視覚障がいに関する最先端技術を語るバーチャルイベント「Sight Tech Global」のメインプログラムを公開

2020年に続いて2021年が2回目となる参加無料のバーチャルイベント「Sight Tech Global」が米国時間12月1〜2日に開催される。2021年も視覚障がい者にとってのアクセシビリティや支援技術を実現する高度なテクノロジー、特にAIに関して、世界トップクラスの専門家がこのイベントに集う。

この記事ではメインステージのプログラムを紹介しよう。メインステージのセッションは専門家が進行し、現在この分野の大手4社と言えるApple、Microsoft、Google、Amazonをはじめとする各社の注目すべき取り組みが語られる。メインステージの他に分科会セッションを予定しているが、そちらは後日紹介する予定だ。

この無料のバーチャルイベントに、今すぐ参加登録しよう。スクリーンリーダーの対応も十分に準備している。

12月1日のSight Tech Global

Designing for Everyone:Accessibility and Machine Learning at Apple(すべての人のためのデザイン:Appleのアクセシビリティと機械学習)

AppleのiPhoneとVoiceOverはアクセシビリティにおける最大級のブレイクスルーだが、Appleはその成果に満足して歩みを止めているわけではない。次のイノベーションにはAIのサブセットである「機械学習」が加わり、スマートフォンのセンサーなどから得たデータを用いて周囲の状況を理解できる。アクセシビリティのための実装が姿を見せ始めている。

Jeff Bigham(ジェフリー・ビガム、Apple、AI/MLアクセシビリティリサーチ責任者)
Sarah Herrlinger(サラ・ヘルリンガー、Apple、グローバルアクセシビリティポリシー&イニシアチブ担当シニアディレクター)
進行:Matthew Panzarino(マシュー・パンザリーノ、TechCrunch編集長)

Seeing AI:What Happens When You Combine Computer Vision, LiDAR and Audio AR?(Seeing AI;コンピュータビジョン、LiDAR、オーディオARを組み合わせるとどうなるのか)

MicrosoftのSeeing AIアプリには周囲の物体を認識して3D空間に配置する最新機能が搭載された。物体が室内に置かれている、まさにその場所から読み上げが聞こえる。つまり「椅子」という語が椅子そのものから発せられているように聞こえる。ユーザーはバーチャルのオーディオビーコンをオブジェクトに配置して、例えばドアの場所を把握し、近接センサーで部屋の様子を触覚で知ることができる。

AR、コンピュータビジョン、iPhone 12 ProのLiDARセンサーといった最新の進化を組み合わせればこのようなことが可能になる。この取り組みは始まったばかりだ。

Saqib Shaikh(サーキブ・シャイフ、Seeing AI、共同創始者)
進行:Devin Coldewey(デヴィン・コールドウェイ、TechCrunch、編集者)

W3C ARIA-AT:Screen readers, Interoperability and a New Era of Web Accessibility(W3C ARIA-AT:スクリーンリーダー、相互運用性、ウェブアクセシビリティの新時代)

スクリーンリーダーは、ウェブブラウザとは違って相互運用性がないことをご存じだろうか。ウェブサイト開発者は自分の書くコードがSafariやChrome、あるいはその他のブラウザで動くかどうかを心配する必要はない。しかしアクセシビリティを真剣に考えると、JAWS、VoiceOver、NVDAなどのスクリーンリーダーをテストしなくてはならない。この状況がW3C ARIA-ATプロジェクトのおかげで変わりつつある。

(このセッションの後、12月2日にキング氏とフェアチャイルド氏、W3C ARIA-ATのメンバー数人が参加するライブの分科会セッションを予定している)

Matt King(マット・キング、Facebook、アクセシビリティ技術プログラムマネージャー)
Mike Shebanek(マイク・シェバネク、Facebook、アクセシビリティ責任者)
Michael Fairchild(マイケル・フェアチャイルド、Deque、シニアアクセシビリティコンサルタント)
進行: Caroline Desrosiers(キャロリン・デロジエ、Scribely、創業者兼CEO)

The “Holy Braille”:The Development of a New Tactile Display Combining Braille and Graphics in One Experience(「神」点字:点字とグラフィックスの両方を扱える新しい触覚ディスプレイの開発)

現在、視覚障がい者が点字で書かれたものを利用できる機会は、見える人が紙に書かれたものを利用する機会よりもずっと少ない。その都度更新しながら1行ずつ表示する点字ディスプレイが長年使用されてきたが、一度に1行しか読めないのでリーディングのエクスペリエンスは極めて制限されている。この制限は、長い書類を読むときや書籍に表やグラフといったコンテンツがある場合に、特に顕著に感じられる。American Printing House for the Blind(APH)とHumanWareは共同で、点字を複数行表示したり、点字と同じ面に触図を表示したりすることのできる触覚デバイスを開発している。Dynamic Tactile Device(DTD、動的触覚デバイス)と呼ばれるこのツールは、視覚障がい者が利用する複数行のブックリーダーや触図ビューアーを目指している。

(このセッションの後、グレッグ・スティルソン氏、HumanWareの点字プロダクトマネージャーであるAndrew Flatres[アンドリュー・フラトレス]氏が参加するライブの分科会Q&Aセッションを予定している)

Greg Stilson(グレッグ・スティルソン、APH、グローバルイノベーション責任者)
進行:Will Butler(ウィル・バトラー、Be My Eyes、バイスプレジデント)

Indoor Navigation:Can Inertial Navigation, Computer Vision and Other New Technologies Work Where GPS Can’t?(屋内ナビゲーション:GPSが使えない場所で慣性ナビゲーションやコンピュータビジョンなどの新しいテクノロジーはどう機能するか)

スマートフォン、GPS、ナビゲーションアプリのおかげで、視覚障がい者は1人で屋外を歩き回れる。しかし屋内となると話は別だ。

まず、GPSは屋内で使えないことがある。そしてドアの場所を知り、階段を見つけ、誰かが移動させたソファを避けるのは難しい。プロダクト開発者が屋内スペースをマッピングし、屋内の位置を提供し、アクセシブルなユーザーインターフェイスを用意すれば、慣性ナビゲーション、オーディオAR、LiDAR、コンピュータビジョンといったスマートフォンとクラウドのテクノロジーの組み合わせは解決の基盤となるかも知れない。

Mike May(マイク・メイ、GoodMaps、チーフエバンジェリスト)
Paul Ruvolo(ポール・ルボロ、オーリン・カレッジ・オブ・エンジニアリング、コンピュータサイエンス助教授)
Roberto Manduchi(ロベルト・マンドゥチ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校、コンピュータサイエンス教授)
進行:Nick Giudice(ニック・ジュディチェ、メイン大学、空間情報科学教授)

12月2日のSight Tech Global

Why Amazon’s vision includes talking less to Alexa(Amazonが話しかけないAlexaを考える理由)

家庭でテクノロジーが多く使われるようになると、Teachable AIやマルチモーダル理解、センサー、コンピュータビジョンなど、さまざまなソースからのインプットによって周囲の環境が作られる。すでにAlexaスマートホームでのやりとりの5回に1回は、話し言葉以外から開始されている。Alexaは利用者や利用者の家を十分に理解してニーズを予測し、利用者に代わって有効なやり方で動作する。こうしたことは、アクセシビリティにどのような影響を及ぼすだろうか?

Beatrice Geoffrin(ベアトリス・ジェフリン、Amazon、Alexa Trustディレクター)
Dr. Prem Natarajan(プレム・ナタラジャン、Amazon、Alexa AI担当バイスプレジデント)

Inventors Invent:Three New Takes on Assistive Technology(発明家たちの発明:支援テクノロジーに関する新たな3つの成果)

発明家たちは、その才能を視覚障がい者の支援に生かすことに長年取り組んできた。Mike Shebanek(マイク・シェバネク、AppleのVoiceOverを開発)氏やJim Fruchterman (ジム・フルヒターマン、BenetechのBookshareを開発)に代表されるイノベーターが思い起こされるだろう。現在イノベーターにとっては、LiDAR、コンピュータビジョン、高速データネットワークなどほとんど奇跡といってもいいようなテクノロジーが手ごろにそろっている。その結果、イノベーションは目のくらむほどの速さで進む。このセッションでは、こうしたコアテクノロジーを新しい注目のツールに生かす最前線にいる3人のイノベーターに話を聞く。

Cagri Hakan Zaman(カグリ・ハカン・ザマン、MediateおよびSuperSense、共同創業者)
Kürşat Ceylan(クルサット・セイラン、WeWalk Technology、共同創業者)
Louis-Philippe Massé(ルイ・フィリップ・マセ、HumanWare、プロダクトマネジメント担当ディレクター)
進行:Ned Desmond(ネッド・デズモンド、Sight Tech Global、創業者兼エグゼクティブプロデューサー)

Product Accessibility:How Do You Get it Right? And How Do You Know When You Have?(プロダクトのアクセシビリティ:どうすれば効果的か、そして効果をどう知るか)

アクセシビリティの認知度は上がっているが、高い意識を持っているチームでさえも効果的なアプローチを見つけるのには苦労する。ポイントの1つは、適切なユーザーコミュニティと緊密に連携し、フィードバックを得たりニーズを理解したりすることだ。するとトレードオフではなく、すべての人にとってより良いプロダクトになる。このセッションで、プロダクト開発においてアクセシビリティの最前線にいる専門家から話を聞こう。

Christine Hemphill(クリスティン・ヘンフィル、Open Inclusion、創業者兼代表取締役)
Alwar Pillai(アルウォー・ピライ、Fable、共同創業者兼CEO)
Sukriti Chadha(スクリティ・チャダ、Spotify、プロダクトマネージャー)
Oliver Warfield(オリバー・ウォーフィールド、Peloton Interactive、
アクセシビリティ担当シニアプロダクトマネージャー)
Brian Fischler(ブライアン・フィシュラー、All Blind Fantasy Football Leagueコミッショナー、コメディアン)
進行:Larry Goldberg(ラリー・ゴールドバーグ、Yahoo、アクセシビリティ責任者)

For Most Mobile Phone Users, Accessibility Is Spelled Android(多くのスマートフォンユーザーにとって、アクセシビリティはAndroidで実現する)

世界の携帯電話ユーザーの4分の3は、AppleのiPhoneではなく、GoogleのAndroidで動作するスマートフォンを使っている。視覚障がい者にとって重要なアプリはGoogleのLookoutで、これはコンピュータビジョンのデータベースやGoogleマップなど、GoogleのAIインフラストラクチャが備える莫大なリソースを活用している。GoogleはLookoutに代表される多くのアクセシビリティの機会にどのようにアプローチしているかを聞く。

Eve Andersson(イブ・アンダーソン、Google、アクセシビリティ担当ディレクター)
Andreina Reyna(アンドレイナ・レイナ、Google、シニアソフトウェアエンジニア)
Warren Carr(ウォーレン・カー、Blind Android User Podcast、制作者)

Getting around:Autonomous Vehicles, Ridesharing and Those Last Few Feet(外出する:自動運転車、ライドシェア、そしてラスト数メートル)

スマートフォンで車を呼び出すという多くの人の夢はかなったが、ほんの数メートルしか離れていなくてもその車を見つけるのが難しいとしたら、悪夢であり危険だ。ライドシェアや自動運転タクシーの企業は、視覚に障がいがある利用者から車までの数メートルをもっと安全で利用しやすくするためにどんな取り組みをしているのだろうか。

