プレステ版Robloxが登場しそう、PlayStationコンソールのソフトウェアエンジニアを募集中

Roblox(ロブロックス)の新しい求人情報は、Sony(ソニー)のゲーム機に進出するという同社の緩やかな計画が、かなり現実に近づいていることを示唆している。この求人では、PlayStation用のRobloxアプリを開発するPlayStationコンソールのシニアソフトウェアエンジニアを募集している。

この求人には、このポジションが「ターゲットプラットフォームとの統合、ユーザーインターフェースの適合、パフォーマンスの最適化など、アプリケーションのすべての部分」を含む「世界中の何百万人ものユーザーに使用されているゲームエンジンをSony PlayStationプラットフォーム向けに構築しサポートする」と記載されている。

RobloxのCEOを務めるDavid Baszucki(デイビット・バシュッキ)氏は、Nintendo Switchとソニーの PlayStation、Oculus Questがいずれも長期的に「Robloxにとって完全に理に適っている」と述べ、2021年の追加プラットフォームに関する同社の拡張ビジョンを示唆していた。

「今、みなさんが見ているのは、私たちが信じられないほどスマートフォンに焦点を当てていることです。これは、信じられないほど難しいフォームファクターであり、その没入感を得るには最も難しいフォームファクターだと考えています」とバシュッキ氏は決算説明会で述べている。「しかし、これらはすべて合理的なプラットフォームであり、同時に、我々がそれらのリリース日を共有することはないでしょう」と述べた。

PlayStationで発売されることは、Robloxのコンソールデビューを意味するものではない。PCでよく知られているかもしれないが、Robloxは2016年初頭にXbox Oneで発売され、Microsoft(マイクロソフト)の最もプレイされたゲームトップ50のリストに今でもランクインしている。また、Robloxはモバイルでも人気があり、iPad向けゲームの最高売上高チャートでは、「原神」を抑えて定期的に上位にランクインしている(これは並大抵のことではない)。

この求人情報は、採用動向データ会社のRevealEra(リビールイーラ)によって最初に発見されたもので、週5回の無料ケータリングランチと「無制限のスナック」が付いてくるという、給料が下がるインフレの時代には計り知れない恩恵があることに注目したい。

RobloxはPlayStationの展開時期についてコメントを避け、同社が「熱心に採用中」であることだけを強調した。

画像クレジット:Simon Dawson/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Robloxが中国でのサービスを一時停止、「重要な一時的措置」を実施

Roblox China’s developer day(画像クレジット:Roblox China)

2021年12月8日、Tencent(テンセント)が公開・運営しているRobloxの中国版「罗布乐思(Luobulesi)」が、iOSとAndroidでサービスを開始してから5カ月で突然サーバーを閉鎖した。

驚きを隠せない多くのユーザーは、中国のソーシャルメディアで、この急な告知に不満を漏らしている。ユーザーがプレイしていたのは、実は「アーカイブ削除テスト版」だったと、罗布乐思は告知で述べている。中には「自分のアカウントに課金できるテストゲームなんてあるだろうか」とキレたユーザーもいる。

Robloxの広報担当者はTechCrunchへの声明で「2021年、私たちは罗布乐思としても知られているRoblox Chinaをローンチし、中国で3D体験の没入型仮想世界を構築するというビジョンを掲げ、それをテストし、繰り返してきました」と述べている。「私たちは、中国で魅力的なプラットフォームを構築することは反復的なプロセスであると常に認識しており、罗布乐思ユーザーとグローバルな開発者コミュニティのサポートに感謝しています」。

Tencentは、TechCrunchからのコメント要求に応じていない。

2019年5月、RobloxとTencentは、前者が51%、Tencentが49%の株式を保有するジョイントベンチャーを発表したが、これは中国のジョイントベンチャーで外国企業が過半数の株式を保有する珍しいケースだ。2020年7月、罗布乐思はAndroidテスト版を公開し、期間終了時にユーザーアーカイブをクリアすることを明言している。

データインフラ

Robloxのユニークなサービスは、規制当局の認可を得るのに時間がかかったかもしれない。罗布乐思は、当初、教育志向であることを謳っていた。しかし、2021年、中国は民間教育セクターに対する徹底的な取り締まりを開始した。また、中国では子どものゲーム時間を厳しく制限しているため、罗布乐思に若いプレイヤーが触れる機会への制限も予想されていた。

また、中国の新しいデータ規制が、同国にある外国のインターネットサービス事業者にどのような影響を及ぼしているのかも気になるところだ。中国の国境を越えたデータ転送規制の強化を受けて、YahooLinkedInは、この巨大市場からサービスを撤退する最後の外国企業ではないはずだ。

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Robloxの声明には、ちょっとしたヒントある。

「罗布乐思の長期的なビジョンを実現するためには、データアーキテクチャへの投資を含む、必要な投資を今、行うことが重要です。次のバージョンの罗布乐思のを構築するために、いくつかの重要な一時的なアクションが必要だと判断しました」。

海外のゲームは、中国で公開するに通常、マーケティング、流通、そしておそらく最も重要な規制遵守とゲーミングライセンスの申請を支援してもらうための、現地パートナーを求めている。

Tencentのような味方がいれば、罗布乐思のユーザー生成型プレーが中国当局の方針に反することはないだろう。罗布乐思はRobloxのグローバルプラットフォームから切り離されており、同じゲームやプレイヤーのプールを保有しているわけではない。そのため、多くの中国人ユーザーはVPN経由でグローバル版に移行しており、世界的に人気のあるタイトルの中国語版が検閲の対象となるのという現象が起こっている。

それでも罗布乐思は、国内外の多くのデベロッパーにとって、中国のカジュアルゲーム市場を開拓するための登竜門的な存在となっている。「公式」ローンチの時期が未定であることも、多くのクリエイターをいらいらさせているのは間違いない。アプリ分析会社のSensor Towerによると、同プラットフォームは12月8日に削除されるまでに、中国のApp Storeで170万回インストールされたという。

Robloxの広報担当者は「2021年、私たちが罗布乐思をローンチしたとき、私たちは中国で、魅力的なメタバース体験を提供するプラットフォームを構築したいと長期的な視野を持っていました。その目標は変わっていない」と述べた。

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(文:Rita Liao、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Robloxがハロウィーン期間中3日間ダウンした後に復旧、無料ブリトー原因説を否定

若い世代に絶大な人気を誇るゲームプラットフォームRoblox(ロブロックス)は、米国時間10月31日夜にTwitter(ツイッター)で、全世界でオンラインに戻ったと発表した。

この復旧は、3日間続いたシステム障害の後でのことだった。これは、Robloxのような巨大な規模のテック企業にとっては、やや珍しい連続したブラックアウトだった。同社は先に、原因は「内部システムの問題」であると述べていた。

Robloxの創業者兼CEOであるDavid Baszucki(デイビット・バシュッキ)氏は、業務復旧後の投稿で、「高負荷時にバックエンドサービスの通信に微妙なバグが発生したことが原因で、インフラの中核システムが過負荷状態になった」と説明している。

「これは、外部トラフィックのピークや特定のエクスペリエンスによるものではありません。むしろ、データセンター内のサーバーの数が増えたことが原因で障害が発生しました。その結果、Robloxのほとんどのサービスは、効果的なコミュニケーションと展開ができませんでした」とも。

「実際のバグの診断が困難だった」ため、特定・復旧に「予想以上の時間がかかった」とバシュッキ氏は述べている。

噂では、同ゲームプラットフォームとメキシカンファストフードチェーンChipotle(チポトレ)との間のプロモーションパートナーシップが、ハロウィーンの時期にRobloxプレイヤーに100万ドル(約1億1400万円)相当のブリトーを無料で配布することを計画していたことが、このクラッシュにつながったとされていた。Robloxは、今回の混乱はプラットフォーム上の「体験やパートナーシップ」によって引き起こされたものではないとツイートで否定している。

おりしも、Robloxのクラッシュは、Facebook(フェイスブック)がMeta(メタ)になるというリブランディング発表の直後に起こった。ユーザーがゲームを作ってプレイできるRobloxは、しばしばメタバースの象徴とみなされている。

今回の障害は、ハロウィーンの週末に若いユーザーにいら立ちを与えただけでなく、子供や10代の若者にゲームを売り込んで収入を得ているRobloxの数百万人のデベロッパーにも影響を与えた。Robloxは、8月時点で4300万人以上のデイリーアクティブユーザー(DAU)を抱えている。

この3日間の混乱が、月曜日に市場が開いたときに、Robloxの技術力に対する投資家の信頼を損ねるかどうかはまだわからない。

画像クレジット:Roblox

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

Robloxが今後の計画を発表、アバターの改良やNFTのような限定アイテム販売などを予定

Roblox(ロブロックス)は、米国時間10月14日に開催された年次開発者会議で、子どもや若者に人気の高い急成長しているオンライン・マルチプレイヤー・ポータルの今後について展望を示した。

基調講演では、Robloxの共同設立者兼CEOであるDavid Baszucki(デイビット・バシュッキ)氏が、計画の概要を説明した。それによると同社は、プレイヤーのアバターを磨き上げ、ゲーム内における新たな収益化の流れを導入し、ゲームとソーシャルネットワーキングの交差点で同社を大きな成功に導いた、ユーザー生成コンテンツを創造している開発者の体験を能率化させていくという。

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Robloxは、ブロック状の比較的素朴なキャラクターモデルとゲームグラフィックスで知られているが、そのスタイルが同社の爆発的な成長を妨げることはなかった。しかし、Robloxはプレイヤーのアバターを、よりリアルでカスタマイズ可能なものにしようとしている。これは、若いコアユーザーが年齢を重ねても魅力的なプラットフォームを維持し、仮想世界に作られた無限の拠点の中で、さまざまな形の自己表現を可能にするという、同社の目標に合致した選択である。

