ソニー・ミュージックも利用中の字幕チェッカー開発のInVideoが約2.8億円調達

ビデオ編集アシスタントのスタートアップであるInVideoが新しいプロダクトと新しい資金調達ラウンドを発表した。米国サンフランシスコに本拠を置くInVideoは誰でもプロレベルのビデオを制作できるようにするサービスだ。 インターフェースはドラッグ&ドロップで誰でも直感的に操作できる。テンプレート、ストック写真、ストックビデオのライブラリも用意されている。製作されたビデオはFacebook、Instagram、YouTubeその他のプラットフォーム向けに最適化される。

InVideoの新しいアシスタントはさらに改良された。共同創業者でCEOのSanket Shah(サンケット・シャー)氏がビデオ制作のプロセスをデモしてくれたが、アプリは自動的に改善すべき点を発見してどうすべきか提案してくれる。シャー氏は「いわば文章作製における英文チェッカーのGrammarlyのビデオ版だ」と説明した。

同氏によれば、InVideoは現在テキストベースの2つの分野に力を入れているという。ひとつは文字の視覚的な可読性のチェックだ。たとえば明るい地色に白い文字がスーパーインポーズされていると非常に読みづらい。2番目の分野ではテキスト量を含めた可読性がをチェックする。一定時間内に表示される文字量が多すぎたり、移動、明滅が速すぎるなどの不適切な部分がないかを確認する。

同氏は私のインタビューに答えて、「InVideoの共同創業者は当初、ノンフィクションの書籍の内容を要約する10分間のビデオを制作するスタートアップを立ち上げた。このときビデオ制作は非常に手間がかかる難しい作業だと痛感した。最大の問題はスケールできないことだった」という。InVideoが目指すのはまさにこの点、ビデオ制作の手間を省き、スケールアップを容易にすることだという。

InVideoにはすでに世界150カ国に10万のユーザーがいる。これにはAT&T、ソニー・ミュージックに加えてReuters(ロイター)、CNN、CNBCといった大手ニュースメディアが含まれる。ソニー・ミュージックや大手メディアがInVideoのようなスタートアップのツールを使っているのは理由がある。同氏は「(こうした大企業は)ビデオ制作や編集が本来業務ではない。大統領選挙を報道するのはニュースメディアであってビデオ制作企業ではない。ニュースメディアの現場にはビデオ制作の経験が乏しいかほとんどないのが普通だ」と説明する。

料金は月額10ドルからで、動画に透かしが入る無料版もある。InVideoは250万ドル(約2億7800万円)の資金をSequoia Capitalのインド支社であるSurge、エンジェル投資家のAnand Chandrasekaran(アナンド・チャンドラセカラン)氏、Gokul Rajaram(ゴクル・ラジャラム)氏から得たことを発表した。これにより調達資金総額は320万ドル(約3億5600万円)になる。

ソフトウェアの発見と契約を手掛けるAppSumoのCEOでプレジデントのAyman Al-Abdullah(アイマン・アル・アブドラ)氏は「InVideoはユーザーフレンドリーで使いやすく、サポートも充実している。実際、AppSumoが扱った中で最高の仲介件数となっている」と高く評価した。

画像:Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

政治問題をよそにSequoia Capitalが米中投資向けに約3700億円を調達

米証券取引委員会に12月3日に提出された文書によると、シリコンバレーのベンチャーキャピタルファンドであるSequoia Capital(セコイアキャピタル)が、米国でのレイターステージの投資に約10億ドル(約1100億円)、中国でのベンチャーおよびグロースステージ投資に向けに約24億ドル(約2600億円)を調達した。

Google、Instagram、Dropbox、LinkedIn、Snap、WhatsAppなどの米国企業への投資で知られる同社は、中国で成功したスタートアップにも投資している。具体的には、Amazonに代わる中国eコマースのAlibaba、数十億ドル(数千億円)規模の金融サービスを提供するAnt Financial、もう1つのeコマースの巨人であるJD.com、米国で議論を巻き起こしているソーシャルメディアTikTokを保有するByteDance、機械学習アプリケーションの開発における国内リーダーの1つであるYituなどだ。

