動画学習のスクーはユーザー20万人に、1980円のプレミアム課金サービスも開始

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オンライン動画学習サービス「schoo WEB-campus」を提供するスクー。2011年10月に立ち上がったこのサービスは、2015年12月時点でユーザー数20万人を数えるまでに成長した(2014年12月時点でのユーザー数は11万人)。

現在は個人および法人(現在100社が導入)向けの有料課金サービスでマネタイズしているschooだが、今回、個人向け有料課金プランにおいて、上位プランとなる「プレミアムプラスプラン」の提供を開始した。これまで提供してきた個人向けの課金サービス「プレミアムプラン」が月額980円(4月以降。それ以前は月額525円だった)なのに対して、この新プランはその約2倍、月額1980円という価格設定になっている。

ではこのプレミアムプラスプランではどういったサービスを提供されるのか。まずは、既存の課金プラン同様の録画授業の視聴機能。無料であれば基本的にリアルタイムでしか視聴できない授業を、無制限でタイムシフト視聴できるというものだ。これに加えて、登壇した先生の資料のダウンロード機能、動画と連携したリッチノート機能、途中で中断した授業を続きから再生できる記憶機能などが提供される。

リッチノート機能のイメージ

リッチノート機能のイメージ

今回の取り組みはスクーいわく「質の高い学習コンテンツを、より多く生成するための生態系の強化」なのだそうだ。オンライン上には無料だったり、低価格帯のコンテンツがあふれている。スクーはそれらとの差別化として、「学習効果を最大化するための良質なコンテンツを提供し続ける」ということ重視しているとのことで、「良質なコンテンツを提供し続けるためには高いレベルでのビジネススキームを作る必要がある。ユーザーに学習しやすい環境を整える機能を提供し、学習に対する満足度を高めてもらう。そして、スクーは授業生成におけるすべてに対して投資を行うことで、質の高い学習体験をユーザーに還元する。そのための手段」(同社)としている。

スクーとエン・ジャパンが業務提携、転職希望者のスキル育成支援で特別カリキュラムを提供

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オンライン動画学習サービス「schoo WEB-campus」を運営するスクーと総合求人・転職支援サービス「エン転職」などを展開するエン・ジャパンが8月18日、業務提携を発表した。

今回の提携はウェブ・IT業界の人材不足の解消に向けた新しい人材の創出と企業から求められる人材の育成を目指すもの。スキルを持った人材を育成すべく、まず最初の取り組みとして、エン転職のユーザーに「schoo WEB-campus」の「Webデザイナー」(3コース:14授業、計12時間)、「Webプログラマー」(4コース:13授業、計13時間)「Webマーケター」(2コース:12授業、計12時間)の講座を無料で配信する。

これだけであれば、schooのコンテンツの配信先が1つ増えたというだけの話だが、9月からは人材の育成、転職についてより具体的な支援をしていくのだという。具体的には、スクーがエン転職のユーザーに対して、プログラミングやウェブデザインなどの特別カリキュラムを提供し、すべてを受講したユーザーに対して修了認定を行う。終了認定されたユーザーに対してはエン・ジャパンが転職サポートを行うほか、入社後の活躍・定着に向けたフォローを行うとしている。

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オンライン学習サービスのスクーがクラウドワークスと提携、「人材x教育」で地方創生に臨む

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人は誰しもキャリアアップしたいと願うものだろう。キャリアアップを実現するために学び、スキルを身に付け、自分の価値を高めていく。企業に勤めていればトレーニングも提供されるものだが、クラウドワーカーにとっては先行投資でありそのハードルは低くない。だがそれが無料で受講できるとしたらどうだろうか。

インターネットの動画配信を利用したオンライン学習サービス「schoo WEB-campus(スクー)」を運営するスクーは6月12日、クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を運営するクラウドワークスとの提携を発表した。提携第1弾のプロジェクトとして、クラウドワークスに所属するすべてのワーカーに対し、無料で特別カリキュラムを提供するという。

提供されるカリキュラムはデザイナー向けとライター向けの2種類。schooは通常、リアルタイムでの受講(視聴)は無料だが、録画での受講は有料となっている。だがクラウドワークスの会員であれば録画受講も無料になる。

