Seagate、60TBのSSDを発表

cpdqg2twyae_hty

残念ながらこれは業務用なので、あなたのパソコンに実装する夢を見るのはまだ早い。カリフォルニア州サンタクララで行われたFlash Memory Summitで、Seagateは新製品をいくつか披露したが、何よりも人々を驚かせたのは、同社が言うところの「デモ史上最大のSSD」だった。

容量60TBのSSDは、明確にデモモードで動いていた。つまり「ほら、こんなにスゴイのを作ったから見てくれよ」的な展示だったのだが、同社は来年中の発売を予告している。これが市場に出るときには、データセンターに巨大なストレージの設置を考えている大規模な企業ユーザーが対象となる。

それでも興味のある人のために、60TBとはいったい何を意味するのかメディア消費量に換算してみよう。それはDVD画質の動画1万2000枚、ソーシャルメディア品質の写真なら4億枚に相当する。月々のInstagramユーザーのアウトプットは大体このくらいだ。

Seagateによると、このドライブは「現在入手可能なフラッシュメモリーでギガバイト当たり最低のコスト」を実現する。実際の価格には言及しなかったが、あり得ない金額になある可能性は高い ― ただ以前より安いというだけで。もう一つ注目すべきは、この新しいアーキテクチャーが、いっそう途轍もない100 TBドライブへの下地であるという事実だろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ファイルシステムのないオブジェクトストレージのためのKineticハードディスクをLinux Foundationのもとで共同開発へ

2年前にSeagateが、アプリケーションがハードディスクに直接、Ethernetで接続して、キー-ヴァリューペア(key-value pair)のデータでオブジェクトを保存する、という新しい技術発表した。これによりファイルシステムやファイルサーバのオーバヘッドがなくなるため、一台のハードディスクに大量のデータを詰め込めるし、I/Oの速度も上がる。その後SeagateはOpenStackのオブジェクトストレージSwiftとRiakのためにこの技術によるディスクを作り、最近ではToshibaが、同じ技術によるハードディスクを発表した。

figure-3-drive-application-software-api-new-612x792

そしてこのたび、ハードディスクの大手三社(Seagate、Toshiba、Western Digital)とCisco、Cleversafe、Dell、DigitalSense、NetApp、Open vStorage、Red Hat、およびScalityらがLinux Foundationと合同で、SeagateがKinectと名づけたこのタイプのハードディスクを共同で開発していくことになった。

そのKinect Open Storage Projectが、Linux Foundation Collaborative ProjectによるKinectディスクの開発を支えていくことになる。その目標は、“次世代の、Ethernetを利用するストレージデバイスによる、オープンソースのオブジェクトストレージを提供すること”、となっている。

このプロジェクトは、Ethernetによる通信と、ディスク上のキー-ヴァリューストア(store, 保存〕技術を組み合わせたものだ。プロジェクトは、APIと、オープンソースのライブラリと、これらKinectベースのディスクとインタフェイスするためのシミュレータを管理する。

SeagateはこのKinectプロジェクトを立ち上げたときに、ファイルをベースとする古いシステムは、オブジェクトベースのシステムに急速に置き換えられていく。とくに、データセンターにおいて、と主張した。

同社はこう言う: “新しいパラダイムはオブジェクト指向である。画像も、ムービーも、eコマースもWebのデータも、検索もゲームも、そしてそれらすべてのアーカイブもオブジェクトであり、その多くが非定型データから成り、書き込まれたり読み出されたり削除されたりするが、決して変更はされない。したがってそれらは、キー-ヴァリューストアの理想的な候補だ”。

kinetic-3-5-4tb-left-400x400

Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinは、Kinectプロジェクトはオープンソースプロジェクトの教科書的な例だ、と言う。パートナーたちは全員、互いにコンペティタだが、ソフトウェアではなくハードウェアで競合する。そしてソフトウェアベンダのメンバーたちが、ハードウェアを管理するための共通のツールをオープンソースで提供していく。

“もしもこのプロジェクトを単一の企業が運営していたら、ある時点でガラスの天井にぶつかっただろう”、と彼は言う。しかもZemlinによれば、必要なソフトウェアの量は、とうてい一社で書けるような量ではない。今回、グループでパートナーになっている各社は、プロジェクトを管理するための中立的なプレーヤーと、一堂に集まってプロジェクトに投資していくための場を必要とする。そしてこの二つをLinux FoundationのCollaborative Projectsが体現し、この形は、近々に、この種のオープンソースプロジェクトのスタンダードになっていくだろう、とZemlinは述べる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