中国での投資先は、中国国外で常に論争を巻き起こしている。Yituは、新疆(新疆ウイグル自治区に)に張り巡らされた最新技術による監視網とのつながりが指摘されている。新疆では推定100万人の宗教的・民族的少数派が現在抑留されている。米国で人気のTikTokは、投稿の検閲が非難の的になっている。新疆で投獄された人々や香港の政治に対する中国の支配強化に抗議する人々を支持するような投稿を検閲しているとの批判があるのだ。米国の上院議員らはすでにTikTokの調査を求めている。米商務省も10月、Yituが新疆での人権侵害への関与したとしてブラックリストに載せた。

こうした政治問題にも関わらず、米証券取引委員会に提出された文書によると、SequoiaはSequoia Capital China Growth Fund Vに18億ドル(約2000億円)、Capital China Venture Fund VIIIに約5億5000万ドル(約600億円)を用意した。

ByteDanceだけで780億ドル(約8兆5000億円)の価値があるとの報道もあり、バリュエーションを考える時に中国と政治の問題は落とし穴になり得るし、投資家はそれを見落とす可能性がある。

Doug Leone(ダグ・レオーネ)氏、Michael Moritz(マイケル・モリッツ)氏、Roelof Botha(ロエロフ・ボサ)氏などが率いるSequoiaは、過去最大の資金調達である80億ドル(約8700億円)のグローバルファンドを最近募集し、2018年6月に60億ドル(約6500億円)となる最初のラウンドをクローズした。Sequoiaは、Sequoia Capital Indiaも傘下に持ち、メンロパーク、バンガロール、ムンバイ、ニューデリー、シンガポール、テルアビブ、北京、香港、上海にオフィスがある。

Sequoiaのニュースは、今年好調だったベンチャーキャピタルの資金調達を象徴するものだ。そのほか、創業41年のNEAが単一のファンドで36億ドル(約3900億円)もの資金を調達する申請を提出している。Norwest Venture Partners、DCVC、Accelはいずれも、5億ドル(約550億円)を超える資金調達をクローズした。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

SquareがWebサイト作成サービスWeeblyを買収、オフライン小売顧客のオンライン化をサポート

Squareが、Webサイト作成サービスWeeblyを現金+株式3億6500万ドルで買収する合意に達した、と発表した

Squareは決済ソフトウェアと関連ハードウェア(レジなど)で有名だが、最近は買収により他分野にも事業を拡大している。たとえば食材宅配のCaviarや、企業向けのケータリングサービスZestyなどだ。

Weeblyは、使いやすいWebサイト構築ツールだ。ぼくみたいに個人が使うだけでなく、同社は最近、中小企業やeコマース企業の顧客開拓にも力を入れている

強力な競合他社のひとつであるSquarespaceは昨年末に、17億ドルの評価額で2億ドルを調達している

Squareによると、Weeblyの買収によって、オンラインとオフラインでビジネスを構築しようとしている起業家に、総合的なソリューションを提供できるようになる。またWeeblyの有料会員62万5000人/社の40%が海外なので、Squareのグローバル展開の足場にもなる。

SquareのCEO Jack Dorseyは、買収を発表するプレスリリースで、“SquareとWeeblyは、起業家の力になり彼らの支えになっていくことへの情熱を共有している。Squareはその旅路をインパーソン(in-person,実物人間)なソリューションから始めたが、Weeblyはオンラインから始めた。それ以降両社はともに、この二つのチャネルを橋渡しするサービスを構築してきたが、これからはさらに遠くまで、しかも早い歩みで、進んでいけるだろう”、と述べている。

Weeblyは2007年に、今もCEOのDavid Rusenko(上図)とChris Fanini、そしてDan Veltrが作った。Crunchbaseによると同社はこれまで、Sequoia Capital, Tencent Holdings, Baseline Ventures, Floodgate, Felicis, Ron Conway, Y Combinatorなどから3570万ドルを調達している。