「Robloxには際限がないことを、人々は理解すると思います」と、Robloxの最高製品責任者を務めるManuel Bronstein(マニュエル・ブロンスタイン)氏は、TechCrunchに語った。

同日、Robloxはこの方向性に沿ったいくつかの重要な変更を発表した。1つ目はLayered Clothing Studio(レイヤード・クロージング・スタジオ)と呼ばれるもので、これはアバターの衣装をよりリアルでダイナミックなものにするビジュアル・アップデートだ。これによって、例えばあなたが気に入ったRobloxのバーチャルなジーンズ・ジャケットを、あなたのキャラクター・モデルが人型であっても、恐竜であっても、体型に合った姿で着ることができる。これらの衣服は、より写実的なゲームで見られるように、キャラクターの身体にぴったりとフィットし、自然なドレープを描く。

この新たに発表されたRobloxのアバター・アップデートは、現在のRobloxの象徴ともいえるレゴのようなブロック状の外見に、より多くのカスタマイズ性とリアリティを注入することを目的としている。ブロンスタイン氏は、今回の変更を、Robloxのソーシャル体験で中核をなすアバターの「莫大な進化」と表現している。「自己同一性はメタバースの重要な柱であり、自分のユニークなアバターに合わせて衣服をきちんとカスタマイズできることは、個人の表現において最も重要な能力です」と、バシュッキ氏は基調講演で語った。

ゲーム内アイテムを販売するビジネスが活況であることを考えると、Robloxには、バーチャルなファッションシーンを、より洗練された実在感のあるものにするための経済的な動機がたっぷりとある。Epic Games(エピック・ゲームズ)のような、競合他社に遅れを取るわけにもいかない。Epic Gamesは「Fortnite(フォートナイト)」のキャラクターデザインと、1件で5000万ドル(約57億円)もの収益を上げることができるブランドパートナーシップの両面で、業界をリードする存在だ。Robloxは独自のブランドとIP(知的財産)との提携を持っているが、さらに見た目に魅力的なバーチャルグッズの販売を広く手がけるようになれば、その旨味はどんどん増すだろう。

画像クレジット:Roblox

さらなるリアルさを目指して、Robloxは開発者に「Dynamic Heads(ダイナミック・ヘッズ)」と呼ばれる機能のベータ版の提供も開始した。これはアバターの顔がアニメーションするというもので、フェイシャルトラッキングと組み合わせて、キャラクターモデルの口が言葉に合わせて動くようにすることもできる。これには、Robloxが2020年末に買収したデジタルアバターのスタートアップ企業「Loom.ai(ルーム・ドット・エーアイ)」の技術が活用されている。同社はまず、プラットフォームのルーツを思わせるブロックのような頭のデザインをいくつか用意した。開発者はこれらを使って、新しいフェイシャル・アニメーションを試すことができるようになる。最初はユーザーに提供せず、まず導入の第一段階として開発者の手に渡ることを、Robloxは望んでいる。

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Robloxに仮想世界が今本当に必要する「ボイスチャット」機能が登場予定

Robloxは、2021年9月に発表したボイスチャットの大規模な展開を続けており、これまでテキストチャット中心だった体験を、より自然で没入感のあるインタラクションへと急速に移行させようとしている。また、同社は今回、13歳以上の全ユーザーが年齢認証を選択できるようになったことも発表した。この審査過程をパスすることによって、一部のユーザーは導入予定の新機能にいち早くアクセスできるようになる。認証されたユーザーは、Robloxの新しいボイスチャット機能を「2021年の秋の終わり頃から」利用できるようになるという。

アバター体験の向上に加えて、Robloxは限定アイテムを導入する計画も発表した。これは、にぎやかなゲーム内経済からお金を稼ぐ(現実のお金と交換できるRobuxという形で)ための興味深い新たな方法だ。Robloxのクリエイターは、自分がデザインしたアイテムを限定数または期間限定で販売することができる。ゲーム内で確立された仮想経済に、コレクションする楽しみという要素を取り入れるわけだ。クリエイターは、Robloxのゲーム内アイテムをいくつかのNFTと共有し、ロイヤリティを有効にすることで、そこでの販売から収益を得ることもできる。「最終的には、アイテムの再販に関するルールを、ユーザーが設定できるようにするという発想です」と、ブロンスタイン氏はNFTとの関連性について、TechCrunchに語った。

開発者はまた、RobloxがOpen Cloud(オープン・クラウド)と呼ぶ新しいシステムを通じて、そのプラットフォーム用のコンテンツをより柔軟に作成できるようにもなる。Open Cloudでは、開発者はRoblox自身の開発環境であるRoblox Studio(ロブロックス・スタジオ)に制限されることなく、サードパーティ製ツールでコンテンツを作成し、それをRobloxにプラグインすることができる。

同社はクラウド化を推進しており、Robloxのコンテンツ制作者に、より多くのデータ・ストレージを提供し、このプラットフォームを、開発者にとって全般に魅力的で汎用性の高い場所にしようとしている。Robloxはまた、よりリアルな衝突物理学やパラシュートが展開するようなビジュアルを表現できる空気力学など、開発者がすぐに遊び始めることができるグラフィックスの強化も発表した。

2021年には、Robloxはそのユーザー生成ゲームの世界でコンテンツを作成した開発者に、総額5億ドル(約570億円)を支払うことになる見込みだ。3年前の7000万ドル(80億円)と比べると、どれほど大きく成長しているかがわかるだろう。

「私たちは、このメタバースが完全にユーザーによって生成されるものになると確信しています」と、ブロンスタイン氏はいう。「そして、誰もがクリエイターになれるようにすることで、より没入感が増した、多くの種類(の体験)をプラットフォーム上で得ることができるようになると、私たちは考えています」。

画像クレジット:Roblox

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Robloxが年齢認証オプションを導入、音声チャット機能や開発者コミュニティのため

Roblox(ロブロックス)が、IDチェックと自撮りスキャンを組み合わせたユーザー年齢認証のオプションを導入する。このシステムは、ほとんどのRobloxのゲームをプレイする際には必要ないものの、Robloxが2021年秋以降に導入を予定している音声チャット機能への早期アクセスを希望する場合には必要となる。さらに将来的には、開発者が本人確認に依拠する新しい体験を作ることができるようになると、同社では述べている。

この認証システムは、Robloxのコアユーザーの多くが高齢化していることを認めたものだ。同社は2021年9月初め、新機能の「Spatial Voice(空間音声)」を発表した際に、ユーザーの50%が13歳以上になったと述べていた。最も爆発的に増えているのは、17歳から24歳の層だという。

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Robloxのゲーマーがゲーム中に実際の声で会話できるようになるSpatial Voice機能は、まずは13歳以上の5000人の開発者に提供される。彼らは専用に作られたRobloxコミュニティスペースで、音声チャットをテストすることができるようになる。より広いRobloxユーザー層への展開は、新しいモデレーションツールと安全機能を並行して実装する必要があるため、ゆっくりと進められるとのこと。年齢認証はそれらのツールの1つだ。

画像クレジット:Roblox

年齢確認は二段階で行われる。

Robloxのユーザーは、まずアプリを使って、IDカード、運転免許証、パスポート、その他の政府発行のIDをスキャンする。同社によると、このIDの原本データは保存しないという。その代わりに、匿名化された値が生成される。これによってRobloxは、ユーザーの実際の身元が明らかになるリスクを避けつつ、身元を確認することができる。同社はそのドキュメント上のデータを数千もの国際的なドキュメントタイプのライブラリと照合し、それが正当なものかどうかを判断する。ユーザーはIDをスキャンした後、画像ではなく生きている個人であることを確認するための自撮りを行う。システムを騙すための画像が自動的に送信されているわけではないことを証明するためだ。その自撮りした写真は、書類に記載されている人物と照合される。Robloxによれば、このプロセスは写真が撮影されてから数秒で完了するという。

ソーシャルプラットフォームにおいて、オプションのツールとしてID検証が提供されるのはごく一般的なことだ。例えば、Facebook(フェイスブック)では、支払いや寄付などのサービスを利用するユーザーの身元を確認するために、あるいはユーザーのプロフィールやFacebookページを検証するために、ユーザーにIDの検証を求めることがある。Twitterもアカウントを認証するために、IDの提示を求める場合がある。マッチングアプリのTinder(ティンダー)は最近、会員のために独自のID認証を導入している。

しかしRobloxの場合は、さらに一般的に使用されるものになるだろう。認証は将来的に、音声対応の新しいゲームや体験へのアクセスに結び付けられることになるからだ。同社は今後、音声チャットの年齢確認に他の方法を導入するかどうかについては、まだ明らかにしていない。

Robloxは、開発者やクリエイターが協力者を探す際に、信頼できる証としても、認証を利用できるようになると述べている。この場合、認証済みのステータスは、他のソーシャルメディアと同じような影響力を持つことになるかもしれない。この点に関して、Robloxは2021年の夏に、ユーザーがRoblox開発者コミュニティで仕事を探すことができるTalent Hub(タレント・ハブ)を起ち上げている。

年齢認証は、米国時間9月21日より順次導入されていき、今後数週間ですべてのユーザーが利用できるようになる予定だ。このオプトイン機能は、180カ国以上の13歳以上のすべてのユーザーに、デスクトップとモバイルの両方で、グローバルに提供される。

「年齢認証は、すべての人にとって信頼でき、楽しく、市民的なプラットフォームを構築するという当社の長期的なビジョンにおいて大きな節目となります」と、Robloxのシニア・プロダクト・マネージャーを務めるChris Aston Chen(クリス・アストン・チェン)氏は、発表の中で述べている。「このビジョンの一環として、我々は引き続き、ユーザーのプライバシーを常に尊重しながら、ユーザーの年齢を確認するシームレスな方法に取り組んでいきます。今後も、ユーザーがRobloxプラットフォーム上で、簡単かつ安全に身元証明を維持・保護できる新しい革新的な方法の導入を続けていき、新しく魅力的なソーシャル機能を解放して、すばらしい体験を一緒に作り上げ、楽しむことができるように取り組んでいきます」と、チェン氏は続けている。

