画に、業界では珍しい第2のレイヤーを追加しようとしている。同社はマウンテンバイクやハイキングコースからカヤックスポット、さらには人気のある登山用の岩場の近くなど、アクティブなレジャースポットの駐車場に数十台のEV充電器を設置する予定だ。オーナーがこれらのアウトドアアクティビティを楽しんでいる間に、彼らが乗ってきた電気自動車に電力を供給するというわけである。これはRivianの顧客基盤に向けた直接的なアピールであり、ブランドと電気自動車に対する信頼を築くために必要なものであると、Rivianの創業者でCEOのRJ Scaringe(R・J・スカーリンジ)氏は充電、バッテリー、自動運転などについての幅広いインタビューの中で、TechCrunchに語った。

「私たちは、州間高速道路以外の場所にRivianの充電施設を造ることにワクワクしています。それによって、これまで充電の問題から電気自動車で行きづらかった場所、電気自動車が歓迎されなかった場所にも、行けるようになり、また行きたくなるでしょう」と、スカーリンジ氏は語った。「電気自動車のオーナーが自分の興味に応じて、目的地やそこまでの道のりを精選したドライブができる手段について、私たちは長い時間をかけて考えました。旅の途中で立ち寄って、2〜3kmあるいは7〜8kmほどのハイキングを楽しむことができるルートがあり、そのすぐ隣には充電ステーションがあるのです」。

「全部取り」アプローチ

Rivianの顧客向けネットワークは、ドライバーが必要とする高速道路沿いの急速充電器と、戦略的にスピードが重要でない目的地に設置された充電器を提供する2本立てとなる。そこで問題となるのは、スカーリンジ氏は「本当におもしろくて、やりがいのある不動産」問題と表現しているが、つまり人々が興味を惹かれるポイントを探り当て、どのルートのどこに充電ステーションを設置するか、最適な場所を特定することだ。

Rivianのネットワーク構築は、消費者のブランド認知度と不動産の知恵を試すだけのものではない。約60億ドル(約6250億円)を調達したこの電気自動車メーカーは、急速DC充電器を含む技術を自社で開発した。

「これについてはあまり話したことはありませんが、あの充電器、パワーエレクトロニクスモジュール、あるいはそれらの充電施設のバックボーンについて、我々は規模を拡大して展開しようと考えています」とスカーリンジ氏は語り、同社の急速DC充電器は約20分で最大140マイル(約225.3km)の走行が可能になると付け加えた。

このハードウェアとそれに付随する充電ソフトウェアは、Rivianのコンシューマー向けネットワークで最も目にすることになるだろう。しかし、このプラットフォームとその周辺のハードウェアは、フリートベース(複数の車両を用いる事業向け)製品にも使用されることになると、スカーリンジ氏はいう。

「商用バンを考えれば、充電器とディスペンサーは少し違うように見えるかもしれませんが、充電機能を構築するために使用されるこれらのパワーモジュールの心臓部は、まったく異なるアプリケーションにも同じように適用されます」と、彼は語った。「それが、当社が中核技術をすべて自社開発した理由の1つです。これによってフリートベースのB2B充電ソリューションと、Rivianの個人オーナーのための一般消費者向けアドベンチャー・ネットワークの両方を、構築することができるのです」。

体験をコントロール

Rivianは、R1TとR1Sを市場に出すために数年と数億ドル(数百億円)を費やしてきた。これまでに60億ドル(約6250億円)を調達しているが、その資金は技術開発や製造規模の拡大で簡単に消えてしまう。Rivianネットワークは、自動車メーカーがユーザーの所有体験全体をコントロールすることで信頼性を高めたいと考えているならば、必要な事業であるとスカーリンジ氏は主張する。

現在、ChargePoint、EVConnect、EVGo、Electrify America、Greenlotsなど、多数のサードパーティの充電会社が運営されている。従来の自動車メーカーは、電気自動車の展開に先立ち、これらの企業と提携し、戦略的な投資を行ってきた。しかし、スカーリンジ氏には、サードパーティのネットワークに完全に依存する気はない。

「問題は、決済プラットフォーム、稼働時間、パフォーマンス、充電器の予約機能など、充電の手間を省くために必要なことが、私たちの手ですべてコントロールできないということです」と、スカーリンジ氏はいう。「Rivianアドベンチャーネットワークでは、これらを私たち自身が100%コントロールすることができます。どのクルマが、どれくらい充電しているか、料金はいくらだったか、すべて私たちは知ることができます。充電器の設置場所についても、まさしく独創的になれるので、Rivian独自の特別な場所に設置することが可能です」。

開放それとも閉鎖?