Kerry Brennan(ケリー・ブレナン、Waymo、UXリサーチマネージャー)
Marco Salsiccia(マルコ・サルシッチャ、Lyft、アクセシビリティエバンジェリスト)
Eshed Ohn-Bar(エシェド・オン・バー、ボストン大学、助教授)
進行:Bryan Bashin(ブライアン・バシン、サンフランシスコLightHouse、CEO)

この無料のオンラインイベントに、ぜひ参加登録して欲しい

Sight Tech Globalは、シリコンバレーで75年にわたって運営されているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedが主催する。現在、Ford、Google、Humanware、Microsoft、Mojo Vision、Facebook、Fable、APH、Visperoがスポンサーとして決定し、感謝している。本イベントのスポンサーに関心をお持ちの方からの問い合わせをお待ちしている。スポンサーシップはすべて、Vista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

画像クレジット:Sight Tech Global

原文へ

(文:Ned Desmond、翻訳:Kaori Koyama)

視覚障がいに関する最先端技術を語るバーチャルイベント「Sight Tech Global」のメインプログラムを公開

2020年に続いて2021年が2回目となる参加無料のバーチャルイベント「Sight Tech Global」が米国時間12月1〜2日に開催される。2021年も視覚障がい者にとってのアクセシビリティや支援技術を実現する高度なテクノロジー、特にAIに関して、世界トップクラスの専門家がこのイベントに集う。

この記事ではメインステージのプログラムを紹介しよう。メインステージのセッションは専門家が進行し、現在この分野の大手4社と言えるApple、Microsoft、Google、Amazonをはじめとする各社の注目すべき取り組みが語られる。メインステージの他に分科会セッションを予定しているが、そちらは後日紹介する予定だ。

この無料のバーチャルイベントに、今すぐ参加登録しよう。スクリーンリーダーの対応も十分に準備している。

12月1日のSight Tech Global

Designing for Everyone:Accessibility and Machine Learning at Apple(すべての人のためのデザイン:Appleのアクセシビリティと機械学習)

AppleのiPhoneとVoiceOverはアクセシビリティにおける最大級のブレイクスルーだが、Appleはその成果に満足して歩みを止めているわけではない。次のイノベーションにはAIのサブセットである「機械学習」が加わり、スマートフォンのセンサーなどから得たデータを用いて周囲の状況を理解できる。アクセシビリティのための実装が姿を見せ始めている。

Jeff Bigham(ジェフリー・ビガム、Apple、AI/MLアクセシビリティリサーチ責任者)
Sarah Herrlinger(サラ・ヘルリンガー、Apple、グローバルアクセシビリティポリシー&イニシアチブ担当シニアディレクター)
進行:Matthew Panzarino(マシュー・パンザリーノ、TechCrunch編集長)

Seeing AI:What Happens When You Combine Computer Vision, LiDAR and Audio AR?(Seeing AI;コンピュータビジョン、LiDAR、オーディオARを組み合わせるとどうなるのか)

MicrosoftのSeeing AIアプリには周囲の物体を認識して3D空間に配置する最新機能が搭載された。物体が室内に置かれている、まさにその場所から読み上げが聞こえる。つまり「椅子」という語が椅子そのものから発せられているように聞こえる。ユーザーはバーチャルのオーディオビーコンをオブジェクトに配置して、例えばドアの場所を把握し、近接センサーで部屋の様子を触覚で知ることができる。

AR、コンピュータビジョン、iPhone 12 ProのLiDARセンサーといった最新の進化を組み合わせればこのようなことが可能になる。この取り組みは始まったばかりだ。

Saqib Shaikh(サーキブ・シャイフ、Seeing AI、共同創始者)
進行:Devin Coldewey(デヴィン・コールドウェイ、TechCrunch、編集者)

W3C ARIA-AT:Screen readers, Interoperability and a New Era of Web Accessibility(W3C ARIA-AT:スクリーンリーダー、相互運用性、ウェブアクセシビリティの新時代)

スクリーンリーダーは、ウェブブラウザとは違って相互運用性がないことをご存じだろうか。ウェブサイト開発者は自分の書くコードがSafariやChrome、あるいはその他のブラウザで動くかどうかを心配する必要はない。しかしアクセシビリティを真剣に考えると、JAWS、VoiceOver、NVDAなどのスクリーンリーダーをテストしなくてはならない。この状況がW3C ARIA-ATプロジェクトのおかげで変わりつつある。

(このセッションの後、12月2日にキング氏とフェアチャイルド氏、W3C ARIA-ATのメンバー数人が参加するライブの分科会セッションを予定している)

Matt King(マット・キング、Facebook、アクセシビリティ技術プログラムマネージャー)
Mike Shebanek(マイク・シェバネク、Facebook、アクセシビリティ責任者)
Michael Fairchild(マイケル・フェアチャイルド、Deque、シニアアクセシビリティコンサルタント)
進行: Caroline Desrosiers(キャロリン・デロジエ、Scribely、創業者兼CEO)

The “Holy Braille”:The Development of a New Tactile Display Combining Braille and Graphics in One Experience(「神」点字:点字とグラフィックスの両方を扱える新しい触覚ディスプレイの開発)

現在、視覚障がい者が点字で書かれたものを利用できる機会は、見える人が紙に書かれたものを利用する機会よりもずっと少ない。その都度更新しながら1行ずつ表示する点字ディスプレイが長年使用されてきたが、一度に1行しか読めないのでリーディングのエクスペリエンスは極めて制限されている。この制限は、長い書類を読むときや書籍に表やグラフといったコンテンツがある場合に、特に顕著に感じられる。American Printing House for the Blind(APH)とHumanWareは共同で、点字を複数行表示したり、点字と同じ面に触図を表示したりすることのできる触覚デバイスを開発している。Dynamic Tactile Device(DTD、動的触覚デバイス)と呼ばれるこのツールは、視覚障がい者が利用する複数行のブックリーダーや触図ビューアーを目指している。

(このセッションの後、グレッグ・スティルソン氏、HumanWareの点字プロダクトマネージャーであるAndrew Flatres[アンドリュー・フラトレス]氏が参加するライブの分科会Q&Aセッションを予定している)

Greg Stilson(グレッグ・スティルソン、APH、グローバルイノベーション責任者)
進行:Will Butler(ウィル・バトラー、Be My Eyes、バイスプレジデント)

Indoor Navigation:Can Inertial Navigation, Computer Vision and Other New Technologies Work Where GPS Can’t?(屋内ナビゲーション:GPSが使えない場所で慣性ナビゲーションやコンピュータビジョンなどの新しいテクノロジーはどう機能するか)

スマートフォン、GPS、ナビゲーションアプリのおかげで、視覚障がい者は1人で屋外を歩き回れる。しかし屋内となると話は別だ。

まず、GPSは屋内で使えないことがある。そしてドアの場所を知り、階段を見つけ、誰かが移動させたソファを避けるのは難しい。プロダクト開発者が屋内スペースをマッピングし、屋内の位置を提供し、アクセシブルなユーザーインターフェイスを用意すれば、慣性ナビゲーション、オーディオAR、LiDAR、コンピュータビジョンといったスマートフォンとクラウドのテクノロジーの組み合わせは解決の基盤となるかも知れない。

Mike May(マイク・メイ、GoodMaps、チーフエバンジェリスト)
Paul Ruvolo(ポール・ルボロ、オーリン・カレッジ・オブ・エンジニアリング、コンピュータサイエンス助教授)
Roberto Manduchi(ロベルト・マンドゥチ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校、コンピュータサイエンス教授)
進行:Nick Giudice(ニック・ジュディチェ、メイン大学、空間情報科学教授)

12月2日のSight Tech Global

Why Amazon’s vision includes talking less to Alexa(Amazonが話しかけないAlexaを考える理由)

家庭でテクノロジーが多く使われるようになると、Teachable AIやマルチモーダル理解、センサー、コンピュータビジョンなど、さまざまなソースからのインプットによって周囲の環境が作られる。すでにAlexaスマートホームでのやりとりの5回に1回は、話し言葉以外から開始されている。Alexaは利用者や利用者の家を十分に理解してニーズを予測し、利用者に代わって有効なやり方で動作する。こうしたことは、アクセシビリティにどのような影響を及ぼすだろうか?

Beatrice Geoffrin(ベアトリス・ジェフリン、Amazon、Alexa Trustディレクター)
Dr. Prem Natarajan(プレム・ナタラジャン、Amazon、Alexa AI担当バイスプレジデント)

Inventors Invent:Three New Takes on Assistive Technology(発明家たちの発明:支援テクノロジーに関する新たな3つの成果)

発明家たちは、その才能を視覚障がい者の支援に生かすことに長年取り組んできた。Mike Shebanek(マイク・シェバネク、AppleのVoiceOverを開発)氏やJim Fruchterman (ジム・フルヒターマン、BenetechのBookshareを開発)に代表されるイノベーターが思い起こされるだろう。現在イノベーターにとっては、LiDAR、コンピュータビジョン、高速データネットワークなどほとんど奇跡といってもいいようなテクノロジーが手ごろにそろっている。その結果、イノベーションは目のくらむほどの速さで進む。このセッションでは、こうしたコアテクノロジーを新しい注目のツールに生かす最前線にいる3人のイノベーターに話を聞く。

Cagri Hakan Zaman(カグリ・ハカン・ザマン、MediateおよびSuperSense、共同創業者)
Kürşat Ceylan(クルサット・セイラン、WeWalk Technology、共同創業者)
Louis-Philippe Massé(ルイ・フィリップ・マセ、HumanWare、プロダクトマネジメント担当ディレクター)
進行:Ned Desmond(ネッド・デズモンド、Sight Tech Global、創業者兼エグゼクティブプロデューサー)

Product Accessibility:How Do You Get it Right? And How Do You Know When You Have?(プロダクトのアクセシビリティ:どうすれば効果的か、そして効果をどう知るか)

アクセシビリティの認知度は上がっているが、高い意識を持っているチームでさえも効果的なアプローチを見つけるのには苦労する。ポイントの1つは、適切なユーザーコミュニティと緊密に連携し、フィードバックを得たりニーズを理解したりすることだ。するとトレードオフではなく、すべての人にとってより良いプロダクトになる。このセッションで、プロダクト開発においてアクセシビリティの最前線にいる専門家から話を聞こう。

Christine Hemphill(クリスティン・ヘンフィル、Open Inclusion、創業者兼代表取締役)
Alwar Pillai(アルウォー・ピライ、Fable、共同創業者兼CEO)
Sukriti Chadha(スクリティ・チャダ、Spotify、プロダクトマネージャー)
Oliver Warfield(オリバー・ウォーフィールド、Peloton Interactive、
アクセシビリティ担当シニアプロダクトマネージャー)
Brian Fischler(ブライアン・フィシュラー、All Blind Fantasy Football Leagueコミッショナー、コメディアン)
進行:Larry Goldberg(ラリー・ゴールドバーグ、Yahoo、アクセシビリティ責任者)

For Most Mobile Phone Users, Accessibility Is Spelled Android(多くのスマートフォンユーザーにとって、アクセシビリティはAndroidで実現する)

世界の携帯電話ユーザーの4分の3は、AppleのiPhoneではなく、GoogleのAndroidで動作するスマートフォンを使っている。視覚障がい者にとって重要なアプリはGoogleのLookoutで、これはコンピュータビジョンのデータベースやGoogleマップなど、GoogleのAIインフラストラクチャが備える莫大なリソースを活用している。GoogleはLookoutに代表される多くのアクセシビリティの機会にどのようにアプローチしているかを聞く。

