アウトレット店Sam’s Clubが導入した自律ロボットは床掃除だけでなく在庫管理も一緒に行う

これまでの半年間で多くの企業が人間の労働者をサポートまたは代替する方法を求めるようになり、それにともなってロボットや自動化技術の選択肢も急増した。大規模なパンデミックでオフィスや店舗の閉鎖が増えたのだから、これは当然の傾向だ。

Walmart(ウォルマート)の子会社である会員制アウトレットのSam’s Clubはかなり前から床掃除ロボットを利用しており、現在、多くの店舗でTennantの床拭きロボットT7AMRを導入している。しかし今週同社は、2020年中にさらに372台を導入すると発表(PR Newswire記事)し、これで全米599店すべてにロボットが導入されることとなる。

このロボットは人間も操縦できるが、Brain Corpのサービスを利用して自律させることもできる。Sam’s Clubのような倉庫型の店舗はなにしろ広いので大歓迎だ。おもしろいのは、ソフトウェアにより床拭きと店内在庫のチェックの2役を同時に行える点だ。

親会社のWalmartは、すでにロボットを使って店内の在庫を調べている。同社は2021年1月にBossa Novaのロボットをさらに650店に導入して、合計1000店になると発表した。TennantとBrain Corp.のシステムはまだパイロット段階だが、ピーク時以外に2役をこなすロボットはすでに大きな話題になっている。大きな店舗では、掃除だけでなく在庫チェック大変な仕事なのだ。

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カテゴリー:ロボティックス
タグ:Sam’s ClubTennantBrain Corp

画像クレジット: Brain Corp.

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ウォルマート傘下のサムズ・クラブがバーコードの代わりにコンピュータービジョンで商品スキャン

昨年10月、Walmart(ウォルマート)傘下のSam’s Club(サムズ・クラブ)がダラスにテスト店舗を設置し、モバイルチェックアウト、Amazon GOライクのカメラシステム、店内ナビゲーション、電子商品棚ラベルなどの新技術の試行を開始した。米国時間3月4日、同社は改訂されたScan & Go サービスのテストを開始したことを発表した。コンピュータービジョンと機械学習を活用して商品のスキャンを簡単、迅速にする。

現在のScan & Goシステムは2年前に導入され、Sam’s Clubの買い物客は購入する商品のバーコードを探して専用モバイルアプリでスキャンする。ショッピングカートに入れるときに商品をスキャンしてアプリで支払うので、レジの行列に並ぶ必要がない。

便利ではあるが、バーコードを探さなくてはならないため、商品を裏返してシールを探すなど苛立つことがある。重い商品ではとくに困難で、ラベルが剥がれてしまっていることもある。

また、スキャン自体に数秒かかるため、まとめ買いするときなど累積する時間はバカにならない。

新しいスキャン技術はバーコードの代わりにコンピュータービジョンと機械学習を利用して商品を識別する。これでスキャンに要する時間が短縮されると会社は言っている。

ビデオデモの中でSam’s Clubは、飲料水のパッケージをスキャンするのに、旧システムだと9.3秒かかるのに対して最新技術を利用すると3.4秒しかかからないことを見せている。

もちろん、かかる時間は客のスキルやスキャンする商品、システムの動作条件などさまざまな要因によって変わる。大きな水のボトルはかなり極端な例だが、システムがうまく働いたときの可能性を表してはいる。

ダラスに新規開店したテスト店舗の目的は、新技術を実世界環境で早期にテストして何がうまくいくかを知ることに加えて、利用者のフィードバックを集めることにある。ダラスが選ばれたのは、IT人材が豊富で採用の可能性があることのほか、アーカンソー州ベントンビルのWalmart本社から近いことも理由のひとつだと以前同社は言っていた

Sam’s Clubはこの新しいスキャン技術に関連する特許を申請したこと、および今春からダラス地域の 「Sam’s Club Now」でテストを開始することを話した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook