Kubernetesのセキュリティとコンプライアンスに特化したサービスTigeraがシリーズBで$30Mを調達

Kubernetesによるコンテナのデプロイメントにセキュリティとコンプライアンスを提供するTigeraが今日(米国時間12/12)、Insight Venture PartnersがリードするシリーズBのラウンドで3000万ドルを調達した。これまでの投資家Madrona, NEA, そしてWingも、このラウンドに参加した。

Kubernetesのエコシステムのみんなと歩を揃えて、Tigeraも今週のKubeConで展示をしていた。彼らとの立ち話で、会社の状況や新しい資金の用途などを聞いた。

CEOのRatan Tipirneniはこう言う: “四大パブリッククラウド(AWS, Microsoft Azure, Google Cloud, IBM Cloud)の全員が、彼らのパブリックなKubernetesサービスにうちを使っている。またRed HatやDockerなどの大手Kubernetesディストリビューションも、われわれを使っている”。そのほか、ヘルスケアや金融などのエンタープライズも同社のユーザーであり、一部のSaaS提供企業も同社のサービスを直接使っている…その名前は明かせない。

同社によると、資金調達は本当は必要なかった。“今はお金は要らない。金よりもむしろ、大量の関心が集まってくるね”、とTipirneniは語る。同社は今回の資金を、エンジニアリングとマーケティング、およびカスタマーサクセスチームの拡大に充てるつもりだ。具体的には、営業は4倍に増やしたい。また人材の得やすいバンクーバーに、大きなオフィスを構えたい、という。

レガシーのITの世界では、セキュリティとコンプライアンスのソリューションはインフラの安定が暗黙の前提だった。しかしコンテナとDevOpsの登場と共に、ワークロードはきわめて動的になり、セキュリティの確保が難題になってきた。またコンプライアンスも、HIPPAやPCIなどの規制や規格が絡んでより複雑になった。Tigeraが約束するソリューションでは、エンタープライズがゼロトラストモデルによってコンプライアンスを確保し、ネットワーク上の各サービスに権限を与えて、すべてのトラフィックを暗号化、そして会社とニーズのためにアドミンが設定したポリシーを強制する。このデータのすべてが詳細にログされ、必要に応じてインシデント管理や犯罪捜査等のために取り出すことができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Kubernetes展開お助けサービスで起業したHeptioが創立1年足らずでシリーズB $25Mを調達

オープンソースのコンテナオーケストレーションツールKubernetesの協同ファウンダーCraig McLuckieとJoe Beda〔共に元Google〕が創業したHeptioが今日(米国時間9/13)、Madrona Venture Partnersが率いるシリーズBのラウンドで、2500万ドルを調達したことを発表した。Lightspeed Venture PartnersとAccel Partnersもこのラウンドに参加したが、同社はシリーズAで850万ドルを調達してからまだ1年経っていない。ただしこのシアトルのスタートアップは、シード資金を獲得していない。なお、Kubernetesのもう一人の協同ファウンダーBrendan Burnsは、今Microsoftにいる…MicrosoftからGoogleに来たBedaとは逆だ。

HeptioのCEO McLuckieは、“短い8か月だったが、すばらしい体験をした”、と語る。“シリーズAのときは、次の資金調達がこれほどすぐだとは、想像もしなかった”。Kubernetesやそのほかのクラウドネイティブ技術のエンタープライズへの導入を支援する彼らのビジネス機会が、これほど急速に大きくなるとは、彼らも予想しなかった。そして今彼が強調するのは、その機会が単にKubernetesの機会ではないことだ。

McLuckieは語る: “Kubernetesは核であり、それを取り巻くようにしてこの会社を作った”。そしてさらにそのまわりには、クラウドネイティブコンピューティングをエンタープライズが容易に採用できるようにするためにやるべき仕事が、山のようにある。また、さらにそれに伴って、デベロッパーの新しいワークフローも生まれる。Kubernetesはコンテナオーケストレーションツールだが、McLuckieによると、ほかに大量の関連ツールも作らなければならない。

“Kubernetesの人気が盛り上がるのを見て、われわれにはこれをビジネス機会として捉える資格がある、と感じた”、そうMcLuckieは述べる。

では、Heptioは実際に何をやっているのか? 企業向けの、Kubernetesお助けサービスがビジネスになる、と確信していたが、最初はプロダクトの具体的なイメージはなかった。でもその後の数か月で、徐々にビジネスモデルがはっきりしてきた。要するにHeptioは、Kubernetesを採用したがっている企業にプロフェッショナルなサービスを提供し、教育訓練やサポートも提供する。McLuckieが強調するのは、それが企業のKubernetes利用を助けるだけでなく、彼らをオープンソースのコミュニティに接近させる意味合いもあること。そのためにチームは、Kubernetesのいくつかの具体的な特性と、それがオーケストレーションするコンテナクラスターを管理するための、独自のオープンソースプロジェクトも作っている。

