Teslaの訴訟は「中傷が目的」だとしてRivianが逆訴訟で反撃

Rivian(リビアン)はTesla(テスラ)が起こした訴訟を却下するよう裁判官に求めた。そこで訴えられた3つの主張のうち2つ、企業秘密の窃取と人材の引き抜きを立証するに足る表明がなく、従ってRivianの評判を貶め、求人努力を傷つけたという理由からだ。

もう1つの主張は、4人の前テスラ従業員に対する契約違反の問題だが、これに関しては「異議申立」も却下も求めなかった。なぜなら、Rivianには直接関係のないことだからだ。だが、この4人についても弁護士から同様の請求が出される可能性は残されている。

テスラにコメントを求めたが、返事は得られなかった。回答があり次第、更新情報をお伝えする。

2020年7月、テスラはRivianと4人の元従業員に対して、人材を引き抜き、企業秘密の窃取したと主張し訴えを起こした。テスラの訴えの具体的内容は、間もなくテスラを退職する従業員に、どのような機密情報が欲しいかを伝えていたというものだ。

Rivianは、8月10日にサンタクララのカリフォルニア州最高裁判所に起こした訴訟で、同社には「人材を雇用する際には、他社の秘密情報を持ち込ませないための厳格な規範と手順がある」と主張した。Rivianは、テスラが企業秘密としている情報は、Rivianにも同社のいかなるシステムにも一切使われいないと話している。

Rivianの主要な論点は、訴因構成に足る事実をテスラは明示していないということだ。この法律用語は、平たくいえば、テスラの主張には訴える権利を与えられるほどの十分な内容がないということだ。Rivianはテスラの訴訟の根拠は事実ではなく、憶測だと論じている。

「特に裁判所は、テスラの訴えの中に散見されるそうした明らかな憶測を信じないように」とRivianは訴えの中で求めている。

Rivianはテスラの訴えに反論したばかりではない。それは不当だとして自身も訴え返した。

Rivianの弁護団は、テスラの訴訟は、法的な知的財産権の防衛や保護が目的ではなく、Rivianの勢いを「弱めようとする不適切で悪意ある試み」のために訴訟を利用し、ブランドに傷を付けることが目的だと主張した。またテスラは、自社の従業員に会社を離れないよう脅しをかけるために訴訟を利用したとも訴えている。

残念なことに、Rivianの名前に傷を付けることだけがテスラの隠れた目的ではありません。むしろ彼らは、これは2つめの不適切な目的のために訴えをでっち上げたのです。その目的とはすなわち、自社の従業員に脅迫のメッセージを送ることです。テスラを離れようなどと思うなよ、と。カリフォルニア州には従業員の移動の自由を守る強力な公共政策があり、非競争契約が制限されていることを考慮すれば、テスラの苦情は、4人の元従業員に対する、テスラを離れてRivianに加わったことへの制裁が目的であることがわかります。

この反論はまた、訴訟のタイミングについても疑問を呈している。訴訟は、複数のファンドとRivianがT. Rowe Price Associates Inc.(ティーロウ・プライス・アソシエイツ)のアドバイザーアカウントから250万ドル(約2億7000万円)を調達(未訳記事)したことをRivianが発表した直後に起こされている。

画像クレジット:Rivian

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(翻訳:金井哲夫)

Rivianの電動ピックアップトラック「R1T」の2021年6月出荷開始が明らかに

電気自動車開発のスタートアップであるRivian(リビアン)は、2021年夏のピックアップトラックとSUVのマーケット投入に向け、イリノイ州ノーマルにある自社工場で試験生産を開始した。

見込まれる顧客に送られた電子メールの中でRivianは、電動ピックアップトラックR1Tの出荷は2021年6月に始まると述べている。電動SUVのR1Sの出荷は2021年8月開始の見込みだ。

Rivianは2020年5月にR1TとR1Sの出荷は2021年に先送りされると明らかにしていた。本日の電子メールで明らかになるまで、出荷が実際にいつになるか不明だった。

試験生産ラインの稼働はフル生産に入る前に予想される問題をしらみ潰しにするための必要不可欠なステップだ。どちらのモデルも当初、2020年末までにマーケット投入される予定だった。このタイムラインは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで工場の建設作業を一時中止せざるを得なかったために2021年に後ろ倒しになった。工場は三菱が2017年に購入したもので、同社とChrysler(クライスラー)の合弁会社Diamond-Star Motors(ダイヤモンドスターモーターズ)がMitsubishi Eclipse、Plymouth Laser、Dodge Avengerなどを生産していた。

