Skydioの「自律飛行」ドローンの第2世代は速くて小さくて値段も半分

Skydio(スカイディオ)の初代自律型ドローンR1と、DJIのどれかの製品とどちらを買おうかと迷う人は、それほどいなかっただろう。R1は、どうしても予備機として位置付けられがちなものであり、値段もほぼ2000ドル(約22万円)と高価だった。ユーザーにとって、技術的には優れていてときには便利な場面もあるが、やはりちょっと変態的なものだったのは否めない。

ワクワクさせられるようなものであっても、どうしてもかなりニッチな製品だったのだ。Skydioは、それとはまた異なった種類の自律型ドローンを開発するために、Andreessen Horowitz、IVPおよびPlayground Globalから、7000万ドル(約75億3900万円)の資金を調達した。

第1世代の機体は、見た目からしていかにもプロトタイプのような感じだったが、同社が間もなくリリースするSkydio 2は、メインの機体として持つのにふさわしい機能性を備えている。このドローンの価格は、初号機の半額の999ドル(約10万7500円)で、より速く飛び、はるかに小さくなり、よりポータブルで、バッテリー寿命も長い。オプションのアクセサリを使えば、一般的なドローンと同じように手動操縦で飛ばすこともできる。

R1の最大の問題は、その卓越した自律飛行モードが侵し難いデフォルトで、他の使い方はできなかったこと。2000ドルもする製品を買っても、日が暮れてしまうと、離陸することすらできなかった。飛行距離も短く、速度も速い方ではない。結局は、特殊な状況では役に立っても基本的なことができない、というデバイスに縛られてしまうことになる。ただし、以前には考えもしなかったようなショットが撮れるのも確かだ。たとえば、スノボで山の斜面をバレリングして滑り降りながら、後ろにぴったりドローンを追従させて撮影するようなことも可能だ。それでいて、ドローンを操縦して水平に動かしながらパノラマ的な映像を撮ることはできない。そうかと思えば、組み込まれた動作を使って、映画の1シーンのような「ドローニー」と呼ばれる一種の自撮りはできる。

Skydio 2は、やはり自律飛行に主眼を置いているが、オプションで、マニュアル操縦が可能な149ドル(約1万6000円)のコントローラーも用意している。また、ドローンをより遠くまで飛ばし、ユーザーをさらに正確に追跡できるビーコンも、同じく149ドルのオプションとして用意する。ドローンの飛行レンジは、スマホで操作する場合には200m、ビーコンなら1.5km、コントローラーなら3.5kmとなっている。

速度はかなり速くなり、航続時間もじゃっかん長くなっている。第1世代の最高速度が26mph(約42km/h)だったのに対し、第2世代の機体は36mph(約58km/h)となった。バッテリー寿命は23分で、まだDJIのMavic 2には及ばないが、Skydioの初号機の性能は上回っている。

新しいコントローラーを使って、このドローンを飛ばしてみる機会が得られた。このドローンは、その賢さを、操縦者が忘れてしまったころに真価を発揮する。通常のドローンでは、林立する木の間を真っ直ぐに飛ばすなどというのは、かなり熟練したドローンパイロットにとっても悪夢のような体験だ。それもSkydio 2なら朝飯前。真っ直ぐに進めという操縦者の指示は、大きな目的として守りながら、木の枝や幹といった障害物を避けながら進む具体的な経路を自分で探し出して飛ぶ。エキスパートになるつもりもない初心者の操縦者にとって、これは非常に価値の高い機能だ。少なくとも私が体験した範囲では、どんな状況でも安心して飛ばすことができた。

消費者向けドローンの市場は、多くのメーカーがかなり拮抗しているが、この価格であれば、Skydio 2は、先行する競合と比べても広い客層をつかみ、それなりに売れるだろう。

Skydio 2は、少ないリソースでより大きな成果を上げている。搭載するトラッキング用のカメラは、前任機が12台だったの対し、6台のみとなった。トラッキング用ではなく、ジンバルで保持されたSkydio 2のメインカメラの画質は、そこそこ何にでも使えそうな、4Kで60fpsという仕様の撮影が可能なもの。しかし、本当の映りを評価するには、もう少し長い間、このドローンを使ってみる必要があるだろう。

ドローン市場の現状を見渡してみれば、Skydioは、信じられないほど競争力のあるドローンを開発し、かなり手に入れやすい価格で販売しようとしていることがわかる。同社の最初の製品は、アクションカメラ愛好家向けの実験的なものだった。Skydio 2は、DJIの世界ではほとんど見られないような方法で、消費者向けドローン市場の風向きを変える可能性もある。