Squareによると、買収価額にはWeeblyのファウンダーと社員のための、4年間の権利が確定する株式も含まれる。

アップデート:電話会議による記者発表でSquareの役員たちは、同社の企業買収は今後もより積極的に続くのか、と尋ねられた。CFOのSarah Friarはそれに対し、それは今後の出会いの質による、と答えた。今回のWeeblyの場合は、両社の協働関係が長年続いており、彼女によると、“Davidたちの起業家観がとても良い。企業文化という点でも、両社は似合いの仲である”、という。

Friarは、Weeblyの買収をSquareが今後さらに大々的に買収をしていく意思の現れと取るべきでない、と釘を差した。同社は今後も、“何かを自分で作ったり、パートナーを作ったりがメインになる”、と。

Weeblyのチームは、その多くがSquareに加わる。Rusenkoによると、買収を発表する全社集会を終えたばかりだ、という。

Rusenkoは曰く、“今は、とても高揚している。本当の共有と相互尊敬がこれにはある”。そしてチームには、“今後も末永くこのミッションを続けられることが、とても嬉しい”、と告げたそうだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

インターネットを監視不可能な層で覆うOrchid Labsが$125Mの資金調達過程に入る

インターネットの上に監視のない層を作ろうとするサンフランシスコのOrchid Labsが巨額の資金調達を行い、SECに提出された報告文書によれば、この1歳のスタートアップはこのたび、3610万ドルのラウンドを完了した。同社はこれよりわずか5か月前に、Yes VCなどの投資家と、Caterina FakeやJyri Engeströmなどのシリアル・アントレプレナーから450万ドルを調達したばかりだ。

同社のサイトによれば、初期の支援者にはAndreessen Horowitz, DFJ, MetaStable, Compound, Box Group, Blockchain Capital, Sequoia Capitalなどがいる。

同社が宣言しているOrchidの目標は、世界中の人びとに匿名化されたインターネットアクセスを提供することだ。その典型的な想定ユーザーとしては、政府が国民の閲覧やショッピング行為を監視している国の個人が挙げられる。

その目標にはまた、ユーザーのデータを私物化して売っているような多くの企業からユーザーを隔離することも含まれるようだ。そんな企業の著名な例としては、FacebookやAT&Tのようなウォールド・ガーデン(高い塀のある庭)が挙げられる。〔Facebookが…売ってる、は象徴的な意味合いか〕

データの悪用に関しては、Cambridge Analyticaのスキャンダルのような事件が氷山の一角にすぎない今の世界では、このプロジェクトの投資家にとっての魅力も容易に理解できる。上記SEC文書によると、同社は3610万ドルをSAFTで調達している。それは、暗号通貨の開発者たちが認定投資家たちに与える投資契約だ。〔SAFT参考記事

当文書によると、これまで42名の個人が参加している。しかしながらその目標額は$125,595,882〔約1億2560万ドル〕であり、今ブロックチェーンは急速にその人気が過熱している(今週初めのBasisの例を見よ)から、今でなくてももうじき、同社にはもっと多くのお金が流れこむだろう。それもまた、この文書上のすごいターゲットだ。

今本誌は、同社に詳しい情報を求めている。読者は、このホワイトペーパーを勉強してもよろしい。

Orchidの5名のファウンダーは、その経歴がおもしろい:

Stephen BellはTrilogy Venturesで7年間マネージングディレクターを務め、その後中国に機会を探し、2015年にアメリカに帰国した

Steve Waterhouseは長年、デジタル通貨専門のPantera Capitalの投資家だった。

Gustav Simonssonは、元Ethereum Foundationのデベロッパーだ。

Jay Freemanは、ソフトウェアエンジニア。

Brian Foxは1995年に世界で初めての対話的オンラインバンキングソフトウェアをWells Fargoのために作った、とクレジットされており、また伝説のプログラマーRichard StallmanのFree Software Foundationの最初の職員でもあった。

金額、ミッション、そしてファウンダーたちの顔ぶれからして、これは大物のようだ。今後に注目しよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Sequoia、50億ドルの新ファンド組成を準備

Sequoia Capitalは50億円の投資ファンドの組成を計画している。

Sequoiaといえば、長年にわたって驚異的な利益を上げてきたことでシリコンバレーで伝説的なベンチャーキャピタルだが、今回準備しているのは世界を対象にしたアーリーステージの投資ファンドだ。