工場では、消費者向けのR1TとR1S、そしてAmazon(アマゾン)向けの電動配達バン10万台が生産される。Rivianは予定通り2021年初めにAmazonへのバンの納車を開始すると述べている。Amazonは以前、早ければ2022年にも電動バン1万台の使用が始まり、2030年までに全10万台が配達に使われると話していた。

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

EVピックアップトラック開発のRivianが2670億円調達

世界初のEVピックアップトラック販売を目指しているEVメーカーのRivian(リビアン)は、投資管理会社であるT. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドなどがリードするラウンドで25億ドル(約2670億円)を調達した。

新規投資家のSoros Fund Management LLC(ソロス・ファンド・マネジメント)、Coatue(コーチュー)、Fidelity Management and Research Company(フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチカンパニー)、Baron Capital Group(バロン・キャピタルグループ)そして既存株主のAmazon(アマゾン)とBlackRock(ブラックロック)が管理するファンドも参加した。新たに役員は加わらなかった。

Rivianと同社の創業者でCEOのR.J. Scaringe(R.J. スカーリンジ)氏は上場を避け、代わりに戦略的ファンドとプライベート投資家から資金を調達してきたが、今回の調達は同社にとってこれまでで最大のラウンドだ。一連の投資を通じて28億5000万ドル(約3050億円)を集めた活発な2019年に続く動きだ。今回、Rivianは2019年に相当する額を一度に集めた。

同社は2019年2月に、Amazonがリードした7億ドル(約750億円)の資金調達を発表した。その後、Ford(フォード)による5億ドル(約530億円)の投資を含め、将来のEVプログラムでコラボする約束とともにさらに多くのディールや投資が続いた。Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)も9月に3億5000万ドル(約370億円)を投資した。RivianはT. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドなどがリードし、AmazonやFord、BlackRockが管理するファンドが参加した13億ドル(約1390億円)の資金調達ラウンドを発表して2019年を締め括った。

Rivianはまた2019年に、スケートボードプラットフォームを活用してAmazon向けの配達EVバンを開発していることも発表した。AmazonはEVバン10万台を発注し、2021年から納車が始まる。

Rivianは集中的に資金調達を行っており、これは2021年まで続きそうだ。同社はR1T電動ピックアップトラックとR1S SUVを組み立て、AmazonにEVバン納車するための工場をイリノイ州ノーマルに準備している。

これら3つのプロダクトは(EVバンに限っては直接Amazonへの納車になるが)2021年に販売開始となる見込みだ。R1TとR1Sは2020年に生産が開始される予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで後ろ倒しになっている、と同社は以前述べていた。

「我々はR1TとR1S、そしてAmazonの配達EVバンの立ち上げにフォーカスしている。これらはすべて2021年にローンチされる予定で、当社のチームは生産を増強できるように車両やサプライチェーン、生産システムの準備に注力している。生産にフォーカスできるようにしてくれている強力な投資家に感謝する」とスカーリンジ氏は声明で述べた。

Rivianは困難も抱えていた。Fordとのコラボは棚上げされ、新型コロナで余儀なくされた工場停止はRT1とRS1のプロジェクトの遅延につながった。 2020年初め、Ford傘下のラグジュアリーブランドであるLincoln Motor(リンカーン・モーター)はRivianのスケートボードプラットフォームを活用した新電動車両を生産する計画をキャンセルした。RivianとFordは当時、現状に基づく共同の決断だと述べた。現状とは、主に新型コロナパンデミックを指す。両社はまだ将来共同で車両を開発することを計画している。

画像クレジット: Rivian

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(翻訳:Mizoguchi

イリノイの工場再開でRivianのアマゾン向け電動配送バンの生産は計画どおり実行

Amazon(アマゾン)、Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)、Ford(フォード)が支援する電気自動車メーカーのRivian(リビアン)は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる一時閉鎖が解除されたのを受けて、米国イリノイ州ノーマルの工場を再開させた。