Skydio 2は、11月に999ドルで数量限定で発売される。発売に先立ち、現在同社のウェブサイトでは100ドル(約1万700円)で予約を受け付けている。同社は、昨年初めに発売した初号機を購入した人は、Skydio 2を「大幅な割引価格」で入手可能になるとしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Apple StoreでSkydioの自律飛行ドローンを買えるしApple Watchからコントロールもできる

これからはほんの数タップで、Skydioの1999ドルの自律飛行ドローンをApple Watchからコントロールできる。まるで自分がSFの主人公になったように、高価な自律飛行ドローンを、小さな腕時計型のコンピューターで操縦できる。

このとってもクールな自動飛行ドローンR1は、アメリカのApple Storesでも買えるようになる。これからは、Webサイトに注文しなくてもお店でドローンを買えるようになるのだ。これまでAppleで買えたドローンは、ドローン最大手のDJIのものがほとんどだったが、その中でSkydioは、エリートのような位置づけになる。

ところで、現実に話を戻すと、しかしそもそも、一体何のためにApple Watchからドローンをコントロールしなければならないのだ? 確かに、適切な質問だ。Apple Watchはサードパーティアプリが山のようにあったが、最近ではデベロッパーもAppleも、このデバイスは、何かを積極的にするよりもむしろ、受動的な用途に向いてることに気づき始めた。

SkydioはR1を、GoProのユーザーのような人たちが使う、と位置づけている。とってもユニークな映像を、ドローンが自動操縦で撮ってくれるのだ。でもスマートフォンの上でSkydioのアプリを使うと、今やってるアクションをちょっとやめて、何よりもまずスマホの画面を確認する、という作業が入る。でもApple Watchならもっと撮りやすい、と言える用途がいくつかあるだろう。たとえば、自転車に乗ってる自分をドローンで撮りたい、というときは、スマホの画面という面倒なもののない、ウォッチからのコントロールがずっと楽だ。狭いところで、ローキーな映像を撮りたいときも、ウォッチならコントロールしやすい。

このWatchアプリは単純明快なUIで、ドローンのコントロール項目がたくさんある。スキルのリストがあり、Lead, Follow, Orbitなどのタッピングのモードもある。もっとおもしろいのは、写っている人を指定して、その人を追えることだ。Watchからのコントロールは意外なほど良好で、このデバイスに本来ある強力な機能か、と錯覚してしまう。

Skydioのユーザーにとっては、Watchでコントロールのオプションが増えたことになる。操縦のメカニズムとして理想的、とは言えないけど、とにかくもっと楽にR1を操縦したいと思ったら、このオプションを使いたいだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Skydioの新ドローンは自動飛行で自動車を空撮

13基ものカメラを搭載したスーパークールかつスーパー高価なドローン、 Skydioに最初のメジャーアップデートが来た。高速で自動追尾しながら撮影できる対象が増えた。自動車だ。

サンフランシスコ周辺のベイエリアを本拠とするスタートアップのプロダクト、R1は人間や自転車だけでなく、いまや自動車の追尾が可能になった。ただしドローンの飛行速度は時速40キロのままなのでNascarのレーシングカーを追尾するわけにはいかない。しかし高度な自動飛行テクノロジーのおかげで、従来はベテランのドローン操縦者でも困難だった曲がりくねって障害物の多い地形でも自動車をトラッキングして空撮できる。

われわれのR1のレビュー記事でも触れているが、ドローンの強みはハードウェアの品質と同時にソフトウェアのアップデートによって能力が拡張できるところにある。実際、2ヶ月たたないうちに今回のアップデートで重要な能力が追加されたわけだ。

SkydioのCEO、Adam Bryはプレスリリースで「Skydio R1では映像体験はソフトウェアによって決められる。つまり現在のユーザーも未来のユーザーもわれわれのソフトウェアのアップデートによって根本的に新しい能力を獲得できる」と説明している。

自動車追尾モードに加えて、Skydioには新しくリード・モードが提供された。これは実際に撮影する前に飛行経路を設定し、それにしたがって実際の撮影が行われる。同社では「今回のアップデートによってドローンの動作がさらに賢くなり障害物を避ける能力が向上した」としている。またクォーター・フォロー、クォーター・リードなどのモードが加わり、真後ろからの追尾以外の映像が得られるようになった。

Skydio R1 Frontier Editionはこうした能力を考えればおそらく適切であろう2499ドルという価格で提供される。ソフトウェアのアップデートは今日から可能だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+