セカイカメラ終了のお知らせ……開発元・頓智ドット「目指した思想は諦めていない」

TechCrunch 50で華々しくデビューし、一世を風靡したセカイカメラが、2014年1月22日に全サービスを終了する。開発元の頓智ドットが12月17日に明らかにした。同社によれば、サービス終了の理由は、セカイカメラの進化版と位置付けるアプリ「tab」にリソースを集中するためだが、「セカイカメラが目指した思想自体は諦めていない」のだという。

iPad版セカイカメラのスクリーンショット

セカイカメラは、現実の背景に情報を重ねて表示する「拡張現実(AR)」技術を用いたスマートフォン向けアプリ。写真やメッセージを場所に紐付いたかたちで投稿できる。セカイカメラをかざすと、ディスプレイ上では目の前の景色とともに、場所に関連する「エアタグ」と呼ばれる文字や画像などがオーバーレイ表示される。

これまでにダウンロードされたアプリは300万、投稿されたエアタグは150万件に上る。過去に投稿したエタタグのデータはアプリ終了に伴いすべて削除されるが、KML形式でエクスポートできる。エクスポートしたKMLファイルは、KML形式をサポートしているGoogle Earthなどで表示することが可能。

サービス終了の理由について頓智ドットは、同社が手がける「tab」の開発に全リソースを集中するためと説明している。(tabは「行ってみたい」と思ったものをクリップしておけば、近くに来た時にお知らせを受け取れるアプリ。)以下はセカイカメラ終了に際して頓智ドットから得たコメントだ。

セカイカメラが目指していた思想自体を諦めたわけでは決してありません。むしろ、セカイカメラの課題を解決し、より発展させるためにtabをリリースし、リソースをそちらに割いてきました。セカイカメラの終了がこのタイミングとなったのは、1月よりtabのさらなる強化を図るためです。tabが目指すもの、それは「世界の可視化」を通じて、興味の発見や体験をしやすく、そして毎日の生活がもっと楽しくなることです。

セカイカメラを開発したのは、11月に開催したTechCrunch Tokyo 2013の基調講演に登壇してくれた井口尊仁氏(関連記事:「井口さん、Telepathyは本当に作れるんですか?」TechCrunch Japan編集長が自社イベントで切り込む)。

2008年のTechCrunch 50で井口氏が披露したデモ動画では、現実世界にセカイカメラをかざすところから始まり、店や商品、看板などにエアタグがポップアップする様子を紹介するもので、聴衆から多くの喝采を浴びた。その一方で、「面白いで終わってしまいそう」「怪しい」といった懐疑的な声もあった。その井口氏は2012年12月に頓智ドットを退職、2013年1月にTelepathyを創業した。現在はメガネ型ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発していて、2014年中に製品リリースする予定だ。