一般消費者向け電気自動車R1TとR1S、それにアマゾン向けの電気配送バン10万台を生産することになっているこの工場は、従業員が段階的に戻って来ることになり再始動した。工場閉鎖の後の段階的再開ではあるが、アマゾンが5月28日に発表した声明によれば、アマゾン向けの配送トラックの生産スケジュールに変更はないとのことだ。

アマゾンは昨年9月、2040年までに炭素排出量をゼロにするという「気候変動対策に関する誓約」(The Climate Pledge)の一環として、Rivianに電気配送バン10万台を発注した。この電気バンを使った宅配は、最初の予定どおり2021年にスタートする。「2022年には早くも1万台の電気バンが走り回ることになり、10万台すべてがそろうのは2030年になる」と5月28日に発表した声明でアマゾンは述べている。

Rivianは、R1TとR2Tの生産開始は2021年に先延ばしした。当初は、その電気ピックアップと電気SUVの生産と出荷を2020年後半に予定していたのだが調整された。Rivianでは、以前からR1Tが先でR1Sはその後と決めている。

新型コロナウイルスのパンデミックによって部材の供給が制限され、同社はスケジュール変更を余儀なくされたためだ。しかしRivianは、R1TとR1Sの生産と出荷の時期を近づける努力をしている。

今のところ同社は、工場の内外での作業に力を注いでいる。新型コロナ禍が起きる前は、およそ335人の従業員がRivianの工場で働いていた。現在は116人が出勤しているが、残りの従業員も次第に呼び戻す予定だ。Rivianは、1人の従業員もレイオフせず、すべての従業員に給料を払い続けてきた。

およそ109人の建築請負作業員も工場に戻り、内部での作業を再開した。工場の外では、その他の120人から140人の建築作業員も、工場を約24万平方mから約28万平方mに拡張する工事を再開した。

RivianのCEOであるRJ Scaringe(R・J・スカーリンジ)氏によると、同社は4段階の新たな安全対策を導入したという。体温チェックが実施され、従業員には防護服と防護具が配布されている。

「車両のエンジニアリングとデザインの部門では、作業スケジュールを予定どおり進めるためのデジタル管理の方法を開発した」とスカーリンジ氏は話していた。

“新型コロナウイルス

画像クレジット:Amazon/Jordan Stead

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(翻訳:金井哲夫)

アマゾン支援のEVメーカーRivianが保険商品の提供を計画か

Rivian(リビアン)は保険代理業務のデータマネージャーを募集する求人情報を掲載しており、これは電気自動車メーカーが顧客に独自の保険を提供する計画があることを示唆している。

この求人はRivianForumsが最初に投稿したもので、TechCrunchにも情報が寄せられている。さらに、Roadshow/CNETもこの新しいポジションについて報じている。Rivianは計画の詳細については明かさなかったが、保険分野でいくつかの求人情報があることは認めた。

Rivianのウェブサイトに掲載された求人情報によると、業務内容は同社の損害保険業務(P&C)を率いることであり、採用からトレーニング、コーチング、雇用されたライセンスを持つ販売エージェントと保険カスタマーケアチームを管理することが含まれているという。また被雇用者は保険商品を販売し、パートナーに販売機会に関するフィードバックを提供するという。

10年以上の経験を持ち、複数の州でP&Cのライセンス取得者を募集しているこの投稿は、これがグローバルな製品になることを示唆している。なお求人はミシガン州のプリマス本社ではなく、イリノイ州ノーマルにある自動車メーカーの工場を指定している。State Farm Insurance(ステートファーム・インシュアランス)の本社はイリノイ州ブルーミントンにあるので、Rivianは才能ある応募者の多く集めることができるはずだ。

この動きは、Tesla(テスラ)に倣ったもののようだ。テスラは昨年8月に保険商品を発売し、同社の電気自動車の所有者に他の保険会社より20%、あるいは30%も安い保険を提供すると約束した。Tesla Insuranceとして知られるこの商品は、カリフォルニア州の居住者のみが利用できる。テスラによると、この事業は将来的に米国の他の州にも拡大する予定だという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

フォードはRivianとの協業によるリンカーンの電動車開発をキャンセル

Ford(フォード)の高級ブランドであるLincoln(リンカーン)は、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにしたまったく新しい電気自動車の開発計画をキャンセルした。