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画像クレジット:Roblox

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Robloxに仮想世界が今本当に必要する「ボイスチャット」機能が登場予定

メタバース構築の先駆者であるRoblox(ロブロックス)は、仮想世界が今本当に必要としているものを見据えている。2021年7月時点で4700万人のデイリーアクティブユーザーを抱えるRoblox。これまでの道のりでも十分な成長を遂げてきた同社だが、より深く、より豊かな仮想体験を提供することで、今後も何年にもわたってユーザーを惹きつけていこうと目論んでいるようだ。

同プラットフォームの中核となるエクスペリエンスにボイスチャットを取り入れるべく、同社は慎重かつ確実なステップを踏もうとしている。それを実現するための最初のステップが信頼できる開発者の招集だ。Vansがスポンサーするスケートパークでキックフリップをメイクするようなクールでヴェイパーウェイブ的な雰囲気のゲームなど、同プラットフォームの中核をなす大人気の体験に近接ベースのオーディオをどのように統合できるかを模索しようとしているのだ。

空間オーディオ機能により、ユーザーは近くにいる人とライブボイスチャットで話すことができるようになる。Robloxはこの新しい音声製品を、現在のテキストチャットの自然な延長線上にあるものとして考えている。周囲の誰にでも見えるアバターの頭上のふきだしの代わりに、プレイヤーは出会った人々に自然に話しかけることができるようになる。

例えばRobloxの仮想スケートパークで空間オーディオをオンにして遊んでいるとする。ハーフパイプで一緒に滑っているスケーターの声は、現実の世界と同じようにはっきりと聞こえるが、通りの向こう側の歩道を歩いている人の声は遠すぎて聞こえない。近くの友人と2人きりで話をしたいときは、その場を離れて近所のお店に向かって歩いて行けば良い。

RobloxのチーフプロダクトオフィサーであるManuel Bronstein(マニュエル・ブロンスタイン)氏は、TechCrunchのインタビューに応じてくれた際に次のように話している。「メタバースにおける将来のコミュニケーションのあり方は、とても自然で我々の普段のコミュニケーションと似たような感覚でなければならないと思っています。さらに、物理的なものや空間が生み出す現実の世界の制限を超えることも可能なのです」。

Robloxのメタバースに対する特有のビジョンを実現するためにGoogle(グーグル)を退職し、3月にRobloxに入社したブロンスタイン氏。Robloxに入社する前はZynga(ジンガ)、Xbox(エックスボックス)、YouTube(ユーチューブ)という3社のまったく異なる企業でプロダクトチームに所属していたが、実際は同氏の現在の仕事とも大きな関連性がある。

「買い物やコンサート、学校に行くことができるようになる次なる形態としてメタバースを考えると、社会のすべての人に関連している必要があり、そうした行動のすべてをサポートするコンテンツやルール、機能を構築する必要があると思います。そしてプラットフォームに音声をもたらす理由の1つには、若くないユーザーが自然にコミュニケーションをとれる方法を確保する必要があるということが挙げられます」とブロンスタイン氏は話している。

Robloxがボイスチャットに注力しているからと言って、一夜にしてそれが叶うわけではない。しかしこの長い開発期間は意図的なものである。同社は13歳以上の開発者5000人を対象に、カスタムメイドのRobloxコミュニティスペースで新しい空間ボイスチャット機能を試してもらう予定なのだ。

「おもしろい機能を多数搭載し、彼らがチャットやハングアウトできる場所を用意しました。彼らは私たちがコミュニティスペースのために書いたコードから学ぶことができ、数週間後あるいは1カ月後にはそれを自分のエクスペリエンスに当てはめて、活用することができるのです」とブロンスタイン氏はいう。

ブロンスタイン氏はRobloxがこのプロセスをゆっくりと進め、新しいモデレーションツールと安全ツールを並行して構築していくことを強調する。選ばれた開発者のグループから始め、モデレーションツールで十分に安全な環境を作れると確信したらそこから徐々に広げていくという形で、ボイス展開がゆっくりと進められる予定だ。

「ゆっくりと進め、やりながら学んでいきたいと思っています。先ほども言った通り、まずは開発者から始めることになるでしょう。その後に13歳以上のユーザーを対象にして、すべてがうまく進んでいるかどうかを正確に理解するまでしばらくそこに留まってから、その後若いユーザーに公開するかどうかを決めることになるでしょう」とブロンスタイン氏は話す。

広大な仮想世界を適切に管理するために、Robloxでは自動スキャンと3000人の人間のレビュアーからなる安全性チームを完備。他のソーシャルネットワークと同様に、プレイヤーは他のプレイヤーを報告したり、ブロックしたり、ミュートしたりして自分の体験をより快適なものにすることが可能だ。また、Robloxのプレイヤーの半数は13歳未満であるため、テキストチャットなど年齢に応じた体験を親がコントロールできるような許可機能を用意している。ボイスチャットが低年齢層にも普及するようになれば、親はボイスチャットを完全に無効化することもできる。

Robloxのユーザーは13歳以下が圧倒的に多いものの、ティーネイジャーやそれ以上の若者も意外なほど多く利用しているようだ。同社によるとユーザーの50%は13歳以上であり、特に17歳から24歳のユーザーが爆発的に増加しているという。新しいユーザーも獲得している同社だが、コアユーザーの成長に伴い、同社もともに成長する必要があると考えている。

若いユーザーにボイスチャットが導入されるかどうかは別として、Robloxはボイスチャット機能のある仮想環境を安全かつ友好的に保つことが大変な課題であることをよく理解しているようだ。同社は音声の導入時にはユーザーからの報告システムに頼る予定であり、これを強化できるその他のツールも検討中だ。例えばユーザーが通報される直前の会話を自動的に録音して、レビュアーに悪質な行為を伝えるツールなどもその1つである。また、一定数の違反があったユーザーを自動的に制限するレピュテーションシステムの拡大にも関心があるようだ。

他のソーシャルプラットフォームと同様に、Robloxはユーザーからの報告に大きく依存することになるだろう。ヘイトやハラスメントを受ける側のユーザーに不均衡な負担を強いることになるが、これはソーシャル企業がどこも適切な人的資源を投じて解決策を導いていないということによる不幸な結果である。

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ボイスチャットの今後の行方

Robloxにとって空間オーディオは、自然なコミュニケーションのビジョンにおける「一要素」に過ぎないとブロンスタイン氏は話している。次のステップは、体験を超えた永続的なボイスチャット体験を統合することであり、お互いを知っているユーザー同士が同じことをしていなくても交流できるようにすることである。RobloxがGuildedという会社を2021年8月に密かに買収したニュースに気づいた読者なら、これは驚くことではないだろう。Robloxの音声に関する取り組みは買収以前からのものではあるが、GuildedはRobloxの将来の音声計画の基礎を築くことになるだろう。

Discord(ディスコード)と競合関係にあるGuilded(ギルデッド)。Discordはゲーム以外の分野に視野を広げているが、Guildedは同様にゲーマー向けのチャットプラットフォームを構築して、対戦型ゲームの分野に力を入れている。Guildedはグループボイスチャットに加えて組み込み式のスケジューリングツールやコミュニティ管理ツールをゲーマーに提供しており、World of Warcraftで20人以上のゲーマーを集めて攻撃を行うというような、複雑なオンラインソーシャルイベントを開催する手間を軽減している。

「Guildedはすばらしいロードマップを持っているので、現時点では大規模な統合をせずに、そのロードマップを継続して成長させていきたいと考えています」とブロンスタイン氏は話している。

メタバースの世界へ

モデレーションの問題はさておき、基本的に今Robloxの道を阻むものは何もない。3月に株式を公開した同社は、現在では490億ドル(約5兆4000億円)の価値があると言われており、ゲーム業界で最も価値のある企業の1つとなっている。投資家、コンテンツ制作会社巨大テック企業がこぞってメタバースに参入しているが、これはかなり安全な賭けと言えるだろう。

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メタバースは今、流行語にもなっているが、これは誇大広告というよりは略語のような存在だ。人々がメタバースについて語るとき、一般的には相互に接続された仮想世界の未来像を思い描いているだろう。つまり、移動したり、交流したり、買い物をしたりできるオンライン空間である(良くも悪くも、最後の部分が鍵と言える)。これがすべてバーチャルリアリティになるのか、そうでないのか、またそれがいつになるのかは議論の余地があるが、実際には「相互接続」という部分が大きな課題となる。アプリの時代、ソフトウェアは設計上サイロ化されていた。しかしメタバースを実現するためには、仮想の自分と仮想のモノが、オンラインの世界を流動的に行き来できるようになる必要がある。

この点については数社の企業が先行しているが、カスタムアバター、ゲーム内経済、シームレスなソーシャルレイヤーを備えた、仮想世界で有名なRoblox とEpic(Fortniteの製作会社)の2社がユーザー作成コンテンツのレベルを引き上げているのは単なる偶然ではない。このような体験や、仮想空間で何かをしているときに友人と簡単に一緒にいられるという能力が、結局はメタバースのすべてなのかもしれない。

ほとんどの大人は、子どもたちが夢中になって遊んでいる奇妙な世界の魅力を理解することができずにいるが、Robloxはオンラインライフがどこに向かっているかという基本的なこと、またはむしろRobloxの世界のような、私たちみんなが行き着く先を理解しているのではないだろうか。

画像クレジット:Roblox

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Dragonfly)