Eve Andersson(イブ・アンダーソン、Google、アクセシビリティ担当ディレクター)
Andreina Reyna(アンドレイナ・レイナ、Google、シニアソフトウェアエンジニア)
Warren Carr(ウォーレン・カー、Blind Android User Podcast、制作者)

Getting around:Autonomous Vehicles, Ridesharing and Those Last Few Feet(外出する:自動運転車、ライドシェア、そしてラスト数メートル)

スマートフォンで車を呼び出すという多くの人の夢はかなったが、ほんの数メートルしか離れていなくてもその車を見つけるのが難しいとしたら、悪夢であり危険だ。ライドシェアや自動運転タクシーの企業は、視覚に障がいがある利用者から車までの数メートルをもっと安全で利用しやすくするためにどんな取り組みをしているのだろうか。

Kerry Brennan(ケリー・ブレナン、Waymo、UXリサーチマネージャー)
Marco Salsiccia(マルコ・サルシッチャ、Lyft、アクセシビリティエバンジェリスト)
Eshed Ohn-Bar(エシェド・オン・バー、ボストン大学、助教授)
進行:Bryan Bashin(ブライアン・バシン、サンフランシスコLightHouse、CEO)

この無料のオンラインイベントに、ぜひ参加登録して欲しい

Sight Tech Globalは、シリコンバレーで75年にわたって運営されているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedが主催する。現在、Ford、Google、Humanware、Microsoft、Mojo Vision、Facebook、Fable、APH、Visperoがスポンサーとして決定し、感謝している。本イベントのスポンサーに関心をお持ちの方からの問い合わせをお待ちしている。スポンサーシップはすべて、Vista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

画像クレジット:Sight Tech Global

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(文:Ned Desmond、翻訳:Kaori Koyama)

12月開催のSight Tech Global、アップルとアマゾンの機械学習・AI専門家の講演が決定

センサーとデータが急増している。スマートフォンから、あるいはクルマやスマートホームデバイスから得られる驚異的な量のデータをもとにして、新しいプロダクトやエクスペリエンスを考える研究者や開発者の取り組みは加速する。こうした研究や開発は、視覚障がい者に対してもこれまで以上に寄与する。

そこで12月1〜2日に開催するオンラインイベントのSight Tech Globalから、2つのセッションを紹介しよう。1つはApple(アップル)、もう1つはAmazon(アマゾン)のセッションで、この2つのセッションでは機械学習(ML)とAIのリーダーである両社が将来について、特に視覚障がい者を支援する新しいエクスペリエンスについて語る。Sight Tech Globalへの参加は無料だ。今すぐ登録して欲しい。

Designing for everyone:Accessibility and machine learning at Apple(すべての人のためのデザイン:Appleのアクセシビリティと機械学習)

Appleのセッションでは、TechCrunch編集長のMatthew Panzarino(マシュー・パンザリーノ)がJeff Bigham(ジェフリー・ビガム)氏、Sarah Herrlinger(サラ・ヘルリンガー)氏に話を聞く。

ビガム氏はAppleのAI/MLアクセシビリティリサーチ責任者で、カーネギーメロン大学でコンピュータサイエンスのアシスタントプロフェッサーも務める。同氏はAIと機械学習を活用した先進的なアクセシビリティを専門とする研究者とエンジニアのチームを率いている。

ヘルリンガー氏はAppleのグローバルアクセシビリティポリシー&イニシアチブ担当シニアディレクター。同社のアクセシビリティプログラムの責任者として、ワールドワイドで障がい者コミュニティを支援し、同社のハードウェアとソフトウェアにアクセシビリティ技術を実装し、他にもAppleのインクルージョンのカルチャーを推進する役割を担っている。

AppleのiPhoneとVoiceOverは視覚障がい者にとってナビゲーションからメールの読み上げまで多くのサービスを提供する極めて重要なツールだ。LiDARとコンピュータビジョンの機能なども取り入れることで、iPhoneとクラウドコンピューティングを組み合わせて周囲に関する情報を取得し、その情報を役に立つ形で伝える手段としてさらに機能が強化されている。ヘルリンガー氏とビガム氏が、アクセシブルなデザイン、この1年間の進歩、機械学習研究におけるインクルージョン、最新の研究と将来に関して、Appleのアプローチを語る予定だ。

Why Amazon’s vision includes talking less to Alexa(Amazonが話しかけないAlexaを考える理由)

Amazonのセッションでは、Be My EyesのバイスプレジデントであるWill Butler(ウィル・バトラー)氏が、Alexa AI担当バイスプレゼントのPrem Natarajan(プレム・ナタラジャン)氏、Alexa TrustディレクターのBeatrice Geoffrin(ベアトリス・ジェフリン)氏とともに語る。

ジェフリン氏はAmazonのAlexaチームでプロダクトマネジメント担当ディレクターを務めている。Alexaに対する顧客の信頼を獲得して維持し、Alexaのアクセシビリティを向上する部署であるAlexa Trustの責任者で、Alexa for Everyoneチームを監督する。

ナタラジャン氏はサイエンス、エンジニアリング、プロダクトの学際的な研究をする組織の責任者で、会話のモデリングや自然言語理解、エンティティリンキングとエンティティ解決、関連する機械学習テクノロジーの進化を通じたカスタマーエクスペリエンスの向上に取り組んでいる。

AmazonのAlexaはすでに多くの家庭で利用され、視覚障がい者が使うテクノロジーツールセットとしても効果をあげている。家庭でテクノロジーが多く使われるようになると、Teachable AIやマルチモーダル理解、センサー、コンピュータビジョンなど、さまざまなソースからのインプットによって周囲の環境が作られる。すでにAlexaスマートホームでのやりとりの5回に1回は、話し言葉以外から開始されている。Alexaは利用者や利用者の家を十分に理解してニーズを予測し、利用者に代わって有効なやり方で動作する。こうしたことは、アクセシビリティにどのような影響を及ぼすだろうか?

Sight Tech Globalはオンラインで開催され、世界中から無料で参加できる。今すぐ登録しよう。

Sight Tech Globalは、シリコンバレーで75年にわたって運営されているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedが主催する。現在、Ford、Google、Humanware、Microsoft、Mojo Vision、Facebook、Fable、APH、Visperoがスポンサーとして決定し、感謝している。本イベントのスポンサーに関心をお持ちの方からの問い合わせをお待ちしている。スポンサーシップはすべて、Vista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

画像クレジット:Sight Tech Global

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(文:Ned Desmond、翻訳:Kaori Koyama)

視覚障がい者にとってのAIとアクセシビリティの未来を探るイベント「Sight Tech Global」が2021年も開催

黒い背景の上に、目の虹彩を描いたコンピュータグラフィックス。大きい文字で2021年のSight Tech Global が12月1日と2日に開催されると書かれている

2020年12月に第1回のSight Tech Globalが開催されてから間もなく、AppleとMicrosoftがスマートフォンの注目すべき新機能を発表した。ユーザーがスマートフォンのカメラを向けて「周囲の説明」をリクエストすると、即座にクラウドベースのコンピュータビジョンAIが周囲を判断し機械音声で情報を読み上げる。見える人にとっては「部屋に椅子が3つとテーブルが1つある」ことがわかっても大したことではないと思うかもしれないが、視覚障がい者にとってはこの新しい機能はアクセシビリティのテクノロジーに関して画期的だった。手頃な価格で、持ち運ぶことができ、ほぼ汎用と言えるデバイスが、あらゆる人の「目」の代わりになる可能性があるのだ。

2021年12月1日と2日に開催される第2回のSight Tech Globalイベントでは、周囲を説明するようなテクノロジーもプログラムに含まれるだろう。このイベントへの参加は無料で、スポンサーの支援を受け、バーチャルで全世界を対象に開催される。世界トップクラスの技術者、研究者、支援者、起業家が多数集い、AIを中心とする急速なテクノロジーの進化が視覚障がい者のアクセシビリティをいかに変えていくか(良い方にも難しい方にも)を論じる。

無料の事前登録がすでに始まっている。

Sight Tech Globalの根底にあるのは難しい問題だ。高度に進化したAIベースのテクノロジーは、視覚障がい者がすぐに使える魅力的で手頃な価格の製品になるのだろうか。例を挙げると、5万ドル(約550万円)の箱型のデスクトップデバイス「Kurzweil reading machine」(カーツワイルの読み上げマシン)から、スマートフォンでテキストを「読める」無料アプリを視覚障がい者が普通に使うようになるまでにおよそ40年かかった。この分野に携わる人なら誰もがいうように、テクノロジーを視覚障がい者にとって日常的に役立つ手頃の価格のツールにすることが、40年前と比べて簡単になったわけではない。

2020年のSight Tech Globalには、MicrosoftのSaqib Shaikh(サーキブ・シャイフ)氏、AmazonのJosh Miele(ジョシュ・ミーレ)氏、AppleのChris Fleizach(クリス・フライザック)氏、OrcamのAmnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏、人権問題を専門とする弁護士のHaben Girma(ハーベン・ギルマ)氏、作家で大学教授のSara Hendren(サラ・ヘンドレン)氏、研究者で大学教授のDanna Gurari(ダナ・グラリ)氏など、アクセシビリティ関連テクノロジーのさまざまなジャンルから最高の講演者が多数集まった。さらに、Perkins Access、Salesforce、APH、Humanwareなどが開催した分科会も多数の参加者を集めた。

2020年12月のイベントは無料でバーチャルで極めてアクセシブルであったため、70カ国から4000人以上が参加した。全セッション(ビデオと字幕)を2020年のアジェンダから、またはYouTubeで現在も視聴できる。参加者アンケートでは、プログラムが5点満点で4.7点、アクセシビリティは5点満点で4.6点の評価を得た。

関連記事:視覚障がい者がバーチャルイベントに参加することを想像し、あなたが主催する次のイベントでその想像を実践しよう

登録すると、ボランティアチームからアジェンダの最新情報をお伝えする他、参加者数限定の分科会に申し込むチャンスもある。ぜひ今すぐご登録いただきたい

プログラムのアイデアをお持ちの方、特にテクノロジー系プロダクトに関わっている起業家、投資家、研究者のみなさんからのご連絡をお待ちしている。プログラム委員会のメンバーはBenetech / TechMattersのJim Fruchterman(ジム・フルヒターマン)氏、Verizon MediaのLarry Goldberg(ラリー・ゴールドバーグ)氏、Facebookの Matt King(マット・キング)氏、カリフォルニア大学サンタクルーズ校教授のRoberto Manduchi(ロベルト・マンドゥチ)氏、Be My EyesのWill Butler(ウィル・バトラー)氏だ。連絡先は、Info@sighttechglobal.com

スポンサーも募集している。2021年のスポンサーとしてすでにGoogle、TechCrunch、Verizon Mediaが決まり、他にも2020年のスポンサーのほとんどが今回も支援する意向で、たいへんうれしく思っている。個人の方からの寄付もぜひお願いしたい。詳しくはこちらをご覧になるか、sponsor@sighttechglobal.comまでお問い合わせいただきたい。

サンフランシスコのベイエリアで75年にわたって人々を支援している 501(c)(3)団体(非営利公益法人)のVista Center for the Blind and Visually Impairedが、Sight Tech Globalを設立した。VistaのエグゼクティブディレクターであるKarae Lisle(カレー・ライル)氏がこのイベントの実行委員長だ。イベントに対する寄付とスポンサーシップはすべてVistaの収益となる。2020年にはSight Tech Globalの収益の92%がVista Centerに対する支援となり、多くの視覚障がい者がベイエリアでより良い生活をするための活動に使われている。

12月にSight Tech Globalでお会いしましょう!