画像クレジット:Lincoln

Crain’s Detroit Businessによると、米国時間4月28日に各ディーラーに通知されたという。

Rivianとフォードは、TechCrunchに宛てた声明で、これは現在の状況を鑑みた両社合意による決定であると述べている。つまり、新型コロナウイルスのパンデミックが主な原因であることを暗に示している。また両社は将来、共同で車を開発する計画だとしている。

「現在の状況を考慮し、リンカーンとRivianは、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにした全電動車の開発にこれ以上踏み込まないことを決定しました」と、リンカーンの広報担当者はその声明で述べている。「リンカーンとRivian両社の電動化に関する戦略的なコミットメントは変更されていません。リンカーンの今後の計画には、Quiet FlightのDNAを受け継いだ全電動車も含まれることになるでしょう」。

この決定は、フォードがRivianに5億ドル(約532億8000万円)を出資した1年後になされたもの。Rivianはミシガン州を拠点とするEVのスタートアップで、全電動ピックアップトラックとSUVを開発している。当時フォードは、Rivianと共同で電気自動車を共同開発する計画も発表していた。

2020年の初めまでは車がどのようなものになるのか、またどのブランドのものになるのか、といったことも明らかにされていなかった。フォードは1月に、リンカーンとRivianが共同開発している全電動車が、SUVになるであろうことを発表した。このバッテリーで動作するリンカーンの電気自動車は、Rivianのフレキシブルなスケートボード型プラットフォームをベースに開発されることになると、その際に同社は明らかにした。

フォードはTechCrunchに「開発サイクルを進めていく中で、現在の状況を考えると、リンカーン独自の完全な電気自動車を開発する取り組みに集中するほうがよいと判断するに至りました」と語った。

フォードは、Rivianとは依然として強固なパートナーシップを保っていると付け加えた。

「当社の戦略的コミットメントは変更されておらず、Rivianのスケートボード型プラットフォームを利用した別の車の開発に、引き続きRivianと協力しながら取り組んでいます」と、フォードは述べたが、その車がどのようなものになるかについては言及していない。

リンカーンは、これまでに2車種のプラグインハイブリッド車を生産している。2019年11月のロサンゼルスモーターショーで発表したAviatorとCorsair Grand Touringだ。同社はまだ全電動車を製造したことはない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Rivianが作るリンカーンの電気自動車

リンカーン・モーター(Lincoln Motor)初となる全電動車は、Rivian(リビアン)製となりそうだ。

画像クレジット:Lincoln

フォード(Ford)傘下の高級ブランドであるリンカーン(Lincoln)は米国時間1月29日に、両社は「まったく新しい」電気自動車の開発に協力して取り組むと述べた。この電気自動車、というよりもそれを開発するという意図は、昨年4月のフォードによるRivianへの5億ドル(約54億4700万円)の出資とともに発表された。しかしこれまでは、その車がどのようなもので、どのブランドになるのかは明らかにされていなかった。

Rivianは、今回の発表を確認したが、それ以上の詳細は明かさなかった。

リンカーンは、すでに2種類のプラグインハイブリッド車を生産している。昨年11月にLA Auto Showで発表したAviator(アビエイター)とCorsair Grand Touring(コルセア・グランドツーリング)だ。しかしこれまでは、完全な電気自動車を生産したことはなかった。

リンカーンのバッテリー駆動の電気自動車は、Rivianのフレキシブルなスケートボードのプラットフォームを利用して開発される。

「Rivianとの協力して仕事を進めることは、リンカーンが完全な電気自動車という未来に向けて前進するための重要なポイントです」と、リンカーン・モーターカンパニーの社長であるJoy Falotico(ジョイ・ファロティコ)氏は声明で述べている。「この車両は、Quiet Flightに新たな境地を開くものです。排出ゼロ、さりげない高性能、コネクテッドで直感的なテクノロジーです。驚くようなものになるはずです」。

リンカーンは、この3年間、消費者のSUVに対する欲求を刺激することに注力してきた。同社によれば、それによってグローバルなSUVの売り上げが、毎年7%ずつ成長してきたという。

リンカーンは、Rivianがどのような車を製造するかについては述べなかったが、ここ数年の傾向を見れば、SUVである可能性が高い。

高級なEVの追加は、MKZセダンの終焉を意味することになる。メキシコのエルモシオ生産工場が、新しいフォード車の生産準備に入るため、MKZセダンの生産は今年中に終了すると同社は明らかにした。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Amazonが支援するEVメーカーRivianがピックアップトラックとSUVにAlexawo搭載