【中国】Tencentが年齢制限を回避するサイトに対抗策

TechCrunchチャイナ・ラウンドアップへようこそ&おかえりなさい。今週も中国テック業界の近況と世界の人々に与える影響ついてお送りする。

中国政府による新たなゲーム規制の執行はイタチごっこの様相を見せている。同国のインターネット巨人と若きプレイヤーたちは常に相手を出し抜こうと伺っている。Didi(ディディ、滴滴出行)アプリが禁止された後、中小ライドシェアリング・アプリ各社は市場の真空地帯を狙っている。

Tencentと若きゲーマーたち

中国のことわざ「ポリシーのあるところに対抗策あり」は、この国のビデオゲーム環境の規制強化で今起きていることをうまく言い表している。2021年9月、中国は低年齢ユーザーのゲーム時間に関して過去に類を見ない最も厳格なルールを制定した。18歳未満のプレイヤーたちは騒然となり、週3時間の割当てを打開する方法を必死に探し始めた。

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数日のうちに、ゲーミングの巨人、Tencent(テンセント、騰訊)は、一連の回避策を一掃する行動を起こした。同社は未成年プレイヤーへの成人アカウントの販売あるいは取引を行う20以上のオンライン・サービスに対して訴訟あるいは声明を発行したことを、今週同社のゲーミング部門がWeibo(微博)に関する発表の中で語った

子どもたちはそのアカウントを2時間当たり数ドルで借りることで通常の年齢確認を行わずにゲームをプレイできる。この手のサービスは「実名ゲーミング・システムと未成年保護の仕組みにとって深刻な脅威」であるとTencentは語り、一連の慣行を中止するよう要請した。

教育的ゲーム

中国政府は中毒を誘発するゲームや、未成年者にとって「身体的および精神的に有害」と考えられるゲームを主な標的としている。しかし「子どもたちにとって良い」ゲームはどうなのか?

TencentとRoblox(ロブロックス)が2019年に中国でジョイントベンチャーを設立した時世間は、クリエイターに焦点を絞ったゲーミングプラットフォームがTencentが教育ゲームを制作して創造性をかきたてたり、テクノロジーをもっと社会を良くするために使うように、という政府の要請との整合性を高める後押しになるだろうと推測した。TechCrunchは以下のように報じている。

Robloxの「創造性」の奨励に焦点を当てたマーケティングは、テック企業は「良いことを行うべし」というTencentが応じた中国政府の要請と調和していると考えられる。Robloxの中国語ウェブサイトは、同社のビジネスには学習とSTEMツールがあり、地域の学校と教育者との協調も計画していると謳っている。

もしRobloxが、若き中国人たちに世界的な人気ゲームをデザインするよう喚起することができるなら、中国当局は同社を中国文化とソフトパワーの輸出ルートとみなすようになるかもしれない。ゲーミング業界は、政府の関心と一致することが国の支援を受けるために必要であることを十分認識している。実際、ゲーム業界を始めとする非政治的団体による政治的、社会的な重要問題に関する提案を支援をするための組織である中国人民政治協商会議のあるメンバーは、ビデオゲームは中国文化輸出の有効な手段であると6月に語った。

Robloxのこの事例は、ゲームの教育および輸出目的利用に対する中国政府の姿勢の変化を見る興味深い題材だ。

Didiへの挑戦

Didiには数年来多くのライバルがいるが、中国ライドシェアリング業界における同社の支配を脅かすものは現れていない。しかし最近、一部のライバルたちは、当局がサイバーセキュリティの懸念からDidiアプリの新規ダウンロードを禁止した後、新たなチャンスを見出そうとしている。Cao Cao Mobility(曹操出行)はその1つだ。

Cao Caoは中国の自動車メーカー、Geely(吉利汽車)傘下の高級ライドシェアリングサービスで、今週5億8900万ドル(約647億6000万円)のシリーズB調達ラウンドを発表した。このラウンドは、Cao Caoがドライバーと乗客の支持を得るための武器を与えるはずだ。しかし、政府による反競争取締りが強化される中、昨今のインターネットプラットフォームは、2015年頃のDidiほど資本注入による成長フェーズに熱心ではないかもしれない。

アプリの禁止がDidiに与えた影響は今のところ限定的だ。むしろアプリによる注文は7月に13%増加したことを運輸局のデータが示している。新たにスマートフォンを手に入れた人はDidiをダウンロードできないが、それでもWeChatで動くミニアプリを使うことができる。WeChatは中国で広く普及しておりサードパーティーアプリのエコシステムを広げている。Didiがアクティブユーザーを何人失ったのかはわかっていないが、同社のライバルが巨人のドライバーと乗客を誘う多額のインセンティブを払うわなくてはならないことは間違いない。

DTCファストファッション

ベンチャーキャピタリストたちは中国のDTC(消費者直接販売)ブランドに資金を注入しており、この国のサプライチェーンの優位性と抜け目ないマーケター集団が欧米消費者を取り込むことに期待している。7月に、ベビー服ブランドのPatPat(パットパット)は5億1000万ドル(約560億7000万円)の大型調達を完了した。2021年9月、Z世代ファストファッションを中国で生産して米国で販売している新進気鋭のDTCブランド、Cider(サイダー)が、シリーズBラウンドで1億3000万ドル(約142億9000万円)を調達し、企業価値は10億ドル(約1099億5000万円)以上だったというニュースがやってきた。中国のテックニュースサイトである36Krが最初に報じ、TechCrunchも独自に確認した。

DST GlobalがCiderの最新ラウンドをリードし、既存の出資者であるA16Z(アンドリーセン・ホロウィッツ)とGreenoaks Capital(グリーンオークス・キャピタル)も参加した。投資家たちはShein(シェイン)の世界中での勢いにはっきり勇気づけられている。同社の新規ダウンロード数は数十の国々でAmazonを超え、業界の巨人Zara(ザラ)と比較されることも多い。純粋なインターネット企業と異なり、輸出志向のEコマースには、デザインから、製造、マーケティング、出荷からアフターサービスまで長くて複雑なバリューチェーン(価値連鎖)があることで知られている。Sheinの物語は多くのフォロワーを元気づけるだろうが、簡単には真似できない。

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook

RobloxがDiscordと競合するゲーマー向けチャットプラットフォームのGuildedを買収

Roblox(ロブロックス)は、M&Aを利用してそのソーシャル・インフラストラクチャを強化しようとしている。同社は米国時間8月16日朝、対戦型ゲーマー向けチャットプラットフォームを構築しているGuilded(ギルデッド)のチームを買収したことを発表した。

Guildedのサービスは、ゲームチャット大手のDiscord(ディスコード)と競合するものだ。過去に同チームの創設者は、Discordの野望がゲームの世界を超えて成長したため、その中核となる製品は、多くの対戦ゲームのニーズを満たすものではなくなっていると、TechCrunchに語っていた。Discordと同様に、ユーザーはGuildedのプラットフォームで、テキストや音声による会話が可能だが、さらにGuildedでは、イベントやカレンダーを軸にしたコミュニティを組織することができ、トーナメントをシームレスに開催するための機能が豊富に用意されている。

同社の製品は数百ものゲームに対応しており「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」「Fortnite(フォートナイト)」「CS:GO(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ)」、そして「Roblox」など、いくつかのタイトルに特化した機能も備えている。2021年初めには、技術者ではないユーザーがゲームコミュニティを盛り上げるためのボットを構築できるように、ボットAPIの提供も開始された。

Guildedは2017年半ばにY Combinator(Yコンビネータ)から起業したスタートアップで、これまでにベンチャーキャピタルから1020万ドル(約11億1500万円)の資金を調達している。その中には2020年初めにMatrix Partners(マトリクス・パートナーズ)が主導した700万ドル(約7億6500万円)のシリーズAも含まれる。

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今回の買収条件については公表されていない。Robloxはこの発表を伝える記事の中で、Guildedチームが今後も独立した製品グループとして運営を続けていくことを明らかにしている。GuildedのEli Brown(エリ・ブラウン)CEOは別のブログ記事で、既存のユーザーはこれまで通り、Guildedを利用できると書いている。

「コミュニティ、パートナー、ボット開発者を含むすべての人が、これまでと同じようにGuildedを使い続けることができます」と、ブラウン氏は書いている。「Robloxは我々のチームとミッションを信用しており、私たちはそのミッションを成し遂げるために独立した製品として運営を続けていきます」。

近年、大きな成功を収めたRobloxは、投資家の注目を集めている。新型コロナウイルスの影響で、以前より多くのゲーマーがオンラインに接続し、より多くのユーザーを獲得しているが、同社の成功は競合他社の注目も集めている。2021年6月には、Facebook(フェイスブック)がCrayta(クレイタ)という小さなRobloxの競合企業を買収した。Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、つい数週間前に、Facebookを「メタバース」企業に変える計画を発表したが、この言葉は多くの人が、Robloxが構築してきたものと結びつけて連想するものだ。Guildedの買収はRobloxにとって、自社の製品群の中でユーザーベースをさらに深め、ユーザーを惹きつけるためのソーシャル・インフラストラクチャを作り上げる好機をもたらすことになるはずだ。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:RobloxGuilded買収チャットツール

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Robloxがソニーミュージックと提携、アーティストとメタバースでの収益活動を結びつける

ビデオゲームプラットフォームのRoblox(ロブロックス)は、米国7月6日朝、Sony Music Entertainment(ソニー・ミュージックエンタテインメント、SME)と提携したことを発表した。この提携により、両社はRobloxコミュニティのための音楽体験を共同で創出し、ソニーミュージックのアーティストが新たなオーディエンスにリーチして収益を上げる方法を提供することになる。

今回の発表は、2021年6月に音楽出版社のグループが、Robloxがクリエイターにゲーム内でバーチャルブームボックスを作ることを許し、それらがアーティストの許可や支払いなしに著作権のある音楽をストリーミングしていたと主張し、2億ドル(約221億円)の訴訟を起こした後でのことだ。

