米連邦通信委員会がSIMスワップ詐欺に対抗する新規則を提案

ここ2、3年で、SIMスワップ詐欺の被害が増加している。最近はほとんどのオンラインサービスが電話番号に関連付けられているため、この手法は被害者の生活を破壊するおそれがある。現在、Federal Communications Commission(米連邦通信委員会)は、SIMスワップ詐欺やポートアウト詐欺など、電話番号や個人情報を乗っ取る手口を防止するための新たな規則を制定しようとしている

同委員会によると、これらの乗っ取り手法によって「重大な苦痛、不便、経済的被害を受けた」消費者から多数の苦情が寄せられているという。SIMスワップとは、悪質な行為者が無線通信事業者を騙して、被害者のサービスを自分が保有する携帯電話に移す手法だ。悪質な行為者が被害者のサービスと番号を別の通信事業者に移すことに成功した場合、それはポートアウト詐欺と呼ばれる。

詐欺師が標的とする被害者の電話番号の支配権を得ることを難しくするために、FCCはCPNI(Customer Proprietary Network Information、顧客に関する専属的ネットワーク情報)とLocal Number Portability(地域電話番号ポータビリティ)の規則を改正しようとしている。具体的には、顧客が新しい電話機に機種変更したり、他の通信事業者へサービス移管することに同意する前に、より安全な方法で本人確認を行うことを事業者に求めるというものだ。また、SIMカードの移行や別の通信事業者への移転の要請が、顧客のアカウントで行われた場合、プロバイダーは顧客に通知して確認を取ることを義務付ける規則も提案している。

FCCの規則制定プロセスの一環として、現在これらの提案に対して一般市民がコメントできるようになっている。連邦通信委員会は、これらの提案を読んだ上で、一般市民が声を届けることができる機会を再度提供してから、前述の規則を改正するかどうかを決定しなければならない。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moonは、Engadgetの編集委員。

画像クレジット:Luciano Belviso Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Mariella Moon、翻訳:Hirokazu Kusakabe)