カテゴリー:イベント情報
タグ:アクセシビリティSight Tech Global

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(文:Ned Desmond、翻訳:Kaori Koyama)

視覚障がい者がバーチャルイベントに参加することを想像し、あなたが主催する次のイベントでその想像を実践しよう

視覚障がい者が参加するバーチャルイベントをアクセシブルにするにはどうすればいいだろうか?

2020年6月にSight Tech Globalの準備を始めたとき、その答えはすぐに見つかるだろうと私は自信を持っていた。主催者が利用できるバーチャルイベントのプラットフォームやオンラインチケットの選択肢はたくさんあり、スクリーンリーダーや何らかのデバイスでウェブを操作する利用者に対するアクセシビリティの妥当な基準を満たすものが1つぐらいはあるはずだと考えていた。

残念ながら、私の考えは間違っていた。デューデリジェンスとしてさまざまなプラットフォームのCEOたちと話をする中で「我が社はWCAG(ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン)の要件を勉強中なんです」とか「時間のあるときに開発チームがフロントエンドのコードを書き直す予定です」という発言を何度も聞いた。つまり彼らは、そしてウェブ運営事業者の多くも、サービス開始時にはアクセシビリティに配慮してサイトをコーディングする手間をかけていない。アクセシビリティに配慮したコーディングは費用もかからず公正なアプローチであり、ADA(Americans with Disabilities Act、障がいを持つアメリカ人法)準拠であることはいうまでもない。

このことに気づいて大きな暗雲が立ち込めた。イベントの日付はすでに2020年12月2日〜3日と発表しており、もう引き返せない。デザイナーのDmitry Paperny(ディミトリー・ペイパニー)と私が解決策を見つける時間は限られていた。日程も重要だが、視覚障がい者のコミュニティを中心としたイベントであることを考えれば、視覚障がい者にとってイベントのバーチャル体験がうまく機能することも重要で不可欠だった。

我々はバーチャルイベント体験をオッカムの剃刀、つまり必要以上に多くを仮定せずシンプルな解決法で考えて、重要な問題の答えを探すことにした。重要な問題とは「何が不可欠か?」だ。バーチャルイベントのプラットフォームはたいてい機能が多く、アクセシビリティの問題が発生しやすい。我々にとって本当に必要なことを順位付けした結果、以下の3つにまとまった。

  • 「メインステージ」イベントのためのライブストリーミングビデオ
  • 操作しやすくインタラクティブなアジェンダ
  • ブレイクアウトセッション(分科会)に使用するインタラクティブなビデオ

ソーシャル、あるいはネットワーキングの要素を入れるかどうかも話し合い、簡単で圧倒的なソリューションが見つからない限りはオプションとすることにした。

次の問題は「どのツールを使うか?」だ。とても良いニュースは、YouTubeとZoomはアクセシビリティの点で優れているということだった。視覚障がい者はYouTubeにもZoomにも慣れていて、プレイヤーを操作するためのキーボードコマンドを知っている人が多い。我々は最初に口コミでこのことを知り、その後YouTubeとZoomにサポートのドキュメントが大量にあることを知った。そこでメインステージのプログラムをYouTubeで、ブレイクアウトをZoomで実施することにした。YouTubeとZoomならもちろんウェブサイトとの統合が極めて簡単なので、そのようにする計画を立てた。

次は「エクスペリエンス全体をどこでホストするか」という問題だ。我々はイベントの参加者を1つのURLに誘導したいと考えていた。幸い、アクセシブルなウェブサイトはイベントの告知用としてすでにある。ディミトリーはこのサイトのデザインとコーディングを通じて、全盲とロービジョンの両方のユーザーを考慮する重要性など多くのことを学んでいた。そこで我々は他社のイベントプラットフォームを使うのではなく、このサイト自体にイベントのエクスペリエンスを組み込むことにした。サイトのナビゲーションに「イベント」(現在はすでに非公開)と「アジェンダ」を追加することにしたのだ。

最初の(WordPress用語でいうところの)「ページ」にはYouTubeのライブプレイヤーが埋め込まれ、その下に現在のセッションと今後のセッションを説明するテキストがあり、アジェンダ全体へのリンクを目立つように配置した。なぜアジェンダを別のページにしたのかと思う人もいるかもしれない。それでは余計に複雑になるのではないか、と。それは良い質問だ。我々は障がい者のユーザビリティテストを専門とするパートナーのFableから多くの発見を得たが、アジェンダを別ページにしたのはその発見の1つだ。先ほどの質問の答えは、目で見るのではなくスクリーンリーダーでの操作を想像すればわかる。このように想像すれば答えが見つかることは何度もあった。もしアジェンダがYouTubeのプレイヤーの下にあったら、耳障りなことが起きてしまう。配信されているプログラムの内容を聴きながら、同時にその下にあるアジェンダを「読む」(すなわち「聴く」)ことを想像して欲しい。アジェンダのページを分ける方が適切だ。

アジェンダのページは最大の難関だった。情報量が多くフィルタも必要で、イベント期間中は「現在配信中」「これから配信」「終了」と複数のステータスがあるからだ。ディミトリーは絞り込みのためのドロップダウンやアジェンダのページを操作しやすくするための詳細を学び、我々はFableの専門家とともに何度も確認した。さらに、かなり珍しい段階を踏むことにした。参加登録をした視覚障がい者をイベント本番数日前の「練習用イベント」に招待し、フィードバックをお願いしたのだ。200人近くの人が2つのセッションを視聴した。FableのSam Proulx(サム・プルークス)氏やFacebookのMatt King(マット・キング)氏など視覚に障がいがあるスクリーンリーダーの専門家にも依頼して、質問に答えたりフィードバックをまとめたりしてもらった。

主なスクリーンリーダーが3種類あることに注意しなくてはならない。Windowsユーザーが主に使っているJAWS、Apple製品で使われるVoiceOver、オープンソースでMicrosoft Windows 7 SP1以降が動作するPCで使えるNVDAだ。この3種類の動作は同じではなく、それぞれのユーザーにはキーボードのコマンドをたくさん知っている熟練者から、たまに使う程度で基本的なスキルだけを習得している人まで、さまざまな人がいる。したがって、単なる不満と有用な提案を切り分ける専門家の存在は本当に重要だ。

テストでは自由参加形式のセッション1セッション2をZoomミーティングで実施した。これに関してはイベントの簡単な説明と動作を紹介しておいた。そしてイベントページ(YouTubeのプレイヤーが動作しているページ)とアジェンダのページへのリンクを設置し、テスト参加者にこのリンクを試してからZoomのセッションに戻ってフィードバックして欲しいと依頼した。ほかの部分でもそうだったが、ここでも結果は散々だった。基本的なところはできていたが、「聴く」だけの人と「見る」人がアジェンダの項目に関する情報を知るにはどうするのが最も良いかなど、微妙なところを見落としていた。幸いなことに、本番前にアジェンダのページを微調整する時間はあった。

練習用のセッションを実施したことにより、スクリーンリーダーの使用にあまり慣れていない参加者を支援するためにイベント期間中にライブのカスタマーサポートを提供しようという方針を決めることもできた。我々はBe My Eyesと連携することにした。Be My Eyesは視覚障がい者と晴眼者の支援者をつなぐモバイルアプリで、視覚障がい者は自分のスマートフォンのカメラで知りたいことを映し、それを晴眼者が見て情報を伝える。友人に肩越しに見てもらうような感じだ。我々は10人のボランティアを確保し、イベントに関する質問に答えられるようにトレーニングを実施した。Be My EyesはSight Tech Globalを「イベント」セクションに表示し、これに関するコールをボランティアに優先的に回した。Sight Tech Globalのホストを務めた素晴らしい人物であるWill Butler(ウィル・バトラー)氏はたまたまBe My Eyesのバイスプレジデントで、バーチャルエクスペリエンスに関して手助けが必要ならBe My Eyesを利用するようにと定期的に参加者に呼びかけてくれた。

イベントの1カ月前になり、我々はソーシャルでやりとりする機能を追加しても問題ないと確信した。Slidoの基本的なQ&A機能がスクリーンリーダーとの相性が良いという噂があり、実際にFableは自社のプロジェクトでSlidoのサービスを使っていた。そこで我々はSlidoをプログラムに追加した。YouTubeのプレイヤーの下にSlidoのウィジェットを埋め込めば晴眼者の参加者にとっては都合が良いがそのようにはせず、アジェンダの各セッションにスタンドアローンのSlidoページへのリンクを追加した。参加者はアジェンダやライブストリーミングと混乱することなくSlidoのページでコメントや質問を書き込むことができる。このソリューションはうまくいき、イベント期間中に750件以上のコメントや質問がSlidoに書き込まれた。

準備万端でついに12月2日を迎えた。しかし十分に計画しても往々にして計画倒れになるものだ。開始数分後にライブのクローズドキャプションが壊れてしまった。聴覚障がいの参加者のために、クローズドキャプションを再開できるまでイベントを中断することにした。苦労の末に、キャプションは復活した(キャプションの詳細は後述する)。

キャプションのトラブルを除けば、イベントはプログラムの観点からもアクセシビリティの点でもうまくいった。成果はどうだったかをお伝えしよう。2400人以上の参加登録者のうち45%はスクリーンリーダーを使う予定だと回答していた。イベント直後にスクリーンリーダー利用予定者を対象にアンケートを実施したところ95人から回答があり、エクスペリエンスは5点満点で4.6点だった。プログラムに関しては全参加者対象のアンケートで157件の回答があり、5点満点で4.7点だった。もちろん、我々はこの結果にたいへん喜んでいる。

問題点の1つは参加登録だった。当初、あるイベント申込プラットフォームがアクセシビリティの点で「優れている」と聞いていた。我々はそれを額面通りに受け取ったが、それが間違いだった。我々はテストをすべきだったのだ。登録しようとした人たちからのコメントや視覚障がい者からの申し込みが少なかったことから、その申し込みサイトは他のサイトよりは良かったかもしれないがやはり期待外れだったことが数週間後に判明した。たとえばある登壇者からの指摘で、画像にaltタグが付いていない(追加する方法もない)、そしてスクリーンリーダー利用者は「登録」などのリンクにたどり着くために山ほどの情報をタブで飛ばさなくてはならないとわかり、つらかった。

ウェブサイトのアプローチと同じようにシンプルにするのが最も良いと判断し、参加登録方法としてGoogleフォームを追加した。Googleフォームはアクセシビリティに優れている。参加登録者数、特に視覚障がい者の登録がすぐに激増した。最初に選んだ申し込み方法は我々がまさに参加して欲しいと思っていた人たちを除外していたのだと認識し、悔しい思いをした。

イベント参加費用が無料だったから、Googleフォームを使うことができた。参加費用を徴収するつもりだったら、Googleフォームを選ぶことはできなかった。なぜ我々は全参加者を無料にしたのか。それにはいくつかの理由がある。まずこのイベントをグローバルなものにし、視覚障がいに関心を持つすべての人が簡単に参加できるようにすることが我々の望みだったので、広く受け入れられる価格帯を設定することが難しかった。次に、支払いをしたりイベントにアクセスしたりするための「ログイン」機能を追加するとアクセシビリティの点で難しいことになりそうだった。我々は、アジェンダやイベントページへのリンクを知っていれば誰でもログインや登録を求められることなく参加できるようにするアプローチをとった。この方法だとイベント参加者の把握に抜けが生じることはわかっていた。実際、参加者数は登録者数より30%多かったため、かなりの抜けがあった。しかしイベントの性質を考えると、アクセシビリティ上の利点があるなら参加者の名前やメールアドレスを把握できないことは許容できた。