訴訟に含まれていた音楽出版社は、Universal Music Publishing(ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング)、Big Machine Records、Concord Music Group、Downtown Music Publishing、Kobalt Music Group、Hipgnosis Songs Fundなどだ。Robloxはこの訴訟に対し「Robloxプラットフォームの運営方法に関する根本的な誤解」を表しているとして「驚き、失望した」と述べていた

Robloxは、同社は著作権侵害を容認しておらず、フィルタリング技術を用いて不正な楽曲を禁止していると主張している。また、デジタルミレニアム著作権法(DMCA、Digital Millennium Copyright Act)に基づく正当なテイクダウン要求に対しては、侵害コンテンツを削除することで対応していると同社は述べた。

しかし、今回のソニーミュージックとの契約は、Robloxが音楽会社とより公式な立場で提携することの価値を認識していることを示している。

Robloxは、ソニーミュージックのアーティストやそのファンに対してどのような「商業活動」を考えているのか詳細は明らかにしなかったが、同社は過去には、2020年11月のLil Nas X(リル・ナズ・X)による初のバーチャルコンサートや、2021年5月のZara Larsson(ザラ・ラーソン)ローンチパーティーのバーチャルイベントなどで、音楽会社と協力していた。そのコンサートには3600万人以上のプレイヤーが参加し、ローンチパーティーには400万以上のアクセスがあり、これまでのRobloxのローンチパーティーの中で最高のアクセス数を記録した。

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Robloxのプラットフォームでは一般的に、アーティストはバーチャルコンサート、グッズ販売、その他の統合されたゲーム内アクティビティなど、さまざまな活動を通じてファンにリーチできる。ただし今回の契約には、ソニー・ミュージックエンタテインメントのアーティストの音楽へのアクセスは含まれていないとのこと。

SMEのグローバルデジタルビジネスおよび米国セールス担当プレジデントのDennis Kooker(デニス・クーカー)氏は、声明の中で次のように述べた。「ソニーミュージックのアーティストは、Lil Nas Xがプラットフォーム上で行った業界初のバーチャルパフォーマンスや、Zara Larssonによる最近のリスニングパーティーイベントのような先進的な取り組みを行い、Robloxの巨大なユーザーコミュニティにいる何百万人もの音楽ファンを魅了してきました。今回の新たな契約により、Robloxチームとの成功しているパートナーシップを拡大し、音楽とゲームの接点における商業機会をさらに広げていきたいと思います。没入型のオンライン環境は、バーチャルコミュニティを利用して音楽体験を共有したいと考えている多くのファンにリーチするための重要な機会となります」。

この契約は、Robloxのユーザー層の年齢が上がってきている中で成立した。同社は2021年第1四半期の決算において、13歳以上のユーザーのエンゲージメントが128%増加したことを報告している。この年齢層は、若者にとって音楽が生活の中でより重要な役割を果たし、好きなアーティストとより直接的につながりたいと考える時期だ。また、同じ四半期にDAU(デイリーアクティブユーザー数)は79%増の4210万人に達し、売上高は140%増の3億8700万ドル(約428億円)となった。

RobloxのVP兼音楽部門グローバルヘッドのJon Vlassopulos(ジョン・ヴラソプロス)氏はこう述べた。「ソニーミュージックはすばらしいパートナーであり、両社の関係がさらに深まり、長くなることをうれしく思います。SMEはメタバースがアーティストにもたらす巨大な機会を真に理解しており、当社はアーティストたちがRobloxで新たなクリエイティブそして商業的な機会を得られるよう支援することを約束します」。

Robloxが音楽レーベルと提携するのは、これが初めてではない。2021年6月、RobloxはBMGとの同様の契約を発表したが、これも将来的なコラボレーションとアーティストやソングライターの収益を上げる機会に焦点を当てたものだった。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Robloxソニーミュージックアーティストメタバース

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

「ゲームクリエイターのマルチバース」を構築するManticore Gamesは約110億円調達

今ほどゲーム分野が熱い時期はなかった。既存の巨大企業よりも早く潮流の変化に乗れる新星に大枚を投じようと構える投資家たちは、これまでになく強い期待を寄せている。

サンフランシスコ湾岸地区を拠点とするManticore Games(マンティコア・ゲームズ)は、市場の勢いに乗って構築されたかに見える二層構造のゲーミングプラットフォームの1つだ。同スタートアップはTechCrunchに、1億ドル(約110億円)のシリーズC投資ラウンドをクローズしたと語った。これで総調達額で1億600万ドル(約177億円)に達した。このラウンドは、XNが主導しソフトバンク、LVP、さらに既存の投資者であるBenchmark、Bitkraft、Correlation Ventures、Epic Gamesが参加している。

2019年9月にシリーズBラウンドをクローズしたとき、投資家たちはRoblox(ロブロックス)とゲーム分野を以前よりも真剣に注目するようになったが、パンデミックの襲撃により、ゲーム市場への彼らの期待は本格的に膨らんだ。「ゲームは今や正真正銘のスーパーカテゴリーです」とCEOのFrederic Descamps(フレデリック・デスキャンプス)氏はTechCrunchに言った。

ManticoreのCore(コア)ゲームプラットフォームの考え方は、Robloxのものによく似ているが、Robloxを卒業すると見られる13歳以上のユーザーに向けたゲームとクリエイターのためのプラットフォームを急速に拡大しようと考えている点が大きく違っている。課題は、Robloxが自身の野心を拡大するよりも早く、またこのほど12億ドル(約1330億円)の評価額で資金調達を果たしたRec Room(レクルーム)のように、ベンチャー投資家の支援を受けて同じレースで競い合うゲームスタートアップに先取りされる前に、そのユーザー層を惹きつけることにある。

他のプレイヤーと同様、Manticoreはゲームを探せるプラットフォームをゲームエンジンに直接埋め込んでいる。同社はエンジン技術を一から開発したわけではない。Unreal Engine(アンリアル・エンジン)を開発し、2020年Manticoreに1500万ドル(約16億6000万円)を投資したEpic Games(エピック・ゲームズ)と密接に協働している。

Coreプラットフォームが最も力を入れているのは、本当の意味でのドラッグ・アンド・ドロップでゲーム制作が行える場をクリエイターに提供することであり、目玉は「リミックス」だ。すでに作られている環境をピックアップし、すでにレンダリングされた3Dアセットを利用し、ゲームモードを選択してウェブでパブリッシュできるというものだ。新しいメカニズムやアセットを導入したい場合は、それなりの技術的ノウハウが必要になるものの、そのハードルを下げて新人クリエイターを招き入れ、彼らがこのプラットフォームとともに成長できるようにしたいとManticoreのチームは考えている。同社の最大の売りは、エンジンの柔軟性にある。大手アプリストアでは認められないような、独自のメカニズムやユニークな収益化方式を作り出せる可能性を目当てに、クリエイターたちがこのプラットフォームに集まることを彼らは期待している。

「クリエイターは、独自スタイルのアプリ内課金方法を実装できます。そこで私たちが望んでいるのは、次なるバトルパスに相当するイノベーションがここから生まれることです」と、共同創設者Jordan Mynard(ジョーダン・メイナード)氏はTechCrunchに話した。

これにはさらにコストがかかる。ゲームクリエイターが受け取るのは、自分のゲームの収益の50パーセント。もっと稼げる可能性があっても、それは手数料に取り込まれてプラットフォームに送られる。Manticoreは、アプリストアに直接出すことよりも、こちらの形に依存している。それでも、この収益分割方式は、Robloxなどのプラットフォームで得られる収入と比べて、ずっとクリエイターに優しい。

クロスプラットフォーム型の二次的ゲームプラットフォームの構築は、数々の難題を同社に突きつけている。ここに接続するPC以外のプラットフォームでは、レベニューシェアの分配金の処理を行わなければならない。だが一部にはどうしてもこれを嫌うハードウェアがある。特に、ソニーがプレイステーションで強くこだわっている部分だ。こうしたプラットフォームが長期的に成功していくには、ますます独立性に依存せざるを得なくなる。コンソールとモバイルのエコシステムでは、そんなことが成り立つとはとうてい思えない。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Manticore GamesRobloxプラットフォーム資金調達

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(文:Lucas Matney、翻訳:金井哲夫)

Roblox上初の大手ゲーム企業を目指すGamefam

Robloxは2020年にものすごい成長を遂げてから米国時間3月10日に上場したが、同社の社員と投資家にとって良いニュースばかりではない。Gamefamのような他のスタートアップが、このプラットフォームの成功に乗じようとしている。

Robloxにはそのゲームプラットフォーム上に多数のデベロッパーとクリエイターのエコシステムがあり、その一部は共同で独自のチームやスタジオを作っている。2021年初めに同社のクリエイターのためのアクセラレーターを紹介する記事で、そんなチームを取り上げたことがある。しかしGamefamの創業者でCEOのJoe Ferencz(ジョー・フェレンツ)氏は、彼のスタートアップが「Roblox上で初めてかつ唯一のプロフェッショナルによるゲーム専門企業だ」と語っている。

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2019年に創業したGamefanには現在、社員が37名いて、「Ultimate Driving」や「Hot Wheels Open World」といったライブゲームが8本ある。フェレンツ氏によると、さらに10本を開発中だという。これらのゲームは4800万の月間ビジターがいて、6桁の売り上げを上げている。

フェレンツ氏は同社のチームが「優秀な新進のRobloxクリエイターたちと共同で仕事をしているゲーム業界のプロフェッショナルたちである」と述べている。たとえば「Ultimate Driving」を開発したTwentyTwoPilotsは、Gamefamのクリエイティブディレクターだ。