RecodeのKara Swisherが このニュースを最初に報じた。Swisherがつかんだ情報によれば、Sequoiaは50億ドルから60億ドルを目標としているという。現在TechCrunchが聞いたところではSequoiaの目標金額は50億ドルのようだ。資金集めは2018年の第一四半期を通じて実施される。

Sequoiaの前回のファンドは2015年組成のグロースファンドで、規模は20億ドルだった。このファンドが投資したレイトステージのスタートアップにはAirbnb、Stripe、23andMeなどが含まれる。Sequoiaはアーリーステージの投資にも熱心だ。

最近、われわれはSequoiaがUberに関心を抱いており、株式の公開買付に参加していることを報じた。この株式買い付けは既存株主を対象としたもので価格は時価をかなり下回る。日本の投資グループ、SoftBank Groupが公開買付をリードしている。

50億ドルというのは巨額だが、それも1000億ドルというSoftBankのVision Fundに比べると色あせてみえるのはやむを得ない。結局、レイトステージのスタートアップには巨額の資金を調達するチャンネルがいくつもあるということだ。10億ドルを超えるスタートアップ、いわゆるユニコーン企業につぎ込まれる資金は巨大で、このところのベンチャー投資は市場最高の水準となっている

Sequoiaは長年にわたって投資に成功しており、たとえば最近では、ポートフォリオ企業のWhatsAppをFacebookが190億ドルで買収している。SequoiaはAppleやGoogleの有力株主でもある。

画像: Blend Images/Shutterstock

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

遺伝子検査種目の増えた23andMeが研究開発拡大のため$200Mを調達

複数の情報筋によると、一般消費者向け遺伝子分析サービスの23andMeが、Sequoiaがリードするラウンドにより、2億ドル近い資金を調達している。このラウンドには、Fidelityも参加しているようだ。

ここしばらく、このパーソナル・ジェネティクス企業が研究部門の拡大と新製品開発のために資金を求めている、という噂が漂っていた。

新たに得られたキャッシュによって、23andMeはIPOのプレッシャーからも当面自由になり、成長のための努力に邁進できる。ふつう、どの企業も、上場は最後の資金調達ラウンドから一年以降後に行われることが多い。協同ファウンダーでCEOのAnne WojcickiはIPOにあまり乗り気でないらしいが、そうやって初期の投資家や社員たちに流動性を提供するのが、後期段階のベンチャー支援企業がたどる標準的な道筋だ。しかし23andMeに関しては、大手製薬企業などによる買収、という線もありうる。

23andMeは2013年に、同社の個人に対する遺伝子検査を売り物にすることをやめるよう、FDAに命じられて行き詰まった。それ以降同社は、研究努力に注力してきた。当時FDAは、同社のやり方がFDAの基準に合わない、と言った。その結果23andMeは、新たな顧客たちに遺伝子健康情報を売ることをやめ、別の売上源を探した。

その後同社は医学研究に力を入れ、科学者の雇用を増やし、複数の遺伝子関連企業とパートナーして高度な研究活動を続けた。たとえば女性の受胎能力について研究している遺伝子企業Celmatixは、同社と協働して女性の妊娠能力に影響を及ぼす遺伝子について研究している。

FDAは2015年に規制をやや緩め、ブルーム症候群のための遺伝子検査を認めた。そして今年初めには、唾液検査が許される疾病リスクが、後発性アルツハイマー病やパーキンソン病など、10種類に増えた。少なくとも一つの情報筋によれば、今同社は、乳がん関連の遺伝子BRCA-1とBRCA-2も検査に加えられるよう認可を求めている。認可が下りれば、同社はColor Genomicsなどと競合することになる。

23andMeはほかにも、たとえば家系調査のための遺伝子検査企業Ancestry.comなどとも競合している。

FidelityとSequoiaにコメントを求めているが、Sequoiaはコメントを断(ことわ)った。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

