今や無視率の高いネット広告、フィジカルな郵便物を併用して消費者のエンゲージを高めるPebblePostがシリーズBで$15Mを調達する好成績

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PebblePostは、印刷物のはがきやカタログにマーケティングの大きな機会がある、と信じている。

しかも同社は今日(米国時間2/27)、シリーズBで1500万ドルを調達した。このラウンドはRRE Venturesがリードし、Greycroft PartnersとTribeca Venturesが参加した。RREのJim Robinsonが、PebblePostの取締役会に加わる。

PebblePostは自分たちのサービスを、“プログラミングされたダイレクトメール(DM)”と呼ぶ。見込み客のネット上のアクティビティに基づいて特製されたフォローアップを送るのだ。たとえばあなたがどこかのお店のWebサイトを見ていたら、数日後にはそこの商品を紹介するはがきが来る。たぶんディスカウントもあるだろう。

CEOのLewis Gershは以前、シード投資専門のVC Metamorphic Ventures(今の名はCompound)のファウンダーだった。彼によるとそこでは、ターゲティング広告のこの国最大のポートフォリオを作った。つまりユーザーのネット上のビヘイビアを使って広告のターゲティングを行う企業だ。広告企業はiSocket, Mass Relevance, Movable Inkなどに投資していた。でも彼が悟ったのは、デジタル広告が今では“ジャンクメールの一種”になっていることだ。マーケターたちの競争激化で、広告が多すぎるのだ。

PebblePost

Gershが気づいた問題点は、“今はそれどころじゃない”という状況の人たちにも勝手に広告が表示されることだ。当然、それらは無視される。一方、フィジカルな郵便物は、どこかに重ねておいて、ひまなときに見る、というアクセスをされる。すなわち、意思が見る人の側にある。だから、ブランドのメッセージに目を留めて、実際に買い物をする確率も高い。勝手で一方的なネット広告よりは、断然良いメディアだ。

ただし、ユーザーがネットで見ていた品目を、はがきでまた念押しする必要はない。むしろ関連商品を紹介した方が、好感を持たれる。フィジカルな郵便物でも、しつこいのは嫌われる。同じ品目が来ると、気味悪いと思う人もいる。

Gershは曰く、“ユーザーが製品に関心を持ってくれたら、そこは到達点ではなくてむしろ、そこから対話が始まる。PebblePostでは、ブランドが消費者とのそういう対話を継続することができる”。

また印刷物の郵便物には、ネットで問題になる詐欺などのトラブルがない。郵便物はネット広告と違って誰もが一応見てチェックするし、ボットが郵便受けに侵入することはない。そう、彼は主張する。

PebblePostのフィジカルな郵便物はその7〜10%が購買に結びついているそうだから、たいへん好成績だ(上で述べたように、品目の選定が重要だが)。同社はこの前800万ドルを調達し、また顧客はBoxed, Saatchi Art, ModClothなどのショッピングサイトが主だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Brilliant Bicycleは元VCの二人が始めた超簡素な自転車キット

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昨年Adam KalamchiとKane Hsiehが、ベンチャーキャピタル企業RRE Venturesを辞めて自転車屋を始める、と言い出したとき、同僚たちはみんな呆れた。それから9か月と150万ドル後に彼らはBrilliant Bicycle Co.を本格的に立ち上げ、仕様や機能山盛りとは逆の、単純さと自分の好きな色だけにこだわる人たち向けの、お手頃お値段の自転車を発売した。

150万ドルのシード資金を出したのは、PREの4人の社員パートナーとBrand Foundry VenturesGreat Oaks VCAspiration Growth、それにBonoboのファウンダAndy DunnやDogVacayのCFO Bryan Wolffなどのエンジェルたちだ。

Brilliantの最初の自転車Astorは、三段変速、サイズ3種類、色6色で提供され、お値段は299ドルから。ニューヨークなら24時間無料で届けてくれる。全国展開は、来週からだ。重要なのは、ユーザが自分で組み立てること…所要時間は1時間弱だ。

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組み立て工程は、Ikeaの家具よりも簡単だ。必要な工具がすべて含まれていて、部品にははっきり分かるようにラベルが貼ってある。作り方はBrilliantのサイトにビデオがあるから、まず、行き詰まることはない。

“自転車はシンプルな製品だ。仕様にこだわるマニアもいるけど、ふつうの人が安く買えて、そこらで気軽に乗れるのもあるべきだ”、とKalamchiは言う。

KalamchiとHsiehはスタートアップとして自転車に参入したが、その基本ポリシーは、不要な部品がないこと、できるだけシンプルな製造工程、そして注文が来たらすぐに発送できることだ。そのためには、彼らとお客とのあいだに、ミドルマン(中間者)を置かない。したがって、こういうごくふつうの自転車を、Brilliantからなら一般市販品の半額の総費用(↓後述)で買える。

“自転車店へ行ったら、お客は余計なものにお金を払うことになる。その自転車は工場を出てから6か月は経っているから、その間の倉庫料がある。同じようなのが100種類はあるから、その中から選ぶための時間費用や店舗費用もある。工場や自転車屋さんによる組み立ての費用も。そして向こう1〜2年のサービス料金。などなどだ”、とKalamchiは述べる。

それに、自転車専門店には、ふつうの人をびびらせる雰囲気がある。

“とっても男臭い世界だよね”、とHsiehは言う。自転車の有名ブランドのInstagramも、高級なレース用自転車にスパンデックスを着用した中年男が乗ってるようなのばかりだ。

自分用の自転車はほしいが、自転車に人生を懸ける気はないというふつうの人のための、選択肢は乏しい。今合衆国では、消費者たちが中古自転車に年間20億ドルも支出しているが、KalamchiとHsiehの目論見では、Brilliantのエントリレベルの自転車がそういう人たちにアピールするだろう。

Brilliantは来年あたり、車種を増やすし、アクセサリや各種サービスにも手を広げる。すでにサンフランシスコとニューヨークではコンシエルジュサービスの実験を始めている。彼らによるとそれは、“自転車のためのGeek Squad”だそうだ。

“目標は単純に、日常的な自転車人口を増やすこと。われわれが生きていけるぐらいは儲けたいが、価格はできるかぎり安くして、誰もが気軽に買えるようにしたい”、とKalamchiは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa