留学口コミメディアのスクールウィズがQ&Aサービスを公開、今後は相談内容に応じた学校紹介も

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留学口コミメディアを運営するスクールウィズは2016年9月15日、留学のQ&Aサービス「留学アンサーズ」アルファ版をリリースした。

スクールウィズは2013年に留学口コミメディア「School With」を開始。語学学校を探すための基本情報と口コミが閲覧できるプラットフォームを提供してきた。現在では8カ国、1113校の語学学校の情報掲載。3000人分以上の口コミ情報が掲載されており、MAU(月間アクティブユーザー)は11万人以上。サービスを利用して留学に行く人数は年間で1000人以上に上る。

一方、学校情報や口コミでは解決できない留学についての悩み、疑問をかかえるユーザーが多いとを感じていたことから、より幅の広い「留学関連の情報」を届けるために留学アンサーズをリリースしたという。

スクールウィズ代表取締役の太田英基氏は「創業当初からアイデアはあったが、開発リソースの問題もあり、着手できていなかった。 今年の春、開発の方向性や事業の展開を話し合っていたときに学校の情報、口コミの情報だけに限らず留学の情報を提供していきたいという話になり、留学アンサー開発の準備を開始した。7月からプランニング、8月から開発というスケジュールで進めてきた」と語る。

リリース当初は質問や回答の投稿およびその閲覧という最低限の機能のみが実装されている。投稿にはユーザー登録が必要だが、閲覧だけならユーザー登録の必要はない。またデータベース自体は留学口コミサイトSchool Withと同じものを使用する。

School Withは英語留学の情報に限られている一方で、留学アンサーは英語以外の語学留学の情報も投稿・閲覧できる点が特徴だ。利用料金は無料。今後はSchool Withとの連携を強化し、相談内容に応じた学校の紹介や、留学後のキャリア形成支援などのサービスを行う予定だ。展開次第ではメディアとしての収益化を検討しているという。

今後は多国籍展開を目指す

スクールウィズは今後、日本人向けのサービスにとどまらず、海外と海外を結ぶようなサービスを展開していく。

「弊社は世界を舞台にする人が当たり前になる、というビジョンを掲げており、基本的にはすべてのサービスがそのビジョンを実現するためのもの。ビジョンを実現させるためにも、今年はNihonGo!のような、多国籍なユーザーに対するサービス提供に注力していきたいと考えている」(太田氏)

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2016年8月には同社初の国外ユーザー向けサービスである、日本語学校の口コミサイト「NihonGo!」を開始。主力サービスであるSchool Withの他言語展開の前段として、このサービスの運営を通して国外展開のノウハウを蓄積する。他言語化、多国籍化を通じて、海外に対しての課題解決を行う。

現在スクールウィズの従業員は20人。開発、セールス&CS、マーケティング&事業開発の従業員がそれぞれ3分の1ずついる。今後は国内での留学文化を浸透させるためのPRスタッフ、団体・法人への留学研修を支援する法人営業、各プロダクトの開発を担うエンジニアを採用していく。

フィリピン留学の口コミサイト「School With」が刷新、欧米含む7カ国に対応

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安価かつ日本からの距離も近いということで、英語レッスンのためにフィリピン・セブへ留学するという話はよく聞くようになった。フィリピンにおける日本人留学生の数は2010年時点で4000人だったが、この5年で8倍に増加しているという。だが一方で課題になるのはトラブル。ウェブサイトでうたう制度や設備も、いざ現場に行ってみると十分に整っていなかったりすることもあるそうだ。

フィリピン留学の口コミサイト「School With」を運営するスクールウィズ代表取締役の太田英基氏も、フィリピン留学中にそんなトラブルに見舞われた1人。創業に関わったスタートアップを離れ、トラブルがきっかけとなり、「信頼できる口コミの集まる場を作りたい」という思いから2013年に会社を設立。School Withを立ち上げた。