スクー代表取締役の森健志郎氏は、今回の提携を「人材と教育の統合の第一歩」と話す。短期的にはクラウドワークスが抱える65万人もの利用者を取り込めるメリットがあるが、中長期的には利用者の学習データと就労データを結び付け、よりビジネスに直結するカリキュラムを提供することが狙いだ。今後はスクーのカリキュラムを一定時間受講したらクラウドワークスのサイトでバッジを表示するなど、ワーカーのスキルを担保する仕組みも作っていきたいという。

クラウドワークスにとってもメリットは大きい。同社では地方在住のワーカーが多い点を挙げ(約9割が東京都外)、オンライン学習によるスキルの底上げを目指す。また、ワーカーとして登録したものの仕事の実績がないうちは簡単に受注できない現実があるとし、スクーの受講履歴バッジでキャリアを担保し、これを解消したいと話す。

両社が共通して語っていたのが「地方創生」への思いだ。都市部への人口一極集中で都市消滅の問題が叫ばれる中、いつでもどこでも働けるクラウドソーシングは問題解決の糸口となる可能性がある。とはいえ、器を用意しただけでは足りず、仕事を受注できるレベルにまで教育する事が欠かせない。スクーのトレーニングでワーカーのスキルを上げ、将来的には国内だけでなく、海外からの案件も受注出来るレベルにまで育てたいと意気込む。

なおクラウドワークスは6月11日にサイバーエージェントを割当先とする約5億円の第三者割当増資などで合計約30億円の資金を調達すると発表している。今後は今回のような業務提携に加え、M&Aや資本提携などを加速させるとしている。

動画学習サービスのスクー、既存株主とDDHなどから3.4億円の資金調達

動画学習サービス「schoo」を運営するスクーは2月10日、既存株主である伊藤忠テノクノジーベンチャーズ、ANRI、インキュベイトファンドに加えて、電通デジタルホールディングス(DDH)、リンクアンドモチベーションなどを割当先とした総額3億4000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。今回の増資により経営体制および開発体制を強化するとしている。

先日、本格的にマネタイズを進めると語ったスクーだが、今回の資金調達ではそれに向けて、事業シナジーの強い新規の株主を組み入れているようだ。スクー代表取締役社長の森健志郎氏は「動画(の授業)だけでは最終的にすべての課題解決はできないと考えている」と語り、スクーの受講後により高度な講義を受けたり、リアルでのサポートが求められていると説明する。今回資金を調達したDDHやリンクアンドモチベーションと組むことで、そういった側面も解決したいという。

具体的な話は聞けなかったが、例えばリンクアンドモチベーションは傘下にパソコン教室を展開するアビバを持っているので、今後は両者が連携することで前述の課題を解決することが可能になる。また電通グループであればマーケティング面での協力を仰ぐことができるだろう。教育機関との接点も多いので、ここでサービスやビジネスの連携があるかも知れない。

森氏いわく、動画学習サービスの競争は激化しているという。これはスタートアップに限った話ではない。NTTドコモは2014年から日本版MOOCsの「gacco」を展開しているほか、年商100億円とも言われる米国の動画学習サービス「Lynda.com」が2015年に入って日本版をスタートしている。


動画学習サービスのschooが「プログラミング学部」を新設、マネタイズに舵を切る

2014年6月に学部制度を導入した動画学習サービス「schoo」。1月23日には新たに「プログラミング学部」を新設した。

プログラミング学部では「Ruby入⾨」「リーダブルコード入⾨」といった授業を提供。未経験から、Webサービスを開発・公開できるまでに必要な学びをパッケージで提供するとしている。先生を務めるのはHEART QUAKE 代表取締役の千葉順氏をはじめ、エイチツーオー・スペース代表取締役のたにぐち まこと氏、一般社団法⼈日本Rubyの会代表理理事の高橋征義氏、クリアコード代表取締役の須藤功平氏、BASE CTOの藤川真⼀氏など。TechCrunch Tokyo 2014で司会を務めてくれた女優の池澤あやかさんが自作PCの作成に挑戦する授業などもあるそうだ。9月末までにコンテンツ200本の提供を目指す。

この発表を読んだだけでは、「また学部が1つ増えただけか」と思うかも知れないが、これを契機にスクーは次のフェーズに進むという。スクー代表取締役社長の森健志郎氏は「僕らは人材業界のマーケットに入っていく」とマネタイズを本格化する意思を語った。

