測定の革命を目指すSenic, 計測器とスマホとクラウドをリアルタイムで連結

Y Combinatorの今年の夏期クラスから巣立ったハードウェアスタートアップSenicが今日(米国時間8/9)から、最初の製品の予約販売を開始する。それは、今や世界中の工務店やDIYマニアが毎日のように使っているレーザー距離計だが、Senicの製品はBluetooth Low EnergyでiOSやAndroidデバイスに接続してアプリを動かし、さらに測定結果をクラウドに記録し即時にシンクする。

各種測定機器と現場人が持つスマホ(+アプリ)とクラウド上の高度なデータアプリケーション、この三者が常時リアルタイムで連結される。Senicの今後の計画では、マイクロメーターやそのほかの計測器類も、相次いでSenic版を作っていく。協同ファウンダのToby Eichenwaldは、父親の会社の社員として韓国で働いていたとき、同社の顧客たちの仕事ぶりを見て、測定技術は80年代で進化が止まっている、と感じた。

“うちは、スマートフォン用の精密で高感度のデバイスを作っていく”、とEichenwaldは言う。“今作っているのは世界一高性能な電脳型レーザー距離計だ。機器は一種類だが、アプリによって異なる顧客層ユーザ層に対応していく。たとえばDIYの好きな消費者層向けにはフロアプラン(間取り計画)のアプリを付ける。また電気工事や暖房工事をする企業向けには、測距と工事の見積り作成がリアルタイムで連動するアプリを提供する”。

同社が今作っているレーザー距離計は、最大測定距離が200フィート、精度が0.075インチ、耐水耐塵、ワンボタン操作が売りだ。末端小売価格は149ドルだが、今日からは同社のWebサイトで99ドルで予約販売を行う。iPad用のフロアプランアプリ(Androidは4.3からBluetooth Low Energyをサポート)は、家の間取り計画をドラッグ&ドロップで自由に変えられる(下図)。見積り作成アプリは、見積書を作ってメールで送ったり、顧客からの正式の工事発注をアプリ上で受けることもできる。

“ベイエリアの建築家や技術者や大手建設企業などから大量の聞き取り調査を行い、日常の問題点を語ってもらった。アプリが重要と考えるのは、アプリこそが、それらの問題を解決するからだ”、とEichenwaldは言う。“建築業界の人たちは巨額な金と時間に縛られているから、少しでもお金と時間の節約になるものなら、彼らにとっては何でもありがたいのだ”。

発売予定は11月当初、最初のロットは500から1000台だ。生産ラインはすでに本格的なものを持っている。そこが、Kickstarterなどのクラウドファンドプロジェクトとの大きな違いだ、とEichenwaldは言う。上で述べたように、レーザー距離計はあくまでも同社の最初の製品にすぎない。今後は逐次、ありとあらゆる測定ニーズを“Senic化”していく。このように、測定データにスマートフォン上の実用アプリとクラウド上のデータアプリケーションが対応することによって、建設業界の仕事のやり方が大きく変わっていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))