Rivianネットワークは明らかにRivianの顧客のために構築されている。しかし、これが必ずしもテスラのスーパーチャージャーネットワークのようなクローズドな独自システムになるわけではない。

急速充電に使われる一般的なコネクタは、CCS(Combined Charging System、通称コンボ)かCHAdeMO(チャデモ)の2種類だ。Rivianが採用している直流コネクタのCCSは、近年ヨーロッパや北米で普及が進んでいるオープンな国際規格である。

つまり、RivianのトラックやSUVはアダプターを使用しなくても、CCS対応ならどのサードパーティ製充電ステーションも使用することができるということだ。これは同時に、CCS規格を採用している他の電気自動車も、理論的にはRivianネットワークを使用できることを意味するが、ソフトウェアがその使用をブロックする可能性もある。

Rivianの電動ピックアップとSUVの最初の納車開始が予定されている2021年夏までに、いくつの充電ステーションがオープンするかについて、スカーリンジ氏は正確な数を明らかにしようとはしなかった。2021年には米国で数十カ所の充電ステーション(各ステーションには平均6つの充電コネクタがある)が建設予定であることに同氏は言及した。

「そのネットワークが構築されたら、非常に大きなバッテリーパックを持たなければというプレッシャーを取り除くことができるでしょう」と、スカーリンジ氏は語った。

Rivian R1TとR1Sには、一度の充電で300マイル(約483km)以上の距離を走れるバッテリーパックが標準装備されている。2022年1月には、R1Tに400マイル(約644km)以上の距離を走れるバッテリーパックが用意される予定だ。5人乗りおよび7人乗りのR1Sでさらに航続距離が長いモデルについては、生産開始後に発表されることになっている。Rivianは最終的に、より小さな航続距離250マイル(約402km)のバッテリーパックを搭載して価格を抑えたR1TとR1Sを発売することも計画している。

具体的な数字はなくても、Rivianの充電ステーションに対するスカーリンジ氏の希望と計画が、「数十」をはるかに超えることは明らかだ。

「ネットワークの規模は、一朝一夕にできるものではありません」と彼はいう。「米国全土をカバーするには数カ月、高密度にカバーするには数年の時間が必要です。2023年か2024年までには、確実に我々はそれを実現できているでしょう」。

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画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾンがRivianとの提携で初の完全電気自動車を発表、車内にはもちろんAlexa内蔵

Amazon(アマゾン)は、電気自動車のスタートアップであるRivian(リヴィアン)との提携によって作られた、同社初の特注EV配送バンの納品を受けた。このバンは、丸みを帯びたエッジが多くなっているものの、既存の伝統的な燃料とハイブリッドの商用配送バンとあまり変わらないように見える。技術革新のほとんどはあまり目立たない場所で起こっている。

このバンの詳細を記したブログ記事(Amazonブログ)でアマゾンは「センサーベースの高速道路走行と交通支援機能、デジタルディスプレイを介してドライバーに360度の視界を提供できるエクステリアカメラ、ドライバーのキャビンコンパートメントへの行き来を支援するためのキャビン内の広い室内床面積、ほかのドライバーのためのブレーキの視認性を高めるためのサラウンドテールライト、一体型3段シェルビングと隔壁分離ドア。そして最後にはもちろん、内蔵のAlexa音声アシスタントの統合を含む、カスタムバンのユニークな機能のいくつかを概説した。

アマゾンは2019年、スタートアップのEVメーカーのために7億ドル(約742億円)のラウンドを主導したときに、Rivianへの大規模な投資を発表した。その後同社は、昨年9月にnカスタムメイドの電動配送バンを10万台発注することを発表した。Rivianはまた、商用車計画に加えて、電動ピックアップやSUVを製造し、消費者に向けて出荷する意向だ。

アマゾンは完全電気自動車の導入を計画しており、今後2年以内に世界で1万台のカスタムバンが道路を走るようにし、2030年までに10万台の注文を受けるまでに拡大すると発表している。一方Rivianは、イリノイ工場の試験的な生産ライン稼動を開始し、2021年6月からSUVの納入を開始し、来年8月からSUVの出荷を開始する予定とのこと。

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(翻訳:TechCrunch Japan)