AWSのストレージサービスS3にゾーンを一つしか使えない低料金バージョンが登場

AWSのストレージサービスS3が今日(米国時間4/4)、データをクラウドに保存するための、低料金なオプションを導入した。デベロッパーは、それほど頻繁にストレージにアクセスしないアプリケーションのために、高い可用性を求めないことにより、最大でS3の標準料金の20%引きで利用できる。S3のこの新しいティアの名前は、S3 One Zone-Infrequent Access(ゾーンがひとつの非頻繁アクセス)だ。

S3は、AWSが最初から提供していたサービスのひとつだ。これまで、ティアの種類が少しずつ増えてきた。S3 Standardティアは、99.999999999%の永続性と99.99%の可用性を約束しているが、S3 Standard-Infrequent Accessは、同じ永続性と99.9%の可用性を約束している。またGlacierは、コールドストレージだ。

StandardとStandard-Infrequentに保存されるデータは、三つ以上のアベイラビリティゾーンへ複製される。しかし低料金のOne Zone-Infrequent Accessティアは、名前が示すように、一つのアベイラビリティゾーンにしか保存されない。複数のマシンへ複製することはできるが、しかしそのゾーンがダウンしたり破壊されると、データにアクセスできない。

そのため、この新しい低料金ティアは可用性が99.5%で99%のSLA(アップタイム率)しか提供しない。しかしその機能や永続性は、S3のほかのティアと違いはない。

今日(米国時間4/5)サンフランシスコで行われたAWS SummitのキーノートでCTOのWerner Vogelsが言ったように、ストレージのコストは複製を行うアベイラビリティゾーンの数で決まる。彼の見解では、この新しいサービスは、頻繁にアクセスされないけど複製はできる、というデータに利用すべきだ。

99.5%の可用性は、1年に1日か2日の、データにアクセスできない日がある、という意味だ。一部のアプリケーションにとっては、それで十分だが、Vogelsの説では、顧客はこのストレージを二次的なバックアップコピーや、複製可能なメディアファイルの保存に使うだろう、と言う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWS S3 US-EAST-1がダウン、アメリカは大混乱―Amazonは原因を突き止めたらしい

2017-03-01-aws-perspective-glitched

AmazonのAWS S3クラウドストレージに広汎な障害が発生している。S3を利用している多くのウェブサイト、アプリ、デバイスが一部あるいは完全に作動しなくなっている。AWSは多くのサイトの実行イメージあるいはサイトそのものをホストしている。アプリのバックエンドとして利用しているサービスにはNestも含まれる。

「US-EAST-1のS3に高頻度でエラーが発生する」という障害が発生していることがAmazon AWSサービスのヘルス・ダッシュボードで確認されている。 当初、Amazonでは「プログラムを修正中」と発表したのみで原因など詳しい状況は不明だった。

影響を受けているサイト、サービスにはQ&AのQuora、ニュースレター配信サービスのSailthru、ニュースサイトのBusiness Insider、Giphy、S3が画像をホスティングしている各種yメディア、Slackにおけるファイル共有など多数だ。スマートサーモスタットなどホームIoTのパイオニアであるNestにも障害が発生しており、デバイスのコントロールが不可能になっている。

SimilarTechのトラッキング・データによれば、Amazon S3は14万8213のウェブサイトが利用しており、 12万1761のドメインを運用している。コンテンツのホスティング・サービスとしての利用はアメリカに集中している。ただし利用の絶対量は上位100万サイトの0.8%に過ぎず、たとえばCloudFlareの世界のトップ100万サイトについて6.2%という数字に比べてかなり小さい。それでもAWSのダウンは大きな影響を与えている。

驚いたことに、AWSサービスの健康状態を示すダッシュボードのグラフィックス自体がS3のストレージを利用しており、したがってこの大混乱にもかかわらず「平常通り」の緑のランプが点灯しているという。

われは状況を注視しており、さらに情報が得られしだいフォローする。

アップデート: (11:40 AM PT): AWSはヘルス・ダッシュボードについては問題を修復した。ダッシュボードは 作動の低下やダウンを正しく表示している。Amazonは復旧の努力中。