匿名アプリのWhisper、取締役が相次いで辞任

Whisperを覚えているだろうか? 匿名のチャットアプリだ。話を聞かなくなってからしばらくたつが、今も存在しており最近になって著名な取締役がこぞって辞任した。

Los Angeles Timesによると、SequoiaのRoelof Botha、LightspeedのJeremy Liew、および投資家のJohn Hadlが最近取締役の職を退いた。取締役会オブザーバーだったShastaのSean Flynnも辞任した。

この動きは、同社のファウンダーらが会社の支配を取り戻そうとする企ての一環かもしれない。

かつてWhisperは、現在は閉鎖されたSecretやYik Yakなどの匿名アプリとともに隆盛を極め、2014年には評価額が2億ドルに達したが、それ以来現在3000万人いるユーザーを有償メンバーにして利益を上げることに苦闘している。

モバイル市場予測会社のSensorTowerは、昨期のWhisperアプリの全世界ダウンロード数を2016年第2四半期の55%減と推定している。

Sequoiaは、WhisperのシリーズBラウンドの筆頭投資家であり、通常は投資パートナーの名前を誇らしく公表しているが、現在ウェブサイトにWhisperの名前は見当たらない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Dockerが早くもシリーズDで$95Mを調達…エンタプライズ需要への対応に備える

docker-google

2年前にコンテナ人気に火をつけた張本人であるDockerが今日、シリーズDで9500万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのはInsight Venture Partners、新たな投資家としてはCoatue、Goldman Sachs、Northern Trust、既存の投資家ではBenchmark、Greylock Partners、Sequoia Capital、Trinity Ventures、それにAME Cloud Venturesが参加した。

Dockerのエンタプライズマーケティング担当VP David Messinaによると、このラウンドには数社の金融企業が参加しているのが、おもしろい。スタートアップへの投資にはあまりない現象だが、今ではあらゆる種類の企業や団体のデベロッパチームがDockerをサポートするようになり、彼らがDockerを重要なプラットホームと見なしていることの表れだ、とMessinaは言う。

たとえばGoldman Sachsのグローバルなテクノロジ部門を率いるDon Duetは、今日の声明文の中でこう言っている: “弊社の技術者たちがDockerのオープンソースプラットホームを発見して使い始めたとき、彼らはたちまち、それがアプリケーションに提供するポータビリティに感銘した。それに開明されて弊社は、Dockerの技術をベースとするアプリケーションの、パッケージングとシッピングと実行のための標準化されたインフラストラクチャへと向かっていった”。

Messinaは、それほど緊急に資金が必要だったわけではない、と強調した。むしろ彼によると、同社はシリーズBの資金の多くがまだ手つかずだ。しかしDockerのチームは、必要に応じていつでもスケールアップできるために、今の勢いに乗って資金を確保しておこう、という決定をした。

現在Dockerは、市場開拓に大きな投資をしているが、それと同時に、プラットホームの能力をネットワーキングやセキュリティ、ストレージツールなどの方面にも拡充するための、技術面への投資も怠ってはいない。その一つの例としてMessinaは、ソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)のSocketPlaneの買収を挙げた。Dockerはまた、社員も急速に増やしている。今現在の約120名は、1年前の4倍近い。

Messinaがもうひとつ強調するのは、このラウンドが今後のエンタプライズ対応のためであることだ。彼が挙げた最近のEnterprise Technology Reportの調査は、685社のCIOを対象とし、彼らのDockerへの投資意思は、6年間続けてきたこの調査の全対象アイテム中でも、記録的に高かった。Messinaはまた、今Docker Hubのベータに参加している企業の約50%がFortune 100企業だ、と述べた。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

FacebookのWhatsApp買収、最大の勝者はSequoia。持ち分の価値は30億ドルに

今日(米国時間2/19)Facebookは、190億ドルでWhatsAppを買収したことを発表した。5年間に4.5億人のアクティブユーザーを集めたWhatsAppが大いに賞賛されるのは当然だ。しかし、純粋なベンチャー視点で見ると、この買収はSequoia CapitalおよびパートナーのJim Goetzにとって、またも莫大な成功だった。