Rivian(リビアン)はAmazon(アマゾン)の音声アシスタントAlexa(アレクサ)をピックアップトラックのR1TとSUVのR1Sに搭載する。R1TとR1Sは同社初の電気自動車で、2020年末のデビューが予定されている。

また、Rivianは1月6日の月曜日に、Alexaの搭載をAmazonから受注した配送トラック10万台にも広げることを明らかにした。この配送トラックは2021年から顧客への荷物配達に使用される見込みだ。

R1TとR1SへのAlexa搭載では、音楽再生や電話、ナビといったAlexaのスタンダード機能に加えて空調やトランク開閉、その他の操作がコントロールできる。

R1TとR1S専用の特殊操作もできるようにする予定だ、とRivianは話した。例えば、R1T内にどんなギアが隠されているのかをチェックするために、車内に設置したカメラをAmazonのEcho ShowやFire TVからリモートで操作できる、といったものだ。またAlexaを搭載することで車両がオフラインのときでも一部のAlexa機能にアクセスできるようになるが、実際にそのように設定するかどうかはこの車両をどのように使うかにもよる。

「Rivianは、妥協することなく探検できる未来像を描いている。そして、オーナーがどこで乗ろうともこの車両でいつでも最良のデジタル体験ができるようにする」と Rivianの創業者でCEOのRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏は述べた。「我々は車両へのAlexa搭載をマーケットで最も包括的でシームレスなものにしたい」

CES 2020の前に発表された今回のAlexa搭載は、Amazonが自動車業界にも足を踏みこみ進めているという最新の動きを表している。Lamborghini(ランボルギーニ)もまた同社のスポーツカーHuracán EVOにAlexaを搭載する計画を発表した。

AmazonがAlexaの搭載、クルマへの配達サービス、Rivianへの直接投資を通じて自動車業界に触手を伸ばして数年が経つ。eコマースのAmazonはまた、顧客がドアのキーパッドとスマートセキュリティカメラを使って配達中のドライバーが家の中に入れるようにするAmazon Keyサービスも立ち上げた。2018年にこのサービスはKey by Amazon In-Car配達サービスとしてクルマにも拡大した。

GM(ゼネラルモーターズ)とVolvo(ボルボ)が最初にこのKey by Amazon In-Car配達サービスを導入し、2019年4月にFord(フォード)も続いた。

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾンやフォードが出資する電気自動車のRivianが1400億円を新規調達

アメリカの自動車技術スタートアップ、Rivian(リビアン)が新たに13億ドル(約1420億円)の資金を調達した。これは同社が2019年に発表しただけでも4回目の調達ラウンドで、これまでにAmazon(アマゾン)が主導した7億ドル、Ford(フォード)の5億ドル(電気自動車技術の提携を含む)、Cox Automotiveによる3.5億ドルのラウンドを完了している。

これは大層な金額だが、Rivianは普通のスタートアップとは少し違う。この会社の目的は完全電動自動車を市場に出すことにあり、現在ピックアップトラックのR1Tとスポーツ用多目的車(SUV)のR1Sを作っている。いずれも一般消費者向けの製品で、来年末の販売開始を目標にしている。RivianはAmazonと提携して全電動デリバリーバンも製造している。Amazonはこの車を10万台発注していて、出荷開始は2021年の目標となっている。

リリース文によると、今回の巨額調達ラウンドには、AmazonとFord Motor Companyのほか、T.Rowe Price AssociatesやBlackRockのファンドが参加している。この資金調達に関連する新たな取締役の就任はなく、出資に関わっている個々のファンドについての詳細は発表されていない。

2009年に設立されたRivianは、世界各国に研究開発施設があるほか、イリノイ州ノーマルには260万平方フィート(24万平米)の製造施設を持っている。同社は2018年11月にLAオートショウでピックアップトラックとSUVを発表した。最初に発売予定なになっているのは1回の充電で最大410マイル(約660km)走行可能なハイエンドモデルで、R1Tピックアップの価格は税優遇などの適用前で6万9000ドル(約750万円)から、R1S SUVは7万2500ドル(約800万円)から。Rivianは事前注文を受け付けていて、1000ドル(約11万円)の手付金で予約できる。