この経験から大切な教訓を得たとしたら、それはシンプルなことだ。イベント主催者はエクスペリエンスがアクセシブルかどうかを真剣に追求しなくてはならない。YouTubeやZoomのようにコミュニティ内ですば抜けた評判を得ているのでない限り、プラットフォームやテクノロジーベンダーを信用するだけでは不十分だ。サイトやプラットフォームが適切にコーディングされているかどうか(WCAGの基準に沿っているか、GoogleのLightHouseのようなツールを使っているか)を確認することが重要だ。そして実際のテストで視覚に障がいのあるユーザーを現実に観察し、エクスペリエンスが適切であるかどうかを確かめることも重要だ。最終的には、これが最も重要である。

最後に触れておこう。このイベントでは視覚障がい者にとってのアクセシビリティの問題を取り上げたが、我々はキャプションによって恩恵を受けられる人たちのためにキャプションを付けると当初から約束していた。最高品質のキャプションを付けられるのは(AIではなく)人間と判断し、VITACの協力でライブのZoomとYouTubeのセッションにキャプションを付けた。また永続的に残る記録の一部となるオンデマンド版と文字起こしには3Play Mediaの協力を得た。点字リーダーの利用者が簡単にダウンロードできるようにマークアップのない「プレーンテキスト」版の文字起こしが欲しいという要望もあり、これも提供した。こうしたリソースはこのページのようにまとめられている。ページ上にこのセッションに関するすべての情報があり、アジェンダの関連セクションからこのページにリンクが張られている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

AI技術者とアクセシビリティのイノベーターが支援テクノロジーの未来を語るバーチャルイベント「Sight Tech Global」開催中

今後毎年開催予定のバーチャルイベントの第1回となるSight Tech Globalが始まっている。初日の配信は終了したが、第2日の配信が日本時間12月4日午前1時から始まる。初日配信分はYouTubeで録画を視聴できる。Sight Tech Globalは、アクセシビリティ分野、特に視覚障がいに関わる分野を急速に変革しているAIベースのテクノロジーを取り上げている。録画を含むイベントのアジェンダをチェックしていただきたい。

Sight Tech Globalは、アクセシビリティ関連の製品やプラットフォームに携わる注目のコミュニティを紹介することを目指している。このイベントはシリコンバレーを拠点とするNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedのプロジェクトだ。今回のイベントに対する寄付とスポンサーシップはすべてVista Centerの収入となる。

このイベントのスポンサーは以下の通り。
Waymo、Verizon Media、TechCrunch、Ford、Vispero、Salesforce、Mojo Vision、iSenpai、Ability Central、Facebook、Google、Microsoft、Wells Fargo、Amazon、Eyedaptic、Verizon 5G、Humanware、APH、accessiBe

イベント実施パートナーは以下の通り。
Cohere Studio(デザイン)、Sunol Media Group(ビデオ制作)、Fable(アクセシビリティ視聴テスト)、Clarity Media(スピーカー対応)、Be My Eyes(カスタマーサービス)、3PlayおよびVitac(字幕)

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(翻訳:Kaori Koyama)

明日のテクノロジーはどう見えるのか、見えない人に聞いてみよう

私は2009年に法律上の盲人と宣告されたが、その頃に自分を盲人と称する人を1人も知らなかった。ましてや「ロービジョン」や「視覚障がい」だと聞くことはまったくなかった。私は現在、世界最大の視覚障がい者コミュニティのBe My Eyesを運営している。Be My Eyesは、ライブのビデオ通話を利用して400万以上の人と企業が200以上の言語でユーザーをサポートするプラットフォームだ。このコミュニティの成長は我々の生活を向上させるために重要な意味を持つステップではあるが、これは現在の状況のほんの一端だ。私は多くの人から「視覚障がい者にとって良い時代だ」と聞いている。

その理由は、ここ10年間で「Sight Tech(視覚に関するテクノロジー)」が急激に進歩したからだ。かつては「支援」や「特別なニーズ」のためのテクノロジーと呼ばれるものが主流だった。今は障がい者が障がい者のために開発したテクノロジーを、あなたや、あなたの子供や、あなたの祖父母が、自身に障がいがあると認識しているかどうかにかかわらず使っている。

Sight Tech、もっと広くいうならEyes-Free Tech(視覚に頼らないテクノロジー)は、いまや私たちの生活や、私たちにとって欠かせないデバイスの至るところに関わっている。その恩恵を受けているのは視覚障がい者だけではない。すべての人にとって恩恵がある。だから私は、12月2〜3日に初のSight Tech Globalカンファレンスが開催されることをうれしく思っている。Sight Techの世界で重要な役割を果たしている人々とともに、視覚障がい者のためのデザインがあらゆる人の生活にどう役立ち影響を与えるか、その過去、現在、未来を語るカンファレンスだ。無料で参加できるので、今すぐ登録しよう

Sight Techとは何か

視覚障がい者が「見る」ことを助ける発明は、何十年にもわたってひっそりと革新を駆り立ててきた。理想に燃える発明家が、困っている人を助けたい、あるいは失われたものを取り戻したいという慈悲深い考えをもって発明をすることも少なくなかったが、Sight Techにおける真の技術の進化は単に障がい者の回復を促すものではない。あらゆる人にとって新しい能力となり、予想もしなかった革新への新しい扉を開く。12インチシングル盤レコードやコンピュータのキーボード、そして現在のデータベースの基盤となっているテキスト認識ソフトウェアはすべてもともとは視覚に障がいのある消費者のために市場に投入されたものだ。

パーソナルアシスタント、読み上げをする人、玄関の前で待っている車は「特別」だと考えられていた時代があった。しかしいまはそうではない。現在、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)が出荷するすべてのデバイスに、特別なボーナスではなく現在のハードウェアとソフトウェアの市場における競争に欠かせないものとして、こうした機能が搭載されている。あなたがスマートフォンをダークモードで使うときも運転中にSiriに話しかけるときも、もともとは視覚障がい者のために開発された「Sight Tech」をあなたも利用している。

視覚障がい者のための設計が、困っている人の支援をはるかに超える費用対効果をあげたことは何度となくあった。オーディオブックは、1934年に視覚障がいをもつ読者のために初めて開発されたときは出版社から激しい抵抗にあったが、現在の出版業界では唯一、成長しているビジネスだ。同様に、ウェブサイトを視覚障がい者向けスクリーンリーダー対応としてコーディングするのは余計な仕事のように思われていたかもしれないが、実際にはSEOを最適化し、標準的でないデバイスを使っている膨大な数のユーザーにとって利用しやすいウェブサイトを作ることにつながった。Sight Techの世界はこのようなうれしい驚きにあふれている。表面的には少数の人のために始まったデザインが、予期せずシンクロし広く使われていくのだ。

TechCrunchの最高執行責任者だったNed Desmond(ネッド・デズモンド)氏が2020年前半に設立したSight Tech Globalが、AIや視覚障がい者向けテクノロジー、デジタルインクルージョン、アクセスの平等に強い関心を持つ人々が集い、アクセシビリティコミュニティの優れた思想家や実践者から話を聴く新しい場としてバーチャルカンファレンスを開催する。参加は無料で、このカンファレンスの利益はすべて75年間にわたって視覚障害者を支援しているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedの収益となる。

Sight Tech Globalで明らかにされ、声援を送り、議論され、夢を描くのはどんなことか、少しだけご紹介しよう。ぜひカンファレンスに参加していただきたい。全体のアジェンダはウェブページで公開されている

完璧な移動を目指す

ほとんどの人にとって、自動運転車はずっと夢見ていた贅沢だ。免許を取得できない人にとっては、これまで実現できなかったレベルで自立するための鍵となる。Waymoの研究者たちは、初の自動運転タクシーが玄関前に到着したときに、利用者が見える人かどうかにかかわらずすぐ乗車して利用できるようにしなくてはならないと考えて開発をしている。

同様に、地図も視覚障がい者にとっては単なる便利な道具以上のものだ。多くの場合、地図は自分の位置や方向を知る唯一の手段であり、自立するか依存するかを分ける。視覚障がいのある開発者もない開発者も、何十年にもわたって正確で優れたナビゲーションツールを作ってきた。現在、GOOD MapsはLiDARやデータ、高速化されたプロセッサを利用して、視覚障がい者が探している場所を正確に捉えるプロダクトを開発している。

Waymo、Waymap、Good Mapsなどのプロダクトマネージャーが、A地点からB地点への移動に関する未来を語る。

次世代の話すコンピュータ

1980年代後半以降、Freedom ScientificやHumanwareといった企業が視覚情報を音や触覚に変換するソフトウェアを開発しデバイスを作って、アクセシブルなコンピューティングの基礎を築いてきた。専用のアプリが登場するずっと前から、そうしたデバイスはコンピュータを動かし、デジタル点字を表示し、オーディオブックを読者に届けた。

現在は、アップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグルといったテック巨大企業が、独自にスクリーンリーダーや支援デバイスを作っている。ナビゲーション、センサーの最適化、テキストと画像の認識などに関する他社製アプリがたくさん作られていることはいうまでもない。新しい機能がOSにネイティブに組み込まれていることで、既存の支援テクノロジー関連企業も進化している。

次のスクリーンリーダーを深く掘り下げる。また、AIやAR、ヘッドギア、触覚などの新しいテクノロジーが業界全体にわたってどのようにインターフェイスを大幅に刷新しパラダイムを変えるかを考える。

アップル、マイクロソフト、グーグル、Vispero、Humanware、アマゾンなどのアクセシビリティのリーダーたちから、2日間にわたって話を聞くことができる。

差別をしないテクノロジー

優れた新しいテクノロジーが、大きな新しい問題を生み出すこともある。AIが日常を良くするために舞い込んできて、視覚障がい者は仕事や社会生活の障壁を克服している。その一方でAIは、我々が想像もしなかった新たな偏見を生み出しかねない。現実の人間を認識し、分類し、やりとりをするためにシステムをトレーニングするが、その際に我々は障がいや多様なニーズをどう扱えばいいのだろうか。我々の文化にある偏見を継承しないマシンをどう作ればいいのだろうか。

障がい者コミュニティ支援に力を尽くしているLainey Feingold (レイニー・ファインゴールド)氏、Haben Girma(ハーベン・ギルマ)氏、George Kerscher(ジョージ・ケルシャー)氏らも、Sight Tech Globalで話をする。市民の権利としての情報アクセスや、AI時代のこれまでとこれからを鋭く語ってくれるだろう。

Sight Tech Globalは12月2〜3日にすべてバーチャルで開催され、無料で参加できる。スポンサーからの収入はVista Center for the Blind and Visually Impairedの収益となる。スポンサーの申し込みはまだ間に合う。詳しくはウェブページを見ていただきたい

【Japan編集部】本記事の著者のWill Butler(ウィル・バトラー)氏はカリフォルニア在住のライター、プロデューサー、ポッドキャストのホスト。19歳から法律上の盲人で、失明への適応に関する多くのストーリーを執筆し、プロデュースしてきた。サンフランシスコでLighthouse for the Blind and Visually Impairedに4年間勤務した後、2019年にBe My Eyesのバイスプレジデントに就任。バトラー氏が視覚障がいやアクセシビリティの世界のリーダーにインタビューする模様は「The Be My Eyes Podcast」「13 Letters」ポッドキャストで聴くことができる。

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タグ:Sight Tech Globalアクセシビリティ