先日のデジタルハリウッドの記事にもあるが、SIerはさておき、ITエンジニア人材の不足は明確だ。森氏は「HTMLをちょっとかけるだけの人ですら重宝される。需要はあるのに人材はまだまだ不足している」と語る。そんなこともあって、必要とされている人材を育成することでようなコンテンツを提供することで、schooで「教育と人材を統合、再編したい」(森氏)という。すでに実績もあるそうで、これまた不足していると言われがちなデザイナー学部などは、登録者1万人、WAU(週間アクセスユーザー)30%、課金率は約2割と人気だそうだ。

これまで森氏は「月次のコンテンツ数を増やせばユーザーが増えることは分かってきた」なんてサービスの成長について語るものの、マネタイズについてはほとんど明言していなかった(もちろん課金サービスは展開していたが)。今回も同じように聞いたところ、「ユーザー獲得やリピートの仕組みはできてきた」とのことで、ユーザー数は12万人、schoo上でコンテンツを配信可能な外部パートナーである「公認団体」も100団体超となっている。だが「スクーは『サービスから事業へ進む』というメッセージを打ち出したい」と語ったのは印象的だった。

今後スクーが増やしていく「人材×教育」のコンテンツは大きく2つ。1つは今回のプログラミング学部やすでに提供中のデザイナー学部のような、すでに需要があるが人材が不足している分野。そして2つめは宇宙起業家、グロースハッカーのような、これから人材が必要とされるであろう分野だそうだ。

スクーでは今後、こういった学部、カリキュラムの卒業生と、人材サービスの融合を図っていくと思われるが、その詳細についてはまだ決まっていないそうだ。「お金のいただき口を企業にするか、ユーザーにするかも含めてまだ実験が必要だ」(森氏)とした。


動画学習サービスの「schoo」が刷新、起業や英語など4分野をカリキュラム化

スクーは6月2日、オンライン学習サービス「schoo」をリニューアルし、「学部」制度を導入した。

schooは、オンラインで生放送の授業をストリーミングするリアルタイム動画学習サービス。現在ユーザー数は8万人ほどで、外部の「公認団体」によるコンテンツも含めて、毎月150本程度の授業が提供されている。平日夜にも関わらず、4000人が視聴する授業もこれまでにあったという。schooを運営するスクー代表取締役の森健志郎氏は、「月次に提供できる授業数が増えれば、ユーザー数が増えるという形ができあがっている」と現状について説明する。法人向けのニーズも高まっているとのことで、オフラインで開催されるセミナーのリプレイスをしたいとった相談もあるそうだ。

また3月に東京⼤学 知の構造化センターが主宰する全学教育プログラム「東京⼤学 i.school」の学習コンテンツを無料公開し、5月には法政大学キャリアデザイン学部の2科目13授業を無料公開するなど、コンテンツプラットフォームとしての役割も広げつつある。

今回導入する学部は、カリキュラム化された生放送やこれまでの録画授業を1つの分野でまとめることで、その分野に関する知識をひと通り学べるようになるというものだ。schooでは、これまでにも起業をテーマにした授業が多く存在しているが、このカリキュラムをこなすことで、「法律や規約」「資金調達」「メンバーの採用」「ビジネスモデルの構築」といった「起業を検討し始めたときから、シリーズ A の資金調達を完了できる起業家になるまで」に必要なスキルが身につく、というところを目指すという。6月上旬には同じ学部所属者とコミュニケーションをとることができる「グループ機能」の試験運用を開始するほか、一定の学部所属者が集まった時点で、リアルイベントも開催する予定だ。

すべての生放送と一部の録画は無料だが、月 2 コマ以上の録画を受講する場合には、月額 525 円のプレミアム会員登録が必要となる。僕は創業時からスクーの取材をさせてもらっているが、実はこれまで、同社はマネタイズについてあまり明言してこなかった(現状3%程度のユーザーがプレミアム会員だったとは聞いている)。しかし今回の学部導入について話を聞いた際、「ここまで来たらマネタイズが見えてきた。現在の学部よりさらに高度なスキルを学べる学部を新設して有料サービスにしたり、広告を導入したりできるのではないか」と、初めて森氏から話を聞くことができた。ただしまずは冒頭で紹介した法人対応を優先するとのことで、有料の学部設置などはそのあと検討していくそうだ。

設置する学部は「スタートアップ」、「WEB デザイナー」「グローバルビジネスパーソン」「キレイ女子」の4つ。これまでも授業のテーマとしてきた起業やウェブデザインといった分野以外に、ビジネス英会話や女性向けメイクといった分野のコンテンツを集めていく予定だ。1つの学部の学習時間は30〜50時間程度になる予定だという。