新たな資金はヨーロッパとアジアへの進出に充てる予定だが、さらにチームを拡大するとともに、新市場開拓に役に立ちそうな買収を検討するかもしれない、という。

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Y Combinatorで芽が出なかったネットワーク分析のKentikが売上数千万ドル目前、シリーズBで$23Mを獲得

A giant node of organized network cables

かつてY Combinatorを落ちこぼれたネットワーク分析のスタートアップKentik Technologiesが今朝(米国時間8/4)、ファウンダーたちが期待の目で見守る中で2300万ドルのシリーズBを完結させた。

正直に言って私たちの多くは、ネットワークのインフラストラクチャについて何も知らない。しかも幸いなことに、私たちの多くは、知らないで済まされる。しかしインターネットサービスプロバイダ(ISP)や、大量のAPIを利用している企業にとっては、ネットワークの状態を示す情報を迅速に受け取れることが、安定したサービスをコンスタントに提供していくための重要な基盤のひとつだ。もちろん、サービスプロバイダが安定稼働していれば、ユーザーがいらいらとページをリフレッシュする回数も減る。

われわれ消費者ユーザーには、ネットワークがおかしければルーターの電源コードをしばらく抜いてみる、という手がある。しかし企業の場合は複雑なサーバーシステムが動いていて、何かをリブートしたり電源を抜いてみるぐらいでは対策にならないことが多い。

そんな企業にKentikは、ネットワークのインフラストラクチャに関するデータにより、ハッカー攻撃の検出やログの分析、トラブルに至るまでの利用状況の履歴(対策の特定)、などを提供する。企業は常時、ゼタバイト級の大量の情報を扱っているから、その中で問題の箇所だけを正確にかつ早く見つけるためには、Kinetikのようなサービスが欠かせない。

この、大量のログを取ってその分析を正確迅速にやる、というKentikの特技は、同社の最大の差別化要因だ。しかし同社のコンペティターのDatadogは、今年の1月に早くも、シリーズDで9450万ドルを獲得している。

CEOで協同ファウンダーのAvi Freedmanによると、同社の売上は“数百万ドル”のレベルを超えて“数千万ドル”の領域に入りつつある。今同社の顧客は60社あまりで、その80%がアメリカ国内だが、今後は西ヨーロッパ市場を積極的に開拓したい、と言っている。

今回の2300万ドルのラウンドは、Third Point Venturesがリードし、これまでの投資家August Capital, Data Collective (DCVC), First Round Capital, Engineering Capital, そして新規の投資家としてGlynn CapitalとDavid Ulevitchが参加した。

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Kubernetes/Docker Swarm両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher LabsがシリーズBで$20Mを調達

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KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher Labsが今日(米国時間5/9)、シリーズBで2000万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードした同社の新しい投資家は、中国の投資企業GRC SinoGreenで、既存の投資家MayfieldとNexus Venture Partnersも参加した。これで同社の資金調達総額は3000万ドルになる

新たな資金は、営業とマーケティングの強化および、ユーザーの要望に合わせての製品の改良に充てられる、という。

Rancher LabsのCEO Sheng Liangは今日の発表声明の中でこう述べている: “コンテナ化によって企業は、アプリケーションのパフォーマンスと可利用性とコストを改良するための、すばらしいことがいろいろできるようになった。このパズルの次のピースはコンテナ技術の完成に貢献するものであり、それはコンテナの管理に関連するツールだ。ユーザーがコンテナ技術をフルに利用して、コンテナが約束する財務的および組織的な利益を得ていけるための、正しいツールを提供していくことが、弊社の目標である。弊社が今後もこの目標追求のための努力を継続できることは、きわめて喜ばしい”。

コンテナプラットホームの市場はやや混み合ってきたが、Rancher Labsによれば、KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートしているために、Rancherはエンタープライズのコンテナ展開のための正しいツールになっている。しかしおそらくさらに重要なのは、 それが、使用するクラウドを特定しないこと、およびエンタープライズがパブリックとプライベート両方のクラウドと、さらに従来からのデータセンターで、コンテナを使えることだ。

なお、Rancherはマルチテナントプラットホームなので、各チームが自分たちのニーズに即したやり方で自分のクラスタを管理できる。この方式では、たとえば、Kubernetesのクラスタのセットアップがわずか5分でできる。(ただしクラスタのデプロイを初めてやる方は、もっとかかるかもしれない。)

コンテナのデプロイを容易にするために同社は、アプリケーションカタログを提供している。それを利用すると、かなり複雑なアプリケーションのデプロイでも、わずか数クリックで簡単に構成できる。

投資をリードしたGRC SinoGreenのパートナーDr. James Zhangは発表声明の中でこう語る: “コンテナはソフトウェアの開発とITのオペレーションを急速にディスラプトしつつある。Rancher Labsはそのすばらしいオープンソース技術によって、ソフトウェア開発の加速化のためにはコンテナ管理が重要であることを企業に示し、同じく適正なコンテナ管理によってアプリケーションをプロダクション(本番稼働)における高い信頼性と効率で動かせることを、示してきた”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))