画像クレジット:Molly DeCoudreaux

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(翻訳:Kaori Koyama)

視覚障がい者支援技術を考えるバーチャルイベント「Sight Tech Global」のブレイクアウトセッションを紹介

Sight Tech Globalの開催まであと2週間となり、12月2〜3日の詳しいアジェンダを公開した。このイベントは米国太平洋時間の午前8時から昼ごろまで(日本時間午前1時から午前5時ごろまで)配信される。無料で参加できるこの100%バーチャルなイベントにまだ申し込んでいない人は、今すぐ申し込もう

Sight Tech Globalでは15のセッションに35人のスピーカーが登場し、視覚障がい者を対象とした最先端のAI関連技術とアクセシビリティを語る。OrCam創業者のAmnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏、Seeing AI共同創始者のSaqib Shaikh(サーキブ・シャイフ)氏、人権問題を専門とする弁護士のHaben Girma(ハーベン・ギルマ)氏、コンピュータビジョン研究者のDanna Gurari(ダナ・グラリ)氏、Amazon(アマゾン)のL126研究者のJosh Miele(ジョシュ・ミーレ)氏、AIのエキスパートで投資家のKai-Fu Lee(李開復)氏など、この分野の第一人者の方々がスピーカーとして登場する

メインステージのセッションと並行して10のブレイクアウトセッション(分科会)も開催する。Sight Tech Globalの参加登録者数がこれまでに1200人を超えたことをたいへん喜んでいるパートナーが、30分間のブレイクアウトセッションを提供する。セッションの詳細を後述する。

これまでにも述べているが、Sight Tech Globalの素晴らしいスポンサーであるWaymo、Salesforce、Mojo Vision、Ford、Vispero、Google、Microsoft、Amazon、Wells Fargo、Comcast、accessiBe、Eyedaptic、APH、HumanWare、Verizon Media、Verizon 5G、TechCrunchに感謝している。スポンサーからの収益は、シリコンバレーで75年にわたって活動しているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

引き続き、スポンサーシップに関するお問い合わせをお待ちしている

イベントの詳しいアジェンダはウェブページでご覧いただきたい。この記事ではブレイクアウトセッションを紹介しよう。

Perkins Access: Users aren’t an add-on – Building the user perspective into the design process(Perkins Access:ユーザーはアドオンではない – ユーザーの視点を設計プロセスに組み込む)

ComcastとPerkins Access(Perkins School for the Blindのデジタルアクセシビリティに関するコンサルティング部門)が、アクセシブルなエクスペリエンスを実現するための考察、特にユーザーの視点を設計プロセスに組み込むことについて共有する。視覚障がい者に固有の課題とニーズを理解できるセッションだ。Sight Techからのダウンロード配布を予定しているPerkins Accessの「Inclusive Design Guide」の著者たちがパネリストとして参加する。

  • Gary Aussant(ゲイリー・オーサン、Perkins Access、デジタルアクセシビリティ担当ディレクター)
  • Geoff Freed(ジェフ・フリード、 Perkins Access、コンサルティング担当ディレクター)
  • Jerry Berrier(ジェリー・ベリア、Perkins School for the Blind、教育テクノロジー担当ディレクター)
  • Karyn Georgilis(カリン・ジョージリス、ハーバードビジネススクール、MBA取得予定者)
  • Tom Wlodkowski(トム・ウラッドコウスキー、Comcast、アクセシビリティ&多文化・テクノロジー・プロダクト担当バイスプレジデント)

American Council of the Blind: Get Up & get moving – A call for leveraging technology to improve health and wellness(米国視覚障害者委員会:立ち上がり動き出そう – 健康と幸福を向上させるためにテクノロジーを活用する)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大し、限界が訪れたときにテクノロジーが直面するグローバルな課題が示された。この現実は、視覚障がい者にとって不当に重い負担となっただけでなく、長年にわたって物理的、社会的、心理的な健康を害する障壁がコミュニティに存在していたことをも明らかにした。American Council of the Blind(米国視覚障害者委員会)が運営するセッションに参加して、障壁を取り払って豊かな生活を実現するためにテクノロジーに何ができるか、健康と幸福における完全な平等に向けて我々に何ができるかを考えよう。

  • Clark Rachfal(クラーク・ラクファル、American Council of the Blind、アドボカシー担当ディレクター)
  • Eric Bridges(エリック・ブリッジズ、American Council of the Blind、エグゼクティブディレクター)
  • Brian Charlson(ブライアン・チャールソン、American Council of the Blind、会員)

Benetech: Using artificial intelligence to unlock STE(A)M education(Benetech:AIでSTE(A)M教育を解放する)

人工知能は何十年にもわたって使われてきた言葉で、AIのアプリや技術は人事からヘルスケア、eコマースまであらゆるところですでに使われている。しかしAIは今後、アクセシビリティやインクルーシブ教育をどう支援していくだろうか。このセッションでは、機械学習やコンピュータビジョンといったさまざまなAI技術の基本を理解し、Benetechがそうした技術をどのように活用して複雑な書籍を変換しているかを知ることができる。アクセシブルなフォーマットにするにあたって、テキストは簡単だが、数式や画像などテキスト以外のコンテンツは簡単にはいかない。支援テクノロジーの未来と、テクノロジーが視覚障がい者のために開く新しい世界をこのセッションで紹介する。

  • Brad Turner(ブラッド・ターナー、Benetech、グローバル教育&リテラシー担当バイスプレジデント兼GM)

Salesforce: The new Office of Accessibility – Explained(Salesforce:新しいOffice of Accessibilityを語る)

SalesforceがOffice of Accessibilityの立ち上げを発表したのは1年前だった。Office of Accessibilityは、社内の利害関係者と協力してアクセシビリティのニーズを明らかにして改善計画を立て、社員教育プログラムを構築し、Salesforceとその社員、顧客、業界全体の重要な役割に広めるといったことを一手に引き受けている、新しいチームだ。

このセッションでは、グローバルアクセシビリティコンプライアンス担当シニアマネージャーのKristian Burch(クリスチャン・バーチ)氏と、UXエンジニアリング・アクセシビリティ担当シニアディレクターのRichard Boardman(リチャード・ボードマン)氏が、この革新的な動きの原動力や、プロダクトアクセシビリティなど他のチームとの関わり、成果や変化を論じる。

  • クリスチャン・バーチ(Salesforce、グローバルアクセシビリティコンプライアンス担当シニアマネージャー)
  • リチャード・ボードマン(Salesforce、UXエンジニアリング・アクセシビリティ担当シニアディレクター)

Fable: The barriers to Utopia – Why feedback comes first(Fable:ユートピアへの障壁 – なぜフィードバックが重要なのか)

最新テクノロジーについて、またテクノロジーが問題をどう解決するかについては多くのことが議論されている。しかし人についてはどうだろうか。FableのCEOであるAlwar Pillai(アルウォー・ピライ)氏、同社コミュニティリードであるSamuel Proulx(サミュエル・プルー)氏とともに、障がいのある人々から確実なフィードバックを集める方法を考えよう。

  • アルウォー・ピライ(Fable、CEO)
  • サミュエル・プルー(Fable、コミュニティリード)

Eyedaptic: Simulated natural vision technology & one user’s low-vision journey(Eyedaptic:自然な視覚をシミュレーションする技術と、あるロービジョンユーザーの経緯)

EyedapticはARによる視覚支援企業で、加齢黄斑変性など網膜に関連する視覚障がい者に対して自然な視覚をシミュレーションする。Eyedapticの新しいソフトウェアはユーザーの視覚と環境、習慣に応じて、ユーザーがまだ持っている視覚を最適化する。Samuel Newman(サミュエル・ニューマン)氏が克服した自身のロービジョンの課題や、これまでに試行したロービジョン技術を語る。

  • Jay Cormier(ジェイ・コーミエ、Eyedaptic、創業者兼CEO)
  • サミュエル・ニューマン(医療従事者、ロービジョン技術ユーザー)

Vispero: The engineering experience of adding a voice assistant to ZoomText and JAWS(Vispero:音声アシスタントをZoomTextやJAWSに追加したエンジニアリングの体験)

Sriram Ramanathan(スリラム・ラマナサン)氏とRoxana Fischer(ロクサナ・フィッシャー)氏が、音声アシスタントをWindowsで広く使われているスクリーンリーダーと拡大機能に追加した体験を語る。新しい入力メカニズムの利点と限界や、最初のコマンドセットを作る際の道しるべを考える。また、音声アシスタントのデータと会話のプライバシーや、これに関するVisperoのアプローチについても取り上げる。

  • スリラム・ラマナサン(Vispero、シニアソフトウェアエンジニア)
  • ロクサナ・フィッシャー(Vispero、ソフトウェア開発者)

Humanware: Plotting the course – delving into the past, present and future of assistive technology for the visually impaired community through the lens of artificial intelligence(Humanware:軌跡をたどる – AIのレンズを通して視覚障がい者向け支援技術の過去、現在、未来を掘り下げる)

このセッションではHumanWareの軌跡にスポットライトを当て、現在のテクノロジーの動向がプロダクト開発の将来に与える影響を考える。Eric Beauchamp(エリック・ボーシャン)氏、François Boutrouille(フランソワ・ブトルイユ)氏、Peter Tucic(ペーター・トゥッチ)氏が、これまで32年間にわたってHumanWareが視覚障がい者のための技術を開発し、今後もAIや機械学習を活用して開発を続けていくことについて話し合う。1つのタスクを解決するプロダクトを提供するという課題は、現在では複雑なディープラーニング技術を統合して動的な対象とリアルタイムでやりとりすることへと移行している。このセッションに参加すれば、その動向を深く理解できるだろう。

  • ペーター・トゥッチ(HumanWare、視覚障がい者向け製品ブランドアンバサダー)
  • エリック・ボーシャン(HumanWare、プロダクトマネジメント担当ディレクター)
  • フランソワ・ブトルイユ(HumanWare、先進技術リーダー)

Teach Access: Teaching accessibility to tomorrow’s builders(Teach Access:明日の開発者たちに対するアクセシビリティ教育)

Teach Accessは、高等教育機関、(主にテクノロジーを中心とする)企業、障がい者支援団体が集まる全国的な組織で、大学生を集めた会議を今後開催する。この会議では、新しいデジタルエコノミーの中で今後台頭する世代にとって、アクセシブルデザインと開発に関する大学での教育はアクセシビリティのスキルのギャップを埋めることにどう寄与するかを議論する。

    • Kate Sonka(ケイト・ソンカ、Teach Accessエグゼクティブディレクター、ミシガン州立大学アカデミックテクノロジー担当アシスタントディレクター)
    • Larry Goldberg(ラリー・ゴールドバーグ、Teach Access共同創業者、Verizon Mediaアクセシビリティ責任者)

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(翻訳:Kaori Koyama)

視覚障がい者のためのテクノロジーを考えるバーチャルイベント「Sight Tech Global」のセッションを新たに2つ公開

バーチャルイベントのSight Tech Globalが2020年12月2日〜3日に開催される。今すぐ、無料の参加パスを申し込もう。視覚障がい者の生活を向上させるAI関連テクノロジーとアクセシビリティを考えるセッションを多数予定している

本記事の後半で2つのセッションを新たに公開する。また、Sight Tech Globalのホストも紹介しよう。Be My Eyesのバイスプレジデントで、人気ポッドキャスト「Be My Eyes」と「13 Letters」を配信しているWill Butler(ウィル・バトラー)氏だ。バトラー氏はSight Tech Globalのバーチャル「デスク」を運営して、セッションの解説やスピーカーと進行役の紹介をする。Be My EyesはSight Tech Globalの参加者をサポートするパートナーにもなっていて、イベント中にボランティアが待機し質問がある人に対応する。

