スキルのマーケットプレイス「ストリートアカデミー」、法人向けの教育サービスに進出

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社員向けに研修やトレーニングを提供している企業も多いが、成果のほどはいかがだろう。一方的な押し付けではモチベーションが保たれないし、そもそも社内でじっくり座って受講する時間がないという場合もある。そんな中、社員教育に新風を吹き込むサービスがストリートアカデミーから登場した。

ストリートアカデミーでは、スキルを持つ個人(または法人)が、スキルをもとにした講座を販売できるマーケットプレイス「ストリートアカデミー」を2012年8月より運営している。現在プログラミング講座やヨガ教室などが提供されており、その講師数は2000人。ユーザー数は3万8000人以上となっている。

これまでCtoCのサービスを提供していたが、法人ユーザーが受講しやすいよう機能を追加したのが6月18日にリリースした「ストアカ for Biz」だ。

ストアカ for Bizでは、Excelやロジカルシンキング、スピーチ、英会話から、ウェブデザイン、プログラミングなど、2500件以上の講座を受講できる。企業の管理者が社員に受けさせたい講座をレコメンドしたり、業務と無関係な講座(ストリートアカデミーには、手品やバック転なんかの講座もある)を受講しないようフィルタリングしたりできるほか、社員の受講状況をモニタリングできる管理機能を搭載する。

初期費用や月額費は無料、受講料をポイントパック(5万円/10万円/15万円)で購入するだけの料金体系となっている。今後は割安な定額制プランの導入も検討しているという。

ストリートアカデミーでスキルを売っている講師のうち8割は個人で、前述の通りCtoCのモデルとなっている。だが、当初想定した以上に会社員がビジネス向けの講座を受けるというケースが多く、「会社で導入して部署の活性化に利用したい」といった声もあったことからストアカ for Bizを企画した。「企業における需要に気付かせてくれたのはユーザーだった」(ストリートアカデミー代表取締役社長の藤本崇氏)

また藤本氏は「強制的になりがちな社内研修に対し、社外で、よりカジュアルな学びを提供できるので、スキル向上に活用してもらいたい」と期待を込める。レクリエーション的な講座も多いため、社内の交流イベントとしてチームボンディング(組織のチームワークを高めること)にも有効ではないかと語る。

直近では動画学習サービスの「schoo」なども新人研修向けのコンテンツを提供しているように、ネットのインフラを活かしたオンライン学習が人気を博している。しかし藤本氏は「場の重要性」を説く。「講師とのやりとりはオンラインでも再現できるが、他の生徒から得られる気付きや刺激は大きい。『出会う』ことにニーズがあると感じている」(藤本氏)。ちなみにストリートアカデミーでは、このサービスに先駆けて、2014年10月に講師の社内派遣サービス「オフィスク」も提供している。

NECやガイアックスといった上場企業のほか、ラクスルやLiB、ietty、ベストティーチャーなどのスタートアップが導入を決定しており、まず直近で100社への導入を目指すとしている。7月にはスマートフォン向けアプリも提供する予定で、年間売上1億円を目指す。