さまざまな意味で突如として現れた感のある会社ながら、Rivianの資本構築と提携の充実ぶりはTeslaと戦うにふさわしい挑戦者を思わせる。中でもトラックとSUV分野はTeslaの存在感が小さいところであり、現在購入可能なのはハイエンドのModel Xのみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

EVピックアップトラックのRivianがCox Automotiveから380億円調達

冒険心をくすぐるピックアップトラックやSUVの展開を計画している電気自動車メーカーのRivianが、自動車関連のサービスをグローバルで提供しているCox Automotiveから3億5000万ドル(約380億円)を調達した。

両社は米国時間9月10日火曜日、「サービスオペレーションやロジスティック、デジタル小売で協力する機会を模索する」とも話した。それ以上の詳細は語られなかった。しかし、Rivianの共同創業者でCEOのRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏は、この提携はRivianが消費者にサービスを提供するのをサポートすることになる、とほのめかした。

「我々はケアや配慮が行き届いた車両、というような体験になるように取り組んでいる」とスカリンジ氏は話した。「この一環として、一貫した顧客体験を提供するためにCox Automotiveとともに働くことを楽しみにしている。Cox Automotiveはグローバルでの存在感、サービスとロジスティックの能力、小売テクノロジープラットフォームを有する、素晴らしいパートナーだ」。

Cox Automotiveはロジスティックや車両管理、サービス、そして同社が販売してサービスを提供する車が必要とするバックエンドの小売サービスであるデジタル小売など、さまざまな専門を抱える。例えば、Cox Automotiveは1月にPivetという名称のタスクマネジメントを管理する車両サービスブランドを立ち上げた。タスクマネジメントには車両登録や車両登録抹消、クリーニング、修繕、燃料補給と充電、メンテナンス、ストレージ、パーキング、ロジスティックなどが含まれる。

Rivianはこれまではっきりと車両の定額利用サービス計画を発表していないが、車メーカーがビジネスモデルとして定額利用を扱うなら、このタイプのサービスは使い勝手がいいだろう。

Cox Automotiveはまた、電気自動車の機運の高まりを最大限生かそうと、バッテリー診断や使用済みバッテリーの再利用方法といった事業を構築してきた。

親会社Cox Enterprisesと同様、Cox AutomotiveはRivianを売り込むベースを持っている。Cox EnterprisesはAutotrader、Kelley Blue Book、Pivet、 RideKleen、そして世界150カ所で車両の輸送やサービス、オークションを展開しているManheimなどを含む30の自動車関連ブランドを抱えている。

Cox Automotiveとの提携は、今年あった巨額の資金調達2件に続く動きだ。2月にRivianはAmazonが主導するラウンドで7億ドルを調達した。その2カ月後、Ford Motorからの5億ドルもの投資を発表した。

こうしたビッグネーム投資家がいるにもかかわらず、Rivianは依然として独立した会社であり続ける。これはスカンリジ氏が過去数年間、TechCrunchに対して繰り返し語ってきた願望だった。Cox AutomotiveはRivianの役員会に1人メンバーを送り込む。

「新たなモビリティの将来において重要な役割を果たすであろう車両の電動化で、今回の提携はCox Automotiveにとって新たな発見と学習の機会となる」とCox Automotive Mobility Groupの会長であるJoe George(ジョー・ジョージ)氏は声明文で述べた。「バッテリーテクノロジーの進歩と車両の電動化は我々がフォーカスしている主要分野で、この提携が互いに恩恵をもたらすと確信している」。

Rivianは2018年11月に全電動R1TピックアップとR1S SUVをLAオートショーで発表するまでなりを潜めていた。スカンリジ氏は2009年にMainstream Motorsという名称で会社を立ち上げた。2011年までに現在のRivianに名称を変更し、拠点をフロリダに移した。今では同社は米国内の4カ所に置く開発拠点と英国のオフィスで1000人超の社員を抱える。社員の大半は対応能力のある自動車サプライチェーンに近いミシガンにいる。

Rivianはまたカリフォルニア州サンノゼとアーバインにも事業所を抱えている。そこではエンジニアが自動運転車両テクノロジーに取り組んでいる。加えて、イリノイ州ノーマルに工場を持っている。その工場はかつてクライスラーとのジョイントベンチャーDiamond-Star Motorsという形で三菱が所有していたものだ。