これまで集まった口コミは140校、1700件以上。語学学校の基本情報から金額、英語使用ポリシーなどが掲載され、学校ごとにユーザーの実名による口コミが投稿されており、月間4万人の留学希望者がアクセスしているという。同サイトを通じて留学の契約が成立することで手数料を得るビジネスモデルで、売上高は非公開ながらも「成長中」(太田氏)だという。同社経由での申し込みでは、学校倒産時の補償や、カード決済による留学費用の分割支払いといった機能を提供している。

そんなスクールウィズが12月22日にリニューアルを実施。フィリピンに加えて米国、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、マルタの7カ国の語学学校の情報の掲載をスタートした。

今回のリニューアルにより、School Withに掲載される学校数は合計1014校になった。太田氏は「独自アンケートを実施したところ、フィリピン留学の認知度は大学生で3割程度とまだまだ低い。海外の様々な地域の情報を集めた場所を提供することで、よりフラットに語学留学について考えられると思う」と語る。最近ではフィリピンで基礎的な英語を学び、その後欧米でより上のクラスの英語を学ぶ「2カ国留学」の需要も徐々に高まっているそうで、今後もこういったユーザーのニーズにあわせた機能強化を進めるとしている。

創業者の苦労から生まれた語学留学の口コミサイト「School With」、East Venturesから資金調達

ここ数年、「語学留学のためにフィリピンに3カ月行ってくる」なんてソーシャルメディアで投稿する友人を見かけることが増えた。実際その数は急増しているそうで、フィリピン政府観光省の発表によると、2010年時点での日本人の留学渡航者は4000人だったが、2013年には2万6000人まで拡大したそうだ。

その理由は日本との距離もさることながら、1日6時間の学習に三食寝室付きで月額15万円程度といった低価格であること。ちなみに日本での人気が高まる以前からフィリピンへの留学渡航者が多かったのは韓国なのだが、現在その数は年間10万人になっているそうだ。

だが留学渡航者が多くなっていく中で、問題も出てきた。いくらウェブサイトで講師や設備の質をうたっていても、いざお金を払って現地に行くとぜんぜん違う環境だった…ということが起こるようになったそうだ。僕が聞いた最悪のトラブルは、語学学校が運営の資格を持っておらずに閉鎖してしまい、渡航者は自身の授業を終える前に帰国せざるを得なくなるというものだった。

School With」は自身も語学留学で苦い経験をしたという起業家が立ち上げた語学留学の口コミサイトだ。運営会社のSchool Withは12月11日、East Venturesからの資金調達を発表した。金額は非公開だが、数千万円規模とみられる。

School Withの代表取締役社長である太田英基氏は、無料コピーサービス「タダコピ」を運営するオーシャナイズの創業メンバー。同社の取締役を退任したのち、フィリピンへの語学留学(ここで自身もネットワーク環境が説明と違ったり、「入学前に聞いていない」というようなトラブルに遭ったそうだ)の後に世界一周して帰国。2013年にSchool Withを立ち上げた。

School Withでは、日本人を受け入れる語学学校の情報、金額や英語使用のポリシー(中には日本語を使うと罰金というようなスパルタな学校もある)といった学校側から提供される情報が掲載され、それぞれの学校に紐付くかたちで実際に留学したユーザーの実名による口コミが投稿されている。「留学エージェントは数多いが、強みになるのは実名での口コミ。これがキラーコンテンツになっている」。同社では学校と提携し、資料請求や申し込みの代行などで収益を上げている。

その口コミの数は現在1000件。正直多いと言える数ではないが、「例えば食べログのように食事を投稿するなら、外食の機会によっては1日数回投稿するチャンスがある。でも留学は一生に一度あるかないかという人がほとんど。数より質を重視している」(太田氏)。また口コミの他に、留学体験のあるユーザーからのコラムも掲載する。現在はフィリピン留学に特化しているが、今後は欧米などカバーする地域を拡大する予定。

同社は今回の調達を元に人材獲得を進めるほか、サービスを展開する地域をフィリピン以外に拡大していく。また留学のエージェントだけでなく、留学後の学生を対象にした人材ビジネスを展開するそうだ。