フェレンツ氏自身は、UbisoftやMattelでマネージャーを務め、Hot Wheelsといったプロダクトのデジタルサイドを担当した。そしてその間に彼は、無料でプレイできるモバイルゲームの台頭を目にしたという。「次にこんな大きなプラットフォームシフトが起きるときには、自分もその中にいたい」と考えたとのこと。Robloxとそのユーザー作成ゲームで、彼はその願いを叶えた。

画像クレジット:Gamefam

同時にフェレンツ氏は、Robloxではクリエイターたちが無料プレイゲームの「慣行」から外れても良いことを賞揚している。つまり経済性を優先しないゲームデザインが認められる、ということだ。

「Robloxの実態は若い世代のためのメタバースだ。彼らはそこで、人間同士の共同体験というゲームを超えたものを見つけている。つまりそれぞれのゲームに、そのゲームにしかない独自の魅力的な没入体験が必要だからだ。モバイルの無料プレイゲームにはそれがない」とフェレンツ氏はいう。

もちろん、Robloxの魅力の一部は、個人のクリエイターが大きなチームやゲーム会社で仕事をするよう、強要されないことにある。ただし「スーパースター級のデベロッパーやクリエイターたちはますます大きいゲームを作りたがるし、その凝り方は急速なペースで進化している」とフェレンツ氏はいう。そうなるとチームも大きくなり「工数も増えて、パフォーマンスの高いチームをどうやって作るか、ポジティブなチームワークを育てるための人間関係をどうやって維持するかといった問題が生まれる」。

フェレンツ氏は「そうやってビジネスとして大きくなると、企業としての商機とか、マーケティング、オペレーションの専門チームなどが必要になり、その部分をうち(Gamefam)が提供する」という。

フェレンツ氏とGamefamの経営スタッフは数年前からRobloxと関わっているが、「付き合いは長いが、未だにそこでゲームをしている10歳や、自分でゲームを作り始める15歳が何を考えているのか、十分に理解しているとはいえない。とにかく彼らを尊敬し、頼りきるしかない」と同氏はいう。

 

フェレンツ氏よるとGamefamのやり方の基本は、クリエイターたちがゲームの開発過程を主導している状態を確実に維持することだとのこと。

「どのプロジェクトにも1人または複数のひらめきに富んだ先の読める人物が必要で、彼らが方向を決めていくべきだ。そして彼らを中心としてチームが構成され、コンセンサスを作り、彼らのビジョンの方向へ進んでいくべきだ」とフェレンツ氏は表現する。

フェレンツ氏によると、Gamefamは今後、他のプラットフォームにもゲームを提供していきたいと語る。ただしそれは、かなり先の話だ。

「私たちのフォーカスはUGC(ユーザー作成コンテンツ)のゲームであり、今日のUGCゲームで重要な場所といえばRobloxしかない。Robloxのチームと一緒になって大きなブランドとメディア事業を育てたい。今後、他にも有力なプラットフォームが出てくれば、そういうプラットフォームも検討するだろう。しかし当分は、Robloxが唯一の存在だ」とフェレンツ氏は語る。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GamefamRoblox

画像クレジット:Gamefam

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Robloxは開発者向けアクセラレーター講座で同社プラットフォームの新たな可能性を引き出す

Roblox(ロブロックス)は今、数カ月後に予定されている歴史的な大型IPOとなるであろう公開市場への参入に向けて準備を進めている。そのような中、Robloxに295億ドル(約3兆665億円)の価値があると評価した投資家たちは確実に、Robloxの熱心なユーザーである若者たちに注目している。しかし、投資家たちの心を最も強くとらえるのは、Robloxを利用している700万人のアクティブなクリエイターや開発者たちだろう。

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2015年以来、Robloxは次世代のゲーム開発者がRobloxプラットフォームで成功できるよう支援するためのアクセラレーター講座を開講してきた。同講座は年を経るごとに拡大され、初めは1年に1クラスだったのが、現在では1年に3クラス(1クラス約40人)が開講されるまでになっている。これはつまり、毎年100人以上の開発者が、自分のゲームを世に送り出すためにRobloxから直接、アドバイスやサポート、教育、出資を受ける機会を得ているということだ。

この側面におけるRobloxの取り組みがより正式なものとなり、Robloxは2018年にアクセラレーター講座卒業生のChristian Hunter(クリスチャン・ハンター)氏を同講座の専任担当者に採用した。ハンター氏は10歳のときにRobloxのゲームをプレイし始め、13歳のときからRobloxでゲームを開発している。同氏はその経験を生かして、開発者が持つ独自の視点からアクセラレーター講座を改善してきた。

しかし、新型コロナウイルス感染症のせいで、アクセラレーター講座に関するRobloxの計画が狂ってしまった。カリフォルニア州サンマテオにあるRobloxのオフィスで開かれる3カ月間のクラスに出席するよう開発者を招待することができなくなり、リモート受講ができるように講座を見直さなければならなくなったのだ。

とはいえ、結果的には仮想世界で遊ぶゲームをプレイしたり開発したりすることに慣れていた開発者たちが、リモート受講という新しい形態に順応するのに時間はかからなかった。

RobloxのシニアプロダクトマネージャーRebecca Crose(レベッカ・クロース)氏は次のように説明する。「新型コロナ前は、みんなでいっしょに集まることができ、気軽に誰かに話しかけることができた。開発者は何か話し合いたいことがあれば、Robloxのプロダクトチームやエンジニアリングチームの誰かのところに行って、直接意見を聞けた。しかし、ご存じのように、新型コロナのせいで、私たちは頭を切り替えて、今までとは違う考え方をしなければならなくなりました」。

オフラインで開講されるクラスの構成とは異なるものの、この講座をリモート受講できるようにしたことによって、いくつかのポジティブな効果がもたらされた。たとえば開発者は、この講座のDiscordサーバーに参加して、現行クラスの受講生や以前のクラスの卒業生と話すことができ、交流したり質問したりできた。また、Roblox社内のSlackチャンネルに参加して、同社のチームに質問することもできた。さらに、Roblox社員からリアクションやフィードバックが得られるプレイテストも、オフライン開講の場合より数多く計画された。

一方、受講した開発者たちは、対面で会えない他の受講生とよく知り合うために、お互いが開発したゲームやRobloxで人気がある他のゲームを一緒にプレイする「ゲームナイト」を実施して、対面のミーティングやクラスの代わりに仮想世界で交流を深めた。

とはいえ、実際のアクセラレーター講座の内容は、リモート開講になってもそれほど大きく変わらなかった。受講者は週替わりの講演や、ゲームの設計と制作に関する講義を聴講し、Robloxのエンジニアに質問できるフィードバックセッションも毎週開催された。

その性質上、アクセラレーター講座のリモート開講は、受講者の幅を広げることになった。カリフォルニア州サンマテオまで旅行して3カ月滞在できる人だけでなく、よりグローバルで多様な層に受講の機会が開かれたためだ。これはまた、高まる需要をさらに増大させることにもつながった。

2020年の開講分には、通常の5倍というかつてないほど多くの応募がRobloxに寄せられた。

その結果、2020年クラスにはフィリピン、韓国、スウェーデン、カナダ、米国の5カ国から受講生が集まった。

英国のゲーム開発会社IndieBox Studio(インディーボックス・スタジオ)の開発者チームは、自社のゲーム開発力を強化する機会とするためにこの講座を受講した。同講座の期間中、英国と米ケンタッキー州の各地にいる同社の若いメンバーたちは、同社が開発した写真のようにリアルなグラフィックが売りのゲーム「Tank Warfare」をスケールアップさせるために時間を費やした。

Michael Southern(マイケル・サザン)氏は、「実際にリアルで会ったことは一度もないんだ。でも、お互いにやり取りするようになって、もう9年くらいになるよ。Robloxで知り合ったんだ」とTechCrunchに語った。

Roblox初期の開発者チームには、IndieBoxのように、進化し続けるRobloxのゲーミングプラットフォームを隅から隅まで知り尽くしているRoblox歴10年以上の若いゲーマーで構成されているチームが多い。

IndieBoxのFrank Garrison(フランク・ガリソン)氏は「当社のメンバーはみな2008年からRobloxを使っているが、Robloxで開発を始めたのは2019年だ。Robloxを選んだ理由は、そうだね、『すでによく知っているプラットフォームなのだから、試してみようか』という感じだったかな」とTechCrunchに話した。

開発者層が広がるにつれて、アクセラレーター講座の受講生の層も変化してきた。

同講座のプログラムマネージャーであるハンター氏は、「当初は受講生のほとんどが若い男性だったが、講座が発展するにつれて、目新しく興味深い構成のチームが数多く参加するようになっている」と語る。

2020年のクラスには、かつてないほど多くの女性受講生が参加した。たとえばあるクラスでは受講生50人のうち12人が女性だった。また、あるチームは全員女性だった。

受講生の年齢も以前は18~22歳が多かったのだが、変化してきている。

ハンター氏によると「もっと年齢の高い受講生が増えてきている。パンデミックが始まってから、講座史上初めて50代の受講生が参加した。それより前は、24歳より上の受講生はいなかったと思う。加えて2020年には、30歳以上の受講生が12人参加した」という。

また、参加チームのうち2つは親子で構成されたチームだった。

Shannon Clemens(シャノン・クレメンス)さんは、Robloxプラットフォームのことを息子のNathan(ネイサン)君から教わり、コーディングを学び、夫のJeff(ジェフ)さんも誘ってSimple Games(シンプル・ゲームズ)という開発スタジオを立ち上げた。ネイサン君の2人の姉妹と、彼の友人のAdrian Holgate(エイドリアン・ホルゲイト)君もパートタイムでスタジオを手伝っている。

「息子がRobloxのプラットフォームで体験していることを見て、自分たちでゲームを作る方法を学ぶのにとてもいい方法だと思いました」とシャノンさんはTechCrunchに語ってくれた。