フレキシブルなスケートボードプラットフォームを採用しているRivian車両の米国での納車は2020年後半が予定されている。

画像クレジット:Rivian

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(翻訳:Mizoguchi)

Rivianと登山家Alex HonnoldがEV用バッテリーを再利用したソーラー・マイクログリッド建設で協力

かつては秘密主義だったが11月に電動ピックアップトラックとSUVで公にデビューを果たした自動車メーカーRivianは、自社の中古バッテリーを、プエルトリコでのソーラー・マイクログリッド・プロジェクトに役立てようと計画している。

Rivianは、プロの登山家でドキュメンタリー映画『Free Solo』の主役にもなったAlex Honnoldが創設したThe Honnold財団と手を組み、このマイクログリッド・プロジェクトを進める。HonnoldとRivianのCEO、RJ Scaringeは、土曜、デンバーにてプロジェクトに関する対談を行う予定で、その様子は米山岳部時間で午後6時からストリーミング配信される(訳注:すでに終了しています)。

マクログリッド・プロジェクトは、プエルトリコの中西部に位置する人口2万人の都市アドフンタスで実施される。ここは2017年のハリケーン・マリアによる甚大な被害を受けた地域だ。アドフンタスに拠点を置き、この地域に安価に電力を供給する方法を模索している環境監視団体Casa Puebloも、プロジェクトに参加する。

Rivianは、自動車開発に使用した135キロワット毎時のバッテリーパックを提供してマイクログリッドを支える。今年の始め、RivianとThe Honnold財団のエンジニアがCasa Puebloを訪れた。彼らは、地域の代表者たちを交えて、アドフンタスの中心地でビジネスを展開する数多くの事業所に電力を供給する、地域に適合したシステムの設計について話しあった。

街の中心地を対象としたマイクログリッド・プロジェクトには、2つの目的がある。主電源が使えなくなったときに地元の中核的事業に電気を供給すること。そして、アメリカ全体の平均の2倍にもなるプエルトリコの電気料金を日常的に引き下げることだ。

このシステムは2020年の稼働を予定している。

「再生バッテリーは、再生可能エネルギーの普及を加速させる大きな力になります。このシステムが地域社会で重要な役割を果たすことを想像すると、胸が躍ります。このシステムは、場所の制約、災害復旧、エネルギーの独立性などを考慮して、地域ごとにカスタマイズできるエネルギー貯蓄ソリューションのモデルになるでしょう」とScaringeは話した。

このプロジェクトは、再生バッテリーの広範な利用法を探すという同社の長期計画の第一歩となる。

同社では、そのバッテリーパック、モジュール、バッテリー管理システムを、電気自動車用としての生涯を終えた後も、自動車用充電池から据え置き型充電池へ転換できるよう設計している。モジュール自体は薄型デザインになっているので、再生後は、場所をとらないカスタマイズ可能な装置として応用できる。

Rivianは、ピックアップトラックやSUVといったスポーティーなオフロード車に特化した電気自動車のメーカーだ。同社は2月、アマゾン主導のラウンド投資7億ドル(約760億円)を調達したことを発表した。

この企業は、創設当初、一般の目に触れない形で事業を行ってきた。2009年に設立されたときの社名はMainstream Motorsだった。2011年には社名をRivianに変更し、フロリダを離れた。現在、同社は、ミシガン州プリマス、カリフォルニア州サンノゼとアーバイン、イギリスのサリーに開発部門を分散し、1000名以上の従業員を擁している。また、イリノイ州ノーマルには、約73000坪の工場を構えている。

RivianはR1T電気ピックアップトラックと、R1S SUVを、2020年後半にアメリカで発売する予定だ。その他の地域では2021年から展開が開始される。

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(翻訳:金井哲夫)

Rivianが電動ピックアップトラック搭載用のキッチンを発表

時にはスクランブルエッグが食べたくなる。そんな発想のもと、新興EVメーカーであるRivian(リヴィアン)は米国時間5月17日、アリゾナ州フラッグスタッフで開催されたオーバーランド・エクスポで、電動ピックアップトラック用のアクセサリーを発表した。キャンパーキッチンだ。このユニットは、Rivian R1Tの荷台部分と運転席の間にあるギアトンネルと呼ばれているところから引き出せるようになっている。キッチンには、ストレージとR1Tの180kWhバッテリーパックから電源をとるコンロが備わっている。