屋根の瓦や板のように隣接トラックを”重ねた”シングルドライブ、ギガバイト単価わずか3セント

屋根板のような薄い板切れ(shingle)がほしいな、と思ったのは、子どものころ、どこかが痒かったときぐらいだ。かゆいところを、こするために。Seagateは、その薄い板を、屋根瓦にように部分的に重ねて敷き詰めることを考えた。そうして生まれたShingled Magnetic Recording(SMR) Drivesは、ギガバイト単価約3セントで8テラバイトを保存できるハードディスクだ。

ただしバックアップドライブとしては良くても、あまり速くない。5900RPMで平均読み書き速度が150MB/秒だから、ふつうのSSD(1800MB/秒)より相当遅いし、今のハードディスクに多い7200RPMよりも遅い。

シングルドライブ(Shingled Drives)は、一枚のディスクにたくさんトラックを詰め込み、トラックとトラックの間の小さなスペースをなくす。そうすると一枚のディスクに1テラバイト以上を収められる。

結局これは、SSDが主流になったときのバックアップメディアが本来の役のようだ。その昔(今でも?)テープがそうであったように。日常頻繁につかうデータはSSDに載せておき、めったに使わないデータをSMRに収めておく、という使い方だろう。あるいは、ストリーミングビデオのためのキャッシン用など。

Seagateは1月に、SMRの8テラバイト機を260ドルで発売する。2007年には1TBが375ドルだったから、すごい進歩だ。ぼくならその8TBに、食べ物の写真やホームビデオのたまりすぎたやつを、全部放り込むね。あなたは?

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Seagateの最新高速大容量(4TB)USBドライブの速さをSSDと比較してみた

クラウドの普及で、外付けハードディスクはドードー鳥のようにほぼ絶滅した。常時onの高速インターネットというものがある時代に、あの面倒ですぐ壊れるハードディスクを誰が必要とするのか。でも、でも、しかし、バックアップやストレージ用に、超高密度な高速ハードディスクが、ときには必要になるかもしれない。その、今のところ最強の候補として、Seagateの299ドルの、4TBのUSB 3.0対応高速ドライブ(Seagate Fast HDD USB 3.0 4TB)を調べてみよう。

ハードディスクのレビューを書くことは、意外と難しい。これまでも、あまりおもしろいのはなかったから、応用できるお手本もない。要するに、あまり書くネタがない。このドライブのおもしろいところは、密度、それだけだ。しかし4.6″ x 3.2″ x 0.88″というタバコ一箱ぐらいのサイズで4テラバイトは、たいしたものだ。5400 RPM 2TB が2本、RAID 0の構成で入っており、電源はUSBのみ。デュアルヘッドのUSB 3.0ケーブルがついていて、通常はそれで十分。ローパワーのポート用に、ドライブに電源を供給するための第二のUSBジャックがある。標準の、シングルヘッドのUSB 3.0 ケーブルもある。

箱から出してすぐに使える。OS Xのユーザ用にNTFSのドライバがある。Time Machineのある人は、Mac OS Extendedにフォーマットしてもよい。

Time Machineによるバックアップでは、188GBのデータを約50分でバックアップできた。SSDからの800MBの転送(USB 3.0)が約5秒。Blackmagic Disk Speed Testのベンチマークテストもやってみた(下図)。

Seagate Fast HDD USB 3.0 4TB

これ(上図)が、そのドライブのベンチマークだ。平均220MB/sはそんなに速いと感じないが、前世代の機種を押入れの奥から引っぱり出してきてベンチマークすると、こうだ(下図)。

Seagate Backup Plus Portable (USB 3.0)

このドライブ(上図)、SRD0SP0と、今度の機種を比較するのは、たしかにフェアではない。最高がUSB 3.0で100MB/sで、決して悪くはないが、Fast HDDの220MB/sにはかなわない。

APPLE SSD SD0256F

SSDと比較するのも、フェアでないかもしれない。上図は、Macbook Proの2013エディションのSSDだ。今回のSeagateのドライブは、まあだいたいSSDの半分ぐらいの速度だ。

—–

このハードディスクは、筐体は頑丈に見えるが、長旅には持参しない方がよいだろう。ただし、緩衝材をばっちり使ったバッグなら、たぶん大丈夫かも。

この、4TBで299ドルというハードディスクは、SSDにはかなわないものの、前世代機の倍速い。1テラバイトあたり75ドルだけど、とにかくこんなに小さくて4TBという容量には、驚いてしまう。でもRAID 0だから、うっかりデータを消去したときの回復はできない。しかし、小型で便利でポータブルなバックアップソリューションを探していた人には、恰好の機種かもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))