シャノンさん一家が制作したゲーム「Gods of Glory」には、2020年9月のローンチ以来、Robloxプレイヤーが1350万回以上も訪れている。

ジェフさんは次のように語る。「私たち家族はみんな、ゲームを楽しむために創意工夫するのが好きで、そういうアイデアを色々と思いつくんです。『これ、試してみたらいいんじゃない?』って。だからアクセラレーター講座も『受講生に選ばれるかどうかわからないけど、まず応募してみよう』という感じで申し込んで、このように選ばれて受講することができました。最高に楽しんで受講しています」。

リモート環境によって促された変化に加えて、リモート受講がもたらした恩恵は他にもあるとRobloxは感じている。たとえば開発者は講座で学習するために早起きする必要がなくなった。

クロース氏は次のように説明する。「リモート受講により、開発者は自分に合った時間に合わせて作業できるようになった。開発者は夜遅くまで作業することが多い。そんな彼らに、朝9時に遅れず受講会場に来てもらうのは、非常に難しいことだった。彼らは、そう、ゾンビみたいに完全夜型だから。開発者が自分に合った時間で作業できるようにしたことで、疲れ切ってしまう受講生が減り、生産性も向上したと思う」。

ワクチンの普及にともないコロナ危機もいずれは終息していくだろうが、アクセラレーター講座で学んだ内容とリモート開講の利点は、今後も効果を発揮していくことだろう。アクセラレーター講座を卒業した開発者は、Robloxをはじめとするゲーミングプラットフォームの発展がこれからも続いていくことを願っている。

開発者のGustav Linde(グスタフ・リンデ)氏は、「ほとんどのゲームスタジオにとって、パンデミックは追い風になってきた。もちろん、未知のことばかりの異様な時期だと思う。でもゲーム開発者にとってはいいタイミングだった」とTechCrunchに語った。

リンデ氏が共同創業者として名を連ねるスウェーデンのゲーム開発スタジオThe Gang Stockholm(ザ・ギャング・ストックホルム)は、主にクライアントのブランドマーケティング向けゲームを、Robloxプラットフォームのみを使って開発してきた。12人で構成される同社のチームは、アクセラレーター講座の受講を機に開発納期のペースを落とし、Robloxプラットフォームならではのエリアを掘り下げ、2021年にリリース予定のゲーム「Bloxymon」の開発に打ち込んだ。

「Steam、App Store、Google Playのマーケットは飽和状態だが、Robloxは今、開発者にとって非常にエキサイティングなプラットフォームだ。さらに、Robloxは多くの注目を集めており、Robloxプラットフォームへの参入に関心がある有名企業も数多い」とリンデ氏は語る。

Robloxによると、今後のアクセラレーター講座でも、コロナ禍をきっかけに考案されたリモート開講の要素を取り入れていくつもりだという。また、現時点では英語での受講に限定されるものの、この講座を世界各地で開講できるように取り組んでいく計画とのことだ。また、将来的には英語以外の言語での開講も視野に入れているという。

アクセラレーター講座の2020年秋クラスは、2020年12月に終了した。次の2021年春クラスは2021年2月に開講する予定だ。Robloxによると、すでに2021年夏クラスの受講生を応募し始めているという。このクラスも定員は40人程度とのことだ。Robloxは、今回も多様な背景を持つクリエイターを集めたクラスにしたいと考えている。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Robloxオンライン学習

画像クレジット:Ian Tuttle / Getty Images

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(文:Sarah Perez、Lucas Matney、翻訳:Dragonfly)

ゲーミングプラットフォームのRobloxが約3.7兆円の評価額7倍で資金調達、直接上場に向けて準備

ソーシャルゲームプラットフォームのRoblox(ロブロックス)は、巨額のシリーズH調達が評価額を295億ドル(約3兆665億円)まで引き上げ、世界で最も価値のある非公開企業の1つとなった。とはいえ、この会社が非上場企業でなくなる日は間近だ。

Altimeter CapitalとDragoneer Investment Groupが主導した5億2000万ドル(約540億5000万円)の資金調達は、Crunchbaseによるとこれまで累計3億3500万ドル(約348億円)強を投資家から調達していたRobloxにとって重大な資金流入となる。今回のラウンドには、Investment Group of Santa Barbara(IGSB)、ワーナー・ミュージック・グループ、そして多数の現存投資家も参加している。

2020年2月に同社は、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)が主導して1億5000万ドル(約156億円)のシリーズGをクローズし、評価額は40億ドル(約4160億円)となっていた。

Robloxは当初2020年のIPOを計画していたが、DoorDashとAirbnbの初日の大規模な株価上昇を受けて、同社の経営陣はスケジュールを再考したとAxiosが報じている。こうした初日の大きな株価上昇は、株式を売却した企業にとって多額の潜在的利益を失うことになるため、Robloxは同様の結果を避けようとしている可能性が高い。米国時間1月7日、同社は、直接上場による公開市場への参入を計画していることを発表した

Robloxの評価額が7倍に跳ね上がったということは、公開・非公開市場がいかにテック株に関し熱を帯びているかを示している。また、この評価額は、パンデミックのためより多くのユーザーがオンラインでソーシャルゲームプラットフォームを利用するようになった流れに乗って、同社がどのように利益を得るかを、投資家が予測していることを浮き彫りにするものだ。2019年の目論見書では、同社は1760万人のユーザーを抱えていたが、現在、Robloxは3100万人のデイリーアクティブユーザーがいるとしている。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Roblox資金調達

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(翻訳:Nakazato)

ゲーミングプラットフォームのRobloxがデジタルアバター作成のLoom.aiを買収

Roblox(ロブロックス)は米国時間12月14日、Loom.ai(ルームドットエーアイ)というデジタルアバターのスタートアップを買収すると発表した。よりリアリスティックな人間のアバターの作成にフォーカスしている企業の買収は、リアリズムを脇に押しやる傾向があるエクスペリエンスを構築することでインパクトを生み出してきたゲーミングプラットフォームにとって興味深い動きだ。

TechCrunchは2016年にLoom.aiの135万ドル(約1億4000万円)のシードラウンドをレポートした。その後、同社は追加のシードファンディングを行い、調達した資金は計590万ドル(約6億2000万円)になった。同社の投資家はY Combinator、Samsung Ventures、Anorak Ventures、Zach Coeliusなどだ。

買収の取引条件は明らかにされなかった。

Loom.aiは2010年代半ばに創業された数あるアバター企業の1社だった。そうしたアバター企業はコンピュータービジョンの発達で資金を集め、アプリ内アバターを作るのに彼らのテックに頼っているユーザーのクロスゲーム・クロスプラットフォームネットワークの構築を目指していた。こうした分野はBitmoji(ビットモジ)買収後にSnapchat(スナップチャット)のような企業が作り出したものを拡張した3Dでのチャンスに資本を投入することを目指していた。

画像クレジット:Loom.ai

そして次第にフォトリアリズムから、ユーザーが2Dの写真をアップロードして自動でリアリスティックな3Dアバターを作ることができるミー文字のような表現を作ることへと取り組みをシフトさせた。近年は企業向けサービスにかなり重点的に取り組んでいる。同社のプロダクトには、Slack(スラック)や WhatsApp(ワッツアップ)のようなメッセージプラットフォームで使用できるパーソナライズされたアバタースティッカーや、ビデオ電話時に使えるライブアバターを作ることができる一連のインテグレーションが含まれる。

Robloxはどちらかというとかなり単純化したアバターを展開しているが、今回の買収は同社がよりリアルで本物そっくりの顔のアニメーションに力点を置いているシステムの構築に意欲を持っていることを意味する。買収発表のプレスリリースの中でRobloxは今回の買収が「次世代アバターの開発を加速させる」としている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:RobloxLoom.ai買収

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(翻訳:Mizoguchi

子供向けゲームプラットフォームのユニコーン「Roblox」が年内上場へ

オンライン決済のAffirm、宿泊施設シェアリングのAirbnbが上場申請(未訳記事)した直後というタイミングでRobloxが提出していたS-1上場申請書の内容が公開された。

Robloxが米国証券取引委員会(SEC)に申請書を提出したのは2020年10月中旬だったが内容はこれまで公開されていなかった

ゲームエンジンのユニコーン(10億ドル超スタートアップ)としては2020年初めにUnityが上場しており、Robloxは2020年初めて株式を公開するゲームプラットフォームではない。上場後Unityの株は急上昇しているので、市場はRobloxの上場にも強い期待を抱いているはずだ。

ここではSECに提出された申請書に基づいてRobloxのビジネスの概要、これまでのベンチャーキャピタル調達、株式の所有者について解説してみる。申請書を精査して詳細がつかめればさらにレポートする。

財務の現状

Robloxは無料ゲームとそれらのゲームを開発するためのデベロッパープラットフォームだ。つまりユーザーはゲームやサービスにアクセスするために料金を払う必要はない。ただしRobuxとゲーム内通貨による課金とRoblox Premiumというサブスクリプションサービスがある。これらが同社の収入の大部分を占めている。

サードパーティのデベロッパーはRobloxのプラットフォーム上でゲームを製作できる。この仕組みは近年急拡大してきた。Robloxによると、2019年の第1から第3までの四半期のデベロッパー、クリエイターの収入合計は7220万ドル(約75億5000万円)だったが、2020年の同期間には2億9020万ドル(約303億4000万円)に急増している(TechCrunchは上場申請以前からRobloxの成功に注目して紹介してきた)。

Robloxは総収入も急成長を遂げており、2018年には139%増の3億1280万ドル(約327億円)、2019年には56%増の4億8820万ドル(約510億4000万円)となっている。さらに2020年の最初の3四半期では対前年比で68%アップの5億8870万ドル(約615億5000万円)となっている。