バトラー氏は、このイベントでTechCrunch関係者が進行する一部のセッションにも参加する。

では新しいセッションを2つ、紹介しよう。

AI, Fairness and Bias: What technologists and advocates need to do to ensure that AI helps instead of harms people with disabilities(AI、公平性、偏見:AIを障がい者に悪影響を及ぼさず役立てるために技術者と支援者に求められること)

自然言語処理やコンピュータビジョンといったAIベースのテクノロジーがアクセシビリティに大いに役立つツールであることは明らかだが、データベースの中に確立された「普通の人」と障がいのある人を対比することによってAIテクノロジーが偏見を助長することもある。このセッションではそうした例(雇用関連ソフトウェア、福祉に関する決定、自動運転車など)と、問題の解決に役立つアプローチをいちから考える。

Jutta Treviranus(ユタ・トレヴィラヌス、Inclusive Design Research Center、ディレクター)
Lydia Brown(リディア・ブラウン、Privacy and Data Project、ポリシーカウンセル)
進行:Jim Fruchterman(ジム・フルヒターマン、Benetech、創業者)

Inventors invent: Three new takes on assistive technology(発明者たちの発明:アシスティブテクノロジーに関する3つの新しい成果)

発明者たちはその優れた才能を視覚障がい者の支援に役立てることに長く取り組んできた。代表的な例として、6点式点字を考案したLouis Braille(ルイ・ブライユ)や、AI研究者で読み上げ機など多くの発明をしたRay Kurzweil(レイ・カーツワイル)といったイノベーターが挙げられる。現在の熱意あるパイオニアたちには、安価なセンサー、高速データネットワーク、クラウド上のデータとコンピューティングがあり、これまでできなかったことができるようになっている。このセッションでは、3人の創業者が障がいのある人々の生活を向上させると信じて製品化したばかり、あるいはまもなく製品化される成果を紹介する。

Keith Kirkland(キース・カークランド、Wayband)
Karthik Mahadevan(カールティク・マハーデーヴァン、Envision Glasses)
Andreas Forsland(アンドレアス・フォースランド、Cognixion)
進行:Ned Desmond(ネッド・デズモンド)

サンフランシスコのベイエリアで75年にわたって人々を支援しているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedが、Sight Tech Globalを設立した。このイベントは完全にボランティアによって運営され、収益はすべてVista Centerの収入となり視覚障がい者の支援に使われる。Waymo、Salesforce、Mojo Vision、Ford、Vispero、Google、Microsoft、Amazon、Wells Fargo、Comcast、accessiBe、Eyedaptic、APH、Humanware、Verizon Media、TechCrunchがスポンサーとしてSight Tech Globalを支援していることに大変感謝している。引き続き、スポンサーについての問い合わせをお待ちしている

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視覚障がい者のためのアクセシビリティと支援技術を語るバーチャルイベント「Sight Tech Global」のセッションを紹介

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タグ:Sight Tech Globalアクセシビリティ

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(翻訳:Kaori Koyama)

視覚障がい者のためのアクセシビリティと支援技術を語るバーチャルイベント「Sight Tech Global」のセッションを紹介

2020年12月2〜3日に開催されるグローバルのバーチャルイベント「Sight Tech Global」は、視覚障がい者のためのアクセシビリティと支援技術の未来を開く高度なテクノロジー、特にAIに関する世界トップの専門家に集まっていただくことを目指している。

この記事ではさまざまなセッションを紹介する。このほかにもAIバイアスや市民の権利など、さらにいくつかのセッションやブレイクアウトが予定されている。何週間にもわたる調査や話し合いからわかったのは、研究者や技術者、製品と設計を考える人たちは、みんなで集まって、見通しや課題、脅威といった未来について話し合いたいという一貫した強い関心を持っているということだ。

テクノロジーのリーディングカンパニーが揃い踏みし、多くの大学やスタートアップからトップレベルのメンバー(Sight Tech Globalリリース)を迎えて、講演や専門性の高いプロが進行するパネルディスカッションを実施できることをとても喜んでいる。一部のセッションでは視聴者からの質問も受け付ける予定だ。

イベント開催が近づいたら、各セッションの日時や追加のスピーカーを紹介する。今すぐ参加申し込みをしておこう。以下にSight Tech Globalのセッションの第1弾を発表する。

Seeing AI: Where does Microsoft’s blockbuster app go from here?(Seeing AI:マイクロソフトの大ヒットアプリはこれからどこへ向かうのか)

コンピュータがパワフルになりクラウドにあるデータリソースを使えるようになって、Microsoft(マイクロソフト)のSeeing AIモバイルアプリは視覚に困難があるすべての人にとってこれからより良い味方になっていくはずだ。Seeing AI共同創始者のSaqib Shaikh(サーキブ・シャイフ)氏が、アプリがクラウドを活用する未来をつくるエンジニアリングチームを率いている。

Saqib Shaikh(サーキブ・シャイフ、マイクロソフト、Seeing AI、共同創始者)
進行:Devin Coldewey(デヴィン・コールドウェイ、TechCrunch)

The future according to OrCam(OrCamの考える未来)

AIベースのコンピュータビジョン、音声認識、自然言語処理が進むにつれて、現実の世界を理解し情報をタイムリーにやりとりするデバイスの設計がエンジニアリングの課題となっている。Amnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏が手がけるOrCam MyEyeは、専用デバイスでこうしたテクノロジーを統合してシームレスなエクスペリエンスを実現する先進的な取り組みを進めている。

Amnon Shashua(アムノン・シャシュア、OrCamおよびMobileye、共同創業者)
進行:Matthew Panzarino(マシュー・パンザリーノ、TechCrunch編集長)

Accessibility from the wheels up: The Waymo self-driving taxi(走り出す車のアクセシビリティ:Waymoの自動運転タクシー)

視覚障がい者がUberLyftによって自由を得られるとしたら、彼らがスマートフォンのアプリから自動運転タクシーを呼び出すのはどういう感じか想像して欲しい。実際のところ、来た車両をどうやって見つけるのだろうか。乗ったら何が起きるのだろうか。プレゼンターのClem Wright(クレム・ライト)氏は自動運転タクシーのアクセシビリティ責任者だ。この取り組みに緊密に関わる2つの組織、Lighthouse for the BlindとFoundation for Blind Childrenのリーダーもセッションに参加する。

Clem Wright(クレム・ライト、Waymo、アクセシビリティプロダクトマネージャー)
Marc Ashton(マーク・アシュトン、Foundation for Blind Children、CEO)
Bryan Bashin(ブライアン・バシン、Lighthouse for the Blind、CEO)
進行:Kirsten Korosec(キルステン・コロシェッツ、TechCrunch)

Our AI future is already here(AIの未来はすでにここにある)

AlexaにしてもテスラにしてもFacebook(フェイスブック)にしても、AIはすでに私たちの日常に深く組み込まれている。科学者のKai-Fu Lee(李開復)博士(Sinovation Venturesサイト)ほど、このことを理解している人はそうはいない。李博士はカーネギーメロン大学の博士課程在籍中に話し手に依存しない連続的な音声認識システムを初めて開発した後、中国のGoogle(グーグル)を率い、マイクロソフトとアップルの上級職を歴任した。現在は中国を拠点とする20億ドル(約2100億円)のファンド「Sinovation Ventures」を運営し、SinovationのAI研究施設の所長を務めている。ソーシャルメディアのフォロワー数は5000万人を数える。

Kai-Fu Lee(李開復、Sinovation Ventures、チェアマン兼CEO)
進行:Ned Desmond(ネッド・デズモンド、Sight Tech Global)

The future of AT devices and the companies that make them(支援技術デバイスと、それをつくる企業の未来)

専用デバイスか、アクセシブルなプラットフォームか。DAISY図書を再生できる携帯サイズの読書機のVictor Reader Streamか、iPhoneやAlexaか。支援技術企業は、クラウドデータとエッジコンピューティングパワー、AIのアルゴリズム、そしてこれまで以上に要求の厳しい顧客が存在する世界をどう活用していくのか。Humanware、eSight、APHはすでにそうした未来を見通している。

Gilles Pepin(ジル・ペパン、Humanware、CEO)
Greg Stilson(グレッグ・スティルソン、APH、グローバルイノベーション責任者)
Charles Lim(チャールズ・リム、eSight、CEO)
進行:Betsy Beaumon(ベッツィ・ボーモン、Benetech、CEO)

If the Jetsons had screen readers, would they be using keyboard commands?(宇宙家族ジェットソンがスクリーンリーダーを持っていたら、彼らはキーボードコマンドを使ったか?)

スクリーンリーダーは視覚障がい者にとってこれまでで最も重要なデジタルテクノロジーと言っても過言ではない。同時に、スクリーンリーダーは気が遠くなるほどたくさんのキーボードのコマンドに依存している。そしてブラウザでウェブサイトを読み上げようと思ったら、ウェブサイトのアクセシビリティの貧弱さという忌まわしい現実に苦しめられる。新しいテクノロジーがもっと良い方法へとつながるかもしれない

Glen Gordon(グレン・ゴードン、Vispero、ソフトウェアフェロー / JAWS、アーキテクト)
James Teh(ジェームズ・テー、Mozilla、アクセシビリティエンジニア / NVDA、共同創業者)
Léonie Watson(レオニー・ワトソン、TetraLogical、ディレクター)
進行:Matt King(マット・キング、フェイスブック、アクセシビリティ技術プログラムマネージャー)

Alexa, what is your future?(Alexa、あなたの未来は?)

6年前にAmazon(アマゾン)のAlexaが登場したとき、音声アシスタントが何百万人もの人の生活に入り込み、視覚障がい者にとってこれほど便利な存在になるとは誰も想像しなかった。2020年秋、Alexaにパーソナライズと会話の機能が導入され、家の中にいるもっと人間的なパートナーへと一歩前進した。AmazonのJosh Miele(ジョシュ・ミーレ)氏とAnne Toth(アン・トス)氏が、Alexaの機能が増えることによるアクセシビリティへの影響(未訳記事)を論じる。

Anne Toth(アン・トス、アマゾンのAlexa Trust、ディレクター)
Josh Miele(ジョシュ・ミーレ、アマゾンのLab126、主任アクセシビリティ研究者)
進行:Devin Coldewey(デヴィン・コールドウェイ、TechCrunch)

Augmented reality and perception: What’s the best way to get the message across?(ARと認知:メッセージを伝える最適な方法は何か)

AIベースのシステムが、左へ曲がるタイミングやドアから入ってきた人、ソファまでの距離を「知る」ことは重要だ。しかし気をそらすことなくタイムリーに情報を伝えるのも、それとは別に重要である。研究者たちは触覚、視覚のAR、音、言葉を使った適切なソリューションを見つけようとしている。

Amos Miller(アモス・ミラー、Microsoft AI and Research、プロダクトストラテジスト)
Ashley Tuan(アシュリー・トゥアン、Mojo Vision、メディカルデバイスVP)
Sile O’Modhrain(シル・オモドレイン、ミシガン大学パフォーミングアーツテクノロジー、准教授)
進行:Nick Giudice(ニック・ジュディチェ、メイン大学空間情報科学、教授)

Wayfinding: Finding the mark(道案内:目印を見つける)