アップデート (11:57 AM PT): AWSはS3がダウンした「根本的な原因を発見」したもよう。「修正に全力を挙げている」という。ただしそれ以上の詳細は発表されていない。

取材を続行している…

〔日本版〕日本ではSlackのファイル共有を含めて目立った影響は出ていない。US-EAST-1を利用していない場合は正常に作動するもよう。
なおQuoraは”504. Gateway Timeout.”のエラーとなる。Business Insider(英語版)はテキストそのものは表示されるがウェブページとして正しく表示されない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleに負けじとAmazonがS3, EC2, ElastiCache, Elastic MapReduce, RDSを大幅値下げ

Amazonが今日(米国時間3/26)、同社のクラウドプラットホーム上の一連のサービスの料金値下げを発表した。値下げの対象となるサービスは、ストレージサービスS3、クラウドコンピューティングプラットホームEC2、ElastiCache、Elastic MapReduce、およびクラウドデータベースRDSで、この値下げによりAmazonのプラットホーム上でアプリケーションを運用する費用が、Googleが今週初めに発表した額に接近する。

S3の場合は、標準ストレージの料金が、最初の1テラバイトまでは1ギガバイトあたり3セント、低冗長性ストレージでは2.4セントになる。EC2は、クラウドコンピューティングのインスタンスの価格が最大40%値下げされる。

データ保存料が49テラバイトを超えるユーザには、さらにストレージの料金値下げが適用されるが、標準ストレージの場合の最低料金は2.6セントで、これより安くはならない。2.6セントはGoogleの今の料金と同じで、Googleはいろんな区分けをなくして単一の料金制にした。

標準ストレージの最初の1テラバイトに関しては、それまでの使用料が85セント/GBだから、ものすごい値下げだ。Amazonによると、今回の値下げ幅は全体として36%から65%のあいだとなる。

EC2は、最大の値下げ幅が40%になる。たとえば標準のm3.mediumインスタンスは、これまでの1時間11.3セントが1時間7セントになる。それはGoogleのベーシックなインスタンス、n1-standard-1インスタンスと同額だ。

値下げされないインスタンスもある。たとえばメモリの最適化を伴う高額なインスタンスcr1.8xlargeインスタンスは、1時間3.5ドルのままだ。メモリ最適化インスタンスでもlargeでないインスタンスは、大きく値下げされる。また最小のインスタンスであるマイクロインスタンスも、1時間2セントに据え置きだ。

なお、予約インスタンスも大幅に値下げされる。

データベースサービスRDSも、多くのインスタンスタイプが40%値下げされる。キャッシュノードElastiCacheは34%安くなり、Elastic MapReduceは27~61%の範囲内で値下げされる(EC2の値下げに加えてさらに、という意味)。

値下げの適用開始日はGoogleの値下げと同じく4月1日だ。

明らかに、Googleの値下げ攻勢がクラウド業界に大地震を発生させたようだ。Amazonの次は、当然ながら、Microsoftだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、S3料金を最大22%、EBSを最大50%値下げ―新しいEC2インスタンス・タイプを提供

このところAmazonはほとんど毎月のようにAmazon Web Services (AWS)はサービスの値下げを行っている。今週はS3EBS値下げされた。これに加えてSSDベースの一般的用途のM3インスタンスが2種類、新たに提供された。

新インスタンスはミディアムとラージの2サイズで、料金は0.113ドルからスタートする。 M3は以前のM1を置き換えた高速なインスタンスだ。AWSがM3をリリースしたのは昨年だが、今回ミディアムとラージというインスタンスが新設された。Amazonによれば、CPUパワー、RAM、ネットワーク能力が適切にバランスされ、広い範囲のアプリケーションの実行に向いているということだ。

デフォールトの設定では、ミディアムは4GBのSSDストレージ、3.75GiBのRAM、1基のバーチャルCPUからなる。つまりCPUやメモリーに大きな負荷がかかるようなアプリケーションの実行には向いていない。ラージ・インスタンスは32GBのSSDストレージ、7GiBのRAM、2基のバーチャルCPUで構成される(下の表参照)。

