小学生向け競プロ「ゼロワングランドスラム2021年度大会」公式キットに採用、「ユカイなピコハンロボットキット」発売

小学生向け競プロ「ゼロワングランドスラム2021年度大会」公式キットに採用された「ユカイなピコハンロボットキット」発売開始

「ロボティクスで、世界をユカイに。」を掲げ、コミュニケーションロボットなどの開発販売を行うユカイ工学は3月30日、ピコピコハンマーを振り下ろす楽しいロボット「ユカイなピコハンロボットキット」の販売を開始した。価格は9900円(税込)。小学生向け競プロ「ゼロワングランドスラム2021年度大会」公式キットに採用された「ユカイなピコハンロボットキット」発売開始

「ユカイなピコハンロボットキット」概要

  • 価格:9900円(税込)
  • 完成ロボットサイズ:W250×D150×H200mm
  • 完成ロボット重量:約260g(電源を含まず)
  • 内容物:ピコピコハンマー(1個)、本体フレームパーツ(16種。計17個)、タイヤ(2個)、回転モーター(2個)、角度モーター(1個)、ココロキット+(1個)、スイッチ(1個)、コネクター(3個)、腕シート(4枚)、カプセル(2個)、結束バンド(長4+短20)、両面テープ(6枚)、ねじ(長6+短3)、ドライバー(1本)、目シール(1枚)、Welcome Guide(1枚)
  • 電源:単4乾電池3本(電池は別売)

ピコハンロボットは、ユカイ工学の教育向けの製品やプログラミング環境を提供する「Kurikit」(クリキット)シリーズから発売される。簡単に組み立てることができ、特別な専門知識がなくともロボットを動かすソフトウェア開発に挑戦できる。小学生を対象とした競技プログラミング大会「ゼロワングランドスラム2021年度大会」の公式競技用ロボットに採用されたものだ。

小学生向け競プロ「ゼロワングランドスラム2021年度大会」公式キットに採用された「ユカイなピコハンロボットキット」発売開始

組み立て後は、タブレットのリモコン画面で操作できる。本体前面には何かが当たるとカウントされるセンサーがあるため、これを利用すれば2台のロボットで対戦して得点を競うことができる。

小学生向け競プロ「ゼロワングランドスラム2021年度大会」公式キットに採用された「ユカイなピコハンロボットキット」発売開始

リモコン操作のほかに、Scratch 3.0(スクラッチ)互換のソフトウェアをロボット専用にカスタマイズしたビジュアルプログラミング環境でプログラムすることもできる。ハードウェアだけでなく、ロボット制御のソフトウェア開発も体験できるということだ。

小学生向け競プロ「ゼロワングランドスラム2021年度大会」公式キットに採用された「ユカイなピコハンロボットキット」発売開始

今回のピコハンロボットの原型は、高専ロボコン出身エンジニアの和田義久氏が開発したものだ。ユカイ工学が毎年実施している学生インターンプログラムに2016年に参加した和田氏は、そこで100円ショップで買える素材でロボットを作ってバトルするという課題に挑んだ。そのとき製作されたものをベースに、ハードウェアエンジニアの高岡亜輝氏が設計した。ビジュアルに関わるデザインはデザイナーの水落裕氏が担当。和田氏はこれを「自分が一番作りたかったロボット」だと話す。「ゼロから創造するのは得意ではないけれど、ロボットやプログラミングに興味がある」という子どもたちに向けたものだという。

小学生向け競プロ「ゼロワングランドスラム2021年度大会」公式キットに採用された「ユカイなピコハンロボットキット」発売開始

左が原型。中央が開発途中のもの。右が製品版

小中学校の先生の悩みを解決するプログラミング教材、Scratch用拡張ボード「AkaDako」

小中学校の先生の悩みを解決するプログラミング教材、Scratch用拡張ボード「AkaDako」

学校教育向けハードウェア教材の開発と提供を行うティーファブワークスは2月28日、小学校でのプログラミング授業における担当教員の様々な悩みを解決することを目的に開発した、Scratch用拡張ボード「AkaDako」(アカダコ)の販売を開始した。本体価格は999円(税込)。

2020年から小学校のプログラミング教育が始まったが、担当する教師たちには数多くの悩みを抱えている。たとえば、教材の習得が大変、授業前の教材の準備(インストール、ユーザー登録、設定など)が大変、授業中のトラブル(Bluetoothのペアリング、ダウンロードなど)の対応が大変などだ。40人学教では、先生1人がそれらに対処しなければならない。また、教材は高価なためすべての生徒に配布することはできず、授業が終わると回収することになり、せっかく生徒に興味が芽生えても、授業以外で学ぶことができない。教科書にはAIやIoTなども紹介されているが、先生の準備やスキルが追いつかない、または授業時間が短いなどの理由で教えられないといった残念な問題もある。さらに、購入した教材が使用できる単元は「電気の時間」のみと限られるため、使われずに仕舞われている時間が長い。

ティーファブワークスは、これまでmicro:bitを中心としたプログラミング教育で学校と協力してきた経験を活かし、こうした現場の悩みを解決できるプログラミング教材「AkaDako」を開発した。これには、次の6つの特徴がある。小中学校の先生の悩みを解決するプログラミング教材、Scratch用拡張ボード「AkaDako」

