AppleがLiquidMetal(液状金属)とサファイアガラスを使うモバイル製品製造技術で特許を取得

Appleが今日(米国時間5/27)、LiquidMetalとの独占ライセンス契約を更新した。そしてAppleInsiderによると、同社はこの、プラスチックのように振る舞う相当風変わりな合金を、サファイアガラスなどガラス製のディスプレイと組み合わせて使う技術に対し、特許を認められた。この特許は、ディスプレイをLiquidMetal製のデバイスケースに溶接する技術を記述しているので、未来のiPhone、iPad、そしてiWatchの外殻はLiquidMetal製になるのだろう。

この特許によって、Appleが将来の製品に実際にLiquidMetalを使うんだな、という感触がよりはっきりしてきた。次に出るiPhone 6でサファイアガラスが使われる、という噂は前からある。AppleはGT Advanced Technologiesと協働してサファイアガラスの大量生産プラントを国内に作るつもりだ。ということはもちろん、この素材を将来の製品で使うということ。サファイアガラスはとくに、擦過耐性がきわめて高い。Corning製のゴリラガラスよりも、擦過に対して強いのだ。

LiquidMetalは、iPhone 5など、これまでのiPhoneで使われると噂されていたが、実現はしていない。すでに軍用や医療用では実用化されている素材であり、一部の消費者製品にも使われている。プラスチックよりも強度があり、すり減ったり、腐食したりしない。それでいてプラスチックのような弾性があるので、弾力のあるボールベアリングが作られたりする。消費者電子製品では、製造工程を効率化するとともに、消費者製品の寿命を延伸する。

サプライチェーンからはまだ何の音沙汰も漏れてこないから、次のiPhoneでLiquidMetalが使われることはないだろう。でもAppleがこの技術に本腰であることは、あらためて明らかになったし、しかも特定の(具体的な)素材がからむ特許まで取得している。サファイアガラス+LiquidMetal製品の開発が、着々と進んでいることは、ほぼ確実である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple, サファイヤガラスのディスプレイに指紋や汚れがつきにくくなる技術で特許を出願

AppleInsiderによると、Appleがこのほど出願したパテントが、同社が将来のデバイスのディスプレイにサファイヤガラスを使うのではないか、という憶測を、さらに過熱させそうだ。今度の出願は、サファイヤガラスに油脂反撥素材をコーティングして、しみや指紋が着かないようにする方法を記述している。これまでは、Appleのサファイヤディスプレイをめぐる証拠といえば、サードパーティのメーカーとパートナーしたことぐらいだが、この特許出願はすでに技術開発を始めていることの自認とも言える。

出願書類の中では、ディスプレイにコーティングするデバイスとして、携帯電話やタブレット、そのほかのモバイルハードウェアが明記されている。撥油性(oleophobic)のコーティングは今のApple製品にもあり、汚い手で触ってガラス製のタッチスクリーンが手の脂(あぶら)まみれになるのを、防いでいる。それが最初に登場したのはiPhone 3GSで、それ以降もずっと使われている。

問題は、ゴリラガラスで有効だったその方法が、サファイヤガラスでも有効とは限らないことだ。その点が、この特許の出番となる。出願文書には、標準的な表面処理がサファイヤではすぐにだめになることが、テストの結果として詳しく書かれている。そこでAppleが提案する対策には、既存の表面処理方法が有効になるために、サファイヤの上に薄いゴリラを貼ること、などが含まれている。

この特許の出願時期は昨年9月と比較的新しいので、Appleがサファイヤディスプレイの具体的な細部を真剣に考え始めたのもそのころか、と思われる。Corningはすでに、サファイヤガラス(人造サファイヤによるガラス)は同社のゴリラガラスよりも弱いと主張して、守備固めに入っているが、AppleはGT Advancedとパートナーしてサファイヤの製造設備に5億7800万ドルを投じているから、おそらく次の、あるいは次の次のiPhoneには、タッチスクリーンのディスプレイに新素材を使うのだろう。

〔訳注: サファイヤガラス==ひっかき傷がつきにくい、oleophobic素材==油脂を反撥する。これまでの問題は、サファイヤガラス用に最適化された撥油性素材がなかったこと。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))