アップデート:さらに情報源をあたった結果、WhatsAppの資金調達の歴史とSequiaのかかわりに関する状況がわかった。

WhatsAppが公表している資金調達は、Sequoiaがリードした800万ドルのシリーズAのみだが、同社はその後2度の調達を行っており、未報告の5000万ドルシリーズCラウンドもその一つだ。Sequoiaは両方の追加調達をリードし、数年に渡ってWhatsAppに計約6000万ドルを投資した。その結果総持株は10%台後半まで積み上がったと私は聞いている。

この買収は、ベンチャー資金を受けた企業として史上最大であり、単一ベンチャー利益としても間違いなく今年最大だ。

今日のブログ記事でGoetzは、WhatsAppのファウンダーらと仕事ができたことを光栄に思うと書いている。「それは素晴らしい旅であり、才能がありながら日の目を見なかった若者たちの揺ぎない信念と型破りな働きが、シリコンバレー精神の手本になったことをこの上なく喜んでいる」。

もちろんWhatsAppは、Facebookに買収される前にSequoiaが投資した初めての会社ではない ― Instagramの5000万ドル調達ラウンドを同社が買われるほんの数日前にリードしたのもSequoiaだった。しかし、今回が圧倒的に最大だ。

SequoiaがWhatsAppの20%を保有していると仮定すると、今やその持ち分は現金および株式で30億ドルの価値になる。この買収だけで、初期のWhatsAppへの投資の元になった13億ドルのファンドが、2倍以上になって戻り、同社に対する投資額で考えれば50倍以上の利益となる。

取引発表から数時間後のインタビューで、Goetzは同アプリの国際的アピールを強調した。シリコンバレーでの知名度は低いものの、アプリは全世界のユーザーから莫大な支持を得ている。

「スペインかブラジルに行くと、人口の大部分がWhatsAppで1日に複数回会話している」とGoetzは言った。彼はアプリが米国でも知られるようになることを期待していると言い、現在5億人近いユーザーがいて、遠くない将来10億人に到達するだろうと宣言した。

ユーザー数の伸びと共にエンゲージメントも最大だとGoetzは信じている。そして、WhatsAppが利益を上げている ― しかも数年にわたって ― という事実。「われわれがシリーズAで投資した時、彼らはすでに所得税を払っていた。あの段階の会社としては稀なことだ」と彼は言った。

それはSequioaにとって巨大な成功であると共にく、WhatsAppの買収は奇妙な形でFacebook CEO、Mark Zuckerbergが仕掛けた有名な悪ふざけに対するSequoiaのリベンジと考えることができる。その昔Zuckerbergは、パジャマ姿でSequoiaにWirehogを売り込みに行き、それはSequoiaのパートナー、Michael Moritzが、かつてPlaxoのSean Parkerに対してとった態度への腹いせだと言われている。

驚いたことに、なんとSequoiaはFacebookに投資したことがない。

しかし結局のところSequoiaは、ソーシャルネットワークの巨人で山ほど儲けたようだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


大ヒット中のトリビアアプリ、QuizUpのPlain Vanilla GamesがSequoia Capitalから2200万ドルを調達

現在大ヒット中のトリビア・クイズ・アプリ、QuizUpのプロバイダ、Plain Vanilla GamesがシリーズBのラウンドで2200万ドルに上る資金調達に成功した。このラウンドは名門ベンチャーファンドのSequoia Capitalがリードし、Tencent、Greycroft Partners、IDG Ventures、BOLDstart Ventures、CrunchFund(TechCrunchのファウンダー、MichaelArringtonが創立)、MESA+など既存の投資家が全員参加した。

QuizUpはリアルタイム、あるいは非同期どちらでも友達とトリビア・クイズで競争できる iPhoneアプリだ。ユーザーは300以上のカテゴリーから一つを選んで友達(あるいは未知の相手)に挑戦できる。1ラウンドは6問のクイズからなる。

これはたいへん面白くやみつきになるゲームなのでこの数週間、猛烈な勢いで流行が広がっている。ローンチ以後のダウンロード総数は500万回に上る。

今回のラウンドはPlain Vanillaとして今年3回目の資金調達だが、もちろん飛び抜けて最大だ。調達した資金の総額は2700万ドルになる。今回のラウンドを機にSequoiaのRoelof Bothaが取締役に就任した。