  • 事前準備を限りなくゼロへ:先生も生徒も経験があるScratchを採用。アプリのダウンロード、組み立て、電源が不要(USB給電)
  • 授業中のトラブルを限りなくゼロへ:Bluetoothのペアリング不要(USB接続)、Scratchで「緑の旗」をクリックするだけで設定完了
  • 低コスト:本体価格は999円(税込)なので、各生徒に配布できる。安価なGroveシールド(拡張部品)にも対応
  • 多くの授業で利用可能:「電気の利用」以外の理科の実験、図工、技術家庭の教材としても利用できる
  • AIと簡単に連携できるXcratch(Scratch互換環境)、Scratch3に対応し、画像認識や音声認識などのAIを使ったフィジカルコンピューティングを簡単に学べる

ティーファブワークスでは、4月から「AkaDako」の学校、教育委員会向けに無料レンタルを開始する。また、そのコア技術をOEM提供する準備も整えているとのことだ。問い合わせは、同社の「お問い合わせ」フォームから行える。

「AkaDako」の仕様

  • 対応端末:Windows、Chromebook、Mac、Raspberry Pi
  • 対応ウェブブラウザー:Chrome(モバイル版除く)、Edge(chromium版)
  • 入出力USB micro-B、アナログ1系統5V(Grove端子兼用)、デジタル1系統5V(Grove端子兼用)、5V、GND
  • Grove端子:アナログ2系統、デジタル2系統、I2C 2系統
  • サイズ:縦65✕横50✕高さ12mm
  • 重さ:10g

京都府と連携、次世代ロボットエンジニア支援機構が3D CAD・ロボット分解組立講座やロボットプログラミング講座

京都府と連携、次世代ロボットエンジニア支援機構が3D CAD・ロボット分解組立・ロボットプログラミング講座開催

一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構(Scramble)は12月4日、京都府と連携し、中級以上のロボット技術を学びたい子どものためのロボット講座の開催を発表した。開催日時は、2022年1月9日が「3D CAD講座」および「ロボット分解組み立て講座」。2022年1月15日および16日が「ロボットプログラミング講座」。場所は、京都府精華町のけいはんなロボット技術センター。応募締め切りはそれぞれ2021年12月26日。

Scrambleは、初心者向け講座では満足できない児童を対象に、ロボット競技会で世界一を目指す学生たちが講師を務める講座を2020年から展開。2022年も、3D CADの基本を学ぶ「3D CAD講座」と大型ロボットの分解と組み立てを体験する「ロボット分解組立講座」、ロボットの制御を学ぶ「ロボットプログラミング講座」の3つを開催する。なお、3D CADとロボット分解組み立て講座はセットで受講することになっている。

3D CAD講座とロボット分解組立講座

3D CAD講座では、企業での機械設計でも用いられる3D CADの基本的な使い方を学習する。ロボット分解組立講座では、Scramble所属の学生がロボット競技会用に作成した大型ロボットの分解・組み立をて実際に体験し、ロボットの機構や作り方について触れながら学ぶ。

申し込みは「3DCAD・ロボット分解組立講座 参加申込書」から。新型コロナウイルス感染対策を行った上で開催される。上の動画は去年の様子。

  • 内容:
    3DCAD講座
    ・3D CAD(Fusion 360)、CAEの使い方を学ぶ
    ・3Dプリント用パーツのモデリングを行う
    ロボット分解組立講座
    ・ロボットコンテストに出場するロボットの構造を学ぶ
    ・同機構が製作したロボットの分解と組み立てを行いロボットの構造を学ぶ
  • 対象年齢:13歳~18歳
  • 応募人数:最大8名(応募者多数の場合は抽選)
  • 日時
    ・3DCAD講座:2021年1月9日10時~12時
    ・ロボット分解組立講座:2021年1月9日13時~18時
  • 会場:けいはんなオープンイノベーションセンター内けいはんなロボット技術センター(京都府相楽郡精華町精華台7丁目5−1)
  • 参加費:3D CAD講座は無料、ロボット分解組立講座は3000円(SNS投稿により1000円割引)
  • 持ち物:3D CAD「Fusion 360」が動作するノートPC(Wi-Fi対応)、充電ケーブル、昼食。PCの動作環境は「Autodesk Fusion 360 の動作環境」参照
  • 応募締め切り:2021年12月26日

ロボットプログラミング講座

ロボットプログラミング講座では、DJIの教育用インテリジェントロボット「RoboMaster S1」を用いてロボット制御の基礎から画像処理の基礎までを2日間で習得する。RoboMaster S1は、Scratch 3.0およびPythonに対応している。

申し込みは「ロボットプログラミング教室参加申込書」から行う。

  • 内容
    ・ロボットを指定通りに走行させる
    ・ロボットに搭載されたカメラでマーカーを画像認識させる
    ・フィードバック制御を用いたマーカーの自動追従させる
  • 対象年齢:9歳〜15歳
  • 応募人数:最大6名(応募者多数の場合は抽選)
  • 日時:2022年1月15日と16日、いずれも10時〜16時
  • 会場:けいはんなオープンイノベーションセンター内けいはんなロボット技術センター(京都府相楽郡精華町精華台7丁目5−1)
  • 参加費:3000円(SNS投稿により1000円割引)
  • 持ち物:ノートPC(Wi-Fi対応)
  • 応募締め切り:2021年12月26日

Scrambleは、日本のものづくりを担う次世代のエンジニアの育成、およびものづくり業界・文化の活性化をミッションに掲げる組織。ロボットコンテストを人材育成の場として活用し、様々なロボットコンテストに出場する学生・児童への製作費やメンター提供、ものづくりスペースの提供など多岐に渡る支援事業を実施している。また、学生・児童から現役エンジニアまで全世代のスキルアップ、初学者の参入障壁を下げる取り組み、非エンジニア層に向けた広報活動などを展開し、エンジニアに憧れてカッコいい職業に感じてもらい界隈の人口増加を狙う事業を展開している。