スマートフォンの地図アプリは音声出力で利用できる驚異的なツールだが、主なアプリは詳細な位置情報、特にビル内の情報や公共交通機関の状況を読み上げることはしない。こうした情報こそが、視覚障がい者が本当に必要としているにもかかわらずだ。米国と英国での取り組みによりナビゲーションのアクセシビリティが改善している。

Tim Murdoch(ティム・マードック、Waymap、創業者兼CEO)
Nick Giudice(ニック・ジュディチェ、メイン大学空間情報科学、教授)
進行:Mike May(マイク・メイ、GoodMaps、チーフエバンジェリスト)

Computer vision, AI and accessibility: What’s missing from this picture?(コンピュータビジョン、AI、アクセシビリティ:足りないものは何か)

見えている世界を視覚障がい者の代わりに解釈するAIにとっては、何を見ているかを知ることが必要だが、適切なものを見ることもそれに劣らず重要だ。通常のコンピュータビジョンのデータベースでは「まだ」それが十分にできていない。

Danna Gurari(ダナ・グラリ、テキサス大学画像&ビデオコンピューティンググループ、助教授兼責任者)
Cecily Morrison(セシリー・モリソン、Microsoftヒューマンエクスペリエンス&デザイン、主任研究員)
Patrick Clary(パトリック・クラリー、Google AI&アクセシビリティ、プロダクトマネージャー)
進行:Roberto Manduchi(ロベルト・マンドゥチ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校コンピュータサイエンス&エンジニアリング、教授)

この他にもセッションやブレイクアウトを準備している。現在、参加を受付中だ。いまのうちに申し込みをしておこう。

Sight Tech Globalのスポンサーとなることを検討している方々は、 ぜひお問い合わせいただきたい 。現在、ありがたいことにアマゾン、Ford、グーグル、マイクロソフト、Mojo Vision、Waymo、Wells Fargo、Humanwareがスポンサーとなっている。スポンサーからの収益はすべて、シリコンバレーで75年にわたって活動しているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

Sight Tech Globalのアドバイザーに深く感謝している。Tech MattersのJim Fruchterman(ジム・フルヒターマン)、カリフォルニア大学サンタクルーズ校のロベルト・マンドゥチ、Verizon MediaのLarry Goldberg(ラリー・ゴールドバーグ)、フェイスブックのマット・キング、Be My EyesのWill Butler(ウィル・バトラー)の各氏は、このプロジェクトで計り知れないほど価値のある役割を果たしてくれている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Appleのアクセシビリティリサーチ責任者や盲ろうの障がい者権利弁護士などがバーチャルイベントのSight Tech Globalに登場

先日、12月2〜3日のSight Tech Globalでお届けするセッションについて10のテーマをまず発表した(未訳記事)。Sight Tech Globalは世界トップの技術者が集い、AIベースのテクノロジーがアクセシビリティの未来をどう変革するかを考えるバーチャルイベントだ。この記事では先日の発表に続き、さらに3セッションを紹介する。Sight Tech Globalの参加は無料で、現在、参加登録を受け付けている

Designing for everyone: Accessibility innovation at Apple(すべての人のための設計:アップルにおけるアクセシビリティの革新)

Apple(アップル)はアクセシビリティを設計の基本原則として長く取り入れてきた。アップルは史上最も人気のあるコンシューマープロダクトをいくつも作ってきただけでなく、最もパワフルなアシスティブデバイスも作ってきた。アップルのSarah Herrlinger(サラ・ヘルリンガー)氏とJeffrey Bigham(ジェフリー・ビガム)氏が、アップルの最新アクセシビリティテクノロジーについて、また同社が革新、エンパワーメント、インクルージョンの文化をどう醸成しているかについて論じる。

サラ・ヘルリンガー氏(アップル、グローバルアクセシビリティポリシー&イニシアチブ担当シニアディレクター)
ジェフリー・ビガム氏(アップル、AI/MLアクセシビリティリサーチ、リサーチ責任者)
進行:Matthew Panzarino(マシュー・パンザリーノ、TechCrunch編集長)

Inventing the accessible future, by collaboration or by court(協力で、そして法廷で、アクセシブルな未来をつくる)

技術者が新しくエキサイティングな革新を設計するときに、その設計が視覚障がい者を考慮していることは稀だ。支援者たちは教育から訴訟までさまざまな戦略を駆使して、未来のすべての技術にアクセシビリティを組み込むよう働きかけている。盲ろう者として初めてハーバード・ロー・スクールを卒業したHaben Girma(ハーベン・ギルマ)氏、障がい者権利弁護士のLainey Feingold(レイニー・ファインゴールド)氏、国際デジタルパブリッシングフォーラム代表のGeorge Kerscher(ジョージ・ケルシャー)氏が、黒人、先住民族、有色人種を含む視覚障がい者にとって完全にアクセシブルな未来をつくる戦略を話し合う。

ハーベン・ギルマ氏(障がい者権利弁護士、スピーカー、「Haben: The Deafblind Woman Who Conquered Harvard Law」著者)
レイニー・ファインゴールド氏(障がい者権利弁護士、「Structured Negotiations: A Winning Alternative to Lawsuits」著者)
ジョージ・ケルシャー氏(DAISYコンソーシアム最高革新責任者、Benetechグローバル教育&リテラシーグループシニアアドバイザー、国際デジタルパブリッシング(IDPF)フォーラム代表)
進行:Megan Rose Dickey(メーガン・ローズ・ディッキー、TechCrunchシニア記者)

What can a body do? How we meet the built world(体には何ができるのか?構築された世界との出会い)

技術者は自分の仕事が人々に与える影響を想像することを好むが、それでは生活に与える本当の影響をきちんと知ることにはならないし、人々、特に障がいのある人々が自分の環境やコミュニティに対して本当に望んでいるものを理解することにもならない。デザイナーのSara Hendren(サラ・ヘンドレン)氏の著者「What Can a Body Do?」について、Katy Waldman(ケイティ・ウォルドマン)氏は「New Yorker」で「(ヘンドレン氏が書いた内容の)目的は革新に水を差すことではない。ツールを超えて、環境と協調し彼らを支援するテクノロジー以上に奇跡的な適応力を持つ人々を再び中心に置くことだ」とレビューしている。

サラ・ヘンドレン氏(オーリンカレッジ、准教授)
進行:Will Butler氏(ウィル・バトラー氏、Be My Eyesバイスプレジデント)

近日中に、さらに他のセッションやブレイクアウトについて紹介する予定だ。今のうちに申し込んでおこう

Sight Tech Globalのスポンサーとなることを検討している方々は、ぜひお問い合わせいただきたい。現在、ありがたいことにAmazon(アマゾン)、Ford、Google(グーグル)、Humanware、Microsoft(マイクロソフト)、Mojo Vision、Salesforce、Waymo、Wells Fargoがスポンサーとなっている。スポンサーからの収益はすべて、シリコンバレーで75年にわたって活動しているNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

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タグ:Sight Tech Globalアクセシビリティ

画像クレジット:Sight Tech Global

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(翻訳:Kaori Koyama)

アクセシビリティにおける次世代のブレイクスルーは文字通り「あなたの頭の中」にある

視覚障がい者にとってのテクノロジーの未来を予想することは、おそらくあなたが考えるよりも簡単だ。2003年に私はAmerican Foundation for the Blindが出している「Journal of Visual Impairment & Blindness」に「あなたの手の中で」というタイトルの記事を書いた。iPhoneが登場する4年前だが、支援技術の中心はデスクトップPCからスマートフォンへ移行すると私は自信をもって予想することができた。

私は「100ドル(約1万600円)を切った携帯電話は、見えない人のために見て、読めない人のために読み、話せない人のために話し、覚えられない人のために覚え、迷ってしまった人を案内することができるようになるだろう」と書いた。ありそうもないようにも思えたかもしれないが、その当時の技術のトレンドを見ると、そうした移行は必然だった。

私たちは今、同じような時期にいる。だから12月2〜3日にバーチャルで開催されるイベントのSight Tech Globalに参加できることをたいへん楽しみにしている。このイベントにはトップクラスの技術者が集い、AIや関連テクノロジーが、視覚障がい者のためのアクセシビリティと支援技術がめざましく進化する新しい時代をどう先導するかが議論される。

未来を目指すために過去を振り返ってみよう。1990年代に、私は支援技術起業家のパイオニアで視覚に障がいのあるJoachim Frank(ヨアヒム・フランク)氏と一緒にドイツの都市、シュパイヤーを歩いていた。ヨアヒム氏は私に、その時点で支援技術にできることと対比して本当はどうして欲しいか、空想を語ってくれた。彼は街を歩きながら、技術が進化したら自分にとってはこんなふうに役に立つという印象に残るストーリーを3つ話した。

  • 街やスーパーマーケットを歩くときに、看板をすべて読み上げて欲しいわけではない。でも、カスラーキプヒェン(好物の燻製ポークチョップ)を売っているという看板があってそれがお得な値段だったら、私の耳元でささやいて欲しい。
  • 向こうから若い女性が歩いてきたら、その人が結婚指輪をつけているかどうかを知りたい。
  • 誰かが私の後を2ブロック付けてきていて、その男が強盗だとわかっているなら、そのことを知りたい。そして歩く速度を上げ、50メートル前進し、右へ曲がり、さらに70メートル進めば警察に着くと教えて欲しい!

ヨアヒム氏の話に私は圧倒された。彼は短い散歩の間に、テクノロジーは自分のために何ができるかについての大胆なビジョンを細かいところに捕らわれず簡潔に語った。お金を節約し、新しい友人に出会い、自身の安全を守って欲しいと彼は望んでいた。視覚に障がいがない人と同等の能力に止まらず、さらにそれを上回りたいと望んでいた。そして特に「彼について」、そして「彼の」希望やニーズを理解するツールを望んでいた。

私たちは、ヨアヒム氏の夢を現実にできる時期に近づいている。アシスタントが耳元でささやくのか、ダイレクト神経インプラントを使って通信するのかは問題ではない。おそらく今後、 両方とも出てくる。しかしテクノロジーの細胞間結合のネクサスは頭の中で動き、アクセスの平等を実現するためのパワフルな道具になるだろう。サービスとしての知覚を持つ新しいテクノロジースタック。アルゴリズムによる識別を上回る対応策。テクノロジーのパーソナライズ。手頃な価格。

そうしたエクスペリエンスは、クラウドの豊富なアプリケーションとたやすく利用できるテクノロジースタックの上に構築されるだろう。テクノロジーにアクセスするコストが安くなればなるほど、プロダクトデザイナーはすばやく作り、実験することができる。最初のうちは高価でも、おそらくは障がい者以外の人々にも採用されるようになれば、それほど時間はかからずに価格は下がる。視覚障がい者向け技術に関する私のキャリアは、読み取り技術の価格を半額の5000ドル(約52万8000円)に引き下げたことで大きな話題となった読み取り機の開発から始まった。今ではそれより性能の良いOCRをスマートフォンの無料アプリで利用できる。

我々がどのようにしてヨアヒム氏の夢を現実にし、多くの視覚障がい者のニーズを満たすかを、12月2〜3日のSight Tech Globalで詳しく掘り下げる。そしてこのイベントでは、テクノロジーのツールであなたの想像をどのように実現できるかを世界有数のエキスパートとともに探る。これはたいへん興味深い。

登録は無料で、誰でも参加できる。

日本語版注:本稿を執筆したJim Fruchterman(ジム・フルヒターマン)氏は、社会貢献活動を支援する技術開発者の非営利団体、Tech MattersおよびBenetechの創業者だ。

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画像クレジット:RyanJLane / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)