顧客データパイプラインを企業戦略向けに拡大するRudderStackが約64.4億円調達

企業が経営分析やマーケティングを改善するための独自データプラットフォームの開発を支援するRudderStackが米国時間2月2日、Insight PartnersがリードするシリーズBのラウンドで5600万ドル(約64億4000万円)調達したことを発表した。これまでの投資家であるKleiner PerkinsやS28 Capitalも、このラウンドに参加し、2019年に創業した同社の総調達額は8200万ドル(約94億3000万円)になった。

データウェアハウスの急激な増大と機械学習の進歩により、企業はデータを有効活用するますます複雑なアプリケーションを作ろうとしている。しかしRudderStackのCEO、Soumyadeb Mitra(スーマイヤデブ・ミトラ)氏から以前聞いた主張によると、顧客データパイプラインの既存のソリューションの多くがマーケティングのチームに売り込むために作られており、企業が今求めている先進的なアプリケーションを作るのが困難なアーキテクチャを使用している。それに対してRudderStackのアーキテクチャは最新のデータスタックの上に置かれ、データウェアハウスをアーキテクチャの核にしている。

画像クレジット:RudderStack

また同社は、市場に別の角度からアプローチしている。ミトラ氏によると「従来的な顧客データプラットフォームはマーケティングの費目になるので、マーケティングに合った形をしている。しかしAmazonのような最先端の企業を見ると、顧客データのインフラストラクチャを作っているのはマーケティングチームではなくて、ほとんどエンジニアリングのチームと、データのチーム、ときにはグロウスのチーです。グロウスチームの中にもデータチームがいて、彼らがインフラストラクチャを作っている場合もある。私たちは、そのやり方を採用しています」という。

過去数年間でRudderStackは、Mitraが「配管工事層」と呼ぶものを整備した。すなわちすべての要素および統合がデータをデータウェアハウスから出し入れする。さらに今後については、チームは今、データのトランスフォーメーションや、ユーザーデータをセグメントに分けてオーディエンスを作るなど、その上に来る機能の構築に専念している。

多くの点でそれはまた、今ではTwilio傘下であるSegmentの最初のビジョンだが、しかしMitraの主張では、彼らのフォーカスは今ではもっぱらマーケティングにある。「私たちでもセグメント化は競合で優位に立つための機能だが、しかしバイヤーがマーケターではなくデベロッパーの場合は、他社との競合でつねに高い勝率を得ている」とミトラ氏はいう。

画像クレジット:RudderStack

ミトラ氏によると、2020年から2021年にかけては、同社の売り上げがおよそ4倍半に伸び、顧客ベースは3倍増した。今の顧客の中には、AllbirdsやWealthfront、Crate & Barrelなどがいる。チームの人員は3倍増して115名になったが、2022年はさらに増やすつもりだ。

新たに得た資金は主に、プロダクトの機能の増強と、市場開拓努力に投じられる。

Insight PartnersのマネージングディレクターPraveen Akkiraju(プラビーン・アキラジュ)氏は、これから彼が取締役会に加わるRudderStackについて次のように述べている。「RudderStackがユニークなのは、顧客データのエンド・ツー・エンドのデータパイプラインが、データウェアハウス向けに最適化されていることです。クラスで最良のアーキテクチャにより、データエンジニアは、複数のチームによるデータサイロの形成を防ぎ、データパイプラインを構築する能力を加速して先進的なアナリティクスと機械学習のユースケースを開拓できます。そのためのラウンドをリードして、Souymadeb(ソウイマデブ)氏と彼のチームがすばらしい顧客データプラットフォームと企業を構築していく仕事に参加できることは、ゾクゾクするような体験です」。

画像クレジット:Mint Images/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)