これらの新しいインスタンスはAWS GovCloud以外のすべてのAWSリージョンで利用可能だ。

非常に巨大なストレージ容量を必要とするS3ユーザーに対し、Amazonはクラウドストレージの料金を劇的に値下げした。5000TB以上のユーザーについては22%の値下げとなる。それ以外のユーザーの場合はそれ以下の率だが、1TB以下でも11%の値下げだ(下の表を参照)。新料金は2月1日から適用される。

Elastic Block Storageでもストレージ容量、I/Oリクエス回数とも大幅な料金引き下げが行われた。 一部のリージョンでは最大50%の値下げになっている。こちらも2月1日からの適用。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AmazonのAWSがコマンドラインツールを提供, スクリプトを書いて日常ルーチンを自動化しよう

グラフィカル(な)ユーザインタフェイス(GUI)はすてきだが、ときには古き良き日のコマンドラインをどうしても使いたいことがある。Amazonは今日(米国時間9/3)、AWSのコマンドラインインタフェイスを一般公開する、と発表した

ただしこのコマンドラインツールは当面、デベロッパ向けのプレビューである。このツールを使ってデベロッパは、AWSの23のサービスを、あの少々複雑なWebインタフェイスを使わずに、コマンドラインからコントロールできる。自分のAWSアカウントをコマンドラインから管理する人はあまりいないと思うが、しかしコマンドやその引数を羅列~組み合わせることによってデベロッパは、日常のプロセスの多くを自動化できるのだ。

今日のリリースには、S3クラウドストレージのためのファイルコマンドのアップデートも含まれている。ファイルシステムに対するこれらのコマンドによってデベロッパは、“バケットの中身をリストアップしたり、多数のファイルのあるフォルダをアップロードしたり、ローカルファイルとS3上のオブジェクトをシンクしたりできる”、とAmazonは言っている。

AWSでは何でもそうだが、このツールも構成があまり簡単ではない。しかし、Amazonが提供しているインストールガイドは親切でわかりやすいし、ドキュメンテーションも豊富だから、初心者もびびる必要はない。対応OSはWindowsとMacとLinuxで、EC2専用にビルドされたLinuxパッケージAmazon Linux AMIの、最新バージョンにはすでにプレインストールされている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon S3は2兆のオブジェクトを保管―昨年6月の1兆から倍増、ピーク時には毎秒110万のリクエストを処理

今日(米国時間4/18)、ニューヨークで開催されたAWSサミットでAmazonは、S3ストレージには2兆以上のオブジェクトが保存されていると発表した昨年6月には1兆、11月には1.3兆だった。前回の数字はre:Inventカンファレンスで発表されたものだ。

Amazonの AWSチーフ・エバンジェリストJeff Barrは今日のブログ記事で、「AWSが保管するオブジェクトが1兆に達するのに6年かかったが、さらに1兆増加するのに1年もかからなかった。また日常的にピーク時には毎秒110万以上のリクエストを処理している」と書いている。

Amazonはこの数字を「われわれの銀河系には4000億の星がある。S3に保管されているオブジェクトの数は銀河系の星の数の5倍だ」と説明した。S3オブジェクトはひとかたまりのデータであり、サイズは1バイトから5テラバイトまでいろいろだ。残念ながらAmazonはS3オブジェクトのサイズの平均については明らかにしなかった。

Amazonは今月に入ってAPIリクエストの処理単価を引き下げるなど値下げ努力を続けている。しかし料金の安さはS3の成功の理由のひとつの要素にすぎない。たまにダウンすることがないわけではないが、AWSは企業が大量のデータをクラウドに保管しようとするとき真っ先に考慮するサービスとなっている。また新機能も次々に追加されており、小さなスタートアップからPinterestDropboxのような急成長サービスまで広くホスティングしている。AWSは2020年ままでに200億ドルのビジネスになると一部のアナリストは予測している

MicrosoftのAzureプラットフォームはじめライバルも挑戦を続けているが、この分野でのAmazonの圧倒的優位はゆらいでいない。Microsoftは最近、AWSの料金引き下げに対応して料金を引き下げると約束した。 Microsoftによれば、現在Azureには20万のユーザーがあり、毎日新たに1000ユーザーが加入しているという。

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