Robloxの規模の拡大は驚異的で、2020年には2019年よりも成長が加速している。同社はS-1申請書でパンデミックがむしろ追い風となったことを認めている。第1四半期にパンデミック由来の「急速な成長」が始まり、第2四半期と第3四半期では全面的に「新型コロナウイルス感染症による世界的なロックダウン政策の結果、ユーザーがいっそうオンライン化したことが(成長に)影響している」と述べている。

同社は、「今後の展望」について「収入の拡大速度は低下傾向となる」と警告している。パンデミックによるインフレを含む2020年の業績と比較すると「今後はブッキング(後述)、ユーザー数の成長が見られない可能性がある」としている。

現在のところ投資家がこの警告をどう受け止めるかは不明だが、Robloxの2020年の成長は並外れたものだった。例えば、ブッキング(同社の定義によれば「所定の期間における特定の非現金調整に影響を与えない販売活動」)は2018年に62%アップの4億9900万ドル(約521億7000万円)、2019年に39%アップの6億94300万ドル(約725億9000万円)、そして2020年の最初の3四半期には171%アップの12億4000万ドル(約1296億6000万円)に達している。

ともかくこの成長率はすごい。途方もない売上増はユーザーの関心の高まりを表している。Robloxは2020年の最初の9カ月間に「180カ国以上で平均DAU(1日あたりアクティブユーザー数)3110万人」を達成し、2019年の同時期の1710万から大幅に増加している。

Robloxプラットフォームを訪れる一般ユーザーの増加にともない利用時間も増加した。一般ユーザーの利用時間は2020年の最初の9カ月間に222億時間だったが、2020年の同時期に122%アップしている。DAUにカウントされるユーザーはプラットフォームで毎日平均2.67時間を費やしている。

ただしこの爆発的成長にもかかわらず、他の多数のユニコーン同様に、Robloxはまだ赤字だ。同社は2018年に9720万ドル(約101億7000万円)、2019年には8600万ドル(約89億9000万円)の損失を出している。赤字は2020年に急拡大しており、2019年の最初の第3四半期には4630万ドル(約48億4000万円)の赤字だったのに対し、2020年の同期は2億3320万ドル(243億9000万円)に膨れ上がっている。

2020年の赤字拡大の主因は、事業拡大に比例するコストの増加と、株式による報酬費用の増加したのようだ。

しかしGAAP基準の損益の数字から最初に受ける印象よりも、キャッシュフローはずっと良い状態にある。同社の営業キャッシュフローは、2019年最初の9カ月間に6260万ドル(約65億5000万円)だったのに対して2020年の同期は3億4530万ドル(約361億1000万円)に増加している。同期のフリーキャッシュフローは2019年に600万ドル(約6億3000万円)だったが、2020年は2億9260万ドル(約306億円)だった。

これらの数字は、Robloxのビジネスモデルのマーケットが巨大であり経済的に高い可能性があることを示している。ともかく株式公開は大勢のベンチャーキャピタリストに大金をもたらすはずだ。

既存株主

我々のCrunchbaseのデータによると、Robloxは非公開企業として3億3570万ドル(約351億円)を調達している。ラウンドをリードしたのはAltos Ventures、First Round Capital、Meritech、Index、Greylock、Tiger Global、Andreessen Horowitzだ。

Robloxは、上場に向けて約8億1000万ドル(約847億円)の現金および現金同等物を保有している。株式が公開されると、これまで流動性に乏しかった同社の株式は上場後は自由に換金できるようになる。投資家は株式を市場で売却できるようになる時点に向かってストップウォッチをスタートさせる。

S-1申請書は、誰がどれほどの株式を所有しているかを示している。つまり上場で最も利益を得るのは誰かなのかを推測できる。筆頭株主はAltos Venturesで、21.3%ないし1億1426万1961株を所有している。同社がRobloxのラウンドを何度もリードしてきたことを考えれば予想どおりといえる。Altosの後に10.3%を保有するMeritech Capital、9.9%を保有するIndex Ventures、7.3%を保有するTiger Global、6.3%を保有するFirst Round Capitalが続く。

Roblox経営陣の保有株数は合計で16.4%にすぎない。共同ファウンダーでCEOのDavid Baszucki(デビッド・バズースキ)氏は、6553万9773株を所有しているがこれは12%にあたる。Robloxのように巨額の資金を調達すると持ち分がいかに希釈化されるかよく表している。

数字以外の状況

RobloxhはS-1申請書で「我々の成功は子供たちに安全なオンライン環境を提供できるかどうかにかかっている」と述べている。それができなければ「ビジネスは劇的悪影響を受ける」という。

この言及は2018年に同社の提供するゲーム内で女の子のアバターがレイプされるという言語道断なハッキング被害(未訳記事)を受けたことを指すものだ。S-1によると同社の「プラットフォームを犯罪者が利用し子供たちをプラットフォーム外の犯罪者との交流に誘い込んでいる」などという疑惑が引き続き主張されるという。

「このような事態の発生を防ぐべく大量のリソースを費やしているがこうした試みのすべてを防ぐことはできない」としている。Robloxプラットフォーム上での通信は、「現時点」では暗号化されていないためデータのセキュリティ上の問題が起きる「リスクが増大している」と続けている。プラットフォームが子供向けゲームであるという点そのものがRobloxにとっての大きな弱点となっている。

ニューヨーク証券取引所のティッカーシンボルはRBLXを希望している。

【Japan編集部】当初英語記事には株式保有割合などに誤りがあったがアップデート済み。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:RobloxIPO

画像:Steve Jennings / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Robloxがリル・ナズ・Xを迎えて初のバーチャルコンサートを開催

Roblox(ロブロックス)は米国時間10月10日朝、Columbia Records(コロンビア・レコード)の協賛により、米国のシンガーであるLil Nas X(リル・ナズ・X)のバーチャルコンサートを同社のゲームプラットフォーム上で開催すると発表した。注目すべきは、これがRobloxで初めてのバーチャルコンサートであることだ。これは、2020年4月に開催された世界保健機関のためのチャリティーコンサート「One World: Together At Home」(CNN記事)や、ピーク時で1230万人のプレイヤーが参加したゲーム「フォートナイト」内でのTravis Scott(トラビス・スコット)のコンサートなど、パンデミック中の同様のイベントを後追いする形になる。

リル・ナズ・Xのコンサートは、Robloxが特別に準備した没入感のある体験を生み出す専用のオンラインイベントスペースで催される。複数のステージが設けられ、それぞれが最新のシャドーイング、ライティング、物理ベースレンダリング(PBR)、顔認証などのテクノロジーを駆使した、リル・ナズ・Xの歌とミュージックビデオを反映したものになると同社は話している。

コンサートでは、リル・ナズ・Xが人気ヒット曲を数多く歌う他、ニューシングル「Holiday」を初披露する。

公演は3回。最初のメインイベントは、米国太平洋標準時刻11月14日土曜日午後1時から。アジアでは日本時間で11月15日日曜日午後3時から。ヨーロッパでは米国太平洋標準時刻11月15日日曜日午前9時からとなっている。

さらに、RobloxとColumbia Recordsは、リル・ナズ・XとのQ&Aも行う予定だ。これは米国太平洋標準時刻11月13日金曜日午後4時(日本時間14日午前9時)より、コンサート会場からストリーング配信される。

「Columbia Recordsと手を組んで、リル・ナズ・XのファンとRobloxのコミュニティーをまったく新しい形で結び付けられることを大変に心待ちにしています」と、Robloxの音楽部門グローバルヘッドJon Vlassopulos(ジョン・ブラソピュロス)氏は、同イベントに関する声明の中で述べている。「リル・ナズ・Xを迎えてのコンサートでは、プレイヤーやその友だちをメタバースに転送し、命を吹き込まれた没入感溢れる未来のソーシャル体験とはどのようなものかを、味わっていただきます」。

コンサートに先立ち、会場ではミニゲームやプレイヤーのためのお楽しみイベントが開催される。またアクセサリー、エモート、リル・ナズ・Xのアバターバンドルなど、ここでしか手に入らないグッズがバーチャルストアで販売される。

「我々は2020年で最大のバーチャルコンサートを開催する。世界中の人たちに見に来て欲しい」とリル・ナズ・Xは声明で訴えている。「Robloxでこれを最初にやれるアーティストとして、とってもラッキーだと思ってる。ファンを思い、みんなで一緒に準備してきたのことが、とても楽く感じられた。早くみんなに見せたくてうずうずしてる」と彼は話している。

Robloxは、この数カ月間、そのプラットフォームをゲーム以外の世界にも拡大する意欲を見せてきた。パンデミックの影響で、月間ユーザーの数もプレイヤーが落とす金額も急増し、広範囲なバーチャル活動への要求も高まっている。2020年7月、同社は月間のアクティブユーザー数が1億5000万人を超えたことを発表した。米国で自宅待機要請が出される前の2月の1億150万人から一気に増えている。

さらに同社は、7月にParty Place(パーティープレイス)のサービスを開始(未訳記事)した。会合や誕生会などを目的としたバーチャルイベント会場だ。

ソーシャル活動のためのバーチャルプラットフォームへ移行したことでも、Robloxは収益を増加させた。

サードパーティーのモバイルアプリストア調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)の推測では、2020年9月におけるRobloxのモバイルアプリでのユーザーの出費は9400万ドル(約99億円)、本日までに20億ドル(約2100億円)に達したという。オンラインサービス調査会社Safebettingsites(セーフベッティングサイツ)の最新の報告によれば、Robloxのプレイヤーは、2020年1月から9月の間にトータルで8億2000万ドル(約860億円)を出費している。

ゲーム企業Robloxは、IPOの準備を整えているが、その日程は明らかにされていない。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Robloxバーチャルイベント

画像クレジット:Roblox

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(翻訳:金井哲夫)