このキッチンは、Rivianが変わったギアトンネルのために発表した記念すべき初のコンセプトだ。このスペースは鍵のかけられる収納場所も提供する。しかし、ギアトンネルが発表されたとき、多くの人が「なぜこんなものを?」と疑問に思った。そしていま、このキッチンユニットでRivianは疑問に答えている。Rivianはこのピックアップトラックをアドオンエコシステムの中心に据えたいようだ。Rivianはすでにラックや車両に載せるタイプのテント、そして運転席ドアのサイドに隠された懐中電灯なども発表している。今後、Rivianがアドベンチャーというブランドイメージを確固たるものにしようと、さらにキャンピングやアウトドアのギアを発表することが予想される。

Rivianはこのトラックを特別なライフスタイルのためのものと位置付けている。Patagonia(パタゴニア)の衣服やRange Rover(レンジ・ローバー)の車両などを考えればわかるように、アウトドア好きの人、少なくともそうしたイメージを欲している人はいる。これは賢明なアプローチで、これまでのところRivianはそうしたイメージそのものだ。広告やソーシャルメディア投稿、そして外観から、Rivianが注意深くブランドイメージを統一しようとしているのは明らかだ。

トラックとSUVは通常、労働者やファミリーをターゲットにしている。テレビコマーシャルでは、埃まみれの男性が干し草の山を運搬したり、女性が食品や日用品を車から降ろし、後尾扉を足で閉めたりしている。しかしRivianはそうではない。

これまでのところRivianはプロダクトを、トレイル走行やキャンプファイヤーの横といったシーンに持ってくるなど、奥地で披露してきた。コマーシャルの登場人物はThe North Faceのジャケットを着て、REIのテントで眠るなどアドベンチャーの最中、という感じだった。今日発表のキッチンがあれば、ピックアップからキッチンを引き出してコーヒーを入れることができる。

Rivianは、コンセプトにすぎない、とTechCrunchに対し語ったものの、本格生産する意向だ。そしてギアトンネル用のユニットは他にも出てきそうだ。私はその一つとして、スライド式の犬を洗って乾かすステーションがあればいいと思う。泥だらけの犬をトラックの中に入れることほど最悪なことはないからだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

Amazon、電気自動車Rivianの資金調達7億ドルを主導

3カ月前に初の製品となる車2種をデビューさせた電気自動車メーカーのRivianは、Amazonが主導するラウンドで資金7億ドルを調達した。

このニュースは、GMとAmazonが電気自動車への投資の話し合いをしているというReutersの報道に続くものだ。

「我々は、電動交通の未来についてRivianが描いているビジョンに感激した」とAmazonのワールドワイド・コンシューマー担当CEO、Jeff Wilkeは声明で述べた。「RJはプロダクトのポートフォリオとテクノロジーをマッチさせることで、素晴らしい組織をつくった。そのようなイノベーティブな企業に投資できることに興奮している」。

Rivianは、設立以来ずっと鳴りを潜めていた興味深い会社だ。創業者でCEOのRJ Scaringeが2009年にMainstream Motorsとして設立し、2011年に社名をRivianに変え、フロリダを後にした。現在、同社は米国内4カ所の開発拠点と英国のオフィスに従業員750人超を抱えている。従業員のほとんどは、拡張力のある自動車サプライチェーンに近いミシガンにいる。

Rivianはまた、カリフォルニア州のサンノゼとアーバインにも拠点を置いていて、そこではエンジニアが自動運転車のテクノロジーに取り組んでいる。Rivianは、三菱自動車がDiamond-Star Motorsというジョイントベンチャーをクライスラーと立ち上げ、 Eclipse、Plymouth Laser、Dodge Avengerなどを生産していたイリノイ州ノーマルにある工場を2017年に買い取った。

Rivianはここ数年間活動的ではあったが、大きなカミングアウトは昨年11月のLAオートショーだった。その際、電気で走るR1TピックアップとR1S SUVを発表した。フレキシブルなスケートプラットフォームを使ったこ米国内顧客への納車は2020年後半に始まる見込みだ。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)