Sequoiaとe.Venturesからの200万ドルに加えて前回のラウンドを実施したのはQuizUpのローンチの前だった。つまりこの大ヒットを考慮に入れない会社評価額でのラウンドだった。

CEOのThor Fridrikssonは私の電話取材に対して「われわれはその時点で資金をどうしても必要としているわけではなかった。あくまで保険の意味だった。後から考えると、あの時に資金調達をしたのは失敗だった。今ならはるかに良い条件で資金調達ができただろう」と語った。

最近の急成長

「長い間かけて開発したプロダクトが発表と同時に大ヒットするというのは起業家の夢だ。500万というダウンロード数も大きいが、ローンチ後数週間経ってもゲームに対するユーザーの関心が衰えず、依然として活発にプレイされていることが心強い」とFridrikssonは言う。

ユーザーは友達と対戦したり、メッセージをやりとりしたり、掲示板で議論を戦わせたりして毎日平均30分くらいをアプリ内で過ごすという。

この掲示板がQuizUpの隠れたヒット機能だ。トリビアのカテゴリー、300種類それぞれに掲示板が用意されており、Fridrikssonによれば、ユーザーの投稿は毎日合計10万件にも上るという。

【中略】

次のステップは?

Plain Vanillaにとって次のステップは、できるだけ早くAndroidアプリをリリースすることだろう。なにしろKantar Worldpanel ComTechによればスマートフォンの70%はAndroidなのだから、これによってユーザーベースの一層の拡大が望める。Plain VanillaはiPad版も準備している。

さらに大きなチャンスはQuizUpの国際化だ。多言語をサポートするのはもちろん、それぞれの地域別に新たなトリビアを追加することも必要だ。

「いちばん人気のあるカテゴリーはそれぞれの地域のローカルなポップ・カルチャーだ。われわれは国際化にあたって、各地のユーザーがいちばん熱心に追求するコンテンツをサポートしていく」とFridrikssonは語った。

QuizUpはローンチ当初20万のクイズを用意していたが、その後ユーザーゲースが巨大になるにつれ、熱心なユーザーが新たなクイズを考えて投稿してくるようになった。現在はユーザーからのクイズを正式に受付る体制になっている。

今回の大型資金調達でPlain Vanillaはこうした展開を実施できる力を得た。あとはやるだけだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


メッセージングアプリは新しいタイプのソーシャルネットワーク。米国外で急成長

テク系スタートアップの現状に対する、投資家Chamath Palihapitiyaの懐疑的コメント(Snapchatに関する辛辣なコメントを含む)は、先週行われた本誌主催のDisrupt NYで多くの議論を呼んだ。私が舞台裏でSequoia CapitalのパートナーAaref Hilalyをインタビューした際にも、Palihapitiyaの意見はHilalyのメッセージアプリに対するコメントの呼び水となった。Sequoiaが投資しているWhatsAppも話題に上った:

かなり大きい変化が起きている。WhatsAppのような会社はわれわれにソーシャルネットワークを再考させる。例えば、真のソーシャルグラフとは何か? 連絡を取り合って一緒に時間を過ごす人々のことなのか、それともFacebookの殆ど知らない100人のことなのか。前者であることは明確であり、それを掴んでいるのがWhatsAppのようなモバイルメッセージングアプリだとわれわれは考えている。

続けてHilalyはWhatsAppの成長(1日のメッセージが200億件と言われている)とデザインを賛美したが、他にも、特に海外に目を向けると良くやっている会社が多いと付け加えた。利用状況には世代ギャップがあるのではと尋ねたところ(私が年をとりすぎているかという質問でもある)、Hilaryは「世代と地理的」隔りがあると答えた。

「多くのメッセージングアプリは米国外で牽引力を持っている。米国内でも人気だが、外国では人々がメッセージングアプリに〈依存〉している。世代、地理両方の要因が、他の大きなトレンドと比べて世界が気付くのを遅らせていると思う」

ビデオでは、Hilalyがスタートアップ世界からベンチャーキャピタルに移ったことや、Sequoiaとの関わりについてもを聞くことができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)